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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
くーもーのー、ぷーかぷーこ、「うんせき」さんです。

うんせき 雲石

漢字で書けば「雲石」と、見た目そのまま体を現わすコチラさん、
海の彼方にある仙人たちが住んでいる山にあるというふしぎな岩で、
雲気をもくもく、中から湧き立てるといいます。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
かれかれかれかれカレンダー。「ひかずいし」さんです。

ひかずいし 日数石

但馬の国にあったというふしぎな石。
月のはじめの15日間は石の東の面が赤く、
つぎの15日間は石の西の面が赤くなったといいます。

木や花にも、こういったひと月をあらわしてくれる物体があって
世界各地にもチラリホラリと散在していますが、こちらの石さんも
なかなかおもしろきもの。

(たぶん、太陰暦仕様なので、いまのカレンダー進行だとあわないでしょうナ)

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
声ききわけます。「うしんぼう」さんです。

うしんぼう 牛んぼう

信濃の国の筑摩郡、広丘村の田んぼの中にあった
牛池(うしいけ)という池につたわっていたもの。

池の水面に向かって「うしんぼうー」と呼びかけると、
かならず水底からぷくんぷくんと泡があがってきたんだトカ。

「うしんぼう」という言葉だけに反応したそうで、
(「ががんぼー」とか「からめんぼー」とかだと泡でないよ)
牛が池の底に沈んでいるとも言われていました。


ぷくんぷくんぷくん。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
コンコンコツコツ。「ごんげんぶちのぬし」さんです。

ごんげんぶちのぬし 権現淵の主

三河の国の山吉田村にあった
権現淵(ごんげんぶち)というに淵にやどっていたぬしさま。

子供のすがたで岩の上にいたりしたり、
毎日ゆうぐれどきになると、きねをつくような音が淵から響かせたと言います。

あるとき、近くの家のひとが汚れ物をこの淵で洗ったところ、
この音が聴こえて来なくなり、その家は没落してしまったソウナ。
おこっちゃったんですね。

三河や遠江の国のあたりに、わりと多く記録されたり残ったりしてる
水のぬしは子供のすがたをして出て来た、という型のおはなしのひとつですが
きねをつく音がするというあたりは
しずかもち」(静か餅)とかに似てる要素があるのでしょうな。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
配合メディスン。「かっぱのちりれんげ」さんです。

かっぱのちりれんげ 河童の薬匙

羽後の国の角館につたわるもので、
人間につかまってしまった「かっぱ」(河童)が、
命ごいのためのおわびの品として置いて行ったというくすりさじ。
これで調合をした薬は、切り傷によく効く薬になったと言います。

薬匙のかたちが「れんげ」に似ていることから
「ちりれんげ」という呼び名はついていたようです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
いななきエネミー。「わたり」さんです。

わたり

信濃の国は中箕輪村あたりにつたわってるもので、
ぎば」(馬魔)や「たいば」(頽馬)などの仲間、「たいばわたり」とも。
角の2本はえた女の姿をしてるともいわれて言ます。

馬が急に死んじゃったりするのは、これに取り憑かれたからだと言われていました。



「たいばわたり」という呼び名の「たいば」は「大馬」や「頽馬」と書くものだ、
と、松山義雄『山村民俗誌』には書いてありました。



「たいば」(頽馬)というえば、怪作戦さんが今日から公開をはじめた
愛知おもてなし妖怪隊」という愛知県の妖怪を鼓吹するサイトに
ひょーせんも幾つか絵を描かしていただきました。

 (百魅缶とは、違うデザインで描いたりもしてます)

「たいば」(頽馬)も描きましたヨ。ひひひん。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
レンタルします。「ひゃくわんとどろ」さんです。

ひゃくわんとどろ 百椀とどろ

日向国の臼杵郡、北方村の荒谷にある滝で、
近くにある淵に「お膳やお椀を貸して下さい」と頼むと、
必要な数だけ、お膳やお椀を貸してくれました。

頼むと水の中からきれいな女のひとが
お膳を数だけそろえて出してくれたそうですが、

あるとき、

この女のひとの手をついギュッと握っちゃった男がいたそうで、
それ以後、お膳やお椀は貸してくれなくなったそうです。



たいていの場合、


お膳などを貸してくれる神様や主や動物とかは
「きちんと使ったあとに返さなかった」とか
「借りたお膳やお椀をひとつ壊してしまった」とか
そういった理由で貸してくれるのを廃絶するのですが、
ここの廃絶理由は、なかなか面白い。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
大きなものにはニョロがある。「おおきなかぼちゃ」さんです。

おおきなかぼちゃ 大きな南瓜

上総の国の国府関につたわるもので、
ある年のこと石臼のように大きなかぼちゃが畑に出来たので
これはスゴイ、わくわく、と割ってみると、
中身には大きな蛇のみたいなものがいたので、気味が悪くなり
以後は南瓜を畑で作るのをやめたという家があった、というおはなし。

