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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
鳴いても風は巻き起こりません。「かいばんし」さんです。

かいばんし 海蛮師

大陸の海につたわるもので、体が魚で、
頭と体の斑文と前足が虎みたいだという海の生物です。

なんだか、ぬえ合成な感じの記述が残ってるのですが
実際のところは、アシカとかみたいなマリンマーマルの仲間のひとつを
そんな風に表現してたものだソウナ。

でも、大陸に伝わってる「しゃちほこ」の古い絵姿と
この言い立ての特徴がクリソツだったりするのでナントナク見逃せぬお方。

(鯱は前足ないけどね)
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
はるかなる音響の魔術。「きつねのうたごえ」さんです。

きつねのうたごえ 狐唄声

狐たちが巻き起こすという化け術の一種目で
山の中などを歩いてるときに、遠くか近くかどこからか
誰かが唄ってる音が流れて聞こえてくるというもの。

しかし、そこらへんは狐の化け術、
どんなひとが唄ってるのか近寄ろうとしても近づけません。

また最大の特徴は、この唄声、メロディーはクッキリわかるのに
そのメロディーにのってる唄の文句は、聞こえてくるのに
一文字も判別がつかない、という点。 実にふしぎでござるコンコン。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
じゃーん、みずぐもいらずウーマン!! 「しまむらなにがしのつま」さんです。

しまむらなにがしのつま 嶋村何某の妻

むかし、嶋村という長者の一家が
奈良へ遊びに行っていろいろと物見遊山をしていたところ、

あるきれいな池のほとりで嶋村の妻が急に
「かかる所ありつるを、いままで知らざりけること本意なけれ」と
つぶやきながらニコニコ微笑みだしたかと思うと、
そのまま池の水面をちゃぷちゃぷと歩いて行って、
池の真ん中にたどりつくと、そのまま消えてしまった、というふしぎなものです。

ふしぎ ナンバーワン。
なんで、この奥様は水の上をスイスイあめんぼ状態で歩けたのでしょう。

ふしぎ ナンバーツー。
嶋村の妻が、池の主の化身だったとか竜宮のひとだったとかいう点は
特に記されていないため、何でこんな事態になったのでしょう。という
事情のあたりがまったくもって飲み込めません。


じつにふしぎふしぎ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
はいしどーどー、バッタリコン。「ばほ」さんです。

ばほ 馬歩

大陸につたわる、馬を病気にしたり、
バタンきゅーさせてしまうというかみさまだそうですが
(漢籍には「害馬神」などとか記されてます)
あんまり詳しいことはわかってません。

日本の「馬魔」とかと同じ感じでしょうかね?
と、いうことでイメージはまとめてあります感じ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
個人名連呼。「うへえどんうへえどん」さんです。

うへえどんうへえどん 宇兵衛どん宇兵衛どん

美作の国の吉野村にいた猟師の宇兵衛どんが
山でのしごとをおわらせて山道を帰ってくると毎日毎日
「宇兵衛どんー、宇兵衛どんー」と声をかけてたというおばけ。

あたりを見まわしても誰もいなかったので、
宇兵衛はずっとこれを無視していたのですが、
ひと月のあいだ毎日毎日この声が飛んでくるので
ついにしびれを切らして「何の用だーーー!」と聞き返してみたところ、

やぶの中からガサガサゴゴゴとおばけが現われて
「盆に迎えにいこうか、宇兵衛どん」と言葉をついで来たので
「来るなら来い、鉛の団子を出してやる」と宇兵衛がさらに言い返すと、
その後は二度と呼びかけをしてこなくなったんだトカ。


ギャング映画とかにある「鉛を喰いな」みたいなもんだネ。宇兵衛どん。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ザ・残酷醗酵法。「こくだしゅ」さんです。

こくだしゅ 黒蛇酒

生の黒蛇……いっぴき
麹……………適量
酒……………瓶いっぱい

を酒がめの中に入れて何日何日も密封しておくと出来るというお酒。
毎日ほんの少しずつ服用すれば、どんな重い病気にも薬効を発揮すると言われていました。

ある患者が製法をきいてこれをつくってみたのですが、
余りにイイ香りで味もおいしかったので、ついお椀に何杯も何杯も
ゴッキュゴキュ飲んでしまったところ、体がとけて水になってしまったトカ。


