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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
大型害獣よけおもち。「あんぴん」さんです。

あんぴん

陸中の国の久慈に伝わるもので、
田畑を荒らす大型のけものたちが出て来るのを祓うおまじないとして、
小豆(あずき)のあんを入れたお餅である「あんぴん」をつくったといいます。



「あんぴん」は「餡餅」の意味で、
ひろく用いられてるお菓子の呼び名です。



石橋幸作『駄菓子風土記』では、小豆が悪魔を払うちからを持つためか
と考察されてますが、詳しい起源は不詳。





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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ひからないほうがよい星。「せきし」さんです。

せきし 積尸

漢字で書くと「積尸」で、
二十八宿のうちの胃宿に属する星で、積廩(せきりん)とも呼ばれます。




死喪をしめすという星で、この星が明るく大きく光ったり、
周辺にしたがう星が多く増えてみえたり、火星が近づいたりするのは
死喪が増えたり、兵乱が多いの兆しと言われています。



この星の明るさは
弱く見えづらいほど、よいと占われてました。





昨日の世界篇で登場してた
ラス・アル・グル」や「ロシュ・ハ・サタン」とはおなじ星です。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ハロウィンですのでおなじみ世界篇アップ連続興行です。
今年もまた海外から12体、連続アップ致しましたので
こちらのひとくち解説とも共に、おたのしみくださいませ。




それでは、とざい、とーーーざいーーーーーーーーーーーーーーーーー。







ダン・ニ・ベグ(Dan ni begu)
まずはじめのアップは、スマトラのあたりに飛んで
毒きのこのことを示す「死霊のきのこ」「幽霊のきのこ」という意味合いのコチラから。
「ベグ」というのがバタックのひとびとのあいだでの死霊・幽霊をさすことばで、
人間を害する病気とか事故とかいうものはだいたい「ベグ」たちの起こすものだ
という認識があることから、からだによくない毒を持つきのこたちも
「ベグ」が関わってるものだという風に見られてたというコトですネ。


ラ・セグア(La Cegua)
つづいては、コスタリカから。唄声で魅了して来るタイプの妖怪。
正体が「馬」なんぢゃよという妖怪は、あちらのほうには割りかしいるみたいです。
ぜんらまるさんがおすすめしてるエリアス・セレドン『コスタリカ伝説集』に
収録されてる妖怪のひとつ――を描いてみた1枚です。


ミンゲヘ(Mingehe)
赤道ふきんをぐるりとまた飛んで廻って、おつぎはコンゴ。
ひとびとに幸(さち)をもたらす精霊さん的なもの。
「水」が重要な要素でもあるようで、『民族地理』下巻での解説をみてみると
川の中の鰐・魚たちとも関係が深いそうです。


カプティエル(Captiel)
今年は魔術関係の本も眺める機会がいくつかあったので、
(ミノタウロさんのエロイムエッサイムのご本とかもありましたしネ)
ソロモンのアルマデル(Almadel)の法に出て来る面々の一部を描いてみました。
――ということで、まずはじめに描いたのが
カプチーノみたいな響きのお名前のカプティエルさん。


ゲドボナイ(Gedobonai)
アルマデルの法に出て来る面々は大きく分けると
第一~第四の「高き所」(Altitude)に分かれるのでそれぞれから
ひとりずつということで、第四……第三……と降順して行っております。
第三のなかでも、音の響きがおもしろいのでゲドボナイさん。


アルファリザ(Alphariza)
アルマデルの面々は、フレッド・ゲティングズ『悪魔の事典』では
バラバラに立項掲載されてたりするのですが、
第一~第四の「高き所」主体での解説が無かったりしますし、
グスタフ・デイヴドソン『天使辞典』の付録のまとめにあるものも
ほかのまとめとは名称やに揺れがあったり、意外と手ごろな翻訳書では
かゆいところにとどかない部分があったりするのが今回の準備では知れましたネ。
アルマデルの法については、詳しく比較などを書いておられるサイトのページが
ありますので(http://www.esotericarchives.com/solomon/almadel.htm)そちらにて
冠のお花の英文の確認などでは参照させていただきました。


ハロウィーン・ロブスター(Halloween Lobster)
画像検索をしてみると、こういう風にいろいろ出て来るみたいです。
白海鼠(しろなまこ)みたいに結構あみにひっかかるものなのかしらん。




ロシュ・ハ・サタン(Rosh ha Satan)
こちらはヘブライのほうに舞い込みまして、お星さま。
ギリシャ神話でえがかれるヨーロッパの天文だと、
メデューサの首がある星の箇所がこの星とおなじもの。


カウムプリ(Kaumpuri)
またアフリカ大陸に戻って来て、疫病のもとじめみたいな神様。
今年はアフリカのかたも、信仰分野などから2つ増やせました。
大陸の広さに対して、まだまだ把握出来てる範囲が乏しいので
来年も、もう少したくさん資料を増やしておきたい分野ではあります。


ボラキエル(Borachiel)
第一の「高き所」のアルマデルの面々のひとり。
先に出てるゲドボナイさんと同様、名前の響きがおもしろいから
――という、ごく軽い軽い動機で選抜してるのですが、
あとからちゃんと比較してみると
附註につづってあるように、むかしの古典に出て来る天使・堕天使に
見られる名前がちゃんと引かれてるみたいなので
ちょっと動機が恥ずかしい。ですね。