かぼちゃを畑で育成するのはよくない!という家々に残っていた俗信です。

かぼちゃの中に蛇、というものの仲間には「かぼちゃのへび」などもあります。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
いいかえせ、いいかえせ、「すっぴょこぴょん」さんです。



安芸の国の山県郡につたわるたというふしぎな声。

むかし彦六という名前のじいさんが夜道を歩いていると

「彦六どのはすっぴょこぴょん」

というナゾの声で呼ばれたので、怖くなって急いで村に帰り
みんなにその話をすると「それはよくない」という事に。

村人があつまってその声がしたところに行ってみると、

「彦六どのはすっぴょこぴょん」

と、さっきじいさまが言った通りの呼び声がするので、


「そういう者こそ、すっぴょこぴょん」


とみんなで言葉を言い返しました。えんえん

「彦六どのはすっぴょこぴょん」



「そういう者こそ、すっぴょこぴょん」

が言い合いつづけられていましたが、
ついにふしぎな声が帰ってこなくなくなったので、あたりをさぐってみると、
口の大きく裂けたたぬきが正体だったソウナ。



すててぎてぎよ」や「ほっくり」、「ちんちろり」などと、同じ型のおはなしです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
きのうの南房総から、ザブーンと沖縄まで行って、「くがにのいん」さんです。

くがにのいん 黄金犬

昨日は、にんげんにあだをなしたふしぎな犬でしたが
きょうのコチラは、にんげんに幸をくれたふしぎの犬です。

むかし、悪い兄と良い弟の兄弟がいました。
親が亡くなったあと、弟が遺言どおりに「一合のお酒」と「一本のお線香」をもって
お墓参りに行くと、この犬がじゃれついて来て、一緒に暮らすようになりました。

すると、この犬、一日に一合のごはんをふげると、
一合ぶんの金をおしりから出してくれるので弟はたちまちおかねもち。


これを見た悪い兄が犬をひったくって ( い つ も の 展 開 )
「大量にえさをやればそれだけ金を出すはずだ」と考えて
えさをドサーーーーーーーッリと与えたところ、この犬はおだぶつしてしまいました。

弟が、これを悲しんで犬をていねいにとむらってあげたところ、
そのお墓から知らない木の実をつける樹が生えてきたそうで、
これが「クガニー」(「シークワーサー」の仲間の柑橘類)のはじまりだと言われています。




おなじような金の糞を出すおはなしには「りゅうぐうのくろねこ」がいます。
また、これは牛島軍平の「沖縄の年中行事」(『民俗学』2巻2号)というものに報告されてるもので
「クガニー」のはじまりのはなしは、「犬」ではなく「猫」であったとするものもあります。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ごはんだいすきですワン。「ひゃくぼうのいぬ」さんです。

ひゃくぼうのいぬ 百坊狗

上総の国の長柄郡につたわるもの。

むかしここに建っていて坊の数が100もあった道鏡寺というお寺に、
いつもいつもごはんの時間になるとたべものをおくれと
100坊中まわってあるく変な犬がいたのですが、

これに困った僧侶たちが鐘を合図に一斉にごはんを食べることにしたところ、
他の坊へまわっても全坊たべものが無くなっていたので
このふしぎな犬は怒って姿をパッと消してしまいました。

するとふしぎなことに寺のうしろの山が崩れて
この栄華をほこった道鏡寺は一坊も残さずうずまってしまいました。


100坊ぜんぶをまわってごはんをもらってたということは
なかなか大食な犬だったわけですが、
別に僧侶たちも毛嫌いしないでそれなりにごはんを上げてればよかったのに
と、思っちゃったりもするおはなしであります。


 

このはなしのはじめの部分、坊の食堂を順々にめぐって
このふしぎな犬がごはんをもらってあるいてった様子をうつして
「あっちこっちの家にごはん食べに行くひと」を表現した
「ひゃくぼうのいぬみたいだ」という言葉がこの地方では使われていました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
やっちょこ!やっちょこ!! 「ちんちんちんばかま」さんです。

ちんちんちんばかま ちんちんちん袴

きのうの「かごおばけ」さんは、画像だけがのこってる世帯道具の妖怪でしたので
きょうは、伝承に残ってるほうのお勝手道具のおばけからモコモコと出しましょう。
ということで、こちらです。

安房の国に伝わっていたもので、

つまようじを無駄づかいしていた長者のお嬢さんが
夜、便所に行こうとすると、なんだかわからないものが

「ちんちんちんばかま、きしなる神様、やっちょこやっちょこやっちょこな」

と歌って踊ってた。

怖いので家の者に話しても、誰も信じないし、
乳母といっしょに便所に行くとコレが出て来ない。


ある晩、勇気を出してお嬢さんがこのよくわからないものにひとりで近寄り、
その体に火をつけてみた。しゅぼーーーーー。

翌朝みてみると、つまようじが焦げて落ちてましたトサ。


はやいはなしが、「ちんちんこばかま」のなかまですが
燃やしちゃうってところが、なかなか勇気ハラハラな一大スペクタルです。
 

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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