さんそくべつ」(三足鼈)も、食べると体がとけて水になっちゃう、
という効果をつかった昔話がありますが
(知らずに料理して食べせたら旦那さんがとけちゃって、奥さんが容疑者になる)
なんだか大陸には、このオチ、多いよ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
お師匠さま方向指示器。「まちょうしょう」さんです。

まちょうしょう 摩頂松

昨日の「片枝松」にひきつづいての大陸もの。
漢字で書くと「摩頂松」となるコチラの松の木さんは、「マツ」の音のごとく
三蔵法師さまの帰りを「待つ」ていたふしぎな松の木さん。

『西遊記』の登場人物にも取り入れられて日本でも名前の大きな三蔵法師が、
天竺へ旅立つことを決めたとき、お寺にあったこの松をなでて

「吾が西へ進めば西へ枝をのばし、
 吾が帰り来たらば東へ枝をのばし皆にそれを伝えよ」

と想いを告げたところ、この松の木さんはしっかりそのとおりに
枝をのばして三蔵法師の旅の行方をひとびとに知らせてくれたんだってサ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
草木もなーびーーくよーー。「かたえだのまつ」さんです。

かたえだのまつ 片枝松

丹後の国は与謝郡に生えてた大きな松の木。
「片葉芦」とかとはお仲間でございます。

山荘太夫にさらわれて来てしまった安寿姫と対王丸が
「家に帰りたい、もう帰りたい」と泣いていたときの心が木に宿って、
その想いから、家のある方角にだけ枝が生えるようになった、と
言われていたものです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ニジケムリハネアリ。「はねありのき」さんです。
 
はねありのき 羽蟻気

いまからざっと1124ねんまえ、仁和3年(887)の8月4日と8日に
空にブワワワワワーと現われたという虹のような雲のようなふしぎな筋で、
羽蟻(はねあり)がたくさん固まって飛んでいるものだったそうです。

大和朝廷がコレはいったいなんなのか占わせたところ
大風や地震や失火の前兆であるとの結果が出たそうな。

実際、このハネアリベルトの観測記事が載っている『日本三代実録』の
まわりの記事をながめてみると、8月には大風で洪水も起きているし、
震度は不明ですが地震も何週間にわたって起きているし、
羽蟻だけじゃなくて、鷺(さぎ)が大量に屋根に留まってたり(怪異な感じに)
実にリアルに前兆的中してるのですが、8月4日の時点で
地震は起きたりしてるので前兆としては、ややお寝坊さんな感じ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
フラッシュエッグ。「めいおうらん」さんです。
 
めいおうらん 明鴨卵

ひかりかがやく明珠のように、ピカーーーーッと
まばゆいひかりを発し続けるという鴨のたまごで、
しばらくそのまま放置しつづけて
賞味不可能なかんじのニオイとカタチに崩れたような状況になっても
その輝度はわりとそのまんまだったそうです。

まれにこういうふしぎな卵がまじってたもののようで、
この話が載ってる『夢渓筆談』にも、2例、話が載ってます。キラ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
せわせわ発熱。「おせわかぜ」さんです。
 
おせわかぜ お世話風 

寛政3年(1791)ころに江戸で流行したはやり風邪で、
「おそめかぜ」などの仲間です。

「おせわ」という呼び名は、「お染」みたいにソンナ人名なのかな
と、なんとなく思えちゃう響きですが、この呼び名自体は
その頃「それはおそろきお世話ェ」という文句の俗曲が流行ってたから、
「お世話」って付けたのですよ、とかいう事が
山東京山の『蜘蛛の糸巻』って随筆には書いてありました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
『白沢図』にあったらしい(?)妖怪のひとつ、「すいたん」さんです。
 
すいたん 水淡

漢字で書けば「水淡」で、なんだかさっぱりスッキリ涼しげな見た目ですが
こちらさんは、かまどの中とか近くにニョキっと突然生えてくるというナゾの野菜。

良いこと・悪いことドチラなのか伝わってませんが、
これが生えるのが何かの前兆としてとりあつかわれていたのは
他の『白沢図』の妖怪の面々と大体おんなじ感じだと思われます。

ニョキっ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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