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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのあっぷは、
あの、ハエ。「ほうおんよう」さんです。
 
ほうおんよう 報恩蝿

昨日は、日本の蟻をつぶすとイクナイ! というものでしたので、
本日は、大陸の蝿をたすけてあげたら命びろいしたよ、という
『夷堅続志』などにあるむかしばなしから引っぱりだして来ました。

むかし、都にいたある酒匠さん。
いつものようにお酒の具合を見ていると、水の中で
あぷあぷしてる一匹の小さなハエを発見。
これはかわいそうに、と、それをすくってあげました。

それから何日か時は過ぎて、
なんだか知らないですが、この酒匠さん、嫌疑をかけられて
獄舎につながれ、死刑な判決を受けちゃうハメに。

さぁ、この酒匠の死刑執行てつづきの書類を書こう、と
判官さんがすずりをすりすり、筆を紙の上におろそうとすると…

筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。
さぁ書こう、
筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。
さぁ書こう、
筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。
さぁ書こう、
筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。

…何度も何度もおんなじように、まるで判におしたように
ハエが動いておる、これは一体…もしや何かあるのか?と

ミョーに気になりだしてしまった判官さん、
早速、再審をおこなってみたところ、酒匠は真犯人じゃなかった、
といった具合で、イノチがたすかった。めでたし。というもの。


ハエとかハチは、害虫系なのに、こういう感じの昔話が
わりとある感じでイイですね。とうらやましがるのはゴキブリです。ハァ。
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ホンジツノ「和漢百魅缶」ヘアップイタシマシタハ。
うっかり踏んだら、うみのもくず。「ありのたたり」さんです。
 
ありのたたり 蟻の祟

美濃の国などに伝わっていた俗信で、ありんこを踏み殺すと
「お伊勢参りに行くときに船が嵐に遭遇しておぼれ死ぬ」と、言われていたもの。


昨日の「馬」からは、「蟻」を漢語で「玄駒」とも呼ぶところからの連想です。


ありんこがお伊勢さまとどう関係あるのかあんまりよくワカンナイのですが
神社や寺院に関連して、特定の虫を殺すとイイ、殺すとイクナイ、といったようなものは
各地にもバラバラパラパラ点在していて、

ひょーせんの家のあたりでは
「はがちを見つけたら、殺せ、成田山にお参りにいったのと同等になるョ」
とかいう「殺すとイイ」の例が伝わっています。

この手のものはババーンと一大リストになってるのが欲しい感じですな。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
昨日が手なら本日は足でショーブ。「じゅうさんぞくば」さんです。
 
じゅうさんぞくば 十三足馬

賈思誠(かしせい)というひとが夢の中で目撃して
「ギャーーー」とびっくりして起きたという十三の足をもつふしぎな馬で、

これを夢で観た日の朝から
思誠の背中には腫れ物が出来て、それがジクジク重くなり、
ついにそれから十三日、これが体をむしばみつくして
思誠はあの世へ行ってしまったんだソウナ。


賈思誠は、うまどしの生まれだったそうで、
馬が出て来たのは、それに対応していたのではなかったのだろうか
というコトでございますが、寿命があと5600日とかだったら
足の5600本ある馬が出て来たんでしょうかね?
…数えるのが途方もないですけど。ハァ。


おなじく午どしな生まれだった織田信長が夢に観たというものに
きのうま」がありますが、これはこれと同じようなもので、
(きのえうまの生まれなので木のうま。子どし生まれの明智光秀も、鼠の姿で出て来る)
十二支と夢に出て来る動物が関連するという法則が
日本の昔話にも出没している用例のひとつですネ。うーん。
本日の「和漢百魅缶」へのグリグリアップは、
おじょうさまお手をどうぞ、「むしろのて」さんです。
 
むしろのて 筵の手 

丹波の国は桑田郡の山に伝わる話に出て来るもので、
炭焼き小屋で夜、ねむっていたら
そこらへんにぶら下げてあるムシロの中から
ヌーっ、スーっ、と手が出て来たというシロモノ。

昨日が銀だったから、どういう連想でココに達したかと申さば
「銀」→「元素周期表」→「亜鉛」→「無い!!じゃあ」→「炭素」→「炭焼き」
と、いう、ややザンネンな順路。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
最近キラキラ値上がりー。「びゃくえがいじ」さんです。
 
