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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのご登場は、
But OtterDey.「かわうそのひ」さんです。
 
かわうそのひ 獺火

狐火、狸火、てんの火、いたち火、山鳥の火に青鷺火、
ひとに化けたり化かしたり出来る禽獣は、
ことごとく火の玉の化け術を持ってると言われておりまして、
コチラは名の示すとおり、かわうそたちが使ったもの。

なんだかチラチラ火が見えるなぁ、と思って歩いていると
おんなじ速度でフワフワくっついて飛んできたりしましたトカ。
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和漢百魅缶」へ本日ズイトコドブンとアップしますのは
草刈りがコワイです。「とよさきぶちののし」さんです。
 
とよさきぶちののし 豊前淵の主

美濃の国に分布しております河童、「のし」たちの昔話のひとつで、
山添村の豊前淵にいたその名のとおりの一淵一城の主。

むかし、この淵の底に鎌が沈みこんできて
鎌がだいっだいっキライな、のし達は大迷惑。
困りきっていると、村人が近くに通りかかったので
「どうかおみゃーさん、水んなかの鎌、取っとくれんかネ」と
頼み込んで、これを取り除いてもらったんだとか。

そのお礼と言われて、その村人が教わったのは
馬の病気などの治療法で、その村人は
村の馬のお医者として、代々つづいておりましたんだトサ。


河童やら天狗は薬学の知識が高いコが多いよネ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、ぐるっと沖縄まで飛びまして
一般通行妨害。「マヤーシモン」さんです。
 
マヤーシモン

「まよわせもの」という意味のお名前のこちらさんは、

夜道でひとを間違った道に曲がらせて
きつねやたぬきみたいに、ひとを夜明けまで
ぐるぐるへんなところを歩かせたり、

岩を大坊主みたいな巨体に見せて、
お相撲や拳闘を繰り広げさせて
徒労グッタリな朝を迎えさせたり、

まぁ、とにかく、いたずらものなんだそうな。
本日の「和漢百魅缶」でのアップ、ずらりんこ、は、
ひときり庖丁がおキライ。「しらはたやまのかいう」さんです。
 
しらはたやまのかいう 白幡山の怪雨

播磨の国の白幡山につたわっていたふしぎで、
この山の中にお武家の衆がひとりでも入って行くと
どんなにかんなにカンカンの日本晴れだった日でも
たちまちあたりが闇モードに気候変動して大雨が降ったんだとか。

リャンコが入って行くと、お山が雨天になるのは
なぜなぜなーぜどうしてなの? と思ったものの
くわしい事由はあまり明らかになってはおらない模様。
本日の「和漢百魅缶」へアップいたしますのは、
サラリーの大権化。「げっきゅうでんのぬえ」さんです。
 
げっきゅうでんのぬえ 月給殿の鵺 

ゼニトルメンバードこと、「げっきゅうとり」さんたちが、朝になると
ぶわーっと飛び来たって群集する白亜の宮殿・月給殿(げっきゅうでん)に
宿りついているという巨大なぬえつどり様でござい。

いちおー、おあしをいっぱい生やかせてみました。ふぎょふぎょ。
本日の「和漢百魅缶」にアップのおかたは、
神通力は手工業。「ゆびせんにん」さんです。
 
ゆびせんにん 指仙人

むかし、ある娼妓(ゆうじょ)が山にこもって仙術修行、
ついに望みのものをパッとひとゆび、天をつくだけで
出せるようになったもの。

これを訪ねにやって来たのが、廓に出てた頃のお客。
指仙人となった娼妓の神通力を見て目の玉ぐるりんこ。
「どうか、そのゆび切ってもらいたい」


娼妓がお客とのカンケイを「かたいものなのヨ、うふん」と
いうしるしに渡していたものに、熊野さまの起請文や切った髪と並んで
知られていた切った小指を意識したオチがついてる落語なのですが、
スッとは展開がわかんないものになりつつありますな。
本日の「和漢百魅缶」へのアップどどーん、は。
とんでチョコチョコ山の道、「てんぐのろじ」さんです。
 
てんぐのろじ 天狗の露地 

信濃の国は佐久郡の山につたわるもので、
高いお山の岸壁あたりに、
ふしぎな形の岩や、背丈の小さい松の木などが、
スーッと山の上に向かってつづいているものを
(もちろん、頂上から見ればスーッと下がってるワケですが)
こんな風に、天狗さんたちの通る露地だと
いいならわしておりましたとやらいうおうわさ。

