▼本日の妖怪（4303）めしもりじょろかいのようかい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ぼうずジョロ買う。「めしもりじょろかいのようかい」さんです。

飯盛女（宿場の旅籠などに置かれていた女郎たち）を買う「ぼうず」たちの化けたもの。
うなぎのはちまきしめててぬるぬる。

歌川国芳の3枚続きの錦絵『源頼光公館土蜘作妖怪図』に描かれてる妖怪のひとつ。

『天保雑記』にある同図の妖怪の解釈などにあるもの。 

船橋や品川の飯盛女郎と関係をもって問題となった
複数のお寺の僧侶の事件などを踏まえてる解釈と伝えられています。
（船橋の長兵衛という旅籠、品川のお長という飯盛女の「長」の字が
しゃもじに隠して描かれてる点などがしるしになってると言われてます）

▼本日の妖怪（4302）おぼうずしゅうのようかい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
河内山じゃないほうの天保。「おぼうずしゅうのようかい」さんです。

千代田のお城の中ではたらいている「おぼうずしゅう」たちの化けたもの。

歌川国芳の3枚続きの錦絵『源頼光公館土蜘作妖怪図』に描かれてる妖怪のひとつ。

『天保雑記』にある同図の妖怪の解釈などにあるもの。



登城の際の諸侯たちがおこなう
御数寄屋坊主たちへのつけとどけなどの廃止などから来たものか。

▼本日の妖怪（4301）ほういんのようかい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ぼわーーわゎー（貝の音）。「ほういんのようかい」さんです。

おはらいをしたりおふだをくばったりする「法印」さんたちの化けたもの。

歌川国芳の3枚続きの錦絵『源頼光公館土蜘作妖怪図』に描かれてる妖怪のひとつ。

石井研堂が所蔵していた同図のいくつかの妖怪に
それが何だろうかというのを貼り紙してあったものの中にある解釈。



法印や山伏などによる初穂料の戸別請求や、住居区域の指定が、
天保の御趣意によって布かれたことを受けてのもの。

▼本日の妖怪（4300）おまつりのようかい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
きのうのつづき……わっしょいわっしょい。「おまつりのようかい」さんです。

「おまつり」の際に寄付をつのる奉加帳の化けたもの。おっかない顔をしてる。

歌川国芳の3枚続きの錦絵『源頼光公館土蜘作妖怪図』に描かれてる妖怪のひとつ。
きのうの「ごろつきのようかい」と同じ妖怪の別の解釈で、
藤岡屋由蔵の書き留めている情報のひとつの中にある解釈です。
御祭りのための寄付が、天保の御趣意によって禁じられたことを受けてのもの。

▼本日の妖怪（4299）ごろつきのようかい

6月の「和漢百魅缶」へのはじめのアップは 
ごろごろっちゃらちゃら。「ごろつきのようかい」さんです。

「ごろつき」の化けたもの。おっかない顔をしてる。

歌川国芳の3枚続きの錦絵『源頼光公館土蜘作妖怪図』に描かれてる妖怪のひとつ。
石井研堂が所蔵していた同図のいくつかの妖怪に
それが何だろうかというのを貼り紙してあったものの中にある解釈。
雷さまとみて「ごろつき」の「ごろ」を掛けて見たものか。

▼本日の妖怪（4298）りゅうはくじん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
大きい巨人。「りゅうはくじん」さんです。



漢字で書くと「竜柏人」で
竜柏という国にすんでるというふしぎなひとびと。


身の丈がみんな30丈以上もある
巨大な体躯のもちぬしだといいます。

▼本日の妖怪（4297）いつつめこぞう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ファイブ！ごがつ！「いつつめこぞう」さんです。

その名のとおりのごらんのごとし。
目の玉が顔に5つ生えてるおばけ。

妖怪を題材にした幕末頃のかるたには
「えだがさきの五ッ目小僧」などのよみふだがあります。

▼本日の妖怪（4296）はちじょうどののばけもの

きょうの「和漢百魅缶」へのアップは
かけらぱらぱら。「はちじょうどののばけもの」さんです。

後鳥羽上皇のころ、都の八条殿に出ると噂がたった妖怪。
後鳥羽上皇の命によって若狭前司頼度（わかさのぜんじよりのり）が
その正体を確かめにいったところ、土器（かわらけ）のかけらを
ばらばら頭上にふりかけられたりしたといいます。

頼度があやしい黒い影をついに捕まえたところ、
毛のうすくなった古だぬきてで、その後はあやしいことも起こらなくなったソウナ。

▼本日の妖怪（4295）オパスホロケウポ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
真夏日つづきの季候のさなかに、「オパスホロケウポ」さんです。

樺太のアイヌにつたわって昔話に出て来るもので、
雪が人間のおとこのすがたに化けて
女のひとのもとにやって来ていたというもの。
うっかりすると外の気温などで溶けてしまったりします。

「オパス・ホロケウポ」は「ゆき・おとこ」といった意味。

▼本日の妖怪（4294）かっぱのおさん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
産胎? 産卵?「かっぱのおさん」さんです。

「かっぱ」たちが「お産があるので助けに来てくれないか」と
産婆さん（助産婦）のもとをたずねてくるといったもの。


薩摩の国の日置郡の扇尾には「梅ばあさん」という産婆さんが
かっぱのお産を手伝ったことがあるとされてて、
腕の良い助産婦であるとの名声が高かったといいます。

狐や狸のお産に呼ばれるというはなしは、かなりの範囲で伝わっているものですが
河童のものもあるんですなァ。

▼本日の妖怪（4293）はたのていのたぬき

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
石をあめあられ掃射じゃ。「はたのていのたぬき」さんです。

明治16年（1883）ころ、波多野義次（当時・陸軍少佐、大阪鎮台勤務）の邸宅に
いろいろと妖怪な出来事が起きたときにその原因ではないかとされたもので
邸宅の裏にある下水樋に棲んでたという古狸。

屋内に石が大量にとびこんでくる、靴が床の間にいつの間にかある、
物置の俵が座敷を転がる、座敷道具が浮かびあがってとびかかってくるなどなど。

当時の『郵便報知新聞』などにある記事が
このはなしのではじめのもののようです。
その記事内も「狸のせいなのだろうか」という内容であって、
実際に狸がやっていた化け術なのかどうかは不明。

▼本日の妖怪（4292）ましょうぜんしん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
くだ封じもしました。「ましょうぜんしん」さんです。

信濃の国の飯島にまつられてるかみさまで、
むかしは「くだ」（くだぎつね、管狐）を封じるための柱が裏に建てられており、
この「魔勝善神」の石碑は「くだ封じの石」とも呼ばれたそうです。

「勝善」（しょうぜん）は「蒼善」（そうぜん）などと同一で、
馬のまもりがみさまなどとして各地でまつられてるものです。