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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップいたしますのは
かたまりぞうり。「じゅはいきゃく」さんです。

 
じゅはいきゃく 聚敗屩


むかしむかしの大陸のこと、元康や太安のころに道路のアチコチに
はき古されて道のわきの草っ原とかにポイと捨てられた屩(きゃく)が
どっさりと塊になって山を作ってた、というもので、

邪魔だよ、と捨てておいても、
また次の日にはおんなじところにおんなじような屩(きゃく)のかたまりが
出来ていたんだってサ。

あるひとは、これは疲弊した者たちが団結して
たちあがるんだよ、一揆だよ、そういう事の兆しなのだよ、などという
由井正雪みたいな説をとなえたりしたりもしたそうですが

「猫にゃんがアッチコッチから食わえてあつめてたヨ」と、いうお気楽な説も
あったそうで、なんともステキな温度差ね。ハァ。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ゾクッときたら葛根湯。「はしりがい」さんです。
 
はしりがい

陸前の国は石巻のあたりにつたわる「ゆきあいがみ」の仲間で、
外でいきなり高い熱がでて倒れちゃったりするのは
こういうものに道でブチ当たったからだ、と言われていました。

この手のものは、いまの時代では全然
みむきもされてないようなおばけ現象なのですが、
(「あ、風邪もらっちゃった!」とか「あ、血管プラークが脳に!」とかしか思わない)

実際のところ、病気になる、という部分だけで抽出すると、
セコいおばけよりも命にかかわるし、現在も多々発生する身の危険なので、
遭いたくない率は非常に高い部類のハイパーナチュラル現象ですな。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
脅威の脚先の器用さ。「しゅくけんけん」さんです。
 


むかし、桂陽郡の太守をつとめたという男・李叔堅が
若かった頃に飼っていたふしぎな犬で、
二本足で立ってそこいらをワンワンと駆け回ったりしてたと言います。

「旦那さま、こんな怪しい犬は殺しましょう、怖いです!!」
「旦那さま、この犬、旦那さまの冠をかぶって走り回ってました!」
「旦那さま、今度はひとりで台所でかまどに火を起こしとりました!」
と言われても叔堅は、

「いいや、単に人間を見て真似をしてるだけじゃ、よいよい」
と答えて、一切これを妖怪として見なかったんだとか。

結局、この犬は、巨大化したり、人間に化けたりする事なく、
家にも何も変事も事件も起きず、ただヘンな犬というだけで
フツーな日々が送られたんだそうな。


叔堅サンはこう言ってますが、
だれもいない台所でかまどで火をおこしてるってのは
かなり妖怪な感じだと思います。
まぁ、変事や事件の前触れにならぬと厳密には漢土では妖怪にはならぬので
しかたないといえばないのですがネ。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へアップいたしますのは、
なんだかヘンテコリなものが五日連続でしたので
キレイにファイアーしていただきましょう。「ヒニャハムガナシ」さんです。
 
ヒニャハムガナシ

かわいい感じの音の響きなコチラさまは、
南の海の浪の先、加計呂麻島につたわっている、かまどのかみさま。

「~ナシ」(主)というのは
加計呂麻島のかみさまたちにはつきものなフレーズです。

むかしの家な造りの台所では、どこでもかまどのあたりに、このかみさまに
おせんこうをおそなえするためのお茶碗みたいなのが置いてあったソウナ。

さぁ、火で消毒したので大丈夫々々。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へアップ致しますのは、
壊して直してイタチゴッコ。「はかいだん」さんです。
 
はかいだん 破蟹断

昨日アップした最強なお名前キャラ「小便呑」さんと対になるようなのを、
といことで、うんとこどっこいしょと漢籍を漁ってまいりましたよ。

こちらは、川にたてられたカニをかまえるためのワナ
蟹断(かいだん)を、ボコッと壊していったというもので

いくら直しておいても、パッと振り返るとまた同じところが同じようになってて
カニが、ザバヘーっとそこから逃げちゃってて一箇所、使い物にならなくなっちゃう
といったもの。


カニが大好物な「さんしょう」(山[鬼+肖])たちが
人間たちの気をそっちに集中させてるうちにカニをもってくために
やるいたずらだげな、といったような説があったそうで。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、少々ビローでございますが
世界のふしぎ、奇妙のなぞ、「しょんべんのみ」さんです。
 


讃岐の国は美合村の山につたわるおばけさんでして、
山の炭焼き小屋でつかわれていた小便桶(しょんべんたご)に
ドプンとたまってるお小水を、夜中のうちにサッと空っぽにする、
という芸当をしたという、古今あんまり未曾有のおばけ。

むかしはおしっこやうんこは田畑の肥料になっておりましたから、
もちろん、誰かその手のドロボーのしわざかと思われたフシもあるそうなのですが、
人間ではどうにも処理できない量と瞬発力だべこれは、という所から
なんだか小便をのみに来るヘンナモノがいるのじゃろう、という話に至ったソウナ。

おおかみがおしっこを呑みにくるんですのヨ、

という話もあるそうなのですが、そんなに飲めないでしょ。ハァ。


すがたかたちを、夢紫樓にいさんがデザインをしてくれたのですが、
いわく、頭についてるのは腎臓なんだだそうな。
砒素細菌と暴風靂雨で明け暮れた本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
セキュリティーリーフ。「ごもんそう」さんです。
 
