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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップ、は、
ああ忠臣のくびったま。「いがきじんじゅうろう」さんです。
 
いがきじんじゅうろう 井垣甚十郎

但馬の国の昔話は、あんまりうちに本がないので
なかなかアップできずじまいでしたが、本はボツボツ調査しだしてますので
ボツボツと但州からもアップです、というわけで、コチラさんに
ご登場を願ったわけですが、

井垣城の家老職として忠義に仕えていた井垣甚十郎でしたが、
どこのくにでも、おしろでも、出て来ますのは悪い家臣。
この悪玉たちの讒言にそそのかされてしまった殿様は、甚十郎を処刑。

しかし、その首は川をざぶざぶどぶんと
さかのぼっていったり、くだっていったり、あやしいことが多々頻々。

そうしているうちに、甚十郎の忠義の念か、
悪玉たちの悪事は白日のもとにピカピカされることとなり、
おのれのあさはかさを悔いた殿様は、甚十郎への詫びとして
立派な石塔を建立してあげましたとのコト。


お顔は、歌川風にさらさらり。
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九月も半分こな本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
山の名前がなんだかイヤン。「ばふんがたけのだいじゃ」さんです。
 
ばふんがたけのだいじゃ 馬糞ヶ岳の大蛇 

周防の国の馬糞ヶ岳にある沼に宿っていた大蛇で、
この沼を棒っきれなどでぐるぐるねるねる掻き回したりすると
「ひとめら、なんてことしやがる」と怒って、必ず雨を降らせたんだとか。

この馬糞ヶ岳というヘンチョコリンな山の名前は、
壇ノ浦のそのむかし、このあたりに落ち延びてきた
平家のさむらいたちの馬のうんこがもり重なって、
それまでの山のかたちとは違ったかたちになったから、とか
いろいろと伝わっているようですが、
なぜ、あえて、その名を堂々と山の呼び名に定着させたのかは
いま考えると、なかなかふしぎ。
2010年のイソノ波平バースデーにおとどけする「和漢百魅缶」へのアップは
久々に世帯道具な器物おばけさんシリーズより、「かしつぼおばけ」さんです。
 
かしつぼおばけ 菓子壺おばけ

時代が前に前になるほど、あっけらかんと絵草紙などでの登場率が高かった
道具に目鼻や手足のはえたおばけさんたちですが、
こちらの「菓子壺」のおばけは、名古屋の井筒屋文助の店で出してた
この手のおばけ大特集番組なすごろくにあったものを
大々的にチョイスしたものです。

ふんどし。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、昨日の「あきうど」さんとは
食い合わせがよくないもの、「ふさがりゆず」さんです。
 
ふさがりゆず 塞り柚

商売人たちの間で使われていたダメダメあがったりな意味のことば
「ふさがり」と「さがり柚子」をぬえ合成させたような果物。

明治15年に小車桀の書いた戯文「食合毒取法」(くいあわせどくとるほう)には
「あき独活と塞り柚には、もと手を大きく回せば忽まち開くなり」
などという文章があって、「もと手」を間に組み込めばオッケーと書いてありますが
その「もと手」なるものが大量に手に入れづらいところが難点。(笑)
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ザ・商業主義な植物、「あきうど」さんです。
 
あきうど あき独活

明治時代の戯文にちょこちょこ散見されるもので
「商人」(あきうど)と「独活」(うど)をぬえ合成させたような野菜。

うどの大木というと、フツーは使いようのないようなモノで、
ノコギリやオノでドンドンバリバリ切り倒しても文句の出るシロモノじゃありませんが、
この「あきうど」の大木となると、寄生虫とかがいっぱい居て
切り倒すと、なんだか惨澹たる光景が拡がりそうぢゃ、
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
イヤなめざまし。「おそくなります」さんです。
 
