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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
とうとうたらりとうたらり。「ひかせ」さんです。

ひかせ 火かせ

肥後の国の飽田郡城山村に伝わるもので、
むかし、おばあさんが川でせんたくをしていたら
「婆ひかせ」(婆さんひっぱらせろ)と言ってきたという「かわのとん」。
「ひかせ」を「火かせ」と思っておばあさんが
「かわんとん火貸そ火かそ」と返したら「ほんか、ほんか」と言ってきたソウナ。




ひくれろ」(火くれろ)と同様のもの。
烏帽子をつけて出て来たという描写もあり
三番叟を意識していることがはっきりと見て取れます。
ひをかせ」(火を貸せ)などとは近いもののようです。





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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
地蔵の像はよく化ける。「くびなしじぞう」さんです。

くびなしじぞう 首無し地蔵

下野の国の芳賀郡芳志戸につたわるもので、
むかし大どろぼうの芳志戸左門の目の前に
巨大な金棒を持った大入道のすがたになって現われたことのあった
という地蔵の石像。




左門によって斬りつけられ、
それ以来首が無いんだソウナ。




芳志戸左門(芳志戸沙門)は、
日光東照宮の東照権現と書かれた神額を盗んだことがあるとも言い伝えれている盗賊。







ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ホワイトスプリング。「しろいゆ」さんです。

しろいゆ 白い湯

伊豆の国の土肥神社にわいてる温泉で
ときどき誰もいないのに誰かがお湯に入っているような音がしたりして、
次の日になるとお湯が真っ白になってたりしたというもの。



かみさまが入ってらしたのだ
などと言われてたといいます。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
みつけたら唐桟一反さしあげそろ。「おせなかをながしましょう」さんです。

おせなかをながしましょう お背中を流しましょう

東京の山の手にあったある温泉に出たというもので、
お湯をあびてると「だんな、お背中を流しましょうか」という声が
どこからともなくするのですが、
まわりを見ても誰もいないというもの。





あの温泉はばけものが出る
という噂がたかまってしまいましたが、温泉の持ち主は
「化物を見とめて番台へお知らせくださった方には唐桟を一反お礼として差し上げます」
という貼り紙を工夫。するとお客がどんどん増えてややもうけ。
ついにはお客全員に景物や菓子を渡す日までもつくって
さらにおおもうけしたソウナ。





明治18年ころあったはなし。
けっきょく何が正体だったのかはわからずじまいな感じ。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
かねがゴンと鳴りゃね、の、山の中そぼくバージョン。「ほねむすめ」さんです。


ほねむすめ 骨娘

山の中で放置されてた骨が、ていねいにとむらってもらった木こりのもとに
娘の姿になってやってきて仕事の手伝いを
何年もしてくれたりしたというもの。


磐城の国(いわきのあたり)につたわる昔話などに出て来るもので、
3年たったころ、「あのときの骨です」といって礼をしていなくなってしまったソウナ。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
うしろすがたのよいすがた。「くびすじのさんぼんあし」さんです。

くびすじのさんぼんあし 首筋の三本足

三本足に女の子のあたまがのっかってるかたちのもの。
歩きづらいそうです。



襟足の部分が三本足(ふたつではなく真ん中にもう一本張り出してるかたち)になってることの
「三本足」を直接に描いた戯文に見られるデザインもの。
歩きづらいという表現は一荷堂半水『臍宿替』に見られます。




芸者さんたちが三本足のかたちに白粉をぬらないところを描く
三本足襟、三ッ襟なども存在しますが、
こちらはふつうに毛がそういうかたちの流行りがあったことを受けてのもの? のようです。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
こちらニューブリッヂ。「うじがわばしのたぬき」さんです。

うじがわばしのたぬき 宇治川橋の狸

むかし、神戸の相生町に出たというもの。
宇治川橋の横にあたらしくてきれいな見覚えのない橋が架かってるというもので、
足をのせてみると雲か霞か橋は無くなってしまい
川へドブン。



