あえあえあえもの。「おきく」さんです。

昨日はこんにゃくなおかたでしたので、今日はそこからの連想攻撃
こんにゃく→(副菜)→あえもの と進めてみました。ちょっとキツイ。
おきくさんはお菊さんでも、お皿がどうこうのお菊さんではなくて、
こちらは道ばたであえものを売ってたお菊という娘さん。
駿河の国の庵原郡高橋村につたわるもので、
あるとき旅の武士にこのお菊さん、斬り殺されてしまい、
その霊が通行人にたたりをなしたソウナ。
かわいそうに思った村のひとたちが
於菊稲荷というのを建てて祀ったところ、たたりは止んだそうで、
それ以後はあえものを、わらつとに包んでお供えすれば
瘧(おこり)を治してくれるとして新しまれてたそうです。
あえものを売ってたところという意味で
「あいなんじょ」という呼び名もあったとか。
製造過程オチ。「こんにゃくさん」さんです。

昨日は煮物がお得意な妖怪さんでしたので
連想攻撃は煮物に入ってるもの、というところからこんにゃくさんをアップです。
こちら、お寺参りに出掛けたいこんにゃくさんで、
瞽女さんたちのうたってた口説節(くどきぶし)などに中の
ストーリー仕立てじゃない、面白みを主とした歌の文句に出て来るもの。
うたの文句はこうじゃ。
これこれもうし蒟蒻さん
あなたどちらへ行かしゃんす
わたしゃこれから寺参り
お寺参りは止めなされ
あくで固めた身であれば
浄土参りは出来やせぬ
2番(どっちが1番だか2番だかは知りませんが、同調の文句)には
お豆腐もいて、「これこれもうし豆腐さん」とはじまりますが
そっちは、また別の機会にアップしませう。ぺんぺこぺん。
ぴちぴちじょわー。「こいにょうぼう」さんです。

昨日は海のおさかなさんでしたので
連想攻撃は淡水へと進みました。
と、いうことで。こちら、鯉女房さんです
。鯉(こい)が人間の姿になって恩返しのために女房になってたというもの。
むかし、病気の母親が「鯉がたべたい」と言って苦しんでたので、
何とか魚屋から鯉をわけてもらったものの、家に帰る途中で
鯉が死にそうにぴくぴく動いてるのを見て池に放してやった男のもとに
見知らぬ旅の女がやって来て女房になりました。
その女房はとても煮物が得意でしたが、
ある日、男が煮物を作ってる様子をこっそり見てみると
女房が煮物の鍋におしっこをしてたのでびっくり。
見られたことを察した女房は
恩返しのために人間に変じてたことと、
自分の体の油を鍋に出しておいしくしてたことを明かし、
池に帰っていってしまいましたソウナ。
他にも鮒(ふな)とか鱸(すずき)とか鯛(たい)とかいろいろいますが
魚介なお嫁さんもののひとつで、はなしの流れはおなじですが
導入部の「鯉がたべたい」とおっかさんがいうあたりは、ちょっと唐土二十四孝な展開。
シップ・ストップ。「こんぴらさまのさかな」さんです。

昨日はおじいさんふたりのはなしでしたので、そこからの
今日の連想攻撃はおばあさんふたりのおはなしから
らこんぴら様のおつかいだという大きな魚。
むかし、欲深い婆さんと心やさしい婆さんが
船でこんぴら様へお参りにゆく一行に加わって旅をしたとき、
船が突然海の上で全く進まなくなってしまいました。
この魚が船を押さえてたのが原因で、船頭が
「この船の中に心の汚いおひとがおるからだ」
と客の荷物を投げさせると、
欲深い婆さんのお金が山ほど入った胴巻を
パクリと食べて魚はどこかに泳いでいきました。
お参りから帰ってからしばらくして、
心やさしい婆さんが外で魚の料理をご馳走になると、
その魚がお参りのときに来てたこの魚で、
婆さんの皿に乗った魚の腹から出てきたお金を
貧しいひとたちに恵んで歩いたトサ。
船が魚によってあとにもさきにも動けなくなるのは、
「ふか」などに魅入られる話とおなじ展開のもの。
パート2「すいつこうすいつこう」さんです。
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昨日のなべのふたは森の中でいきなり出て来るのでしょうが
森の中での連想攻撃から、本日は声をかけてから来るかた。
森の中の道を歩いてると、どこからともなく
「吸いつこう吸いつこう」と声をかけてくるというもの。
あるおじいさんが、この声をきいて
「吸いつきるなら吸いつけ」
と言い返したところ、たからものやお菓子が
たくさん体に吸い寄って来ました。
そのはなしをきいた別のおじいさんが、同じ道へいってみると、
何も声がしません。
そこで「吸いつこう吸いつこう言わんか」と呶鳴ると
「吸いつこう吸いつこう」の声がしてきたので
返事をしてみると、ガサッと蛇や蛭や蜈蚣や蜂や
「みつめにゅうどう」が吸いついて来て
おじいさんをぷちゅぶちゅと喰ってしまったソウナ。
豊後臼杵などにつたわるもので「とっつこうひっつこう」などの仲間です。
対馬でも「すいつこうすいつこう」の声で登場してますが、
こっちの「すいつこうすいつこう」は、最後に悪いほうのおじいさんが
食べられちゃうのがポイント。
天人は嘘はいわんばい。「たけのこどうじ」さんです。

