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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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いよいよ年の瀬、12月の「和漢百魅缶」はじまりのアップは、
法体ではない場合もありますですじゃ、「うなぎのきゃく」さんです。

うなぎのきゃく 鰻の客

川に住むうなぎのおばけ。

にんげんの姿になって、うなぎをむやみやたらに捕る人間や
流れを汚す人間などの前に現われたりします。

むかし、江戸の小石川に住んでいたうなぎを巣穴から抜きとるのが得意で
いつもたくさんのうなぎを獲ってた料理屋の店主のもとに、
ある日はじめてやって来たお客が

「ただ巣穴で暮らしてるだけの魚を穴釣りなどまでして獲りなさるのはおよしなされ」

と話しかけて来たのですが、店主はそんな意見は右耳から左耳。

次の日、またうなぎを獲りに行くとものすごい巨大なうなぎがとれたのですが、
裂いてみると腹の中から、昨日お客がたべたのとおなじご飯が出て来てびっくりした、
というはなしが、『耳嚢』などにあります。

「うなぎぼうず」(鰻坊主)や「いわなぼうず」(岩魚坊主)などと同様の型のもの。
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これで通算3300体となりました、ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
塩化ナトリウム。「いそじお」さんです。

いそじお 磯塩

海に出るという妖怪で、船を襲ってひっくり返してしまう
などと言われてますが、詳しいことはわかってません。

『日本の妖怪大図鑑』(1978)では「磯塩」という用字がつかわれてましたが
かんがえてみると「磯潮」って字のほうがあってるんじゃないかと思ったりなかったり。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
きらきら大漁。「かわてんぐ」さんです。

かわてんぐ 川天狗

上野の国の塩之沢などにつたわるもので、
川の上流からながれてくるというひかる火の玉。

これに向かって魚をとる網(あみ)をバサッと入れると
ものすごくいっぱい魚がかかって来たりするといいます。




普通の「かわてんぐ」(川天狗)とは少し性質が違うので
別立てをしておりますです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
長命のやくそう。「ようしんし」さんです。

ようしんし 養神芝

漢字でかくと「養神芝」とかくもので、
東の海にある祖州(そしゅう)という島に生えてるというふしぎな草。

「不死草」とも呼ばれていて、
飲むと長生きするとか、死んじゃった人にこれをかぶせると
よみがえるとも言われてました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
化石なのか天然なのか。「しょうがん」さんです。

しょうがん 松岩

大陸によくある、めずらしい、へんな岩石のひとつで、
松毬(まつぼっくり)がそのまま石になったようなかたちをしてるというふしぎな岩石。
がけの中からとか、工事で土を掘ったりした時とか、
まれに地面の中から出て来ることがあるそうな。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
凝固なし。「ろくぶのとうふがま」さんです。

ろくぶのとうふがま 六部の豆腐釜

むかし、上野の国の多野郡の奥名から甲州の方角へでる道で
ある男が旅の六部さんを襲って金を奪い、
豆腐をつくるとき使う釜でこっそり煮殺してしまった、

というはなしに出て来るもの。


男は金持ちになったのですが、
それ以来、豆腐をつくろうとするとどうしても豆腐が固まらなくなってしまったので、
男の家では豆腐をつくらなくなってしまったんだソウナ。


お餅をつくと血が出るので餅を搗かない、といったはなしに近いものです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
幼女型延命貝類。「ふふぎのけや」さんです。

ふふぎのけや ふふぎの貝

庚申のかみさまがもってるという
小さい子供や赤ちゃんみたいなかたちをしてるふしぎな貝です。

「けや」ってのは「貝」のこと。おくにことばずらよ。
 

羽後の国の角館などに伝わっている話では、
庚申講をしていたらそこへ知らない爺さんが「入れてくれ」と訪ねてきたので、
みんなで親切にしてやったところ、この爺さんが
「お礼に今度はわしの家で開いてくだされ、ご馳走をします」と家に招きます。

