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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
昨日が笑い声でしたので、今日は泣き声。「なきけやき」さんです。
 
なきけやき 泣き欅 

木が泣き声を発する、というもののひとつで、ケヤキの木が
夜になったり、あるいは決まった時間になったりすると、泣くのがこちらさん。

植物のこの手のものは、ほじくればいろんなところにあるものですが、
武蔵の国の東村山村の梅岩寺というお寺のケヤキの大木にも
「夜に泣く」という噂がくっついてるときがあったそうですが、
こちらは「根っこから水を吸ってる音がそういう風に聞こえるノサ」という説が
「旅と伝説」に載ってる報告記事によれば、その頃には行き届いておったようです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
かたくない笑顔。「おふくいし」さんです。
 
おふくいし お福石

阿波の国のご城下では「ひとばしら」があったナンテ噂でも名の知れている
福島橋のところにあった門の石垣にはまっていた白い大きな石で、
おたふくに似た形をしていたので「お福石」と呼ばれていました。

この石、フツーに形で知られていただけだったのですが
そのうちに、おはなしがくっつくようになりましたようで、
夜中に、この門を通ると、この「お福石」が「けらけらけらけらけら」と
笑いかけてくると言われていましたんだソウナ。

蜂須賀さまのご家中のひとり
加藤代九郎は、この石に笑いかけられたことのあるひとりなんだそうですが
一緒になってアハハハハハと笑ってみたところ、
後日、特に怪しいことは起こらなかったといいます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
清盛みたいな夫婦もの。「じじいばばあいし」さんです。
 
じじいばばあいし 爺婆石

武蔵の国の秩父郡、横瀬村の赤穂木にある石にくっついてる昔話で
むかし、この地に住んでいた強欲な爺様と婆様が田んぼで野良仕事をしてると
日がとっぷりと暮れていって、ついに日没、という頃にさしかかった、
ところが予定していた仕事が終わってなかったので、爺婆、お日様にむかって

「こら、仕事が終わるまで出ていやがれ、
 戻れ戻れ戻れっ、もう一度でてこいっ」 と呶鳴ってみた。

すると、しずむお日様を扇で招きかえした平清盛のはなしみたいに
お日様がしずむのをやめてのぼって来た。


ところが


「ふふん、言うことを聞いたぜ」といった顔をしていたふたりを
お日様が、あっという間にジューーーーーーーーーッ。
まるごと石にしてしまい、そうして出来たのが「爺婆石」なんだとさー。



タイムトラベルには、このような罰がくだる、のかも知れません。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
タッパのお高いノドじまん。「とうがき」さんです。
 
とうがき 踏歌鬼

幽霊のしぐさやかたちによって「ほにゃらら幽霊」という俗称が
日本にもいろいろとあるのと同様に、大陸には「ほにゃらら鬼」というものが
これまたゴマンとございます。こちらの「踏歌鬼」もそのうちのおひとつ。

踏歌(踊りのときにうたわれる歌)をアーアーアアアー♪ とうたうのが
その主なおしごとで、歌がおわると、サーーッと消えちゃったといいます。

ああスーパーナチュラルのジュークボックスかな。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
冬眠するクセに、こんなとくしゅわざ。「がまひょう」さんです。
 
がまひょう 蝦蟇雹

『耳食録』などに載ってるもので、大陸でむかしとなえられていた
「雹(ひょう)ってのはどういう仕組みで降って来るんですかね」
という質問に対する俗説のひとつです。

蝦蟇(がま)たちが土手でパクッと土でひとかみ食べて
そのあと、河の水をゴキュとのんで、プーーーっと噴き出すと
氷のかたまりが飛び出すんだそうで、それが降って来たのが
お天気の雹でござる、という、ナントモすごい噴出力なのですが

日本で蝦蟇は、後年、浄瑠璃や歌舞伎や忍術な映画やゲームで
さんざんっぱら魔法のちからを大発揮する生物にしちゃってるので
あんまり「想像力のたくましさとはおそろしいぇもんだネ」とは言えませんテ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ひーけひけーエンヤコラ。「すいちゅうはくぎゅう」さんです。
 
すいちゅうはくぎゅう 水中白牛

むかし、兗州(えんしゅう)に出たという話が『集異記』などにも載ってるもので、
水の上にぷかっと鎖が浮いてるので、「なんだろ?」と引っぱってみると
ずいずいずいずい鎖が出てくること数丈あまり。

