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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
もとは武田の落武者で。「こうべごんげんさま」さんです。

こうべごんげんさま 頭権現様

信濃の国の小野川の太平霊社というおやしろにまつられてるもので、
首からしたの部分すべての病気やけがなどにご利益があると言われています。

むかし、あるあやしい山伏が村にやってきたので
これを村人たちが殺して埋めたところ、ある年、疫病がまんえん。

その患者のひとりが

「わしは殺され埋められた山伏じゃ、埋められた骸骨に
 木の根っこがからみついて痛いのじゃ、どうか安らかにしてくれ」

と言い放ったので、そこを掘ってみると確かに骸骨がそんな状態になってたので、
これをまつって上げたのが、これなんだソウナ。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
シジミがパール。「しにみがい」さんです。

しにみがい 死身貝

恋の淵瀬、義理の海、ふかき思いの河水などといった所に生じるふしぎな貝で、
夜明けごろ、死んだこの貝が数多く打ち上げられて死ぬといいます。

暁鐘成の『無飽三才図会』に出て来るデザインおばけで、
「心中者」をもとに、デザインされたもの。
「しんじゅ」と「心中」が核になってる言葉のつながりで、
それに「しじみ」と「死に身」、が付属して、構造を強化させています。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
トテモイイクスリニナルヨ、「みみずのどうぼね」さんです。

みみずのどうぼね 蚯蚓の胴骨

なかなかもって手に入らないふしぎな薬の材料で、
みみずのからだの芯になってるという骨。ようするに、「ミミズの脊椎」です。

「氷の素あげ」とか「雪の黒焼き」とかと同様のもので、
決して手に入らないもの、という意味あいを含んでいるもの。


狂言の『膏薬練』に出て来る「石吸膏薬」売りのおじさんが
そのグレートミラクルな石吸膏薬の原材料を誇って語るせりふには

「別に珍らしい物もいらぬが石の腸 木になる蛤 蚯蚓の胴骨などが入ることでおりゃる」

などと、この珍物を利用していることを開陳するギャグが入っています。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ギブミー、みずくれろ。「とびがみ」さんです。

とびがみ

陸奥の国は津軽郡中川村などに伝わるもので、
道を歩いてるひとにパッとぶつかったりすると体に異変がでる
「いきあいがみ」とかの仲間のひとつで、
これに取り憑かれると、かかとの上あたりのすじが痛くなるんだトカ。

行き倒れで死んだひとや変死をしたひとの亡霊がこれになると言われてます。
水をほしがって人間のまわりに出るらしいそうで、水をまいてあげると消えます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
サルガクのサザエ。「さざえのせいこん」さんです。

さざえのせいこん 栄螺の精魂

狂言の『栄螺』に出て来るもので、
数百年をへた大きな栄螺(さざえ)の精。

貝殻浜(かいがらのはま)という浜辺が舞台となっていて、
人間に焼いて食べられてしまったあと、
夜な夜な浜にあらわれて人々をおどかしていました。

浜辺に落ちていた貝を見て無常を感じた修行者のあげてやってお経によって成仏します。

おわりのほうにでてくる地の詞章は、なかなか面白い文句です。
「あるいは打ち割り、塩をさされて悲しむ声は、猛火(みょうか)となってきえぎえとなりけるが
 ほどなくわれも網にかかり、引き上げられて炭火にあぶられ、角をもがるる苦しみなるを、
 今ありがたき御法(みのり)を受くる角栄螺(つのさざえ)
 曲(まがり)の心をうち捨てて、直(すぐ)なる道にひかれひかれ、
 直(すぐ)なる道に引かれ引かれて、栄螺殻(さざえがら)とぞなりにける」