さっそくお酒がふるまわれましたが、
爺さんが料理を出しに行ったきりなかなか帰ってこないので、
ひとりがソッと隙間から台所をのぞいてみたところ、
その爺さんまな板の上で子供をぶつぶつ切って料理してたのでビックリ。

それをきいてみんな帰ってしまいます。


腰がぬけちゃって立てなくなっちゃったひとりが、
どうしようもなくそのご馳走を食べて帰ったのですが、
このご馳走を食べたその人はその後とても長生きをしたトサ。




庚申を信心していた人々が庚申の神の化身に招待されて、
寿命の延びる食べ物で饗応される話の一ッに出て来るものです。
同様のものに「くけつのかい」などがあります。

また、似たはなしには「しょけら」などがあります。


人間のかたちをしてるってのは、「人参果」とかにも通ずるのかも知れませんが
なんで、この庚申さまの寿命のびる食べ物系は「貝」なのか、ちょぃとふしぎ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
競争社会。「いちじくのせい」さんです。

いちじくのせい 無花果精

信濃の国の更科郡などにつたわるもので、
家にこれを庭木として植えちゃダメだよ!という俗信にまつわるものです。

家の庭に無花果(いちじく)の木を植えると、
その家の主人と木の精が勢いを争いだすと言われてて、
家が没落しやすいとされてました。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
倉庫のおやぶん。「くらのかいぶつ」さんです。

くらのかいぶつ 蔵の怪物

むかし、江戸の本所に住んでた数原宗得(すはらそうとく)という
お医者の家の蔵にやどってたという正体不明のふしぎなもの。

蔵のなかにあるものを出し入れしたいときは必ず、
事前に蔵に言って断りをしないといけないとされてて、
言っておくと次の日にはそれが出してあったと言います。


あるとき、家が火事にみまわれて
家の者みんなが止むを得ずこの蔵の中に避難して一夜を過ごしたところ、
この怪物がどこからともなく姿もみせず

「非常のときであるから許すが、この後は決して入るべからず」

と声をかけて来たソウナ。


これまた、おとといの「柿木の怪虫」、きのうの「彦坂邸の怪獣」などと同様
正体がどういったものなのか確認があいまいなかたがたです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
昨日と同じでなぞ。「ひこさかやしきのかいじゅう」さんです。

ひこさかやしきのかいじゅう 彦坂邸の怪獣

文化3年(1806)、江戸の彦坂忠篤という武士のやしきの
えんのしたから出て来たというふしぎなもの。

頭はいたちのようだけど手足はなく、
蛇みたいに長いすがたをしてて長さは3丈くらいあったといいます。


特に人間を襲ったりとかなんとということはなかったみたいで、
庭に出てぐるぐる動いてただけのようです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
なぞのむし。「かきのきのかいちゅう」さんです。

かきのきのかいちゅう 柿木の怪虫

武蔵の国の今里村の桑原坂にあったお豆腐屋さんの家の
柿の木にある日くっついてたというふしぎな虫。

まるくて細い7寸くらいのしっぽがついてたというもので、
口をぱくぱくさせてたといます。

お豆腐屋さんのむすめが、「なんだこれ」と
ぱくぱくしてる口に指を近づけたらぱくっとかまれたのでびっくり。
木にこすりつけたりふりまわしたりして何とかはずして地面にポイッ。

すぐに近所のひとが集まって来てこの虫をボコボコ殴って殺しちゃいました。



正体不明なまるっこい虫で、『日東本草図纂』には「怪虫」という名で項がたてられてます。
ちゃんとした呼び名は何かあったらしいのですが伝わってません。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
今日はお酉さまの「二の酉」の日でございますから、
やっぱり鳥のシリーズから、「あまどり」さんです。

このしばりは年々過酷になる予定ですぞ。

あまどり 雨鳥

越中の国の大田村などに伝わってるふしぎな鳥で、
これが朝に飛んでると午後が雨、
夕方に出ると翌朝が雨になると言われてました。

つばめにそつくりな姿かたちだそうですが、
あごのところに赤い毛は生えてないんだそうです。ぴゅー。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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