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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
訪問の常連。「かんえもんどんのたぬき」さんです。
 
かんえもんどんのたぬき 勘右衛門どんの狸

近江の国は高島郡につたわるもので、ある勘右衛門さんのいえに
やたらと出没していたといういたずら狸どもです。

夜中に「かーーーんえもんどーーん、かんえもんどん」と
家の戸をたたいて、家のものを起こしては楽しんでたようですが
あんまりにもよくこの手を使ってたそうで
回数がかさむにつれて、家のものは「あ、これはまた狸だな」と
大体わかっちゃうぐらいになってしまったソウナ。

なんで勘右衛門どんのいえが好きだったんだろ。
エサでももらってたのかね?
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おしりの用心ごようじん。「がいなぜ」さんです。

がいなぜ がい撫

丹波の国は桑田郡あたりにでるというおばけで
おしっこやらうんこやら、寸法はどっちでもかまいませんが
ひとがおしりを出して用を足してると、すーっと現われて
おしりをなでて行くというものだそうな。

「かいなで」とかとはほとんど同じものですわいな。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ハヤキコトカゼノゴトシ。「にめんはっそくのいじゅう」さんです。
 
にめんはっそくのいじゅう 二面八足の異獣 

享保7年(1722)に蝦夷のある山がまっぷたつに崩れちゃったときに
見たことがないような獣たちがいっぱい駆けて出て来たそうなのですが
その獣の群れたちのなかで、ひときわ異相をはなってた、というもので
風のようにはやく駆け抜けてどこかに行ってしまったので
「なんだあれは!!」と眺めるのがせいいっぱいだったソウナ。

なにものだったんだろうね。これ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ピンプッスン。「はりさしおばけ」さんです。
 
はりさしおばけ 針刺おばけ 

江戸時代の前半(鬼質時代でいえば徳川代の前絵本紀)によくある
家にある道具をおばけに仕立てた絵のなかに見られるデザインで
針と糸との連絡からか、蜘蛛な手足が生えてるのがきゅあんポイント。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ザックザックでドッチラホイのこめとぎさん、「こめとぎいたち」さんです。
 
こめとぎいたち 米磨鼬

いたちが夜中に家のなかにぴょこぴょこ入ってきて、
おこめをとぐような音を響かせたりするというもので
越後の蒲原郡の大面村あたりに伝わっているものです。

このザクザクだかジャラジャラだか、ひびかせるこめとぎの音、
これは一種の、前触れ、として信じられていたそうで
この音が家の表から入ってくるように聞こえてきたら悪いことの起こる兆し
裏からやって来る感じだったら良いことが起こるような兆し、だと
言い習わされていたようです。

しずかもち」とかとおんなじ感じですな。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
冬になってもブンブブーン。「かのむれおと」さんです。
 
かのむれおと 群蚊声

浄瑠璃や絵草紙などで使われたりしていた幽霊のおどかし手口のひとつです。

やぶの中に裸の状態で縄につなぎ、
蚊の群れに襲わせて相手を苦しめ殺してしまうという、世にもおそろしい
「蚊責め」によって殺されてしまったひとの亡霊などが起こすというもので、

責め苦を行った本人にしか見えない蚊の大群が毎晩おしよせて、
相手を苦しめたりします。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おめしものにこだわりがあります。「こんがすりのばけもの」さんです。
 
こんがすりのばけもの 紺絣の化物

羽後の国は雄勝郡につたわっているもので
晩くになっても外にいる子供をさらっていってしまうというおばけ。
紺色のかすりの着物をまとっていたのでこの名前があるんだトカ。
(着てるものから名前がついてる所は赤いマントとかに近いね)

寺田伝一郎の「羽後浅舞町近傍見聞記」をめくってみたら
明治32年ごろにこれが話題になって、夜になると村々の道路が
つうこうどめになったりした事が書いてありましたが
その前やその後にどの程度、こちらさんが話題の俎上にあがってたかは
あんまりよくわかりんせんでした。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
葉っぱのかげからジロリンガー。「やぶのぞき」さんです。
 
やぶのぞき 籔覗 

竹やぶや草やぶの向うから何かがじーっとこっちを見てる
ような感じを人間にもたせてくるおばけで、
カンカクとしては、何だか後ろを誰かがついて来てるんじゃ……
とかいうものに近いものですナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
竹笛ふきどうじ。「ブラコ」さんです。
 
ブラコ

沖縄にいくつか(江洲など)つたわってるもので、
夕方や夜などに、「ぴーぴー」とブラ(竹で出来てるおもちゃの笛)を
吹いてるような音が誰もいないのに聴こえて来る、というもの。

むかし、ちかくに住んでいたブラ好きの子供が死んでしまったのですが
そのお墓に一緒にブラを入れてあげたので、そのブラを鳴らして遊んでるんだろう
と、いった話がつけられてますが、話が残されてるどこの土地でも
今はこの音は存在してないようで、その子がちゃんと成仏したとか
お墓をうつしたときにブラをわけて供養した、とか後談もくっついてます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
大々々規模盆栽。「きょぎょはい」さんです。
 
きょぎょはい 巨魚背

南の海にいるといわれていたおおきなおおきな魚で
背中には木々や草花が生えていて、その背中が水面の上に
ジャン!ととびだしている様子は、船の前に小高い山脈が
にわかに現われたかのようでございますとさ。

日本のおおきなおおきな「あかえい」とかとは大体似たようなもんだね。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おやまがドスドスドスあるき。「いしさん」さんです。
 
いしさん 移徙山

蘇州の太湖のちかくにあった山にまつわるへんな記録で
むかしむかし、この山がちょこっとちょこっと歩き出して、
だんだんと歩調をあげながら湖のちかくに歩いてた、というもの。

たまたま、これを近くの村人が目撃して、その状況にびっくり、
「!! おい、そのままいくと湖のなかにどっぷんと落ちるよ!!」
と、歩いてる山に向かって呶鳴りかけたら

ぴたっ

と、それまであるいてた山が立ち止まったんだトサ。げに奇妙奇妙。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
泰西のひとが綺麗綺麗と珎重したよ。「ぼくなん」さんです。

 
ぼくなん 木難

西の果ての国々の海でとれるといわれていた
真っ青なきれいな宝玉のことで、漢籍には「木難」とか「莫難」と書かれてます。

なんでも、「金翅鳥」(こんじちょう)――ガルーダとかアシボビュックみたいな
アジアのまんなからへんによく伝えられてるでかい鳥たちだよ――
たちがくちからピピピピピと出すあわが凝り固まると
この、「ぼくなん」になる、とかいう言い伝えがありましたんだそうな。


「鮫人」の涙といい勝負ですな。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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