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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい。「せんにんぞろい」さんです。

せんにんぞろい 千人揃

肥後の国の葦北郡あたりなどにつたわるもので、
山の中に「やまわろ」がぞろぞろ大量に集ってるというもの。

炭焼きのひとたちがよくこれを見たそうで、
天の橋立でグルッとのぞきこむみたいに、
足のまたの間からのぞくと「やまわろ」たちの姿が見えたといいます。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
スネークヘッドの呪い。「へびだ」さんです。

へびだ 蛇田

むかし、ある男が借金のかたに取った田んぼで草取りをしてると、
うっかり鎌でへびの首を切ってしまいます。あたりを探しても頭がみつからなかったが、
家に帰って水をのもうと水甕(みずがめ)をのぞきと、そこにへびの頭が。

男はおどろいて、それを潰して殺してしまいますが、
その後もたびたび怪しいへびが田んぼに出て、ついに男は
その田んぼを手放してしまったんだトカ。
 

あくだ」(悪田)や「えんぎだ」(縁起田)、「やみだ」(病田)など、
けちがついた田畑にまつわるものの仲間な、信濃の国におはなしです。

へびは、田んぼを取られてしまった家の者の恨みが化したものだと言われたソウナ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ふわふわ不審物。「くずぬの」さんです。

くずぬの 屑布

道にちぎれてぼろぼろになったような布が落ちてるもので、
通り過ぎても知らないうちにまた行く手にまるっきりおなじものが落ちていて、
それがえんえん無間ループにつづくというもの。

きつねやたぬきなどの化け種目の一ッで、
そんなことが続いてるうちにくるくると道に迷わされちゃうようです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
どんどんほいほい、「しらとりやまのしろぼうず」さんです。

しらとりやまのしろぼうず 白鳥山の白坊主

駿河の国の富士郡、白鳥山にいたというもの。

むかし、長貫という地域でどんどん焼きをしていたところ、
決まってこの白鳥山から白坊主が「ほーいほーい」と声をあげて呼ばってくるので、
ひとびとは気味悪がってどんどん焼きをしなくなってしまったと言われていました。

「なんであの地域はアレをやらないの?」といった
行事にかんする言い伝えに出て来るものですが
どんどん焼きに反応してた以外に、どんなことをやってたのかは
あんまりよくワカンナイ。

しろしろぼうず、しろぼうず。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
めどつのこんま(「めんこい仔馬」のメロディーで)「かっぱのこうま」さんです。

かっぱのこうま 河童の仔馬

十和田湖のあたりなどに伝わるもので、
沼などのちかくでよく遊んでた馬が急に頭のくぼんでるかたちの
「かっぱ」みたいな仔馬を生んでそのまま死んでしまう、というふしぎなもの。

河童に魅入られたりした、という考えなんでしょうけど
実際に起こってた存在だったりした場合、
(昔話の場合、話だけ、で、事実がない場合もあるんですが)
河童が概念として広まる前は、こういうのをどういう風に表現してたんだろ
とかいうことも気になるあたりであります。

ひひーん。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おはぐろフィーバー!! 「つだがえ」さんです。

つだがえ 付だがえ

「つだがえ」ってというのは、「付いたかな?」とか「付いたかえ?」という意味。

陸奥の国の五戸につたわるもので、きつねの化け種目の一ッ。

道に迷ってしまった男が(この男というのは、これ以前の道の途中で眠ってた狐を
「ワー」と大きな声でびっくりさせていて、狐がその仕返しをするというのが話の骨)
ある一件の家に泊めてもらうのですが、そこの家には死人があって、
それが家の中に寝かせてあるという、なかなか怖い状況。

すると家のひとが「ちょっと親戚のところに行くので留守番をしてくれ」と外出。

死人とふたりっきりで暗い中まっていると、
死人が立ち上がっておはぐろをつけだし、

「付だがえ、付だがえ」

と聞き続けてきたので、怖くて怖くて

「付だぁ」

と言ってやると、死人がおどりかかって来たので大慌て、
あっちこっちに逃げまわっていると、


「おい、そこのひと、いばらやぶの中で何をドサクサ騒いでるんだ」


と通行人に声をかけられ、我にかえったんだトカ。
おはなしとしては、きつねやたぬきが人間におどかされた仕返しをする
典型のながれなのですが、おはぐろでギャーというものは、
ついたかみてくろ」や「おはぐろべったり」の仲間にあたるおどかし術。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
レンタルするっチュー。「ねずみあなのぬし」さんです。

