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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
先日先々日が雲上な御邸宅でしたので、かたく。「てつじるし」さんです。
 
てつじるし 銕印

戯文などに登場して来る、言葉をそのまんま、直球にデザインして
この世にない生命体に仕出しちゃってるシロモノのひとつで、
「てつじるし」というのは「石部金吉」(いしべきんきち)とかと同様に
ものすごくおカタイひとをさしていう悪口なことばのひとつ。

似ているものでいうと「折り目が高い」という言葉から
万象亭がつくった「おりめだか」とかが居りますので
すがたかたちのデザインにあたっては、ナントナク
一ッ目さんになっちゃいました。(呵)


ふんどしはアルミホイルです。ごわごわ。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
先日同様、禁中に出たへんなもの。「きこう」さんです。
 
きこう 鬼絞

仁和2年(886)の7月、平安京の内裏に出没したという
正体不明のあやしいもので、

ものすごい大きな人影が紫宸殿のまえを、うろうろ徘徊したり
近衛陣あたりでは、なにかを絞めてるような音が響いて来たりして
護衛のものたちを、びっくりさせたり、しゃっくりさせたり、失神させたりしたんだトカ。

『日本三代実録』には「世に之れを鬼絞と謂う」ってことが書かれてますが
実際のところ、正体は何だったのかは、毎度のごとく不明。不明。

本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ハイっ、大きなお声でにゃーにゃーぎゃーぎゃー。「かもめ」さんです。
 
かもめ 鴨女

仁明天皇がまつりごとをおこなっていた承和元年(834)
御所の上空に出現したという怪しいもので、「ぬえ」や「いつまで」などのお仲間。

ぎゃーぎゃーと何百羽ものカモメの群れが大騒ぎして
鳴き飛んでいるような声がしているのに、空には何にも居ない、という
まさに「声はすれども姿は見えぬ、ぬしはみやまのほととぎす」みたいな
状態だったんだそうです。ハイ。


誰が言ったのかは記されていないのですが(「或いは言う」としか史料に書いてない)
「これはかもめとかではない!! この声は【天狐】の声でごじゃりますのだ!!」
――と、説明したひともあったそうですが、どういう理論からその結論に達したのかは不明。
流れ星の「天狗」とか「天狐」だとしたら、かもめっポイ音では、ないと思い…ますものネ。



「かもめ」ってのは何ともしまりが無いんじゃないの?

  とか、百魅缶の収録リスト作成時に言われたりしましたが、

そう言ったら「ぬえ」だって、ただの鳥の名前なんだから、
しまってはないと思いますよ。エエ。だからいいの、「かもめ」で。うん。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
雨がこんこん。「あめふりぼうず」さんです。
 
あめふりぼうず 雨降り坊主

遠江の国の掛川にあった小沢八太夫というひとの屋敷に
雨の降る夜になると出没したという小坊主さんの姿をしたもので、
屋敷の下男さんが夜回りなどをしているときに
その姿をよく目撃したんだトカ。

ある夜もこれが出没していたので、じーっと後をつけていったところ
屋敷の庭にデーーーンと枝葉を広げまくっていた樫(かし)の大木の前で
この小坊主がスッと姿を消したので、これを聴いた八太夫は
「この樫の木の精が屋敷の見回りをしてくれてたんじゃろ」と結論づけたんだソウナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップぷっかぷかは
ひょーたんばかりが浮きものか、
机も夏には浮きだすよ、というわけで、「どんどけいけ」さんです。
 
どんどけいけ どんどけ池

甲斐の国からいまの時季にはその名のとおり、
真っ白に見える北岳の白峰山の奥の奥にあるという池で、
むかしこの池のぬしを猟師たちが怒らせてしまったとき
怒りを鎮めるために有難いお経を捧げたんだトサ。

そのときにお経と沈められた経机が
ふしぎなことに毎年7月15日になると
この池の水面にぷかぷか浮いて姿を現わしたんだって。

水のおもてにこういった特定の無機物がぷかぷか浮く、
というのは意外と各地に分布しているみたいで
その内で割りと多いのは「鞍」(くら)などの武具。

鞍には仕上げに漆が塗ってありますが、こちらの経机も漆が塗ってありますね。
このあたりに深い関係があるのかはあんまり考えた事ないので贅言できませんが、
本日の「和漢百魅缶」にアップしますのは
むかしばなしシリーズ。「そうかくじ」さんです。
 
そうかくじ 棗核児

昨日のは「ももたろう」と「かぐや姫」のミックスちゃんぽんみたいな
大陸お話でしたが、本日は、「いっすんぼうし」とおなじ筋書きをもってるもの。

「ああ、こんな種みたいにちっちゃくてもなんでもいいから子がほしいな」
と、おじいさんとおばあさんがしゃべっていたら、
それを聞いた棗(なつめ)の種が男の子になって現われた、
というもので、種がそのまま男の子になってるので、もちろんプチサイズ。

こちらのおかたは、みやこの鬼ならぬ
悪い県知事の鼻から入り込んで、お腹の中でぶらんこをしたりして
胃をきりきり苦しめて大いに懲らしめただトサ。

その後のある夜、種の殻がパリ、パリ、コリっと取れたと思ったら
あらふしぎ、普通の人間の男の子になってて、
おじいさんとおばあさんと末永く暮しました。でめたし。


この棗核児(そうかくじ)のモトになった棗の種は
おじいさんが食べてた月餅(げっぺい)のなかに入ってたもので、
もし、おじいさんが小豆のつぶを見て「子供がほしいのぅ」と言ってたら
「おじいさん、おばあさん、おいらはあんたたちの子になりに来た」と
現われたのは、あんこつぶの男の子だったかも知れません。ぐにゃぐにゃ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
もぐや太姫。「ちくおうし」さんです。
 
