無限発生・笠。「さんどぶち」さんです。

阿波の国の松尾川にあった淵。
むかし、川の上流でむらびとが集って博奕(ばくち)をしていると、
ひとりの旅の僧侶が「わしにも打たせてくれ」とその輪に参加。
すると余りにもこの僧侶が強い。みんな大負け。
そこでむらびとたちはこの僧侶を帰り道で待ち受けて捕まえ、
松尾川にドブン。殺してしまいます。
その後、この僧侶を殺した日になると、淵のあたりから
ふしぎと僧侶がかぶっていたのと同じ形の三度笠が
ぞくぞくと流れて来るようになったそうで、むらびとはそれを恐れて
法要をするようになったんだトサ。
川・坊さん・「なにをしとるのかね」という展開のせいで
一瞬、「いわなぼうず」(岩魚坊主)とかの系統(「毒流しはやめなされ」)なのかなと思ったら
かなり違う角度から攻められたので、はじめて読んだときは
「こう来たか」という感じでした。
――僧侶とか六部とか座頭とか旅人を殺しちゃう系統のひとつなのですね。
ザック。ザック。「あずきとぎのばばあ」さんです。

常陸の国、里美村の捩首(ねじくび)という場所に出ると言われてたもの。
「あずきあらい」の仲間で、この場所で耳を澄ましてると
「あずきとぎましょ人取って喰いましょかざっくざっくざっくざっく」
とうたっているのが聴こえたと言います。
また、夕方おそくまで遊んでる子供に、
これが来るぞと言っておどかしたりもしていたそうです。
一部分は「モウコ系統ガゴ系統」な感じなのですね。
「あずきあらい」
「あずきとぎ」
「あずきすり」
「あずきそぎばば」
「あずきとぎのばばあ」
「あずきばばあ」
「あずきあらいだぬき」
「せんたくばば」
「はしあらい」
と、かなりならんで来ました。さらさらさら。
なお、今年も半分こをすぎましたので
缶にアップした連中の新鮮さがもれださないように
押戻のキャラクターを投入です。「たけくりひなえもん」さんです。

ひよこみたいなのを履いてるんだよ。ぴわぴよ。
ぴかぴかぴかぴかぴかぴか。「こがねのはしら」さんです。

むかし、越前の国は坂井郡の稲越の神明社に
ズドーンと立っていたという3本の黄金の柱。
ぴかぴかきらきら光りを放ち過ぎて、夜でもその光は遠くから見えた
というほどのおそろしいものだったので、
このぴかぴかのすごさのせいで漁をすることが出来ず
困ってしまったひとびとが
「これを焼こう」
と相談。えらばれた7人の蜑女(あま)たちが
なんとかそれを決行して燃やしてしまうのですが、
近くで休んでいたところ急に休んでいた土ぐろが7つに砕けて
蜑女をおしつぶしてしまったんだソウナ。
この蜑女たちがおしつぶされてしまったあたりについた地名が
坂井郡伊井村の「七つぐろ」という地名なんだそうです。
それにしても、この黄金柱、なんで立ってたのかね。
耳の工事。「やまのあやしきひと」さんです。

むかし、但馬の国のあるお寺にいた道幸(どうこう)という僧侶が、
「魔物がでる」とか「ばかでっかい山伏が出る」とか「高入道がでる」とか噂されてた
寺の裏山に、本当にそんなもんがあるのかどうなのか確かめにゆくことに。
入ってみても何も起きなかったので「気の迷いだったんじゃろう、へへーん」と、
山に行った証しに木の皮を削って下山しようとすると、
ふしぎと辺りが真っ暗になって嵐が起こり
「こたびは許すとも、ついには命はあるまじ」
と不気味な声が。
すると、その四五日後、夢のなかに1寸ぐらいの大きさの立派な衣冠をつけたひとと
その供ぞろいたちが現れて、
「今日よりそのほうの命を毎日毎日ちぢむるなり」
と告げると、しもべに鋤鍬(すきくわ)を使って道幸の耳の中から
あぶらみたいなふわふわしたものを掘り出させます。
道幸は「……これは何だろう」と思っていましたが、
その後、毎夜毎夜ふわふわを掘り出されるたびに道幸は痩せてゆき、
2ヶ月後に死んでしまったんだトカ。
こいつは『新説百物語』にあるはなしで、元文のころ(1736-1740)の事としてあります。
『稲生物怪録』や、もっとむかしの百物語の本などにもある
魔所などおそれるに足りぬと言って乗り込んだひとが襲われる話のひとつで、
1寸くらいのちまちましたひとが、耳から何かを掘り出すのは面白い型。
小さい頃から、すきなおはなしの一ッです。
スネークヘッドの呪い。「へびだ」さんです。

むかし、ある男が借金のかたに取った田んぼで草取りをしてると、
うっかり鎌でへびの首を切ってしまいます。あたりを探しても頭がみつからなかったが、
家に帰って水をのもうと水甕(みずがめ)をのぞきと、そこにへびの頭が。
男はおどろいて、それを潰して殺してしまいますが、
その後もたびたび怪しいへびが田んぼに出て、ついに男は
その田んぼを手放してしまったんだトカ。
「あくだ」(悪田)や「えんぎだ」(縁起田)、「やみだ」(病田)など、
けちがついた田畑にまつわるものの仲間な、信濃の国におはなしです。
へびは、田んぼを取られてしまった家の者の恨みが化したものだと言われたソウナ。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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