そのうちに何か重いものが水底から出て来たので見てみると
浮いてきたのは真っ白くてかがやいてる白い牛。

しまった、これは多分かみさまのものに違いない、と思った引っぱり手は
すぐに鎖を離したところ、牛は別段なにするでもなく、
もーー、とまた鎖をともなって水の底にぶくぶく消えていったんだソウナ。


水にまつわるおはなしには牛がよく出てくるヨ、というの好例のひとつ。
さて本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ちりちりばさばさ。「かみきりあま」さんです。

 
かみきりあま 髪切蜑

すっかり暑い日差しも目立って来て、
大陸のうえのほうっかた新疆ウイグル自治区では40度をかるく越えたような今日この頃
そろそろ髪の毛を夏向きにしたいと考えてる気分も盛り込んで
九州の海に出た、らしい、「髪切」のお仲間から、アップをいたしました。

野理夫先生の本(『おばけ文庫』)に載ってた話では
なんでも、これに切られた髪は、べたつきとかにおいがすっかり無くなってて
髪の毛っぽくない髪の毛になってたともいいます。

切ったあとに、なんか髪の毛からエナジーを吸い取ってたのでしょうかね?
まぁ、くわしいことはよくわかんないので、かなり謎です。
ほかの「髪切」の仲間みたく、髪の毛をバサッと切っちゃう程度が
妥当な説明でござりますわな。


一応「かみきりあま」というのに「髪切蜑」と漢字をあてていますが、
「あま」の用字の部分については、厳密に「蜑女」や「海女」と書く「あま」なのかは
実は確証がないのですが、海に出た、というのですから、多分あってるでしょう。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
ファイアー!!「そうむき」さんです。
 
そうむき 宋無忌

大陸のふるいころの怪異の分類に出てきたりもするもので、
火の怪異といえば、「これ! 宋無忌!!」というようなことは
漢の時代ごろまでは(?)言われてたようです。

(断片として残っている『白澤図』の文にも、一応このかた、居ます)

『捜神記』では、生まれたてのあかちゃんが
かまどの中に誘い込まれて炭になっちゃった怪事に対して、
これは宋無忌が起こしたものです、という占いを管輅(かんろ)が下したりもしてます。

とりあえず、火にまつわる怪事はこのかたに結び付けられてた、のでしょナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ダイバーでドラマー、「ごぜんぬまのぬし」さんです。
 
ごぜんぬまのぬし 御前沼の主

陸中の国は和賀郡の御前沼という沼の底にある
御殿に住んでらっしゃるぬし様で、うつくしいお姫様、の姿で出たりもします。

この御殿には、立派な太皷があるそうで
何か変事や悪いことが起こる前には、沼の底から
ドドドドン、と太皷の音がする、などとも言われておりましたんだトサ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
山でのおはしの処理法シリーズのなかから、「はしなめうさぎ」さんです。
 
はしなめうさぎ 舐箸兎 

すでにアップしてる中では「なまきばし」や「しりふきばし」のお仲間で、
土佐の国は上倉村などに伝わっていたもの。

土佐の国らへんでは、山でつくった生木や生茅のおはしは
「折って捨てる」というよりも「くちをつけた部分を地面に突き刺しておく」という
捨て方が言い伝えられてたみたいです。

そんなふうにおはしのくちがついてた部分が地面の中に入ってない状態で
ポイ捨てされていると、それをウサギがなめちゃう。
うさぎにおはしをなめられてしまうと、そのおはしを捨てた人間は
ビンボーになるぞ、と言い習わされておりましたトサ。

いろいろあるもんだね。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
ことばからの無理矢理デザインなひとたちの中から、「むすめあらし」さんです。

むすめあらし 娘嵐

ご金蔵でも質蔵でも酒蔵&味噌蔵でも
「蔵」をやぶって中身を持ってくドロボーを
「娘荒らし」と呼ぶんだそうで、

こちらはその言葉と、トゲトゲチクチクな「やまあらし」を合成して、
ポンと丹波の奥山から引き出してきたようなものでございます。

ま、「じゃまあらし」とかと同じ工法ですね。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
先日とはいっぷくつい、「たこのにゅうどう」さんです。
 
たこのにゅうどう 章魚の入道

先日の「いかのにゅうどう」さんとは同期のサクラ…というより同期のサンゴな、
お伽草子の『おこぜ』に出て来るご同輩。
「おこぜのひめ」に何度もラブなふみを届けていたのですが
深草の少将のように結局ダメでした、という役どころで出て来るのがこちらさん。

これで無脊椎動物の割かしおふるいところの代表選手を
ふたり…いやいや、にはい、アップできましたわいな。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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