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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
腹心のみあって四足なし。「ふくしんのいのしし」さんです。

ふくしんのみのいのしし 腹心のみの猪

脚が生えておらず、頭・胴・尾しかないふしぎないのしし。


源頼光(みなもとのよりみつ)が見た夢のなかに出て来たもので、
碓氷(うすい)峠で狩りをしていたと思ったら、
出て来て仕留めたいのししがこれで、ふしぎに思ってると
衣冠をただしたふしぎなひとが現われて、
いのししの脚を渡してくれたんだトカ。



『前太平記』の、碓井貞光が頼光四天王に入るはなしの発端となる
夢に登場するもの。脚を持って来て渡してくれた異人は諏訪明神だといいます。
「天が忠臣を与える」しるしだとされており、
当時まだ渡辺綱・卜部季武しかいなかった頼光の臣下に、
碓氷峠に住んでいた貞光が加わる展開につながります。





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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
建立したてを見に行くしか。「ずいろく」さんです。

ずいろく 瑞鹿

あたらしく寺院の建物が出来たりしたときに、
そこに出現するというふしぎなしか。



「鹿野苑」との関連から、寺社では瑞祥とされることが多い。
鎌倉の円覚寺などもこれがむれをなして出現したので
瑞鹿山という山号がついたとも語られます。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
玄蛬はばちあたり。「くろんぼ」さんです。

くろんぼ 玄蛬

こおろぎのこと。
むかし八幡さまのおみこしをかつげと命じられたときに
「わしは脚がない、イヤじゃ」と断ったため、
こおろぎたちは、八幡さまのおまつりのころ(8月15日)を過ぎると、
うしろ脚が落ちてしまうようになったんだトカ。



讃岐の国などに伝わるこおろぎの脚についての昔話。
このときにおみこしをかついだのが犬で、
当時は3本足しかなかった犬は褒美として「五徳」から足を1本もらって
4本足になったと語られます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
灸後に忌む。「きゅうごなまず」さんです。

灸後鯰 きゅうごなまず

お灸をしたあとに鯰(なまず)を食べたりすると、
効果がなくなる、治りが悪くなるなど、
からだに良くないとして忌まれてたといいます。



養生についての文章などにある「灸後によろしくないもの」として
言及されてたりもしていたもの。
温麺などもいっしょに挙げられてます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
やば朱鷺。「ときのやばね」さんです。

ときのやばね 朱鷺の矢羽

藤原秀郷(ふじわらのひでさと)が平将門(たいらのまさかど)を
討ち取ったときにつかった矢の羽が朱鷺(とき)のものだったので、
将門とゆかりのある土地には朱鷺がやってこない
という言い伝えもあったソウナ。


下総・上総あたりにみられるもの。
――ただし、朱鷺はむかしの感覚では田んぼを荒らす害鳥の側面もあるので
良い意味・悪い意味どちらかなのかはややわかりづらい部分も。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
ぼこぼこぼらぼら。「なよし」さんです。

なよし 鯔化獺

「かわうそ」は「なよし」という魚が
変化して生じたりするともいわれてたソウナ。



「なよし」は「ぼら」(鯔)のこと。
『本朝食鑑』などでは、おなかのなかに「なよし」にある
臼子のようなものがあるので、こういわれたりしてるということが記されてます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
猿が年ふりゃ、「さんじん」さんです。

さんじん 山神

山に住む猿(さる)が年をへて功をえると、
「山神」と呼ばれるものになったりもするんだトカ。



津村正恭『譚海』にある、美濃の国の僧侶が語った
山神の像についてのはなしのなかで触れられてるもの。
「ひひ」(狒々)になったりもするが「山神」になるものもある
などと語られてますが、実際にどの程度語られてたカンジなのかは不明瞭。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
幽閉されてるやつ。「おきつだい」さんです。

おきつだい 沖津鯛

駿河の国の沖のあわびが多く採れる岩場の洞穴の中にいたという、
ものすごく大きなぬしのような鯛(たい)。



もぐった蜑(あま)たちが近づいたりすると
驚き怒って動き回ったりしておそろしかったそうですが、
洞穴のさけめよりも図体が大きくて
外に出ることは出来なかったといいます。
こちらからも顔あたりしか見えないため、全体の大きさとなると
わからなかったトカ。





『譚海』には、稚魚だったころに洞穴のさけめから中に入って、
そのまま年をへて成長した結果、外に出られなくなったものと記してます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
こりこり来迎。「こりのぼさつ」さんです。

こりのぼさつ 狐狸の菩薩

蜷川新右衛門(にながわしんえもん)が亡くなる直前に、
屋敷に現われたという西の空から来迎した菩薩たち。



家の者たちがありがたやと拝んでいましたが、
新右衛門は「念仏往生を願ってない者のもとにこのようなことは起こりようはない」
と起き上がって弓を射かけると、それは狐狸たちが化けたいたずらだったソウナ。



蜷川新右衛門についての説話にみられるもの。
『本朝語園』では「皆功を経たる狐狸にてぞ有ける」とあるのですが、
「狐狸」という熟語が「きつね」をさすのか
「きつねとたぬき」をさしてるのかは不明瞭です。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
おさる生成のパターン。「へいさらばさら」さんです。

へいさらばさら 平佐羅婆佐羅

ふしぎな石。えんこうなどの猿(さる)が
猟師から弓矢や鉄砲できずを受け、それの癒えたあとに生じるこぶが
これになったりすると語られてたりもします。




「へいさらばさら」や「ごおう」などといった
鮓答の類が、どのように出来るかについてを説明する文脈にみられる
へんな発生説の一ッ。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
ひつじのあしあと」さんです。

ひつじのあしあと 羊蹄跡

蝦夷地の東にあるシリベシ山のてっぺんにある湖には、
ふしぎなことに泥に羊(ひつじ)の足跡のようなものがびっしりある
といったはなしが語られてたりしたソウナ。


山崎美成『海録』巻13には「湖の汀は皆泥なりその泥に羊の足跡ひしとありといふ
奥地のシリベシ山を日本紀(斉明五年)に後方羊蹄[しりべし]とかかれたると
此蝦夷の山と同名にして其文の如く羊の住めるはいと怪しと蝦夷へ往来する人語りし」



――とあって、『日本書紀』の斉明紀に記されてる、
蝦夷地に政所が置かれた場所「後方羊蹄」(しりべし)と、
たまたま文字づらが合ってしまうという妙さが語られてるわけですが、
「後方羊蹄」の「羊蹄」(し)は植物の和名からつけられてる仮字で、
別にひつじではないとのハナシ。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
三光があたまにある。「さんこうのうし」さんです。

さんこうのうし 三光牛

ひたいに日月星を示す模様をもって生まれた牛(うし)のことで、
弔事の起こる兆しとして生じるといわれたソウナ。



このような文牛が、高貴なおかたの葬儀の牛車の牛になるために、
こういわれてたようで、生まれたときは
非常に大切にとりあつかったといいます。


プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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