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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ろくがつむいかといえば、コックさんの定理により雨です。「せいさんり」さんです。
 
せいさんり 青傘狸

先日は日本の狸さんをアップしましたが、本日は『太平広記』の頃から
ちょこちょこ顔を見せている大陸の狸さんをば上げてみました。

雨の日暮れどき、青い傘をチョコンとさした十六、七の女の子が
コロシャラコロシャラ歩いている、といったものなのですが

その正体こそは、狸。

うっかりついていったりすると、
まんまと化かされてしまいますので、ご注意めされよ。


日本の狸や狐、川獺なども、葉っぱを笠や傘やお金なんかに
パッ、ポン、と変えてしまう術を持っていますが、
こちらの「青い傘」も正体は蓮などの葉っぱでして
術の根元をチョイトあちらの方角からもいただいてる事がうかがえまするナ。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ロック!ロック!ロック!「たぬきいわ」さんです。
 
たぬきいわ 狸岩

伊予の国は宇和郡、日吉村にあった岩で、この岩のうえには
ひとを化かしてたのしい思いをしちゃおう、と考えてる狸さんたちが
よく陣取っていて、近くを通ったひとをよく化かしては
明け方ちかくまで、あっち歩かせたりコッチ歩かせたりしてたんだソウナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
かえるのおひめさま。「こさかぜひめ」さんです。
 
こさかぜひめ 古佐風姫

山東京伝の『娘清玄振袖日記』(1815)に登場しているもので
蝦蟇の仙術を駆使して足利家にあだをなそうとしている妖姫さま。

大和の国の名高いお寺、元興寺の古びた山門に妖怪が出るという噂、
そこへ諸国武者修行中の大日丸(だいにちまる)という若者が
「いっちょ、正体を確かめてくれん」と、挑みこみましたところ、
丑三つ時に、ペンツロロロンとふしぎな琴の音。

あたりを見てみると、緋の袴をはいた官女姿のおんながひとり、
ムムっと視線を飛ばせば、グワッと女が巨大になったり消えうせたり。
この女こそ、狐でもなく、狸でもない、
鎌倉おもてを攻められて、セップクなされた北条高時の娘、
古佐風姫のなれの果て。ここで夜な夜な剛胆ものを試験して
足利滅亡の仲間さがしをしておったのでした。――と、いうのが

この絵草紙の前半のメインの一幕。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
損料はとりません。「きぬかけいわ」さんです。
 
きぬかけいわ 衣掛岩

信濃の国は木曽郡の王滝村にある
画工泣かせでお馴染みの岩に関するおかたさまで、

「明日、ちょっと挨拶にいかなきゃいかんのだけど、着ていく着物がない」
などというお困りごとがあったときは、この岩へ、れっつらゴー。

「あーらー、ドレドレソレソレな着物をどうぞお貸しくださいませ」
と、この岩の前に出向いて願っておくと、あーらー、まぁふしぎ、
次の日にはキチンとその服が置いてあったんだトサ。

ところが、ヤッパリここでも、心得のよくない者がひとりいて、
貸してもらった服をこの岩に返しにいかなかった為に
岩がパッタリと貸し出しを止めてしまいましんだトサ。


各地の昔話にある、お膳やお椀を貸してくれるものとご一緒ですナー。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
わたしはレバー。「きもとり」さんです。
 
きもとり 肝取り

信濃の国などに話が残ってるもので、
人間の肝を虎視眈々とねらってる、といわれていて
これが出るぞ、とか、来るぞ、とかいった事は、
子供たちの恐怖の種として使われていたようです。
こんげつの「和漢百魅缶」はじまりはじまり、のアップは
化鳥怪禽は王侯のみ相手す。「かいきょう」さんです。
 
かいきょう 怪梟

きのうは朝でおなじみの雀でしたから、
本日は夜の鳥、ふくろうです。ホー。

日本でも、「ぬえ」やら「かもめ」やら「いつまで」やら、
禁裏に出る鳥のあやしい声がありますが

こちらは、大陸のなかでもその短命さをほこる国のひとつ
劉予(りゅうよ)のおさめた斉の国にまつわる鳥のあやしいお声。

毎夜毎夜、ふくろうなどの鳥の群れの声が宮殿の前で後ろで
ホーホーホーツクギャーギャーガー、
イイカゲン、その声が耳についてしまって
劉予は、「ふくろうをとっつかまえたら、銭をやる」といった
お触れまでだす始末に至りましたが、この凶兆はテキメン。
その年をもって、斉の国はラリコッパイの大崩壊を果たしましたトサ。
(もともとが紙細工な感じだったのですけどネ)
こんげつの千穐楽にあたる「和漢百魅缶」へのアップは!
京伝に負けずに三馬もがんばる。「すずめのゆうれい」さんです。
 
