▼本日の妖怪（7648）しん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ビッグはまぐり。「しん」さんです。



漢字で書くと「蜃」で、しんきろうの「しん」の字でも
おなじみかと思われる文字です。

おおはまぐりのこと。孟冬（10月）になると
海のなかに雉（きじ）が入ってこれに変化すると考えられてました。

『礼記』月令に「雉入大水為蜃」とあるもので、七十二候のうちの
立冬のころの季節時候の変化のひとつとして広く読まれてました。
そのため、雉と蛤をおめでたい御膳に用いる
という組み合わせが出来たと俗にいわれてたトカ。

▼本日の妖怪（7647）せつ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
へんかしておさかなが生じるパターン2。「せつ」さんです。



漢字で書くと、「䲙」などで、こういうカンジ。
 

たなご・たびらこたちのことで、櫛（くし）が水のなかに入って、
この魚のかたちに化すとも考えられてました。
そのため節魚・櫛魚とも呼ばれます。

節と櫛とはおなじ意味。「せき」（鯽）に近いものであるので、
変化の様子がむかしの本では並べて紹介されていることがありました。

▼本日の妖怪（7646）せき

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップ は、
へんかしておさかなが生じるパターン。「せき」さんです。



漢字で書くと、「鯽」などで、こういうカンジ。

脊・責で構成される別字もあるようです。

鮒（ふな）たちのことで、稷米（しょくべい）が水のなかに入って、
この魚のかたちに化すとも考えられてました。

稷米は、きび・たかきびのこと。
「稷米所化」や「稷米化之」という字句でこの説が記載されてました。

▼本日の妖怪（7645）どくろし

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
鬼神に用いよ。「どくろし」さんです。



漢字で書くと「髑髏枝」で

どくろがつけられてる杖のようなもの。

鬼神をあやつったりするために
道士や術使いなどが用いるとされてた法具だといいます。

▼本日の妖怪（7644）しきしん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップ は、
しきがみのほうとは別のもの。「しきしん」さんです。



漢字で書くと「識神」で
生きてるものたちに存在てしてるという「たましい」たち。

『魏書』釈老志には

「生生之類 皆因行業而起 有過去当今未来 歴三世 識神常不滅 凡為善悪 必有報応」
などといった記述があり、これによて知られてます。

▼本日の妖怪（7643）まそん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
修行のさまたげ衆。「まそん」さんです。



漢字で書くと「魔損」で、
教えの道や修行に励む者をさまたげてくる魔物のこと。

▼本日の妖怪（7642）はい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
太陽超光不足。「はい」さんです。



漢字で書くと「悖」で、

天下に深く濃い霧（きり）がかかり、はげしい風雨によって
木々や五穀がすべてだめになってしまうこと。
君主と臣下の関係が争い荒れつづけるとこれが生じるといいます。

五行志などでは、「霧」は恒陰（君主についての罰）に属しており、
これについてのいくつもの種類が示されてます。
恒陰はお日様のひかりがとどかなくなってしまう天変。

▼本日の妖怪（7641）もうへき

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
もわもわ。「もうへき」さんです。



漢字で書くと「罔辟」で、
天下に暑さをまきおこして、太陽を隠してしまう蒙（もう）のこと。
臣下が禄をほしいままにあやつり、
親族に配りつづけてるとこれが生じるといいます。

「蒙」というのは靄（もや）のこと。
「罔辟」自体は、君主をだますという意味があることばです。
五行志などでは、蒙は恒陰（君主についての罰）に属しており、
これについてのいくつもの種類が示されてます。

▼本日の妖怪（7640）り

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
水のどろどろ。「り」さんです。



漢字で書くと「履」で、こちらも『荘子』に出て来てよく知られてたかた。

水に発生する沈（ちん）のなかにいるというおばけ。

「沈」は「どぶ」や水底の「どろ」などのこと。

▼本日の妖怪（7639）らいてい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ごみの鬼神。「らいてい」さんです。



漢字で書くと「雷霆」で、『荘子』に出て来てよく知られてたかた。

家に発生する煩壌（はんじょう）のなかにいるというおばけ。

「煩壌」は「ちりあくた」あるいは「ごみ」などのこと。

▼本日の妖怪（7638）てんきゅう

いよいよ12月になりました、今月はじめの「和漢百魅缶」へのアップは、
ちからのあるつゆ、「てんきゅう」さんです。



漢字で書くと「天灸」で
八朔（8月1日）の朝に、葉っぱや草のうえに生じるというつゆのこと。
これで墨にまぜてからだの経絡（つぼ）に点じておくと
特別な効果があると言い伝えられてました。

▼本日の妖怪（7637）うのひがさね

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
かさなることは良くぅない。「うのひがさね」さんです。

卯の日に祝言や葬式をおこなうと、そのあと
何度も何度も重なって発生することになると言われてて、
その日におこなうのを避けてました。

卯の日を特別な日にあてるのを避けることは
各地で行われてました。いっぽう、それ以外のことがらでは
「財産が増える」として卯の日を選ぶこともあります。

『和漢三才図会』などでは、卯の日が吉事凶事に避けられるのは、
鵜羽重（うのはがさね）などのことばからの連想かとしてます。