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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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さて「和漢百魅缶」にころころポチャンとアップいたしますのは
たからをはき出すスゲェねずみ。「とほうそ」さんです。
 
とほうそ 吐宝鼠

大陸では数々かかれてる神様の図像、そんな図像の部類のひとつに
財神、いこーる、どうぞおかねがもうかりますようにな願いを込める絵があります。

そんな絵にかかれる色んなドカラフルな神様の下のほうに
ちょろちょろ随身つかまつっておりますのがこちらさんで、
口の中からぽこぽこぽこぽこ、ヨッシーがたまごをポンスカ生むみたいに
宝珠を出すんだとか。

日本には、池の神様から無限に酢が出てくる瓶だとか、
竜宮城から金のうんこをする猫を貰って来るとかをもらってくる話がありますが
こちらの「吐宝鼠」さんも、そんな発想にちかいものでごすなァ。
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さてはち「和漢百魅缶」今月のふたっとびめは
水の中からトンカラリンコン、「かんしちぶち」さんです。
 
かんしちぶち 勘七渕 

陸前の国は白石川にある勘七渕と呼ばれる渕の水底には
大きな屋敷があって、そこから機を織る音が聴こえて来る、
というもので、むかし、勘七という男がここに行って
わらじづくりを手伝ってあげたら魚をもらって来たんだトサ。

水の中から聴こえるものに機織りみたいな音がするというのは
全国各地にありますが、そういう音のする屋敷に行ったのに
機のことでは無くて、わらじをなうのを手伝わされたというのは
やっぱり機織りは女の仕事だったからなのでしょうかネ。
さて、十一月の「和漢百魅缶」でございます。
はじめのひとっとびは、「かうかうからす」さんです。
 
かうかうからす かうかう鴉 

三河の国などに伝わっている「からす鳴き」のひとつで
「ガーガー」屋根の上でからすが鳴くと凶デス、とかいうものの仲間。

「かうかう、かうかう」という鳴き声がすれば死亡届がある前兆、
「うがううがう」という風に聴こえてくれば出生届がある前兆ダ、
などと言われておりました。

きつねの擬声のひとつに「ぐわんげぐわんげ」とかいうのがありますが
この「うがううがう」ってからすの擬声もなかなか面白い字面でありますナ。
さて、先日の25体だとおもったら27体だった連続興行につづきまして、
今月の「和漢百魅缶」いよいよ千穐楽にアップいたしますおばけさんは、
闘牛士ではありません。「あかうで」さんです。
 
あかうで 赤腕

肥前の国は諫早の、多良越えというとうげみちに出たというおばけで、
ふつうの通行人をよそおっていますが、とおりがかったひとのもとに
ちょっと近づいてきて、突然に真っ赤な腕をズバッと延ばしてみせて
胆が消し飛べと言わんばかりにおどろかしてくるといったもの。

もちろん、この手のおばけでございますから
アフターサーヴィスもおこたりません。

ヒャーとおどろいて逃げ走っても、もれなく、
もう一度、「こんなおばけでございましたか」攻勢をかけてくれます(呵々)
和漢百魅缶連続興行

本日は、あしたのハロウィーンにあわせまして
世界のおばけさんがたも色々とつきまぜてお送りする連続興行にて
ドバっと27体、連続アップをさせていただきました。

ささ、こんな面々が出揃いましたわいな。
とざいとーーーざーーーーーーい。

マサン(Masan)
モルモ(Mormo)
まずは「悪鬼害巷」と題づけましての一対。やはりハロウィンですからまずは凄まねバ。

ミン(Hmin)
ファウニ・フィカリー(Fauni Ficarii)
おつぎは「木魅葉疫」と題づけ。木にまつわる縁起うんぬんは洋の東西問わずたっぷり。

ニクネカムイ
ヴィルデ・メナー(Wilde Manner)
つづくは「巨躯大力」と題づけ。大きいものってのはやたらといるんですこれもまた各地に。

シルトル(Shirutru)
インカニヤンバ(Inkaniyamba)
おつぎは「溟巣水棲」と題をこじつけ。片やジジンワニ。片やアラシミズヘビ。ごごぼーん。

サンカルチー
ナック(Nakk)
これは「異魚奇観」と題づけました。ナックにへんな足が生えてるのはアレです、「六物新志」とかのアレ。

かみときいわ(髪梳岩)
ラミニャック(Lamignak)
もうこれは「美髪濯流」との題しか思いつきません。ここーはーくしーもーとーーー。

きばき(鬼馬騎)
フェアリーライズ(Fairy rides)
じゃじゃんと「鬼奇行列」と題つけつかまつった。まさかのおとといの「白頭公」とのストーリー継続展開。

なないろのわかめ(七色の若布)
アダーストーン(Adder stone)
ごく明瞭に「珎貨霊物」と題つけしますた。冷静に考えると七色のわかめって発想が凄すぎると思います。

びゃくえにょし(白衣女子)
ヴァドレアーニュ(Vadleany)
だんだん大変ですが「華容奪魂」と題づけしました。関係ないですが「奪魂鬼」(だっこんき)って音が好きです。
「脱穀機」とかに近いせい?

