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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは
おてんきよほうのたびに大咆哮。「せきげい」さんです。
 
せきげい 石鯨

漢の武帝が軍艦の訓練をさせるためにこしらえさせた
昆明池(こんめいち)という大きなみずたまりのわきに
ドシッと置かれていたという大きな石の彫刻。

ふしぎなことに、雷雨がくるぞ、というのを
グラグラ揺り動いたり、ガギャーと吼えて知らせたりした
と、言われていていたんだソウナ。

ただし、これが漢詩などに詠まれたりしている
唐の時代(日本だと平安京のころ)にはすでに
過去、あったそうな、という存在になっていて
その大全貌はあんまりわかってません。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
コレがずれたら運のつき。「げだ」さんです。
 
げだ 外道 

なんだかよくないことが起こったり、
運の悪い展開が待ち受けてたりする時に
「けちがついた」と言ったりするような感じで
「げだがついた」などと言われるもので、

「げだ」は「げど」とかとおんなじで「外道」から来てるんだそうな
ということを拝聴したので用字もそんな感じ。
つまり「げど」が出て来るとカブるよ、という罠。
通算2555体目、本日の「和漢百魅缶」へアップ致しますのは、
おびょーきの種。「しょうかんのかみ」さまです。
 
しょうかんのかみ 傷寒神 

足利時代はまだやたらとお経にある天竺の神さまやら
大陸に伝わってる神様なんぞがちらちら輸入されて
そのまんまな唐名が日本の神仏組合に加わっておりましたが

江戸時代あたりになると、そんな智識からの導入ではなくて
チョイとむかしからいる「やくびょうがみ」みたいな名前に基づいて

「びんぼうがみ」だとか「ほうそうがみ」だとか
「はしかがみ」だとか「べんじょがみ」だとか
「おくびょうがみ」だとか「うしろがみ」だとか
果ては「しょうがみ」だの「べろべろのかみ」だの

単純に「……のかみ」とか「……がみ」とかいうのが
いろいろと出て来たもので、こちらの「しょうかんのかみ」も

むかしっからお医者に「ハハァ、これは傷寒じゃな」などと言われて
耳になれていた病気の総称のひとつ「傷寒」(しょうかん)を
くっつけてつくられた「病神」のおひとつ。

『世間化物気質』(1771)とかにも出て来ますが
活躍をしてるような本は大して見当たりませぬ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
はんそうかい」さんと「ちんかい」さんです。
 
ちんかい 枕怪  はんそうかい 飯臿怪

「はんそうかい」は「飯臿怪」で、めしじゃくしのおばけ。おしゃもじデスナ。
「ちんかい」は「枕怪」で、あたまの置き場所・まくらのおばけ。

ともに、『捜神記』にのっかってる道具が化けた妖怪で、
おんなじ家で怪異を起こしておりましたが、

(いきなり大きな拍手の音をさせてきたり、ゴニョゴニョ話し声を響かせたり)

ある日、おたがいしゃべっているところを家の人にきかれて、
それが怪異の正体発見のてがかり。

「これが元凶か」と、焼却処分されてしまいました。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
北山経の中からモーモーモーと引き出して、「りょうこ」さんです。
 
りょうこ 領胡

『山海経』などにしるされてる牛さんで、
首のあたりにおおきなこぶのようなものがあるのが特徴。

『元和郡県志』とかには、これとおんなじように牛が
海康県に多く棲息していて、一日に三百里はテクテクすすむよ、
といったことが書かれてます。モー。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ふるふるとビマス。「こうひそ」さんです。
 
こうひそ 紅飛鼠

交趾とか、南の地にいるという飛鼠(ひそ)の一種で、
葉っぱのあいだなどに入っているときは必ずニ匹そろって入ってる
というところから、ほれぐすりになるヨ、という俗信がございましたトサ。

飛鼠は文章によって「むささび」だったり「こうもり」だったりで
ピューっと飛ぶ哺乳類だったらどっちでもさしちゃう言葉なのですが
『太平広記』でむささびの近くにいたのでそんな感じの形に。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
陽気なさえずり。「おちちんぷんぷん」さんです。
 
おちちんぷんぷん

土佐の国は田ノ口村などにつたわる昔話にでてくる鳥で
「ちんぷんこがねやあうやおててこおちちんぷんぷん」という
とんでもなく長くてメロディカルな鳴き声で鳴く、というふしぎな鳥。

あるじいさんが畑仕事の途中、偶然にこの鳥を手に入れて
(石をほっぽり投げたら、命中して枝の上からポロンした)
家に帰って鳥鍋にして食べたところ、次の日からじいさんのおならの音が

鳴き声と同じ「ちんぷんこがねやあうやおててこおちちんぷんぷん」
という音がするようになっちゃった!!まぁスゴイ!!
お殿様もそれを聴いてびっくり!!ご褒美をたまわりめでたしめでたし……

とり肉になっちゃって、アラ残念。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
ピラピラですが、たからもの。「さるごへい」さんです。
 