明治44年頃に噂があったそうで、
狸がこれを見せてたと言われてたそうです。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
伐られても蘇生。「ちをすうたいぼく」さんです。

ちをすうたいぼく 血を吸う大木

羽後の国の角館などにつたわる昔話にあるもの。
長者さんの屋敷に生えてたという巨大な木で、
血を吸い取って長者さんを病気にしてました。





病の原因がこの木のせいであるということを
鳥がしゃべってるのをたまたま耳にした男が、
これを伐り倒して解決しようとしますが、
ふしぎなことに次の日になると
伐ったはずのこの大木がまた元通りに。






困っていると、これまたたまたま
大木を見舞いに来た木たちがしゃべってるのを耳にして、
そのなかに「いくらおまえでも塩水をかけられたらだめだろ」というものがあったので、
それを試してみると大木が元通りになることはなく、
病が癒えた長者からたくさんのほうびをもらって金持ちになったトサ。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
キューコンバーの御礼。「ねずみのあねさま」です。

ねずみのあねさま 鼠姉様

羽前の国の最上郡などにつたわる昔話に見られるもの。
ねずみの化けたもので、人間にお礼をしてくれたりします。





むかし、あるおじいさんの畑に
ものすごく大きなきゅうりがいくつも実ったので、
早速売りにでかけるのですが予想に反してひとつも売れず、
帰り道で見つけた小さいねずみに
それをみんなあげてしまいます。



別の日、おじいさんが商売から帰って来ると、
きれいなあねさまが立っていて
「子にきゅうりをありがとうございました、ぜひお礼したいので、おらだの家に来てください」とご招待。もてなしを受けて
たくさんのお金ももらって家に帰りました。






そのはなしを聴いたとなりのおじいさんが、同じ目にあおうと考えて、
畑に余ってたへぼいきゅうりや
変色したきゅうりを持って歩いてねずみに与え、
同様にねずみの家に行きますが、
やってはいけない猫の真似をしてしまい、
二度と家に帰れなくなってしまったトサ。







ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぴかぴかゆらゆらおおにゅうどう。「よつめのみっつめにゅうどう」さんです。

よつめのみっつめにゅうどう 四ッ目の三ッ目入道

明治42年に、東京本所の四ツ目のあたりに夜になると出る
とうわさされたもので、大きな三ッ目入道。




「出たぁぁぁ」とおどろいた牛乳屋さんなどもいたようですが、
実のところは茅場小学校に点いてた電灯が風で動く木の枝で隠れたり、
ガラス戸に反射したりした動きがそんな風に見えたりしてた
と知れたんだトサ。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
鏡だと映らないほう。「バスのおんな」さんです。

バスのおんな バスの女

武蔵の国の蕨にあったはなしで、
むかし、戸田へ向かうバスに
とてもきれいな女の人が乗って来ることがあったらしいのですが、
鏡をつかって見てみるとその姿は映り込んでなかったといいます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
けだものに化けるのである。「かにんべえのばけもの」さんです。

かにんべえのばけもの かにんべえの化物

伊豆の国の小下田などにつたわる昔話などに出て来るもので、
大きな蟹(かに)の化けたもの。出没する時は
なにか正体の知れない「けだもの」のようなものに化けてたといいます。




村の畑や野を荒らしまわったり、
毎年、子供をいけにえに出させていましたが、
旅の武士がこれを退治しようと進み出て、
「しそくはっそくにそくたいそく天に目のあり」という妖怪の発する問答から
「かにんべえ」の化けたものであると見破り、
洞窟の中にいたのをつきとめ退治をしました。






『岩竹』など、蟹が敵の正体であったというあたりの
足利時代以来のふるいものがたりのかたちが影響してる部分も
こういった蟹が大ボスなおはなしにはあるのかも知れませんね。




プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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