おそくなります 遅くなります

信濃の国は上伊那郡の箕輪村などにつたわるたぬきな昔話で、
村のみんなが夜明けまえに起きて畑仕事をしていた頃のもの。

戸をたたきながら「おかみさん、早くしないと遅くなるよ」などと
近所のひとの声が響いてくるので、ハッと目を覚まして、
「あ、しまった、寝過ごしたか、明ける前でよかったよかった」と
光速の手ぎわでゴハンのシタクにとりかかっていると
だいぶ作業が進んだころになっても、とんと
カラスのカーも、おケッコのコーも聴こえないし、
虫のリリリリリリリと鳴く音の方がよく耳に響く。

ん?さすがにおかしいな、と思ってちゃんと調べてみたら
まだまだ夜明けにゃ早すぎる夜中の頃だったんだトサ。

こまった狸だ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
遠江七ふしぎの中からひとひら、ポロン。「てんりゅうのぼたん」さんです。
 
てんりょうのぼたん 天竜の牡丹

天竜川に、夏のころになると決まって、
上流からトロトロドップンチョと流れて来たという
牡丹の花びらのようなもので、
決まってその時期に流れて来たというあたりがふしぎ。
また、大きさは1尺ほどあったそうで、なかなかビッグでふしぎ。
今年の重陽の節句に「和漢百魅缶」へアップしますのは、
餐菊花、飲清泉、「きくどうじん」さんです。
 
きくどうじん 菊道人

『清異録』とかに書かれているもので、
菊の花とキレイな水しかくちにせぬ、という霊獣なウサギどん。

菊の節句ですので、菊か栗か梨か何にしようか迷ったのですが
けっきょく、菊におちつきました。
今月今夜の「和漢百魅缶」へのアップは、
あばれんぼうガキンチョ国、「ヤンチャン」さんです。
 
ヤンチャン

『山海経』や『義経島めぐり』などに出て来る、いろんな島国に
見立てて、いろいろと不思議な国をつくってる
江戸時代のデザインもののひとつで、
国中がやんちゃな子供たちで構成されてるおくに。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
はら痛さんはー鳴くのかよー、ピーゴロピー鳴るのかよー、「げどくがん」さんです。
 
げどくがん 解毒丸

恋川春町の『腹京師食物合戦』のラストに登場するくすりの精で、
そのまま「解毒丸」というおくすりの精。

はらの中でごちゃごちゃ入り交じって戦乱を繰り広げていた
たべものたちを鎮定するために登場するのですが、
これに追いこめられた食べ物たちが行き着いて逃げる先が
「肛門谷」っていう地名なのが、なんとも人体な感じで、をかしけり。
蚊帳に関係ある物が2連続した一昨日(蛍の幽霊)
昨日(蚊帳のぞき)ですが、本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
「カヤ」というより「カレー」なおかた、「にんじん」さんです。
 
にんじん 仁心

明治のころの新聞雑誌の戯文に出て来たりするもので、
「仁心」と「人参」をミックスしてつくられているへんな作物。

地勢(治世)のとってもよい土地に育つ、
とても、口にも、胃にも、体にも、良い根菜なんだそうで、
大昔の堯(ぎょう)だの舜(しゅん)だのといった王様の頃ならいざしらず、
今日の地球上では、これがスクスク育つような地勢地理は
ナイんだとさ。
毎年暑い九月ですが、今年もやっぱり暑い九月。
そくなセップテンバァーの五日、「和漢百魅缶」にアップいたしますのは、
藍色の水っぽすぎる色ではありません。「かやのぞき」さんです。
 
かやのぞき 蚊帳覗

「かめのぞき」ではないコチラの「蚊帳覗」さんは
「びょうぶのぞき」とか「まどのぞき」と同様に、
おばけどんやらユーレイちゃんやらがふっかけてくる
人間凝視のデントーある行動体系でございまする。

蚊帳ごしに、というのもあれば、蚊ぁ入ってくるからヤメロ、と
言いたくなるような感じで蚊帳のすそをまくって、
人間が寝ッ転がってるゾーンに侵入して、寝顔をのぞき込みに来たりします。

びょうぶを寝床に立てまわす廓が廃絶されちゃったのと同様、
蚊帳を吊ってない家のほうが今の日本では完璧に多いので、

「かやのぞき」と「びょうぶのぞき」はだいぶ勢力を減じて
「まどのぞき」がなんとか生き残っておりますような具合ですナ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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