▼本日の妖怪（5016）こうたん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
炎暑の地でも厳冬の巷でも、「こうたん」です。



漢字で書くと「虹丹」で

仙人たちの服用する仙丹の一ッ。
これをのむと低温や高温への耐性がついて、
どんなに寒いところでもどんなに暑いときでも
何の苦も無くすごせるといいます。

『神仙伝』には王仲都（おうちゅうと）という仙人が
これをのんで極寒の日の氷の上でも薄着で過ごしたなどのことが載ってますが、
詳しいつくりかたなどは説かれておらず、詳しいことは不明瞭なのだソウナ。

▼本日の妖怪（5015）つかいてんぐ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぴゅーっとお買い物。「つかいてんぐ」さんです。

武州秩父の山中にある七代（ななよ）の滝の近くに住んでた僧侶は
決まった「天狗」を使役してたそうで、いろいろと
おつかいに出したりしてたといいます。

その僧侶のもとに来たあるお客が
「みやこのとうふはとても美味い」というはなしをしたところ、
僧侶が「ならばちょっとお待ちなさい、お出ししましょう」
と言いだしたのでわらってると、天狗をすぐに都へ飛ばして豆腐を買ってこさせ、
豆腐をすぐにごちそうしたりしたソウナ。

▼本日の妖怪（5014）マリギリウワーグワー

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おしりが無いよ。「マリギリウワーグワー」さんです。

奄美につたわる妖怪。
切れておしりの無い仔豚のすがたをしてます。

「まり」は「おしり」という意味。

▼本日の妖怪（5013）うにぬはあとぅぎ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
鬼はニラで歯を研ぐ。「うにぬはあとぅぎ」さんです。

奄美につたわるもので、びら（にら）のこと。
うに（鬼）たちが人間を食べる前に歯をみがくためにつかうという昔話があり、
そのことから鬼にまつわるものであるとして
家の近くに植えはいけないといわれてました。

むかし、ある男が道に迷ってしまい
ある一軒屋に泊めてもらった。
しばらく女が家の外で何かをしてたので
何をしてるのだろうとのぞきこんでみると、女がびらで歯をといでたので
「なんで歯をといでるの」と訊いたところ
「お前を咬むためだー」と言ったソウナ。

▼本日の妖怪（5012）ばくらくようちゅううゆう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
火がぼぼぼぼーん。「ばくらくようちゅううゆう」さんです。

漢字で書くと「麦洛葉仲烏佑」

珞巴族などにつたわる火にまつわる鬼神。

世界は水（依稀）と火（埃瑪）の対立が起きてる
という考え方があるようで、たがいの勢力が拮抗してたりするそうです。
水の鬼神は「ふろうゆう」（布魯烏佑）。

▼本日の妖怪（5011）ふろうゆう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
水だ、じゅぼぼぼぼー。「ふろうゆう」さんです。



漢字で書くと「布魯烏佑」

珞巴族などにつたわる水にまつわる鬼神。
洪水など水の氾濫などを起こす存在であるといわれてます。

世界は水（依稀）と火（埃瑪）の対立が起きてるという考え方があるようで、
たがいの勢力が拮抗してたりするそうです。

▼本日の妖怪（5010）うまあし

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
うまーあじー。「うまあし」さんです。

腕などがひづめのついた馬の足のようなかたちの妖怪。
大きな口の牙はみんな黒い。

『夭怪着到牒』に描かれてるデザインの一ッ。
特に呼称などは併記されてなかったので
特徴から呼び名を付けました。

▼本日の妖怪（5009）ひのう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
水田の精霊。「ひのう」さんです。



漢字で書くと「披納」
泰族につたわるもので、水田にまつわる霊鬼。
栽秧の季節（苗づくりをするとき）と収割の季節（刈り入れするとき）に
葉っぱでくるんだおむすびや、たまごなどをお供えして
おまつりをするといいます。

▼本日の妖怪（5008）せんばじょうきゅう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
畜生道は長い。「せんばじょうきゅう」さんです。

占婆城の木々の枝のうえに棲んでる鳩（はと）で、
過去十六万劫も未来十六万劫先までもずっと畜生道の鳩のまま
解脱が出来ずいるという存在。かなしみのはと。

占婆城で釈迦が語ったというとされるもの。
「ぎおんじぎ」（祇園寺蟻）と対句として並べられたりしてます。

『宝物集』にいわく

「占婆城の鳩 祇園寺の蟻の過去八万劫畜生なりき
　又未来八万劫も畜生なるべしとこそ仰せられける。
　過去遠々占婆城の鳩 未来永々祇園寺の蟻といへり」

▼本日の妖怪（5007）きつねだいこ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
どんどんは良いが、かちちは頭で痛い。「きつねだいこ」さんです。

狂言の『官位狐』に出て来るもの。
お稲荷さまに「太鼓が破れて祭りのときに困ってる、おまえ太鼓に化けられるか」
といわれた官位のない野狐が化けた太鼓（たいこ）で、
皮のところの巴の紋は、垢（あか）をよせあつめてつくってたりします。




野狐「ちょいと化けて参りましょ」
どろどろどろ
稲荷「これ此の巴なぞは何で書いた」
狐太鼓「私は普段湯行水が嫌いでござるから其の垢をよせました」
稲荷「これはむさいが良くできた」

▼本日の妖怪（5006）ぎおんじぎ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
九十一劫まだまだありんこ。「ぎおんじぎ」さんです。

祇園精舎の境内の土のなかに棲んでる蟻（あり）で、
毘婆尸（びばし）が仏陀だった時代から釈迦（しゃか）が仏陀の時代まで
畜生道の蟻のまま現在未来もずっと解脱が出来ずいる
という存在。かなしみのありんこ。

『賢愚経』などの仏典に説かれてるはなしに出て来るもので、
祇園精舎を須逹長者が建設するときに舎利弗（しゃりほつ）が語ったといいます。

▼本日の妖怪（5005）おとひめさま

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ばたばたきーばた。「おとひめさま」さんです。

伊予の国の浮穴郡などにつたわるもので、
淵の中にいる存在。
水の中で機織りをしてる音をさせてきたりするといいます。

ほんとうのすがたは大蛇。

また、村にしばしばやって来てたのしい話をしていったりする女がいたが、
どこの誰なのかみんな知らなかったので、
あるひとがその女の着物に糸をコッソリつけて、その糸をたどって行った結果、
淵にたどりつき、その正体が大蛇だったと知れたという話もあります。

竜宮にいる「おとひめ」（乙姫）の呼び名が広く使われてる例。