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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
大々々規模盆栽。「きょぎょはい」さんです。
 
きょぎょはい 巨魚背

南の海にいるといわれていたおおきなおおきな魚で
背中には木々や草花が生えていて、その背中が水面の上に
ジャン!ととびだしている様子は、船の前に小高い山脈が
にわかに現われたかのようでございますとさ。

日本のおおきなおおきな「あかえい」とかとは大体似たようなもんだね。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おやまがドスドスドスあるき。「いしさん」さんです。
 
いしさん 移徙山

蘇州の太湖のちかくにあった山にまつわるへんな記録で
むかしむかし、この山がちょこっとちょこっと歩き出して、
だんだんと歩調をあげながら湖のちかくに歩いてた、というもの。

たまたま、これを近くの村人が目撃して、その状況にびっくり、
「!! おい、そのままいくと湖のなかにどっぷんと落ちるよ!!」
と、歩いてる山に向かって呶鳴りかけたら

ぴたっ

と、それまであるいてた山が立ち止まったんだトサ。げに奇妙奇妙。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
泰西のひとが綺麗綺麗と珎重したよ。「ぼくなん」さんです。

 
ぼくなん 木難

西の果ての国々の海でとれるといわれていた
真っ青なきれいな宝玉のことで、漢籍には「木難」とか「莫難」と書かれてます。

なんでも、「金翅鳥」(こんじちょう)――ガルーダとかアシボビュックみたいな
アジアのまんなからへんによく伝えられてるでかい鳥たちだよ――
たちがくちからピピピピピと出すあわが凝り固まると
この、「ぼくなん」になる、とかいう言い伝えがありましたんだそうな。


「鮫人」の涙といい勝負ですな。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
もつれもつれてファイアー。「くさかりび」さんです。
 
くさかりび 草刈火

播磨の国は飾磨郡の蒲田村にでた、とかいうことが
『世説麒麟談』(1761)という『西播怪談実記』の続編に載ってる火のおばけです。

夜、道のわきにひとつ、ポッと火があらわれたかと思うとこれがヒョロヒョロ。
すると、また別の方角からも、火がポッとあらわれてヒョロヒョロ。
ふたつの火がだんだん近づくと、これがもつれあって回ったりしたんだそうですが
「おやおやなんだい」と見ている間にパッと消えてしまったんだトカ。

(しばらくたつとまた、ポッと出て、向こうにもまたポッと出て、もちゅもちゅ、のくりかえし)


『世説麒麟談』には、村のひとの説として
むかし、草刈りのわらしたちがケンカをしたときに、
あいてを鎌でぶった斬って相打ちしちゃった事があって
それが火になってケンカをつづけてるんだよ、とかいうものを記してますが
「くさかり」という呼び名が先にあって、
それに「草刈童」をくっつけただけのような感じもする説ですナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
チョキより強いよ。かめかめ。「ばけおおがめ」さんです。
 
ばけおおがめ 化大亀

呼んでも読んでも字音のごとく、おおきなおおきな亀さんで、
おおきなお堀などの水底に生きていて
たまに首をグワッと水面に持ち上げたときに
小舟なんかを上にあげてしまって、船頭衆をびっくりさせた、
みたいな事があったりなかったりしたようですが
亀自体は、狙って小舟を急襲していたようでは無くて
単に、小舟のほうが亀のおつむの上をたまたま通ってた率のほうが
大いにたかめであったようです。かめかめ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
く!し!ざ!し!ワーム!!!! 「すんばこ」さんです。
 
すんばこ

土佐の国の山などにぼちょぼちょ存在すると言われていた虫で、
にょろにょろしたすがたをしてるそうですが蛇とはチョット違うみたいです。
(ヤマビルとかコウガイヒルとかに近いかんじ)

これを山道とか森林のなかでみつけたら
すぐにこれをぶち殺して、枝にブスッと串刺しにして、
(このとき魔封じのために古ぞうりを「すんばこ」の頭にかぶせて刺すんだトサ)
みちのわきに立てておかないと、何か身に災いがやって来る、と
言い伝えられてたそうで、なんだかとってもモズノハヤニエ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ピカッ!さぁ何匹みえました!?「いでん」さんです。
 
いでん 異電 

むかし、むかし、ジョワによく似た音のころ
貞和5年(1349)のうるう6月(日付に関しては、5日、3日、25日とまちまち)に
たつみの方といぬゐの方から突然、びかびかっと現われた妖怪な電光がコチラ。

しばらく両方の方角からあたりを光だらけにして
そのうちに消えてしまったということですが
その光の中に異形のものがみえた、という事も言われていて
よくないことの前兆なんじゃないか、と語られたりしたんだそうな。


その様子は「如電」とか「電光」とかだけ書かれていて
対して名前はございませんので、フツーに漢語から引いて「異電」としました。




この絵、古風めかしたニューデザインおばけを一挙にぶちこんだので
まえうしろの組み合わせ構図とかにチョット手間取りましたが、わりとサラッと描けました。

群像だいすき。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
典型的なターゲットはひとり。「ともぞうおるか」さんです。
 
