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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは
もみじふみわけピッピキピー。「ごそくろく」さんです。
 
ごそくろく 五足鹿

殖えちゃった生えちゃったシリーズも、牛だの羊だの卵だの
いろいろお送りしている今月ですが、こんかいは
あしが全部で5本はえちゃったてた、というふしぎな、鹿。

明のころ、嘉靖17年(1538)の七月に
建安堡でとらえられた事があると言われていますが、

『日本書紀』とか『続日本紀』とかにある、
足が多い動物がみつかったよ!とか真っ白い動物がでたよ!とかの報告記録みたいに、
単に「つかまえたよ!」だけくらいしか伝がないので
「なんかの前兆になった」ってあたりはあったかどーだかよく知りんせん。

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じゃゃゃゃゃゃゃん。2500項目の

和漢百魅缶」どどんとアップいたしますのは、
神屋蓬洲シショーが作り出した天下随一のインパクト、「のかぜ」さんです。
 
のかぜ 野風

神屋蓬洲(春川五七)シショーが書いた(挿し絵とかも本人がひとりで描いてる)
『天縁奇遇』という読本に出てくる登場人物のひとりで、

横島軍藤六(よこしまぐんとうろく)というこれまたスゴイ名前の夫とともに
強盗のようなことを常に行なって、大量の人間をあやめていましたが
その恨み+軍藤六に斬り殺された赤松春時の妻・咲花の亡霊の怨念で
体がどんどん腐っていく病に。

そして、咲花が殺されるときに身体を九十九回、斬られたのと付随するように
「野風」の身体には口がぽっかり九十九個生えてきてしまいます。

この作品は嘉吉ころ(足利幕府のまんなかごろ)の赤松家を材に採ったもので、
この軍藤太たちの話の舞台は讃州志度。


志度寺でこの野風が「九十九口の女」として見世物にかけられていたところに、
軍藤六によって親を殺された赤松米吉が観音のみちびきによって出遭い
かたきうちを果たすのが、まずこの物語のみどころのひとつ。

この米吉という名前は、「米」を「八十八」、「吉」を「十一」と「口」と分解できて
「野風」は九十九口が生じたものの、もともと人間だったときの口が
ひとつあるので実際は「百口」、この米吉こそほんとの「九十九の口」という
数字あそびみたいな伏線もあって、実はいろいろと面白い物語なのです。これ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、ニョキニョキ
ふえると嬉しい、ふえると怖い。「かねのりそく」さんです。
 


ニョキニョキと生えてのびさかる「利息」を
「利足」と踏みかえて造り上げているデザインおばけ。

基本が文字面でつくられてる単純なデザイン化けですので
戯文などにもチョクチョク出て来るものですが
山東京山が『人心掃溜荘子』で描かせているデザインが
お酉さまの熊手みたいに、ヤマブキイロのオカシがざくざくで
面白いので、リデザインいたしましそろ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、ぼこぼこ
毛がいっぱいなハチュールイ。「おおみのがめ」さんです。ぼこぼこ
 
おおみのがめ 大蓑亀

陸中の国、江刺郡、二子町の杉屋敷というところにあった沼にいた、という
大きなカメで、しっぽの部分やおつむのてっぺんにモクモクと毛が生えていた
おめでたい画題などにいわゆる「蓑亀」みたいな姿をしていたそうな。

明治のおしまい、大正のはじまりごろ、
その沼に魚をとりにやって来た若い男たちが
沼からぼこぼこ上がって来たこの「大蓑亀」の発する悪い気にあてられて、
何日後かに体調を悪化させて死んじゃった、などという昔話が残っているので
あんまりおめでたくない。みのがめダス。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
じゅーじゅー焼いたら毛玉やき。「もうしょうらん」さんです。
 
もうしょうらん 毛生卵

にわとりの卵のカラの部分に毛がもしゃくしゃ生えてるものが
生まれる、というもので、これが出て来るのは災禍の前兆、と
言われていたようです。

ないべきところに毛が生える、というのも
またこれ怪異の種目のひとつがや。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
昨日がビーフからなら、本日はラムから、「ようげつ」さんです。
 
ようげつ 羊孽

漢字でかくと「羊孽」、で、「ひつじのわざわい」といったカンジ。
(サイトページでは、コードの関係で同音の「蘖」を替え玉してますガ)

耳が四ッ生えていて、
目の玉が前足のわきの下などについている、というふしぎなひつじさん。
これが現れるのは、王者が出る前触れだと言われていたんだトサ。

体の側面に目の玉が来るのは、
「白澤」(はくたく)や「くたべ」などの絵にも見られるもので、
あのビミョーな位置(前足つけね~どてっぱらにかけてのゾーン)にある目の玉は
この手の異生などから進化していって、くっつけられたもののようです。