やじょ(野女)
バボウシュカ(Baboushka)
ワイルドに「山河婦嫗」と題づけしました。あんまり河は関係ない気もします?ごちやごちや言うねェ。

ククイ(Cucuy)
ル・バブー(Le Barboue)
すいっとナと「童児畏怕」と題づけしました。お子様へのしつけに出て来るもの。ちぃちぃももんがぁですナ。

オオノオソオロオフノオ(Oonoosooloohnoo)
アル(Al)
これはおあそびです「或長或短」と題つけまして、外骨サマの「相対画譜」みたいなのをやったマデデス。

こぶんせんせい(古文先生)
ブック・ドライデン(Book Dryden)
ついに今回ラストの一対は「古今書籍」と題つけまして、古いの側を『付喪神絵巻』から古文先生、
モダンブックスの側を『ザ・バトルオブザブックス』の武将からドライデンを引いてきまして
洋の東西、時代の古今をとり揃えてみました次第。

こかぶのないし(小蕪菁内侍)

それでは、これにて明日の、ハロウィーンへのご景物。
いつもながらの連続アップで、まずはこんなところ。

当日昼からじっと見ておられた方も、ヤレヤレ全部出たかいなといま御覧の方も、
ご笑覧、かたじけのうございまするとホホうやまってもうす。

とざいとーーざーーーーい。




(後白)2010.11.3
シルトルのつづりにつきまして、「Shirutoru」では無うて「Shirutru」であると
ご教示たまわりましたので、修正させていただきました。
今月の「和漢百魅缶」にじゅうくひら目のアッアッアップは、
ぴーちくぱーちくぷっぷっぷっー。「がっこうすずめ」さんです。
 
がっこうすずめ 学校雀

明治のころの言葉から出来たデザインもので
ぴーぴーぱーぱーうるさく騒ぎながらあたりを飛びまわるというもの。

学制が敷かれて以後に出現したあらたなジョブ、
小学校や大学の生徒たちを昔ながらの方式でヘンナ鳥に仕立てていて、
これが着実に進化いたしますと「月宮鳥」になります。

ぴー。
今月の「和漢百魅缶」にじゅうはちひら目のおかたは、
ほかほかホワイトじじい。「はくとうこう」さんです。
 
はくとうこう 白頭公

大陸の妖怪のスタンダード、「ドレソレが出てくるのはナニナニの前触れ」のひとつで、
こちらは、ごはんを炊いてる甑(こしき)の中に、白い髪のじいさまが出る、というもの。

『捜神記』などにある話で、これが出て来るのがあるのですが
それで出て来るうらないのひとは「これは大いなる変事の前触れです」と判じてます。

ポコっとごはんの中に浮き出て来たこの白い頭が
そのあとどうなったのかは、別に書かれて無いのでヨクワカラナイのですが
……たぶん、消えちゃうんでしょうね、ポコっと出た直後に。
今月の「和漢百魅缶」にじゅうななひら目のおばけさんは、
ニョキーーーーーーン。「てんぐのおとり」さんです。
 
てんぐのおとり 天狗囮

鼻が、にょーーーーーんと延びるおばけ(はなのび)が
九州には居たりしますが、こちらさんはそれとは別。

天狗のような高い高い高いお鼻をお持ちなおかたです。

もともと「てんぐのおとり」という言葉は、
鼻が高い(外見・精神含めて)ことを表現した言葉で、
コチラは、それを端的に図像にしてあるデザインものです。
今月の「和漢百魅缶」にじゅうろくひら目のアップは、
ぽんぽん歩くぜ。「てぎのがえし」さんです。
 
てぎのがえし 手杵返 

土佐の国のやまのなかに伝わるおばけで、
わら打ちとかをするときに使っていた道具の手杵(てぎね)に似た
体格をしていて、くるくるとびまわりながら
ドシドシンと、ひとのうしろをついて来たりしたというものです。

足跡は、まるっこいものがぽつぽつぽつと
一列にずっと並んでたといいますから
遠江の国の「一本足」とか伊勢・大和・紀伊の国の「一本だたら」とかと
同様のお仲間でござい。
今月の「和漢百魅缶」にじゅうごひら目のアップは、
お酒がちゃっぽり入ってます。「じゃまあらし」さんです。
 
じゃまあらし 邪魔あらし

山東京伝の『怪談摸摸夢字彙』に登場しているもので、
「やまあらし」を下敷きにしてデザインされたもの。

お酒のとっくり(酒席のではなくて酒屋さんでお酒が売られる時のもの)が
からだになっていて、歩行はべろべろのぐでんぐでんでフラフラ。
ひとの邪魔をしていってはニコニコよろこびますとやら。

ああ、生酔いは迷いに通ず。ほどよく摂取アルコール。
今月の「和漢百魅缶」、にじゅうよんひら目のアップは、
でっかいツリーにゃご用心、「まじんのけぼく」さんです。
 
まじんのけぼく 魔神の化木 

数々多数の殺生をくりひろげた魔神や悪い精霊などが
「なんというあばれようじゃ、まかりならん!」と罰を受けて、
千年の間、ただの樹木として、つったちつづけてなければならない、
と、いったもので、

むかし、土佐の国のある畑の近くには
これが生えていたそうで、畑仕事のために伐採しようとした農民が
魔神のたたりにあって、いのちを落としたりしたそうです。

…たたりでいのちをまた取ってたら、
永久に樹木にされてる罪がなくならないような気がしますが
まぁ、そこらへんがスーパーナチョラルの真意なのでしょう。
今月の「和漢百魅缶」にじゅうさんぴら目のアップは、
昨日がきつねで本日ぁたぬき。「なあごむじな」さんです。
 
なあごむじな なあご狢

荒波やでおなじみの佐渡につたわるむじなもんで、
ひとのしめてるフンドシやコシマキをさっさかさーのはやわざで
ゆるめて手元にスッと取る、という化け術が得意技だったという、御仁。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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