もちろん、天狗のことが人々のあいだで知られるようになる前は
かみさまだとか精霊だとかのものだと思われていたようです。
はい、本日「和漢百魅缶」へのアップは、
元素Auがいっぱいいっぱいいっぱいいっぱい。「しょうごんじゅ」さんです。
 
しょうごんじゅ 勝金樹

この木の実からこぼれた果汁が、ピチョンポチョンと落ちて
川の流れに入っていって、その底にある砂に触れると、
その砂が黄金になる、といったふしぎな樹木です。
さて本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ザ・ヘクトパスカル・ミリバール。「なつのくろんぼう」さんです。
 
なつのくろんぼう 夏の黒ン坊 

ごうごうもくもくと沸き起こる台風の雲のことを「入道雲」
といったような感覚で擬人名化させて呼んでいたもののひとつで、
九州のほうでつかわれていたもの。

「くろくも もくもく くろぼうず」って文句が
原ゆたかサンのおばけのかるたにありますが
黒雲をおおきな坊主あたまの人間に比すっていうのは
わかりやすいものでございますナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
おこめのーできはどうじゃいなー。「ねずみづか」さんでちぅ。
 
ねずみづか 鼠塚
備前の国は岡山城のおひざもと、
藩の武士たちが住んでいた屋敷地あたりにあった塚で、
ぽこんぽこんと空いた穴の中にはたくさんのねずみたちが住んでいて、
ここにお初穂をおそなえすると、作柄などがよくなる、ということで、
ちかくの百姓連中は、こぞって、このねずみさんを拝んでおりましたとやら。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
エイエイオー。「あつたのしらさぎ」さんです。
 
あつたのしらさぎ 熱田の白鷺

太閤記の講釈などに出て来るもので、
永禄3年5月、織田信長が熱田神宮に今川を討つ祈願をしに来たとき、
神社の中から馬の轡(くつわ)がチャリチャリ鳴る音が聴こえだして
それが東の空の方角へ響いていったかと思うと、
織田のとのさまの旗の先にふしぎな白鷺が2羽現われて、
その行く先をスイスイと飛び出したというもの。

ふしぎの鳥が行く先や軍事上の方角を示す、というのは
それこそ、大陸の古い軍記物にもあるものですが、

このふしぎな白鷺の現われたのをみた木下藤吉郎は
大声で「やーーーーー、これぞ熱田さまのおみちびきじゃ」と
まわりにふれまわって、大いに軍の士気をあげましたんだトカ。


ああ、いくさはやまぬものなり。たえぬものなり。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
プロパガンダに音は似てる、「おきくかんた」さんです。
 
おきくかんた お菊勘太 

陸前の国は志津湾に浮かぶ、籬島(まがきじま)と椿島(つばきじま)に
それぞれ住んでいた、お菊という美女と、勘太という若者が想いを通じたものの
たがいの島の人々同士が争っていたために、なかなか公然とは出会えず、
そのうちに勘太の家で、このことが露顕して一族のモンダイとなり、
勘太は座敷牢にぶちこまれてしまうことに。

そのことを知らぬお菊のほうは、想いびとを待ち続けて石になってしまった
松浦の佐用姫のように、夜毎に勘太を島で待っていましたが、
相手は出られぬ牢のなか。

「ああ、あのひとが来ぬなんて、もはや、あのひとはこの世のものでないのかも」
と、思いつめてしまったお菊は、ついに海に身をザボンボカン。
美人薄命、その花のいのちを散らせてしまったのでありました。

いっぽう、二十一日間の座敷牢での反省を命じられていた勘太は
二十一日目についに牢から出され、フラフラした足取りでおもてに出てまいりますと、
向うの島からスーッとお菊の姿が飛んできて、彼の目の前に現われたので
まわりにいた勘太の一族も、村の人々も大騒ぎ、
ふと、見てみると勘太が姿を消していたので、島中を探してみたらば、
浜に、お菊・勘太のふたりが打ち上げられていたんだトカ。

それまで紛紜ゴタツキのあった籬島と椿島の人々は
これを機にたがいに和して、暮すようになり、
お菊・勘太のふたりは一緒に夫婦塚に葬られたということです。


あー、要点かいつまんで要約しても長くなっちゃうイイはなし。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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