ちくおうし 竹王祠

ちょっとひさしぶりに、大陸ものからのアップです。
↑ うえのほうで「もぐや太姫」と言っているのは
どういうわけなのかというと、こちらのお話は、

むかし娘さんが川で布をチャプチャプすすいでいると、
川上からどんぶらこっこと大きな「竹」が流れて来て、
娘さんがこれにふれたら、どんなメカニズムだかしらないけど
お腹に子供を宿しまして、玉のようなおとこのこが生まれました、

という、「ももたろう」×「かぐや姫」÷2 みたいな構成だからです。


早くからこの話を拾っていた『塩尻』(天野信景が色んな事物を書きとめてた大冊子)でも
日本の「大物主」が矢に化けて川をサラサラザーッと流れて来て
子作りにやって来たことなどを併記していて、和漢の関連性をツッ込んでます。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは! でんでででん。
つづみの音でよく語る。「くじらじまのたぬき」さんです。
 
くじらじまのたぬき 鯨島の狸

陸前の国は、塩竈にある鯨島という所に住み着いていたという古だぬき。

大の浄瑠璃ずきで、誰かひとが通りかかると、その人間の名前を呼んで
「どうだ、浄瑠璃をききたいか」などとしゃべりかけて来て、
たっぷりと一段、平家物語などを聴かせてくれたんだトサ。


でも、


わりかし、はずかしがりやさんだったようで、
人間に声をかけてくるのは、その人間が「ひとり」で歩いてたりする時ダケ、
何人もひとがいるような前では絶対に浄瑠璃語りはしなかったそうな。

カワイイね。
本日の「和漢百魅缶」へのアップぷっくぶくは
おおきなおくちでかーみかみ。「ひとかみざわ」さんです。

ひとかみざわ 人噛沢 

奥州白石川の流れのひとつ斎川の一部分の呼び名で、
ここにはむかしむかしおそろしい鬼がよく出没して
人間をぱっくりカミカミもぐもぐりん、と食べてしまったという事から
こういう、やや物騒な名前がついたんだトカいうおはなし。

この鬼がその後、どういう境遇+食糧事情になったのかは
資料がよくわかんないので不明です。
本日の「和漢百魅缶」へのアップとんてんかんは、
柱はにかいとえんのした。「つばきばしら」さんです。
 
 

柱を建造するときに注意しなければならないもののひとつに
木の根っこだったほうを上にして建てる「さかばしら」というのが
ありますが、こちらの「つばきばしら」はその名のごとく
つばきの木を材木につかって建てた柱でござるのよん。

磐城の国の田村郡のある屋敷では
このつばきの柱で水屋を建てていたところ
夜にばけものが現われて、家族をばっくんばっくん。

長持のなかにとっさに隠れて命をながらえた家人のひとりが
弓の名手にこのことを語ってばけもの退治をたのみこみ、
ズバンと一矢を撃ち込んだところ、

水屋のつばきを使った柱に矢がぶっ刺さっていて
そこからだくだく淋漓と血がこぼれでていたところから
つばきは柱に使うものでない、という言い伝えが出来た、と
かの地ではむかしばなししておりましたとやら。


なにごとも、原材料には、気をつけよう。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
色街三十三箇所のひとつから、「めしもりのしやくしにょらい」さんです。
 
しゃくしにょらい 飯盛の杓子如来 

以前、アップした「かさありいなりだいみょうじん」の本所吉田町から、
ぐるりと進んで、こちらのへんなほとけさまのご座所は
中山道のはじめの宿場、板橋の宿。

やどやに置かれていた女郎さんたち「飯盛女」(めしもりおんな)を
モティーフにしたご本尊さまであります。なーむー。
さて本日の「和漢百魅缶」へのアップもっくもくは、
非クラウドこんぴゅーてぃんぐ。「くものばけもの」さんです。
 
くものばけもの 雲の化物

芳虎の描いている「百物語戯双六」(ひゃくものがたりたわむれすごろく)
というおもちゃ絵の中にに描かれたりしているもので

「にゅうどう雲」のようなむくむく大きな雲を
おばけに仕立てたしろものでございます。


雲のでかくでかく大きな様子は、
「だいだらぼっち」とかを想像する要素のひとつ、だとかは
昔からよく言われているものですが、

このおばけデザインが果たしてどういうところが源泉になって
「おきく」さんだとか「おいわ」さんだとか「ねこまた」だとか
「見越し入道」だとか「河童」だとか「ろくろ首」だとか
「茶坊主」(茶道小坊主と同様。お茶どうぞ、と出て来る一ッ目とかなおばけ)
だとかいったお芝居などでおなじみさんだった面々と
同じ画面に描かれることになったのかは、未詳ですが、

芳虎シショーの独自発想かと言われると、
他にも雲に目鼻をくっつけてる絵はちらりほらりと見ることも出来ますので、
なにかデザインのお手本になるようなものはあったんだろうナ、

と考えられます。

まさに、雲をつかむようなもん。いますこし観察の蓄積が必要ですな。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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