ごもんそう 護門草

『酉陽雑俎』などに記されている絶妙でふしぎな草で、
これを門のうえに生やかして置くと、

いざ! 泥坊や不審人物や間者や曲者やニンジャが!
その門をくぐろうものなら「貴郎は、どこのなに兵衛さんじゃ」と
たちまちこの草が警告警護をして下さるんですってよ、


まぁ、警告を呶鳴ってくれるだけなので、
立派なおキバの番犬や、腕筋モッキリな門番も置いておかないと
ノシノシ踏み込まれてしまうんですけどね。ハァ。
今月の「和漢百魅缶」、かけだす2番走者は、
返却期限はまもろうネ。「おおとものあかまろ」さんです。
 
おおとものあかまろ 大伴赤麻呂

武蔵の国、多摩の大領だった大伴赤麻呂(おおとものあかまろ)が
死後に畜生道に転生して、仔牛になっちゃった、というもの。

生前に寺院から借りたものをちゃんと返却しなかったのが、
畜生道へ転生した原因、と寺院は鑑定したそうな。


『日本霊異記』などにあるもので、
背中にくっきり「大伴赤麻呂」という模様が出てたので
最終的には家の者も家臣もこれを懺悔して
この仔牛を人々に示して、見世物にしたんだってサ。


江戸時代や明治時代の見世物に
お経の文字が背中にクッキリ出てる牛とか馬とかいうのがあって、
実際は、某薬品とかをつかって字を書いて浮き上がらせてたダケなのですが、

こちらの赤麻呂さん。
モロに名前が背中に出た、ってのは少々マユツバかも知れんネー。ハァ。
12月の「和漢百魅缶」、いちばんはじめのいちのみや、は、
のめやうたえのおまつり騒ぎ。「せいおうぼしょ」さんです。
 
せいおうぼしょ 西王母書

『捜神記』などにあるもので、時代は哀帝のころの建平4年(-3)。季節は夏。
都も鄙も、市街も田園も、どこもかしこも西王母のおまつりが大過熱。
おまつりに加わった民は、すべて飲め、歌え、騒げ、のNUSの一本づり。

そんな渦中であちこちにひろまっていたのが
「これを持っていれば死なぬ」といった西王母のお告げがしるされたこちらの書。

持ってれば死なない、とかいうと物凄くブッ飛んだお告げの紙きれですが、
洋の東西を問わず、この手の「救いを与えるべさ」な紙きれは多くあるもので。ハァ。
2010年11月の「和漢百魅缶」、いよいよの千穐楽は、
火曜日なので、「かよう」さんです。
 
かよう 賈雍

漢のころ予章(よしょう)郡の太守だった賈雍(かよう)が
界(くにざかい)に出没して往来の人々を襲っていた悪い賊を
太守としては見過ごせぬ、ということで退治しにいったものの、

あっさり、賊どものオフェンスにおされまくって、
「返り討ちじゃ」と閃いた賊の刃にお首がポトリ。

ああ、太守さま、ここにその命の花を散らせけり。

――と、おもいきや。

賈雍は首が無いままの体をぐるりと動かしだして
乗ってた馬に鞭声ペシペシ。ひづめを鳴らせてやかたに帰還。

おどろいたのは家臣たちやら郡の役人たち。

太守さまが戻ってきたものの、
血まみれだわ、目鼻口のあるべきところは無いわ、
どうみても、死体なのにしゃべりかけてくるわで、大騒ぎ。

すると賈雍は家臣たちに

「諸君みるに頭のあるが佳いか、頭のないが佳いか?」

とたずね、家臣たちが

「頭のある殿様が佳うございます」

というと

「ふむ頭のないもまた佳いものぞ」

と述べて、そのままサッと死んじゃったんだトカ。
なんとも不思議な太守さまの最期でござる。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
武将でござらぬ。野獣でござる。「ばちょう」さんです。
 
ばちょう 馬腸

『山海経』の中山経にあるもので、玄扈山(げんこさん)に居るというもの。
どうやら川の中とかにいる?らしいのですが、

実際のところ、「馬腸」というのは、
ひとを襲って食べたりするという別の獣、「馬腹」というものと
同じようなものなり、という意見が古くから出ていて、

ケッキョクノトコロ、よくわかってないおかたです。


とりあへず、和漢百魅缶では、『山海経箋疏』などに出てる
「馬腹とおなじョ」という意見にのっとって、人面獣躯な「馬腹」っポイ絵を
採りいれているのですが、いっそのこと、
だっちょ」みたいなのでもヨカッタかな。とも思ってる午後10時。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
言葉を漢字に、漢字を絵画に、「まちぶせ」さんです。

 
まちぶせ まち婦せ

同じ「へん」や「つくり」や「かまえ」を持ってる漢字を五七五七七の歌に折り込んで
漢字をいろいろおぼえましょ、という昔のおベンキョーのための絵草紙
『小野篁歌字尽』(おののたかむらうたじづくし)の形式をかりて、

むりやり色んな造字をつくって、くすぐりをかけてくる絵草紙
『小野ばかむら虚字尽』(おののばかむらうそじづくし)に出て来たりする
吉原のことを茶にした漢字がモトになってるデザインおばけです。

    大
    門
   女女
  女女女
(こういう感じの漢字だす)
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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