しゃべったー。「ムンイウワー」さんです。

むかし、琉球のある若者が大陸に勉学に旅立つときに、
家族が「おまえが帰ってきたら、これでお祝いをしよう」
と言って、買って来たぶた。
旅立った若者はその後、十年以上も音信が途絶えてしまい、
家族も「もうあいつは死んでしまったんだろう」と、このぶたを
市場へ持って行って売ろうとするのですが、そのたびに
「すうめい、うーねぇ見ゆん」
(あるじ様が見えますよ)
と人間のことばでしゃべりだして、人々をびっくりさせたり、
殺そうとしてもどこかに消えてしまったり、
売られることもないまま飼われつづけていました。
しかし、あまりにもそれが続くので、
家族が遂にお肉にしてしまったところ、
ちょうど死んだと思ってた若者が帰ってきたんだトカ。
ずっと自分の果たすべきことを待ってたんですね。
タベラレチャウケド。
「ムンイウワー」というのは「物言う豚」という意味。
「せんぽくかんぽく」を超える「せ」ではじまる
リズミカルネーム。「せんのうばんのうまたそのおや」さんです。

河内の国の錦部郡の唐久谷に出たというなぞのおばけ。
夜おそくここにさしかかると、頭上から
「せんのう、ばんのう、またそのおや」という声が響いてきたと思うと、
ぐるっとのぞきこんで来たと言います。
正体はなんなのかわかりません。
おむすびだいすき。「ふくしゅうき」さんです。

昨日にひきつづいて、大陸からのピックアップです。
せんじつが調味料だったので、きょうは主食(笑)
「ふくしゅうき」とは漢字でかくと「覆舟鬼」
ふねをてんぷくさせちゃう霊鬼であります。
海に出るといわれてたもので、
船を走らせていると大きなあやしい舟が横にやって来て、
船をひっくり返して沈めてしまうんだトカ。
これに対処するために、
船乗りたちは摶飯(だんぱん=おむすび)を港を出る前に持っておいて、
それを投げてあげて、これを追い払ってたと言います。
この覆舟鬼たちの乗ってる舟は、影が出来ないので、
そこで普通の舟と見分けるんだソウナ。
こういう見分けかたは、日本の「船幽霊」などに近いものですが、
(風とは逆向きに進むとか、帆がぜんぜん動いてないとか)
ごはんをあげるといなくなるという点は、
江ノ島あたりの「海坊主」にもある対処法で、
(わらや板きれの上にごはんをのせて流してやる)
その関連性が気になるところです。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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