びゃくえがいじ 白衣孩児

銀の取引価格が上がってるから、というわけではありませんが
本日アップのこちらさんは銀の精霊です。

日本の昔話にもよくある、埋められたままになってしまった銀の精霊が、
なにかしらの怪異現象をまきおこして人間の興味をひこうとする形式のもので、
こちらさんは、白い着物を着た子供たちの姿で人の前に現われて
ワーワー泣いて、その存在をアピールしたといいます。


『夷堅志』にある話にはこんにゃものがござるてな。

この銀の精の子供らがワーワー泣きに出てくる怪異が巻き起こる家の壁に
「林」という字みたいなキズが浮き出たことがありましたそうな。
この家のみんなは、このヘンな怪異を妙なものと観ていました。
「なんだ、この家は、そもそも、ウチのみょーじは、呉(ゴ)だっつーの!」

つぎに、その家を買って引っ越して来た林(リン)さんも、
夜、このワーワー泣く白衣の子供たちを目撃して、びっくり。
ここは化物屋敷なのか、と思いましたが、この子供たちが
泣いて騒いでいったあと、いつもおんなじところで姿を消すのをハッケンして、
「なんだ、ここいらが、どうも怪しんだな、おい権助、ここを掘れ掘れ」

と、指示してみたところ、そこから銀がザクザク出てきて
林さんはそれを資本にして長者になったんだってさだってさ。
「ふしぎな、もんだね、この銀、みぃーんな林って字が刻んであったんだよ!」 ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
間接照明も必要ありません。「つじぼうず」さんです。

つじぼうず 辻坊主 

但馬の国の二方郡の、砂見坂という場所にでたという
大坊主な姿のおばけで、いたちとかが化けたものと言われていました。

道ばたの石とか木とかに腰を落ち着けて、
じーーーっと帳面を熟読している姿をしているダケ、というものなのですが

これが出て来るのは、空の星さえ黒みがちな暗い夜。
じーーーっと考えてみると、暗い中で文字が読めるのだろうか。

疑問が生じて、このヘンな大坊主をじーーーーっとカンサツしてやろう、と
振り返ったりすると、もうそこにこの大坊主の姿はナイ。
などという化かし方をしてきたそうですが、こういう

「あ、いまのなんなんだろう!!えっ、ヘンだろうキニナル!!!」

と感じてジックリ見てみようとしたら、その対象がドロンしてるというのは
割りとあって、越中に伝わる「わらかつぎ」(藁担ぎ)さんなども
この手のものでございます。うまいもんだネ。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
煙草、お酒、にんにくなどのキニナル点。「しゅうき」さんです。
 
しゅうき 臭鬼

『夷堅志』などに記されている霊鬼のひとつで、
衣装はキレイ目な白衣なのですが、そこから発する香りは
鼻が向かいのカドでドリフト走行して爆発するほどのニオイ。
と、いう、名は体をあらわす、の金言どおりなお方。

むかし、都へ上京して来た男がこれにとり憑かれて、
日に日に、そのニオイのひどさに困っていたのですが
(――とり憑かれていない人には姿もニオイもきこえない)
ついに「コレは死ぬ!」と思って田舎に帰ったところ
スッキリこの霊鬼が現われなくなったのでホッとひと安心。

それから時は過ぎて、このクサイ思い出も忘れ果てたころ
あるとき、たまたま、このひとが上京をして、お酒をのんで
ちょっとヘベのレケになったところ、どこからともなく変な声と
例のとんでもなくクサイニオイがたちあらわれて、
数日後、このひとは病気になって死んでしまったそうな。

どうやら、まったく霊鬼は取り憑き状態から離れておらなかったようで、
特定の活動場所はから動けない、という霊鬼だったダケなのでした。


なんとお仕事領域に忠実な霊鬼さんですこと。ハァ。
あれなる音はヤマガのタイコ、ザ・赤穂の討ち入りデーな本日の
和漢百魅缶」へのアップいたしますのは、赤穂の名産は塩と並んで
専売なケムリの出る草に縁のある、「たばこいし」さんです。
 