さるごへい 猿御幣 

むかし、山へおじいさんが薪木ひろいに出かけてゆくと
あっちこっちから猿が出て来て、「じいさん、遊ぼう、遊ぼう」の連呼。

じいさんは、薪木ひろいが出来ないから困るなぁと思ってましたが
猿たちの情熱に負けて、日の暮れるまで遊んであげましたとさ。

すると、遊んでくれたお礼の品、として猿たちがくれたのが、ひとつの御幣。
「じいさん、あげる、これを振って、お米やお金を願えばソレが出て来るから」
と、猿たちは教えてくれましたが、じいさんはソンナバカナ、といった感じで
まぁ受け取るだけ受け取ってご帰宅。

ばあさんに向かってその報告をしたところ、激怒はされなかったので
「ま、そんな事は起きなかろうが、猿たちの言ってたとおりやってみるか」
と、じいさんが御幣をふりふりすると、お金がザーーーーーーーーーーーーー。

ばあさんがびっくりしたので、さらにまた振ってみると
お米もザザザザーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーコメコメ。
「こりゃ猿たちに大したものをもらったもんだ」と喜んだトサ。

と、こまかく来歴をしるしませば、そんな感じの次第です。
もちろん、昔話の鉄則、となりの貪婪なじいさんばあさんがコレを見て、
真似をするんですが、もちろん、思惑は失敗。
なんにも出ない本当にタダの御幣をもらっておしまいです。

(赤い紙をつけてある御幣で、「あかいへい」→「あかんべぃ」だ、というのが結末)

猿どもも、意外とすごい宝物を持ってござるな。




なお、あちらやこちらから「描かないの?」との投げ文があったので、
大津波にともなって湧いてきた風説(知らぬ小さい女の子が野良猫をダッシュで持ってった話)
ねこおんなのこ」さんも本日は併せてアップしました。
 
ねこおんなのこ 猫僮女

猫だっこジャージ猛ダッシュ女児。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップ、ニョッキリは!
おおきいものはいるものだ。「おおがめ」さんです。
 
おおがめ 大亀 

海にぽっかりお山がみえる。けれど昨日までなかったよ。
するとあの山いち夜で出来た。それはげにげにナゾなこと。


と、いった感じで出没したナゾの山、海辺のひとびとが
なんなんだろう……、と怪しんでいますと
ある日、水中からざばーーーっと亀の顔(超絶巨大)が!!


海にぽっかりお山がみえる。いえいえあれは亀の甲。
けれどすごいね一里はあるよ。世にもまれなる大亀じゃ。

そんなこんなで正体が判明した山でしたが、
次の日の朝には、どこかにいっちゃって海に姿はありませんでした、

と、いった流れの話が『怪談御伽猿』(1768)に
書かれたりしてるものでして、陸地と見まがう「あかえい」よりは
坪数が狭いのですが、おはなしとしては、この手のものに尾ヒレがついて
どんどん面積を広めていったんでしょうな、と
九十九屋の大人のお説をききかじりつつ敷衍の蒙説。
さて本日の「和漢百魅缶」へのアップは
さらさらさらさらさららさら。「つちまき」さんです。
 
つちまき 土撒き 

甲斐の国の都留郡のみなみのほう、道志村につたわるもので
頭上から土をまいて来るような音が鳴ってくるというもの。
 
ただ耳に説明をきくだけでは単純きわまるものですが
うすきみ悪いところとかに出たので、怖がられてたようです。


砂をまく、っていう表現がこの手の妖怪には各地で使われてるのですが
土をまく、に替わった場合、どの程度の感覚の差があるのかは知りません。

ま、「あずきあらい」の仲間に「こめとぎばあさん」とかがいるみたいな感じで、
実際のところは耳に伝わるおなじような音の感覚を謂ったものなんでしょナ。
ふーん。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、ごろんがらん、
かなもの、きゅうこうか。「かまっこさがり」さんです。
 
かまっこさがり 釜っこ下がり

羽前の国は置賜郡のはじっこのほう、小国のなかの長者原という土地に
つたわっているもので、ぶらん、と釜っこ(やかん)がぶら下がるもの。

なんでも、決まった地域の家々をターゲットに出て来たそうで、
その標的に該当する家屋敷には、毎朝、毎朝、毎朝、毎朝、
庭の木にぶらーんとこれがぶら下がってたり、

だんだんエッスカレーチョして参りますと、毎朝
「おはよう」という頃になると
家の梁(はり)の上からぶらーんと下がって来たりして
ついには「気味悪いからこの家は出て行こう」の決断を
一家に下させたりしていたというおハナシ。

家の中にまでぶらぶら出て来るんですから、
おなじヤカンで信濃の国の「やかんづる」さんに比べると、
なかなかメーワクなるおどかしようですナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
刈っては生えるいたちごっこ。「ふうぞくかいらん」さんです。
 
ふうぞくかいらん 封俗貝蘭

1907年ごろからぼろぼろと雨後のタケノコみたいに生えて来た
自然主義な文学に対して政府が発した「風俗壊乱ニヨリ発売停止」
というお達しを「嘲笑」も込めて採りまぜた戯文などに出て来るもので、
「フウゾクカイラン」を「蘭」の花に仕立てた昔ながらのデザインもの。

でも、明治も40年代にさしかかると、漢文やら戯文やら都々逸やらで
こういったデザインおばけをニョキニョキ活躍させる! いひひひひ!!
という執筆勢が雑誌のメインではなくなってるので
あんまり世を風靡するような作品展開もとぼしい感じ。
(後代までやってたのはその流れを受けて育った外骨センセイあたりの流れぐらい)
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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