佐賀県補充はちょっぴり休憩、
今月の酉の日しばりの、二の酉、「ちんちんどり」さんです。
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加計呂麻島につたわるもの。
大昔、毎年毎年正月に天から人間たちへ
若水を届ける役目をしてたという鳥。
この若水を正月にのむことで
大昔の人間たちは若返り、無限のいのちをもってたのですが、
ある年、若水を届けるとちゅう、
アハビラの木の上で休憩をしてたところを
からすに襲われたちんちん鳥が
若水をこぼして失くしてしまいました。
それ以後、人間たちには寿命というものが出来、
アハビラの木は不老不死になったといいます。
「アハビラ」というのは「さるすべり」のこと。
毎年樹皮がとれて入れ替わることから、
蛇や蟹の脱皮のように若返りの象徴と考えられてたそうです。
佐賀県補充第十一弾。「ちょうせいじのたぬき」さんです。
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肥前の国の小城郡多久の長生寺にいた
たぬきたち。
和尚さんが石段を登ってるのとそっくりな音をさせたり、
和尚さんのせきばらいそっくりな声を門前でたてたりして、
お寺のひとたちを化かしてはよろこんでたそうです。
音や声のものまねをたくみにしてくるというのは、
各地の狸や狐たちがひろくとりあつかってる
化け術の手法のひとつ。
……うまい具合に、この3日、猫・狐・狸と並ばったもんだ。
佐賀県補充第九弾。「ねこいし」さんです。
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肥前の杵島郡につたわるもの。
見た目はなにも変てつのない普通の大きな石ですが、
きれいにきれいに磨き上げると
「にゃあにゃあ」
と猫の鳴き声を発するという世にもふしぎな石だソウナ。
中に生きた魚が入ってる石のはなしとほぼ同種のもの。
むかし、ある男の家の庭にこの石があって、
たまたまそれを猫石だと発見した清国のひとが
「ぜひ売てくれ、金100両でも何百両でもだす」
と大契約。
しかし
「大きいから運ぶとき大変だろう」
と男が無造作にぶち欠いてしまったので
清国のひとは大層がっかりしたトカ。
(そんな状態だと、もう鳴かないから)
佐賀県補充第五弾。「たぬきのひょうたん」です。
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肥前の国の杵島郡などにつたわるもの。
子供達にいじめられてた子だぬきを助けてあげたおじいさんが
たぬきにもらったというふしぎなひょうたんで、
中からお米などがどんどんざくざく出て来たといいます。
そのひょうたんを見たとなりのおじいさんが、
山で子たぬきをつかまえて来て子供達にいじめさせ、
それをたすけるという体で恩返しを受けて、
おなじくひょうたんをもらいましたが、
中からへびなどが出てきて
おじいさんをぐるぐるまきにしたソウナ。
ひょうたんから恩返しのお礼の品が出てくるのは
すずめのはなしにも出てくるもので、
箱とかつづらとかが文明として発達する以前に
いれものといえば、ひょうたん、とかだった
ナチュラルな時代のことをかんがえると
舌切雀とかのつづらとおなじパターンになるのも必然ですナ。
佐賀県補充第二弾。「つつみんぬし」さんです。
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肥前の国の杵島郡につたわるもの。
むかし、ある村で年の瀬におもち搗きをしようとしたのですが、
その年は悪い風邪がはやっててほとんどの若者が動けず、
おもちの搗き手がいなくて大困り。しかし、
見知らぬ若者が現われてすべてのおもちをついてしまいました。
おもちを搗いたあと、その若者は「疲れた」と言って
近くのお堂で居眠りをしてたのですが、
村人たちがお礼をしようとそこをおとずれてみると、
大きな大蛇のうろこが1枚落ちてただけで、
あの若者はその村の近くの
川の堤(つつみ)にまつられてるぬしの大蛇だったのだと知れたソウナ。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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