ねずみあなのぬし 鼠穴主

信濃の国の安曇郡、中房山にある
鼠穴というほら穴に住んでいるぬし。

お膳やお椀を必要な数だけ前の晩この穴にたのんでおくと、
次の朝には穴の入り口に置いてあって、貸し出してくれたと言います。

しかし、あるときお椀を壊してしまったひとがあって、
それをことわりもなくそのまま鼠穴に返却したところ
それ以後は貸し出しを廃絶してしまったソウナ。

各地にあるお椀を貸してくれるぬしさまのひとつですが
鼠であるというところは、大黒さまつながりで、ちょっぴり、福の神の国な感じ。

本日の「和漢百魅缶」へのアップは
こつこつしょぼふる雨のおつかい、「ばけこぞう」さんです。

ばけこぞう 化小僧

大きな笠をかぶって、豆腐のおつかいをしてる姿をしてるおばけ。
とうふこぞう」(豆腐小僧)とは大体おなじものです。

目の玉がひとつだったりして、その顔でひとをびっくりさせるみたいです。
名前のごとく、おつかいの小僧さんの姿のおばけですが
絵によっては、尻尾やおキンなどが描かれてたりして、
こちらも豆腐小僧な妖怪同様、正体はたぬきだったりかっぱだったりするみたいです。



錦耕堂の『をりかはりゑ』(折り変わり絵)という
きってたたんで絵がかわるおもちゃ絵では
おりたたむとカカシになる絵で描かれてたりします。
やっぱり、おっきな笠がポイントなんでござんすナー。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ビッグ坊主。「たかんぼ」さんです。

たかんぼ 高坊

加賀の国の江沼郡の荒谷のあたりにつたわってるもので、
ものすごく図体が巨大な男。

軽く歩いたときの1歩分の距離が1町(109mくらい)以上あったと言います。
大きな歩幅がしるされてるとなると、「だいだらぼっち」とかの系統なのかなぁ
とも思ったりするんですが、『南加賀の昔話』の本文では
「たかんぼって者が出た」と語られてるので、「たかぼうず」などの仲間のようです。
どっちかなぁ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
目のつけどころが、「めふたつ」さんです。

めふたつ 目二ッ

大阪あたりで売られてた豆絵などによく見られるもので
ひたいのあたりにも眼の玉がタテにふたつ生えてるおばけ。

人間のからだから眼の玉がふたつだけ生えてるみたいなデザインの
めばかり」とかとは、一緒に描かれたりしてる絵があることから
目玉関連のなかまなんだろうな、と見るたびに思ってますが
実際、こういう妖怪が出たというよりは、こういうデザインの画像妖怪として
発達しようとしてたもののようです。(あんまり一般流布しなかった)

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ほんとは要らない。「ひくれろ」さんです。

ひくれろ 火くれろ

岩代の国は檜枝岐村に伝わるもので、
むかし、おじいさんが川っぺりの小屋に居たら「火くれろ火くれろ」と
かわいい声で言ってきたという小さい子供のすがたのもの。

「かっぱ」だなと気がついたおじいさんが
「かっぱ火やろう火やろう」と返したら
「いいや、いいや」と言っていなくなってしまったソウナ。


こういう具合に、水の中から子供のすがたのものが現われて
「火をくれ」とか「火をかせ」とか言ってくるおはなしの型というのは、いくつかあるそうで、
三河の国の「ひをかせ」(火を貸せ)とかとは、近いもののようです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
硬貨イノシシ。「ぜにひりじし」さんです。

ぜにひりじし 銭排猪

薩摩の国の川辺郡につたわるもので、
むかしむかし山の中にいたという、銅銭を糞として出してたふしぎないのしし。

あるじいさんが山でこれをみつけて、
ポロポロ落とす銭をひろい集めてお金持ちになった、
という話を聴いた欲深いじいさんが、
後ろをついて行っておなじように銭を拾ってたのですが、

途中でなかなかおしりから出て来ない銭があってイライラ。

まだ出切ってない銭を取ろうと引っぱった途端に、このいのししがびっくりしちゃって
銭をじいさんの腕と一緒におしりに吸い込んじゃって暴れ出したので大変。

じいさんはそのまま山中をひきずられてしまい、死んでしまったソウナ。



おしりから、お米を出したりする「こめひりじぞう」(米ひり地蔵)や
一定のごはんを食べるとその分だけ金を糞としてだした「りゅうぐうのくろねこ」(竜宮の黒猫)などと
おなじラインにあるおはなしです。
 

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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