▼本日の妖怪（6328）アッチキリアッテケヘ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ニッネカムイを祓う。「アッチキリアッテケヘ」さんです。

アイヌにつたわるもので、日食が起きたときは、
刃物を振って「ニッネカムイ」に向かって
「おれはおまえの片足を切ったぞ、おれはおまえの片手を切ったぞ」
というまじないをとなえたといいます。

「アッチキリ」は「片足」、「アッテケヘ」は「片手」の意味。

▼本日の妖怪（6327）ウェンパカムイ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ふたつ罵詈みっつ罵詈。「ウェンパカムイ」さんです。

アイヌにつたわるもので、人々や神々、
悪魔のあいだでかわされる「わるぐち」そのもののこと。

「ウェンパ」は「悪い・口」という意味。
「ツ・ウェンパカムイ、レ・ウェンパカムイ」とつらねて
「たくさんの罵詈雑言」といった意味の韻文になったりします。

▼本日の妖怪（6326）オロケウトノ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おおかみおやかた。「オロケウトノ」さんです。

アイヌに伝わるもので、おおかみたちの首領。

「おおかみ」たちは「オロケウカムイ」と呼ばれます。

▼本日の妖怪（6325）シケカムイ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おみやげお肉。「シケカムイ」さんです。

アイヌにつたわるもので、
おおきな体の肥えた獲物のこと。
食べることの出来るお肉を
たくさん荷物として背負ってやって来てるのだ
と考えられてました。

「シケカムイ」は「荷物をもった神」といった意味合い。

獣や鳥、魚たちは人間のところに出て来るとき
それぞれの生物のすがたになるのですが、おのおの皮を着こんで荷物をつけ、
そのすがたになってるとされてました。

▼本日の妖怪（6324）ピタラカムイ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
川の近くはすみよしところ。「ピタラカムイ」さんです。

アイヌにつたわるもので、河原のかみさま。

藤原相之助は、この「ピタラカムイ」という語が
「日高見」ということばの語源になったのではないか
という説を立ててたりします。

▼本日の妖怪（6323）オクツチウララ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
貴いおかたのおかざし。「オクツチウララ」さんです。

アイヌにつたわるもので、物語などに出て来るもの。
高貴な神や英雄あるいは
とてつもない美女がおでましをしたりする際、
そのおかおをみだりに見られぬようにするため
出て来てくれたりする靄［もや］。

「オクツチ」は「翳」（かざす）「暗くする」などの意味。
「フレウララ」とは近い機能のウララ。

▼本日の妖怪（6322）ルカニオプ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ぶんぶん振るえ。「ルカニオプ」さんです。

アイヌにつたわる物語などに出て来るもので、
ニッネカムイモシリに棲む魔民たちがつかって来たりする
「毒の矛」。

「ルカニ」は「みずがね」（水銀・毒）、
「オプ」は「矛」で「みずがねの矛」といった意味。

▼本日の妖怪（6321）パセチロンノプカムイ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
アプカシオカアン。「パセチロンノプカムイ」さんです。

アイヌにつたわるもので、山仕事をしてるとき
あるいは帰って来たときに「くま」について発言するときにつかわれた尊称。

「くまのあしあとをみたよ」とか口にするときは
「パセチロンノプカムイ」のあしあとをみた等と言うものだとされてたソウナ。

「パセ」は「重たい」という意味。
「重き狐」といった意味。釧路のほうでのもの。

▼本日の妖怪（6320）ケマコシネカムイ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
よこぎって。「ケマコシネカムイ」さんです。

アイヌに伝わるもので、山や道できつねなどが
目の前を横切ったりしたときには、そのままの名前ではなく
「ケマコシネカムイ」と呼ばないと失礼にあたるとされてたソウナ。

「足の疾き神」という意味。

▼本日の妖怪（6319）カムイモシリセタ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
「カムイモシリセタ」さんです。

アイヌの昔話に出て来るもので、カムイモシリで番人をしてたいぬ。
人間のことばをふつうにしゃべることが出来ます。

オキクルミが人間の世界に穀物が存在してないことをかわいそうに思い、
稗（ひえ）を足の肉の中に隠して持ち出そうとしたのを察知して
「こら、稗の種を盗み出そうとしてるな、待て！」と大声で騒いだ結果、
オキクルミによって口に灰を押し込められて、
しゃべることが出来なくなってしまったソウナ。

「セタ」が「犬」という意味。
穀物を地上を持ちだす際に犬が番太郎として邪魔をしてくるはなしは、
アジア各地にもひろくあるもの。

このとき以来、セタたちは地上に落ちてただ吠えることしか出来なくなり、
アイヌたちの狩りの補助役をする存在になったとされます。

犬が人語でしゃべってたという点では「パコルセタ」などと近いもの。

▼本日の妖怪（6318）イセポユクパクノポロ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
むかしはわしはでかかったセポ。「イセポユクパクノポロ」さんです。

むかしむかしのうさぎで、しかのように図体が大きくて、
いろいろな巫術も使えたといいます。

あるとき、かみさまの持ってる小刀が欲しくなり、
灰でにせものを製造してすりかえてしまいました。
しかし、これが露顕してしまい、かみさまに切り刻まれて
煮られてしまいました。このときに鍋から逃げ出した
ほんのひとかけの肉が現在のうさぎだソウナ。

「イセポ」が「うさぎ」で「ユク」が「しか」、
「パクノポロ」が「みたいに大きい」といった意味。

昔話に出て来る、むかしむかしのすがたで、
小さくなってしまったあとに灰の小刀でさらに罰として
斬りつけられた結果として現在のすがたに見られる特徴（口や眼）が
形成されたと語られます。

▼本日の妖怪（6317）ポネヘチカプコカリ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
やせやせまもの。「ポネヘチカプコカリ」さんです。

アイヌにつたわる物語などに出て来るもので、
ニッネカムイモシリに棲む魔民。ほとんど骨なやせっぽちで、
ひょろひょろふらふらしてます。

「ポネ」は「骨」、「カプ」は「皮」で、
「皮でまいてあるだけの骨」といった意味合い。
普通にがりがりに痩せてる様子を示すだけの語です。