もこもこじゃぶじゃぶ。「じゃくどざん」さんです。

『稽神録』とかに話が引かれてるもので、のっぺらぼうな感じの
おおきななぞの生命体さま。
むかし、馬希范(ばきはん)がお堀を直しているとき
土の中から現われたそうで、
おおきさは10丈ぐらい。顔も足もしっぽもない、
山みたいなかたちをしてたんだとか。
お堀の北岸から現われて、水の上をすいすい泳いでいったかと思うと、
南岸の土の中に入ってどっかに行ってしまったそうで、
登場直後すぐにどっかに行ってしまったこのふしぎ生物ですが
その後に馬の家は亡びてしまったそうで、
ほかにもいろいろ残ってる「前兆としての妖怪」と同じもののようです。
目とかついてりゃ巨大だっちょ(しっぽナシ)にデザインしたのに(笑)
じゃーん、みずぐもいらずウーマン!! 「しまむらなにがしのつま」さんです。

むかし、嶋村という長者の一家が
奈良へ遊びに行っていろいろと物見遊山をしていたところ、
あるきれいな池のほとりで嶋村の妻が急に
「かかる所ありつるを、いままで知らざりけること本意なけれ」と
つぶやきながらニコニコ微笑みだしたかと思うと、
そのまま池の水面をちゃぷちゃぷと歩いて行って、
池の真ん中にたどりつくと、そのまま消えてしまった、というふしぎなものです。
ふしぎ ナンバーワン。
なんで、この奥様は水の上をスイスイあめんぼ状態で歩けたのでしょう。
ふしぎ ナンバーツー。
嶋村の妻が、池の主の化身だったとか竜宮のひとだったとかいう点は
特に記されていないため、何でこんな事態になったのでしょう。という
事情のあたりがまったくもって飲み込めません。
じつにふしぎふしぎ。
個人名連呼。「うへえどんうへえどん」さんです。

美作の国の吉野村にいた猟師の宇兵衛どんが
山でのしごとをおわらせて山道を帰ってくると毎日毎日
「宇兵衛どんー、宇兵衛どんー」と声をかけてたというおばけ。
あたりを見まわしても誰もいなかったので、
宇兵衛はずっとこれを無視していたのですが、
ひと月のあいだ毎日毎日この声が飛んでくるので
ついにしびれを切らして「何の用だーーー!」と聞き返してみたところ、
やぶの中からガサガサゴゴゴとおばけが現われて
「盆に迎えにいこうか、宇兵衛どん」と言葉をついで来たので
「来るなら来い、鉛の団子を出してやる」と宇兵衛がさらに言い返すと、
その後は二度と呼びかけをしてこなくなったんだトカ。
ギャング映画とかにある「鉛を喰いな」みたいなもんだネ。宇兵衛どん。
ザ・残酷醗酵法。「こくだしゅ」さんです。

生の黒蛇……いっぴき
麹……………適量
酒……………瓶いっぱい
を酒がめの中に入れて何日何日も密封しておくと出来るというお酒。
毎日ほんの少しずつ服用すれば、どんな重い病気にも薬効を発揮すると言われていました。
ある患者が製法をきいてこれをつくってみたのですが、
余りにイイ香りで味もおいしかったので、ついお椀に何杯も何杯も
ゴッキュゴキュ飲んでしまったところ、体がとけて水になってしまったトカ。
「さんそくべつ」(三足鼈)も、食べると体がとけて水になっちゃう、
という効果をつかった昔話がありますが
(知らずに料理して食べせたら旦那さんがとけちゃって、奥さんが容疑者になる)
なんだか大陸には、このオチ、多いよ。
お師匠さま方向指示器。「まちょうしょう」さんです。

昨日の「片枝松」にひきつづいての大陸もの。
漢字で書くと「摩頂松」となるコチラの松の木さんは、「マツ」の音のごとく
三蔵法師さまの帰りを「待つ」ていたふしぎな松の木さん。
『西遊記』の登場人物にも取り入れられて日本でも名前の大きな三蔵法師が、
天竺へ旅立つことを決めたとき、お寺にあったこの松をなでて
「吾が西へ進めば西へ枝をのばし、
吾が帰り来たらば東へ枝をのばし皆にそれを伝えよ」
と想いを告げたところ、この松の木さんはしっかりそのとおりに
枝をのばして三蔵法師の旅の行方をひとびとに知らせてくれたんだってサ。
ニジケムリハネアリ。「はねありのき」さんです。

いまからざっと1124ねんまえ、仁和3年(887)の8月4日と8日に
空にブワワワワワーと現われたという虹のような雲のようなふしぎな筋で、
羽蟻(はねあり)がたくさん固まって飛んでいるものだったそうです。
大和朝廷がコレはいったいなんなのか占わせたところ
大風や地震や失火の前兆であるとの結果が出たそうな。
実際、このハネアリベルトの観測記事が載っている『日本三代実録』の
まわりの記事をながめてみると、8月には大風で洪水も起きているし、
震度は不明ですが地震も何週間にわたって起きているし、
羽蟻だけじゃなくて、鷺(さぎ)が大量に屋根に留まってたり(怪異な感じに)
実にリアルに前兆的中してるのですが、8月4日の時点で
地震は起きたりしてるので前兆としては、ややお寝坊さんな感じ。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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