ともぞうおるか 友蔵おるか

佐渡につたわるもので、このまえの「女郎魚」につづく、イルカもの。ですが
こちらは「ナカニシヘーイ体操」でおなじみの(ちがう)琉球のおばけ
「ナカニシヘーイ」にちかい感じの語感があるお方、という印象が個人的には大です。

船をギコジャプ走らせていると、海の中から何か(イルカ)が
船に近づいてきて、乗ってるひとに向かって「ともぞうおるかぁぁぁーー」と
叫んでくる、というのがこちらの主なおしごと。

むかし、友蔵という男が、旅の商人の持ってるおかねに目がくらんで
これを船の上にさそいだして殺してザブン。海に捨てて金持ちになった、
という前段階のおはなしがあるのですが、
他にも呼ばれる名前が違うだけで、ほぼおんなじ話がいくつもあるので
ここらへんは、おはなしのひとつの型、という感じです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
万象亭デザインの中からご配達。「はこいりむすめ」さんです。
 
はこいりむすめ 箱入娘

万象亭の『画本纂怪興』(1791)に書かれてるもののひとつで
大事にされすぎてるお嬢様を示すことばとしてまだ生きてる
「はこいりむすめ」をそのまま妖怪っぽくデザインしたもの。

伊勢阿婆介が「出る出ると音には聞ど今に見ぬ魔性の物か箱入娘」と
おばけみたいに見たくても見れないお嬢様の様子を、狂歌で添えてます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
あとおい小僧とかとは逆もの。「さきゆくおんな」さんです。
 
さきゆくおんな 先行女

きつねやたぬきの化け種目のひとつと、よく言われているもののひとつで、
歩いてると、前方に、なんだか綺麗なおねえさんが歩いてるのが見えて
「ほほう」と思ってチョット歩行速度をはやめて歩いていても
延々、延々、えんえん、いつまで歩いても、相手が等間隔の距離を保って
歩いていくので、まったく近くに行って眺めることは出来ない、というもの。

(近づいて顔をのぞこう!とか、こんな夜道ひとりじゃムリ!!とかいう
 考えがあるひとにしか効果はないですが、意外と各地に多いお話ですネ)


似たものに江戸の本所の「おくりちょうちん」とかがあります。

うしろについてくるおばけは「音」だけのものが多いのですが
こういう、「ぜんぜん追いつけない前のひと」っていうおばけは
確実に姿かたちを見せて登場してくれる分だけ、描く側としては
形にしやすいですナ。うん。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
やきにくデンジャラス。「ようしゃ」さんです。
 
ようしゃ 羊炙

むかしむかし、呉のあるお金持ちのいえでパーティーがありましたおりのこと。
その日の料理にされちゃう予定の羊が一頭

ワレ ニンゲンニ ショクサレルヲ イトウ

と考えたのか、縄をちぎって厨房から大逃走。
右に左に逃げ回っていましたが、お客の中にいた僧侶のもとにかけ寄ってきて
たすけておくれ、と言わんばかりに服をかんだり、袈裟にもぐったり。

しかし、この僧侶、この羊をたすけることもなく
そのまま料理人にこの羊を引き渡してしまいます。(チェックポイント)


けっきょく、その羊さんはお肉へと改名を果たして
炭火の上でこんがりとした炙(しゃ……やきにくのこと)へと化学変化。
列席したお客さんたちにふるまわれました。

「ささ、道人、どうぞどうぞ」と炙をすすめられた先ほどの僧侶
おいしくこれをちょうだいしましたが、しばらくすると、体の中がなんだか、変。


なんと、
さっきの羊のお肉が体の中であっちこっちで動き回っていたのでした。
僧侶はついに倒れてしまい、医者が肉を摘出したりしたのですが
ついには羊の鳴くような声を上げて口から泡がぶくぶくぶく、
寺にもどってしばらくして、死んでしまったんだソウナ、

と、いう『捜神後記』にあるおにくものがたり。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
うっかり釣れたら釣果がぼうず。「かわのなまくび」さんです。
 
かわのなまくび 川生首

きのうは柳の木のおばけでしたから
ちょいと日本に向きを戻して、なにをくよくよ柳が生える
場所はもちろん川っぺり、ということで川に関するものでござい。

川に網をしずめて、コイだのフナだのドジョウだの
カワエビはたまたウナギちゃん、そんな獲物を期待して
そろそろ頃じゃと引きあげたらば、まぁビックリ仰天、
なかには生首!! グロテスキュ!!――と、いったもので
川の「かわうそ」たちが使ったりする化け術なんだそうですわいな。

もちろん、この生首は幻みたいなもので
びっくりおどろき逃げてはみたが、あれも弔わねばならぬ
と、網を上げた当人が引き返して来た頃には
うまい具合に雲か霞か消え去ってござるのです。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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