忍者ブログ
氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  
[390]  [391]  [392]  [393]  [394]  [395]  [396]  [397]  [398]  [399]  [400
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
風習の唱導役。「にゅうどうこぞう」さんです。

にゅうどうこぞう 入道小僧

三河国は設楽郡、小田木にあった淵に住んでたというふしぎなもの。
むかし淵の中からボチャっと小僧さんが出て来て

「かどまつを立てんなよー」

と大声をあげながら辺りを歩き回ったことがあったので、
このあたりの多くの家々では昭和のはじめあたりまでお正月に門松を立てなかったんだトカ。

(ただし、この「立てんなよー」がいつだったのかが正確じゃないから
 どのくらいの期間年月、門松を立ててなかったのかはよく知らない)


池や淵の主や水の精などと思われますが、「かっぱ」とかに近いものどうかは不明です。
でも、これが出て来たことから淵の呼び名も
入道淵(にゅうどうぶち)ってものになったんだソウナ。

PR
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
糸をもりもり。くるくるりん。「くもおんな」さんです。

くもおんな 蜘蛛女

伊予の国の城辺あたりにつたわるもので、
糸車をまわして糸をつむいでいる姿で野道などにあらわれた
あやしい女の姿のおばけ。

どんなに弓や鉄砲で撃っても何ともなくて、
山道をあるく猟師たちにこわがられていましたが
「岩井のお兼」という名うての女猟師に猟師たちが訊ねたところ
「そういうものは、糸車の軸があやしい」と見破られ、
そこを射抜かれると消えたといいます。

正体はくもだったソウナ。


人間の体ではないものが弱点というのは、「おうみばばあ」とか
糸や綿をつむいでる姿に化ける妖怪によくあるもので
その正体は、狸だったり、ふくろうだったり、狐だったり、
蜘蛛以外にもいろいろ取り揃ってございます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
わら帽子をかぶーーってよーー。「にゅうとびがみさま」さんです。

にゅうとびがみさま 稲積神様

肥前の国の平戸島にまつられてるかみさまで、
石がご神体。
「にゅうとび」は稲積のうえにかぶせるわら束のことで、
これをかぶせてることからの呼び名で、
実際のかみさまの呼び名はもう不明になっちゃってるんだとか。

毎年うえに稲わらの束をかぶせてあげるのがならわし。

この石はだんだん成長するらしくて、
巨大になりすぎないように、竹をしめた輪でおさえつけられてるんだトカ。


平戸島には、こういうその年のあたらしい稲わらとか萱とかを
毎年かぶせてあげる神様の言い伝えがいくつか残されてて、
「坂本さん」というかみさまも、ここの同じようなおかた。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぴかぴかエンブダコン。「だいぶつのばけもの」さんです。

だいぶつのばけもの 大仏怪物

近松門左衛門が書いた浄瑠璃の『平家女護島』などに出て来るもので
福原京に出たという骸骨や大首の妖怪をもとにしているものです。

相国さまこと平清盛(たいらのきよもり)に焼き打ちにされた
東大寺の大仏が化けた、と、見えた、まぼろしのおばけで、

ごちゃごちゃと目のついたどくろが何千も転がって山になったり、
何百もの目の玉がついた大きな首になったりして清盛をおびやかしました。


「めくらべ」とか呼び名がついて描かれたりする以前、
早い段階の物語上での進化形態です。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
光らず。鳴く。「ひとだま」さんです。

ひとだま 鵺

豊後の国は大野郡につたわるもので、
とらつぐみ等の夜に鳴く鳥たちを総称した「ぬえ」の呼び方の一ッです。
これが夜に鳴く声がきこえると不吉だとか言われていました。

「ぬえ」なら「ぬえどり」とかそういったので呼んでれば普通ですのに、
どうして「ひとだま」という呼び名になったのかの詳しい経緯は不明です。

たしかに、雉とか鷺とか、山鳥や水鳥が火の玉に化けたりするって
話も各地に残ってるのですけど、なんでじゃろ? はてな、はてな。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
明治の戯文つくりの大手株のひとり、きぼーさんの作品の中から
なまずさんをニョロリ。「なげかわしい」さんです。

なげかわしい 投川四位

「なげかわしい」とひらがなにしちゃうと意味がまるわかりですが
ちゅんと漢字をあてると「投川四位」と書きます。

礫川喜望(こいしかわ きぼう)シショーが明治15年に
政府の官吏名簿『官員録』をもじって鯰公たちの一覧表をつくろうとした
(ぜんぶつくったかどうかは不明)『苦椀員録』に出て来るもので
大苦労省(おおくろしょう)の大臣閣下さまです。