たばこいし 煙草石

奥州とはいいつつも、ポキンと分類しますと、岩代の国な、伊達郡に伝わるもので、
石の表面にたばこの葉っぱのようなものが浮かびあがって見えるふしぎな岩石。

この、表面に葉っぱが見える、という現象は
その年のたばこの市場価格をうらなうものと見られていて、
これが見えない年は、値段が急上昇、
見える年は、それなりに価格が低廉にお安くなる、
と、言われてたんだトサ。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
非ロールキャベツ野郎。「てんうそう」さんです。
 
てんうそう 天雨草

今月は、大陸勢を特に『捜神記』から引っぱりだしているのですが
本日のコチラさんも、そちらのご出身です。

天空から、ぽつぽつと葉っぱがぐるぐるとオトシブミって虫がつくりだす
葉っぱの封じ文みたいに、まんまるく固まったものが降って来る、

という、もので、

なんでも、道家のあいだでは
「これは君主が臣に適切な禄高を与えていないことを示しておる」と
いったような判断がついてるそうで、
なんとも、資本主義的にはあまり降って来てはもらいたくない
ロールリーフなのでございます。ハァ。



(残菜話)
昨日の「呼子」から、どういうところが連想かというと、
「呼子」→「やまびこ」→「こだま」→「木」→「葉っぱ」といった具合。
本日の「和漢百魅缶」への大投入は、
大声々でヤッホホホーーーイ、「よぶこ」さんです。
 
よぶこ 呼子

何度か、妖界東西新聞の画面にチョコチョコっと出たり、
以前、三枚つづきのどっさりイラスト『御霊峰首魁嶽山開図』のなかにも
描いたりしてもいましたが、いよいよ、ちゃんと「和漢百魅缶」に編入です。

昨日の、叫び声の持ち主「鴨鬼」さんとは違って、
こちらさんは、山での「おーい」や「やっほー」に反応して
それを真似して返してくるという、例の山のこだまの楽しさヨ、のおかたです。

あなたと呼べば。ハァ?

さて師走も一旬すぎて、やや深まった「和漢百魅缶」本日のアップは、
鴨ステーキはスキです。じゅわ。「おうき」さんです。
 
おうき 鴨鬼 

昨日はジャポンの天満七ふしぎ、からでしたから、
今日はシノワーの数でそろったおばけさんからアップしまショー。

ということで、『聊斎志異』などにも記されていて、
そこそこ有名?どころな、「衢州三怪」のひとつから「鴨鬼」さんです。

衢州の蛟池に出たというおばけで、ギャグワーーーと響く
この鳴き声を聞くと病気になって死んでしまうと言われていましたソウナ。

一説に曰く、「西王母」のもとに仕えていた鴨の精が
『西遊記』によくあるパターンのように天から地上にやって来て、
悪さをしてる…とかいう話もありますが、どうなのでしょうね。ハァ。

本日の「和漢百魅缶」へのアップは、これですニャグヮーーーーー!!
西のチェシャ、ひがしの「わらいねこ」さんです。
 
わらいねこ 笑い猫 

大阪の天満につたわってた七ふしぎのひとつとしてあげられていたおばけで
「池田町の笑い猫」と呼ばれていたことが知られてますが
実際のところ、どーいうふーなものだったのかは、あまり伝わってないのが
天満七ふしぎの少しザンネンポイントであります。ハァ。

天満の七ふしぎは、こちらさんのほかには
以前にアップした「めなしちご」と一字違いな感じの「神明の手無児」、
「鴬墳の燃え唐臼」、「大鏡寺前の傘火」、「曽根崎の逆様女」、
「川崎の泣坊主」、「十一丁の首絞縄」というのがあったソウナ。


今月は、和と漢をいったりきたりしつつ、前の日からの
連想でアップする面々をセンバツしてるのですが、
本日は、昨日の塊魂なぞうりの怪異の原因のひとつに
「猫にゃんが……」というのがあったから、という箇所からの
連結なのですが、だんだん高度になりつつありまんな。二度目のハァードッコイナ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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妖界東西新聞 日刊紙だから まいにち更新中

和漢百魅缶wiki 検索用に。

2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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