ティジー・ウィジー(Tizzie Whizie)
ボート屋のおやじさんによる、
かわいい羽根つきはりねずみさん。
何か月か前に、Twitterのタイムラインでボート屋の絵葉書の写真を
図版にしてるツイートで見かけて、「ことしの世界篇はコレかきたい!」
――と、12体のなかでは早々に出場が決まってた、ふしぎ生命体です。


ラス・アル・グル(Ras al Ghul)
ロシュ・ハ・サタンのアラビア版。
「グル」は「グール」とかと同じ雰囲気なんですかね。
ロシュ・ハ・サタンとは背景におなじ地紙の加工を使ってまして、
(ふるい仏画の、濃彩がぎとぎと剥落してる絵絹を加工調整したもの)
西土のありがたい香りをすこし加えてます。






以上12体、ちくらが沖からも鬼満国からも悪風魔風つつがなく
満尾させることが出来ましたので、なにより。
それぞれのページから、本解説やイラストなどおたのしみ下さいませ。



とざい、とーーーーーーーざーーーいーーーーーーーーーーーーーーーーー。









ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ちかちかスター。「ちかぼしさま」さんです。

ちかぼしさま 近星様

お月様の近くにときどきすがたがあらわれる
という光の強い星のことで、これがみえるのは
不幸が起こるの前兆だと言われてました。



岩代の国の耶麻郡などでの呼ばれ方。
考え方としては古くからの天文の占いに存在して来たもの。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
火を焚くときには唄っちゃダメ。「おににしかられる」 です。

おににしかられる 鬼に叱られる

竃(かまど)に火を焚きつけてるときに
うたを唄いながらやってると「鬼に叱られる」と言われており、
おばあさんなどに怒られたといいます。


越後の国や越前の国など各地でいわれてたもの。
実際に「おに」(鬼)が出て来るというわけではなく、
いましめるために「鬼に叱られる」という言い回しが用いられてたタイプと言えます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
柿の種を燃やしちゃダメダメダメ。「びんぼうがき」さんです。

びんぼうがき 貧乏柿

囲炉裏や竈(かまど)のなかに
かきの種を捨てて燃やしたりすると貧乏になるとされてて、
やってはいけないと厳しくいわれてました。
周防の国など各地で言われてたもので、
びんぼうみかん」(貧乏蜜柑)なども似たもの。




「貧乏になる」と結びつけられてない場合でも、
柿の種を囲炉裏や竈の火に入れて燃やすことは、ほぼ全国でいましめられてました。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
火箸ガード! 「ひのわざわい」さんです。

ひのわざわい 火の禍


囲炉裏(いろり)に火の残ってる炭を埋めおわったあとは、
埋めた場所の上に火箸(ひばし)を交叉させて立てておくと、
灰の下から悪い火・火の魔物が飛び出さないように封じることが出来る
と考えられてたソウナ。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
食べてすぐ寝っ転がっちゃダメ。「はらのむし」さんです。

はらのむし 腹の虫

お腹のなかにいるという虫たち。
ごはんを食べたあとにすぐ横になって眠ったりすると
「腹の虫が大きくなる」などと言われて、よくないことダと語られてました。



阿波の国那賀郡の鷲敷などで言われてたもの。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
くじらとる淡路の海の、「いざなぎいざなみのつかい」さんです。

いざなぎいざなみのつかい 諾冊の使い

鯨(くじら)たちのことで、
いざなぎ・いざなみの使者である神だとも。



『玉伝深秘巻』などでの歌学に関する古註のなかで、
『万葉集』の天智天皇太后の歌に対して説かれてる設定ですが、
どのような根拠があってなのかはハッキリしてません。



多くの場合「くぢら」という語が立てられてるようなので、
「いさな」(勇魚・鯨)との連想からでしかないのかどうなのかについては不鮮明。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
すんぜんしゃくま、「あまんじゃこ」さんです。

あまんじゃこ 天邪鬼


人間にわるい事をもたらすおばけ。
仏法の修行者をさまたげたりもします。



あまのじゃく」(天邪鬼)のこと。『四国八十八箇所道開』などでは
「寸善尺魔のあまんじゃこ」などの語がみられます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
夫婦相見よ。「かたみづき」さんです。

かたみづき 片見月

お月見をするときに、夫婦ものが
それぞれ別の場所で月を見ることをこう言い、
わざわいを呼ぶことだと考えられ、
よくないことだとされてました。



上野の国などで語られてたというもの。
「かたみづき」(片見月)については、夫婦についてのものよりも
2回ある月見を片方しか見ないことを指していうことのほうが多いですが、
このような内容の「かたみづき」もあったということです。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
さわぎそよぐ天狗たち。「てんぐごもり」さんです。

てんぐごもり 天狗篭り

二百十日(にひゃくとおか)の前後7日間に、
山にひとびとが入って火を焚いたり、酒食をささげることで、
山にいる「てんぐ」(天狗)さんたちのご機嫌をよくさせて、
風の害が田畑にやってこないように祈願したといいます。



伯耆の国の倉吉などでおこなわれてたもの。
二百十日などの前後には各地で風をまつる行事が行われて来ており、
この「天狗篭り」もその一ッ。


プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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