おやしきの住所は「おもてゆうらく町、うら苦番地」で
お名前どおり、ザ・赤字なかんじ。


大苦労省には、ほかにも、原岡公斎(はらおかこうさい)とか
笛田紙平(ふえたしへい)とか河合惣太(かわいそうだ)とか
いろんな名前の鯰公もいますので、追々のアップも、ゼシ、おたのしみに。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぷくぷく。「ふくれはし」さんです。

ふくれはし 膨れ嘴

長いくちばしの先がプクッとふくれたしんこ細工みたいな姿をしてるおばけ。
九徳斎こと勝川春英デザインのおばけのひとつですが、
ただ絵に出て来るだけで実際は特に呼び名はありません。
みためそのまま「膨れ嘴」おみしりおきを。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
天狗でぐらんぐらん。「てんぐのはおと」さんです。

てんぐのはおと 天狗の羽音

備中の国の吉備郡などにつたわるもので、「てんぐ」たちが松の木から松の木へと
飛び渡って行く航路の上に家をぶち建てたりすると、
家が風も地鳴りも何にもないのにグラグラガタガタ音を立てて揺れることがあるんだとか。

家を建ててはいけないという俗信がある地域に
家を造った結果「やなり」が起きる、というものを
てんぐ」に引き寄せて言っていたものです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ほうきを粗末にしちゃイカン。「ほうきねぶと」さんです。

ほうきねぶと 箒癰

ほうきの上をまたいだりすると、ほうきの精霊とか神様のばちを受けて
体にボチッと発生するよ! といわれていた癰疽(はれもの)で、
周防大島などで言いならわされていたものです。

ほうきを大事にしなかったり、敬意をはらわなかったりすると
何かしらの罰をうけるよ!(ex.火事のときに逃げられなくなる、お産が重くなる)
というのは、全国区で立候補されている俗信のなかの有力選手ですが、
これはもともと、ほうき、っていう道具自体が一般的な道具じゃなくて
神聖な行事のときにだけ使われる特別な道具だったから、だ、と、
よく説明されているので、まぁ、そんなに深く説明しくてもいいか、と多少なげやり。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
レパートリーはちよよろず。「うたしりのへび」さんです。

うたしりのへび 歌識蛇

この世にある様々な歌を知っていて、
それを日々うたってたという目玉のないへび。

むかしむかし、ある日のこと

「へびさん、へびさん、あたしゃ、うたを歌いたいのでおぼえたい」

こんな風にみみずが頼んできたので、

「教えてやってもいいけど、これは大事なもんだ、ただとはいかん」

と、へびはみみずの「目玉」と自分の「歌」とを交換した為、
これ以後、みみずたちには目玉がなくなって地面の中でうたを歌うようになり、
へびたちには目玉が出来て出歩けるようになり、うたは歌えなくなってしまったんだソウナ。


と、いうむかしむかしの蛇のおはなし。

きょうの「和漢百魅缶」へのアップは
ミテハイケナイ。「さきょうぬまのぬし」さんです。

さきょうぬまのぬし 左京沼の主

陸奥の国は東通村にある左京沼のなかにすんでるというぬし。
巨大なさんしょううお(他にはうなぎみたいなの、と言われてます)のような姿をしてる
と言われていて、その姿をみた人間は衰弱して死んでしまうんだソウナ。

「左京沼」という沼の名前は、
むかしこの沼の近くを馬で駆けていた左京という名前の侍が
この沼のなかに引き込まれてしまったことから来てるという話がつたわってますが、
それとこのぬしの話とは関連はしていないようです。

(そちらの話はまた別の機会に)

――さいきん、この手の分岐が多いですナ


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ごめんください、おじょもします。「おじょも」さんです。

おじょも

讃岐の国につたわる、家の中に出るとされてるおばけで、
家の中のえんのしたの下などにいるといわれたりしています。

いたずらをする子や、親の言う事をきかない子とかのところに出てきて
おどかしたりすると言われていました。

(小さい子同士で「わー、夜べんじょに行くとおじょも出るぞー」とか
 言い合って、こわがらせがったりしたりもしてたようですゼ)

「おじゃも」または「おじょも」という呼び名がされてたことが報告されてますが、
おなじ讃岐につたわる「おしょぼ」との関係性は余りよくわかりません。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
妖界東西新聞

妖界東西新聞 日刊紙だから まいにち更新中

和漢百魅缶wiki 検索用に。

2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


最新コメント
[01/24 دکوراسیون منزل]
[11/29 NONAME]
[05/08 100]
[01/13 佐藤]
[01/05 ひょ―せん]
妖怪マガジンYOMIMANDARA
月刊?妖怪マガジンYOMIMANDARA

文車堂版社妖改革宣言

新・妖怪党 部署一覧


 Logo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党




 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党



 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党



 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党

最新トラックバック
フリーエリア
© 2007-2024 Koorintei Hyousen

本ブログの内容、画像の無断転載、無断転用を禁じます。

忍者ブログ   [PR]