▼本日の妖怪（5668）ながるっながるっ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
粘液べちょべちょ。「ながるっながるっ」さんです。

山の中で「流るっ流るっ」（流れる流れる）という声が
どこからかきこえて来るもので、
「流るっなら流れてみよれ」と応えたら
大量の松脂（まつやに）が流れて来て
べちゃべちゃねとねとになっちゃったトカ。

薩摩の国などにつたわる昔話に出て来るもの。
山の中で声がしたのでそのあたりをつついてみたら
大きな山芋を手に入れたというはなしを聴いた悪い隣人が
真似して遭遇します。

▼本日の妖怪（5667）もっちょむだけのてんぐどん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
なげて協力。「もっちょむだけのてんぐどん」です。



屋久島の本富岳（もっちょむ岳）にいる天狗。
むかし、島におちのびて来た平家の武士たちを
征伐する軍船がやって来たとき、たすけを求めてきた平家の武士に
ちからを貸してやって、巨大な岩をぶん投げたりして
手伝ってくれたりもしたトカ。

▼本日の妖怪（5666）しょくこうしょう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
わしが無ければ世はまわらぬ。「しょくこうしょう」さんです。



漢字で書くと「食肴将」で、人類の生きるに欠かせぬ
偉大なる「塩」のこと。

▼本日の妖怪（5665）ようぼう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
諸国はなはだ憂う。「ようぼう」さんです。



漢字で書くと「妖亡」で
飢渇や寒暑などと並ぶ、人々にふりかかる災いのこと。

▼本日の妖怪（5664）りゅうさのきしん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
柑子をおくれ。「りゅうさのきしん」さんです。

天竺へ向かう途中の砂漠にいるという鬼神で、
むかし日本から天竺に向かった真如親王がこれに出遭ったといいます。

『閑居友』などにある真如親王のはなしでは
飢えたる人の姿をとった神仏のような感じですが、
『弘鑁口説』では鬼神とされており、
柑子金菓を真心をもって分け与えなかったことに対して
「さほど小機にして渡天叶うべからず」と告げてます。

▼本日の妖怪（5663）てんちれいどう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
天地経緯。「てんちれいどう」さんです。



神仏や天地のしくみについてを熟知してるというふしぎな存在で、
神仏のつかいとして出現をして、いろいろ授けてくれたりするようです。

▼本日の妖怪（5662）だいばん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアッ プは、
ほとけに悪魔、かみに「だいばん」さんです。

神々に対してじゃまをしたりする魔物。
打ち負かされると人のために動いてくれたりもします。

お神楽などに登場するもので、「仏」に対しての「悪魔」、
「神」に対しての「大蕃」などといったじゃまをするもの
という描写がなされてたりします。

▼本日の妖怪（5661）たんぺころばし

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
氷上でつるつるぺたぽた「たんぺころばし」さんです。



冬のさむいころ、沼の表面などに張ったこおりの上で
遊んでると出て来るという妖怪で、
すべって遊んでる子に足をひっかけて来たり、
うしろから不意にドンと押して来たりするんだトカ。

▼本日の妖怪（5660）うみのおうさん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアッ プは、
オハギング（しおあじ）。「うみのおうさん」さんです。

わに（さめ）のこと。これが捕れたときには
塩を入れた（砂糖などを使わずに）ぼたもちをつくって
お供えをしたりしたといいます。

出雲の国などにつたわるもの。

▼本日の妖怪（5659）いそのかみ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアッ プは、
鎧侠霊よりもセンゾ。「いそのかみ」さんです。

年をふりたるものが、たたりを起こしたり、
化けたりするというもの。

『古今和歌集』の
「いそのかみ ふりにし恋の かみさびて たたるに我は いぞ寝かねつる」という和歌が
下敷きになってるもの。解釈として、年をへたものが化ける、という思想を採り入れた和歌
と見られてたりもします。（麻生磯次『笑の研究』など）

「いそのかみ」という言葉自体は和歌のことばで、
「石の上」というのが字義としての文字。
石上並松（いそかみのなみまつ）の和歌に出て来る「古りにし里」という言葉から
「ふり」「ふる」の縁語として存在してました。

▼本日の妖怪（5658）りゅうぐうだいこん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
いっぽん金・15両。「りゅうぐうだいこん」さんです。

竜宮に存在してる野菜で、
竜宮に野菜というのはほとんどつくられて無いので、
ものすごく高級だ――というハナシ。

戯文などに存在する非実在の植物たちで、
桃川燕林『西遊記』などでは竜宮から帰って来た孫悟空が
「向こうでは魚はやすいが野菜がとんでもなくたけぇ、大根いっぽん15両だ」
みたいな内容の「ウソ」を語るくすぐりなどが登場します。

▼本日の妖怪（5657）コッコ・チカプ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアッ プは、
2の酉ですので、鳥の妖怪から、とぶとぶ。「コッコ・チカプ」さんです。



アイヌにつたわるお化け鳥。
渡り鳥のようなものらしいがよくわからない。