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
みんなでうたおう。「すててぎてぎよ」さんです。

すててぎてぎよ

伊勢の国の神部高岡(かんべたおか)の法蔵院というひとの寝室に
夜になると出たというおばけで、

「法蔵院があたまは、すててぎてぎよ、すててぎてぎよ」

という歌をうたいながら拍子をとっておどるような声をたてたと言います。

誰がうたってるんだろ、うるせぇ、と、あたりをさぐっても誰も影もないので、
ふしぎに思っていましたが、ある夜のこと、これに対して

「法蔵院があたまがすててぎてぎなら、おのれがあたまもすててぎてぎよ、すててぎてぎよ」

と言い返しつづけたら、バタリと音がしてたぬきが倒れて死んでいたソウナ。



なにか延々といいつづけてくる言葉に対して
これに負けじと言い返し続けてればなぞの声(正体は大体タヌキ)が負けちゃう
という図式は、「ほっくり」や「ちんちろり」などと同型のもの。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
いつのまにか桶ちゃん。「やまだのさかのかんおけ」さんです。

やまだのさかのかんおけ 山田坂の棺桶

河内国の滝畑村にあった山田の坂という山道を夜あるいてると、
ときどきポツンと道にあるというふしぎな棺桶。

「あんなところに棺桶がっ!? どうしてどうして?」――と人間を慌てさせたり
いつの間にかパッと消えてしまったりして、さらにひとをビックリさせたといいます。

狐たちがこれを出していたと言います。
なかなか、即物的な化け術ですな。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
キツネとは無関係。「なすのがはらのひばり」さんです。

なすのがはらのひばり 那須野原の雲雀

なすのがはらといいましても、ちがうところにもござんす。
こちらのなすのがはらは、相模の国は鵠沼(くげぬま)にある那須野原でござんす。

この鵠沼の那須野が原に棲息してたというふしぎな雲雀(ひばり)で、
ほかの雲雀よりとても綺麗な声で鳴くのですが、
ふしぎと片足が必ず無かったり、足の指が欠けてたりしたんだトカ。

たぶん、ほかの地域にも数多くのこってる
眼がいっこしかない、だとか、羽根のかたちが違う、だとか
その地方の武将だとか神社の神様とかの古い話にまつわるいわれが
関係してそういうことが言われてたんだと思いますが
特にそういうのはサッとみたところ見つかりませんでした。キニナルネ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ギィーーーーーガラガラドボーン。「つるべざか」さんです。

つるべざか 釣瓶坂

相模の国の藤沢にある坂で、むかしここを夜あるいてると
木の上あたりから釣瓶(つるべ)をおろすような音が響いて来て、
ひとをびっくりさせたと言います。

むじなが音をたててると考えられてたようです。


「つるべおとし」などと呼ばれてるものの中には
これと似たもの(音だけ)というものもあったりしますが
どちらかというと、坂道で何かが転がってくる音がしてくる……とか
ちゃがまおろし」みたいな妖怪に近いもののようです。
 

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
だいじゃのおばあちゃん。「ばばあぶちのぬし」さんです。

ばばあぶちのぬし 婆々淵の主

羽後の国の蛭野村にある婆々淵にすんでいるぬしで、
大きな大蛇だと言われています。

むかしむかし、ある男が水底をあさっているとき
うっかりこの大蛇の体に鎌を打ち込んでしまい、びっくり、
大蛇のあばれもたげたすがたを目の当たりにして逃げ帰った男は
熱を出して寝込んでついに死んでしまいました。

いっぽう、このときキズを負った婆々淵の主は、
ちかくの泥湯温泉に、老婆のすがたに化けて湯治にいったと言います。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ばあさまの為ならえっさかほいさか。「まごたろうぎつね」さんです。

まごたろうぎつね 孫太郎狐

播磨の国の芝原にいたきつね。

いのちを助けてくれたお婆さんに恩返しをするために
まずはきつねのままの姿でなついていたりしましたが
しばらくすると人間の姿に化けて、息子のように仕事を手伝ったりしたと言います。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
植物性追尾。「すすきおばけ」さんです。

すすきおばけ 芒おばけ

河内の国の加賀田村と三日市のあいだあたりの道を
夜あるいてると、後ろからすすきがついて来た、というもの。

むかし、村のひとびとの間では狸の化け種目だと言われていたようです。


後ろをついてくるという点では「べとべとさん」など、
足音が後ろをつけてくるものに少しだけ近いものです。

でも、植物がうしろをつけてくる、ってのは、なかなか面白いもの。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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