((拾遺))…2011/2/19 23:18

▼「目は腋の下」って相は、羊さんのほかに、馬さん・牛さんにもあった。羊限定ではないのね。

▼『山海経』の「ほうきょう」が一番「羊孽」に近いかな。あっちも羊だし。

▼清のころの『山海経』から。ほうきょう。paoxiao

hokyo.jpg▼羊身人面、目は腋の下っていってるくせに、
この本だけ、だいぶぞんざいな目の位置。

でも、ちゃんと後ろ足が羊の足になってて
「羊身」の箇所を忠実に描いてるのは、この絵の流れ。

(よく出回ってる絵は羊の足が無い)

▼どちらにもせよ、『山海経』にも似たひとがいるから、
「腋の下の目」の類が「くたべ」とかの絵の先祖論
ってのは、みやすいカンジだネ。 

サービス精神のせいで、殖えるけどサ、だんだん。

本日の「和漢百魅缶」へのアップぷすぷすは
うしさんから出て来るふしぎなもののひとつ、「じんしんだしゅ」さんです。
 
じんしんだしゅ 人身蛇首 

牛から妙なものが生まれる、というのは
日本の「くだん」とかにもあるものなのですが、
その手のもののバリエーションとパターンが莫大に多くあった
おおむかしの大陸では、「牛から…」だけで一ヶ月ぶんアップ出来そうなくらい
怪異とされたものがありまして、本日のものはその一端。

こちらは、牛からポコン、と人のようなものが生まれて来る、
というものの、さらなる変種のひとつで、
あたまに蛇のようなのがニョッキリしてるというシロモノ。

国が国土をうしなう前兆でござる! と、言われてたソウナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ウガイ・ハミガキがにぎやかダ。「じゅっこう」さんです。
 
じゅっこう 十口

いろんな異質のものに「これはナニナニの兆しでござる」と
うらないをくっつけるのが大陸のご定石ですが、
こちらの「十口」さんは、その名のとおり、おくちが10ヶ。

これが世に出現するのは、陰のバランスがガタ落ち下がりになっちゃって、
陽が増える、ということらしいですが、このあたりはナンノコッチャの理論で、
なんの前触れってのが能書きされてるかと申せば「国やぶれて山河あり」
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
目の玉ふえたのみっけたよ。「みつめのおおごい」さんです。
 
みつめのおおごい 三目の大鯉

美濃の国の池田村(揖斐郡?)の亀が池にいた、
大きな図体の鯉で、目の玉が三ッあったのが特徴。

明治31年(1898)にこれをつかまえてみたところ
そのときの重さは、8貫以上(34kgくらい)あったそうな。
45kgあたりが日本の巨大な鯉の記録らしいので、
まぁ、たしかに大きい図体でござりますのネ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップはこちら、どどーん、
筋力と皮膚の角質(?)がミラクルアップ。「チョーフグンオヤカタ」さんです。
 
チョーフグンオヤカタ チョーフグン親方

「アキレス」みたいなガチガチの守備力と、
怪力無双の筋力をほこった、沖縄につたわるオオオトコで、
薩摩の国からせめこんできた軍勢もこれにはふるえあがったソウナ。

からだがすべて鉄で出来ていたのが強さのモトだったといいますが
ただ、唯一、くびの部分だけが普通の人間の肌だったらしく
(「アキレス」のかかとの部分とおなじようなもの)
昔話のなかには、床屋さんにヒゲを剃ってもらっているときに
うっかりうっかり剃刀がノドをスパッ。そのせいで命を落とした、
と、いうなかなか壮絶な最期をとげている展開のものも。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
体の寸法と頭髪(?)大増量、「しまだのおおだこ」さんです。
 
しまだのおおだこ 島田の巨蛸

いまから、120年といちにちまえ、明治24年2月13日に
駿河の国は島田の海辺にザッパーーーン、と漂着した
1丈5尺もあるおおきな黒いタコ。

7本足で、あたま(胴)にはシュロの毛みたいなのが生えてたそうで
「これは、めずらしい!」とにらんだのか
この噂をききつけた見世物師が45円のおかねを出して
エンヤラヤと買って行ったそうですが、
どういうふうに興行されたのかまでは知りんせん。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
きのうからのひきつづきもの。「しかくじゅう」さんです。
 
しかくじゅう 四角獣 

昨日の「りょうそくこ」が発見されたという次の年、
太康の七年(286年)に、河間の地でつかまったという
ツノが4本、ズワッと生えていたというふしぎなけもの。

こういったツノに関するへんな動物が出没するのは
戦乱のある兆しなり、というようなことが言われておりましたそうで、
(そういうことになってないヤツもいたりするのですが、ま、ソレハソレデ)
4本ツノは、東西南北の四方向からマルチに戦乱が来るよ、
といったうらないになったんだトサ。

ハリセンボンみたいなツノだったら宇宙中大戦争だね、こりゃ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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