昨日のねこまたにはひしゃくが出てきましたので
竹……という連想攻撃からの今日のアップです。
竹の中にとじこめられてた5寸くらいの大きさの男の子で、
肥後の国の人吉などにつたわるもの。
むかしむかし、竹採りをしてた三吉という男が、
竹の中に封じ込められてたこの竹の子太郎を救ってあげたところ、
「これで天に帰れるが、恩返しばせんばお姫様に叱られるで、
願いを七ッかなえられるようにしちゃる」
と言われたので、三吉はなりたかった武士の姿を思い浮かべて念じると、
たちまち武士になることが出来たソウナ。
竹の子童子という名は本人が自分の名前として言ってますが、
なぜ「悪い竹の子」たちによって竹の中にとじこめられていたかは不詳です。
ただ、「天人」と自分でいってるので
おなじく竹から出てきた「かぐや姫」とおなじように
地上の存在ではなかったことがうかがえます。
水をのめのめ。「ねこまた」さんです。

昨日は狐が憑くものでしたので、連想攻撃はまっすぐに
憑くもの、猫をポイポイとな。と今日はアップいたします。
相模の国の津久井郡などにつたわるもので、
遺体の近くにねこが近寄ると
遺体が立って歩き出したりするというもの。
この遺体が台所の水がめなどから柄杓(ひしゃく)で水を飲むと、
操縦してるねこに「千人力」がついて
「ねこまた」に変ずることが出来ると言われてました。
もし、ねこがこんな風に遺体を立たせちゃったりしたら
箒(ほうき)で叩けば遺体はもとに戻るといいます。
「猫」が霊力を得て「猫股」へ変化する過程に
お葬式に関する習俗の俗信がまじっている型のものです。
猫などの力で動き出した遺体を箒で叩く慣わしは
中国大陸や朝鮮半島などにも見えるものです。
ぷかー。おれんぢー。「だいだいいろのとびもの」さんです。

昨日が地面のなかでめらめらなものでしたので
そこからの今日の連想攻撃は空にめらめら。
磐城の国の田人村などにつたわるもの。
夜空などをひかりながらとんでゆく「とびもの」で、
だいだい色にひかりながら飛んでいったといいます。
大きさは空に出てるお月さまより大きかったトカ。
もう少し小さい寸法のは赤かったり青かったりしたそうです。
めらめらフィールド。「じか」さんです。

昨日は「天から降ってくる」妖怪でしたので
今日は逆転連想攻撃で「地の中にあがってくる」ものからチョイスです。
漢字で書くと「地面」の「火」で、「地火」でございます。
各地で言い習わされてたもので、
そのとおりの地面の中に燃えて出て来るという火。です。
特定の日にはこれが起こるとされてて、
その日には作物の種をまくのをやめたりしました。
この日に種をまいた作物は
地面の中のこの地火の影響で不作になったり、不幸を呼んだりするとか、
麦や稲などの場合、それを使って葺いた屋根などは火事になるなどと言われてました。
肥前の国佐賀郡などでは、地火日につくりはじめた餅米は
葬式の餅になるといわれてました。
また、遠江の国などでは「地が焼けてる日」と考えられてて、
作物を植えてはいけないとしてたそうです。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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