すずめのゆうれい 雀の寃魂 

昨日は山東京伝センセイの絵草紙からでしたが
本日は式亭三馬センセイの敵討物からのアップです。

京伝センセイのデザインで有名なものに
『梅花氷裂』(1807)という読本などに使っている金魚の幽霊がありますが
こちらの雀の寃魂はそれと一対になるようなもので

三馬センセイの合巻(敵討ちの作品が連発してました)
『力競稚敵討』(1808)に登場しているもの。

継母の山柴(やましば)に折檻されたあと、
庭先でお湯をわかしていた大釜に落ちて死んでしまった
平方円太夫(ひらかたえんだゆう)の娘、小鳥(ことり)の幽霊で、
すずめの姿に変じて「ちちこいしちちちち父上こいしちちよちちよ」と鳴きつづけ、
最後にはその父上、円太夫のもとにすずめの群れとなって飛んでゆきます。

円太夫は、「なんだこのすずめの群れは」と思って刀で斬り払うのですが
直後にすずめが涙をこぼし、その涙のあとが(雪舟のねずみみたいに)
自分の身の上を知らせるヒントになる、というのが大体の趣向。

うまい具合に京伝センセイの金魚とはかぶってない展開で、調理が巧み。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
紅白、色とりどり、「もみじぶくろう」さんです。
 
もみじぶくろう 紅葉梟

山東京伝センセイが『見立百化鳥』にある
へんな花木とミョーな鳥をあわせてこしらえる形式にならって作った
『百化帖準擬本草』にあるもので、

顔や体を洗うときにむかし使われていたぬか袋(もみじ袋)と梟を合成したもの。
顔はもちろん真っ赤なもみじ袋で、口からは白い水(ぬかの水)をよく出します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
シュワピリあわぶく。「まんにんぶち」さんです。
 
まんにんぶち 万人渕 

陸前の国は、実沢にある淵で、
水面にぶくぶくぶくポカンと湧き出てくるあわぶくは
近くにあった須藤定信(すどうさだのぶ)のお城・山野内城が
天正のころ、攻め落とされ、この淵に身を沈めた須藤家の姫やら女中やらの
恨みがポコポコと上がってる、と言われてたというものですが、

泡の正体は科学で申さば、炭酸で、
ぶしゅーっと噴き出す温泉を「妬湯」(うわなりゆ)と呼んだのに近い、
炭酸水のあわぶくの出る様の説明のためにくっつけられた昔話でござる。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
追跡ぷらすブッコヌキ。「かりかり」さんです。

 
かりかり

淡路の由良の海岸に出たという、
ひとをビックリさせる、どころか、ビッショリさせてしまうもので、

夜、海岸を歩いているとその後ろから、
カリカリカリ…(カラカラと同じ)と下駄で歩いてくる足音がして
やがてそれが近くまで来たと思うと、グワッと体を持ち上げられて
潮水のなかにたたき込まれてしまう、んだトカ。

半分あたりまでは「べとべとさん」だとかの足音とおなじですが
最後の一発は、なかなかデンジャラス。

狸の化け種目のひとつだと考えられています。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
くるくるひらひら。「まきもののばけもの」さんです。
 
まきもののばけもの 巻物の化物

宝づくしの模様のなかにあるひとつ、巻物が化けたもので
むかしむかしむかしの絵本、『福神化物退治』に出て来るものです。

この本は、貧乏神たちのちからで七福神の持ち物や従者な獣や魚が
おばけになっちゃう、といった内容で、これが出て来る見開きは、寿老人の場面。
そういえば、寿老人とか福禄寿は絵に描かれるとき巻物を手に持ってたりするネ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ニュキニュキがりがり。「あまにゅうどう」さんです。

 
あまにゅうどう 尼入道 

万象亭の『画本纂怪興』(1791)の画でもおなじみ(?)な
のちの鍬形蕙斎こと北尾政美が描いている『夭物着到牒』(1788)という
おばけをずらっと並べた絵本(売出しは仙鶴堂)に出てくるデザイン。

かたちとしては山婆みたいな怖い顔のおばけのひとつですが
他の絵本にあるようなものだと、大体、蛇みたいになってる首(体)が
ウニューーとそのまま、首として延びてるあたりが、ヒト工夫してあるところ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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