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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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八月の「和漢百魅缶」、11番目のアップは
財宝蔵のなかでヒョッコリニヨロニョロ。「きんぽうせいだ」さんです。
 
きんぽうせいだ 金宝青蛇

金でつくられた財宝が、精を得て、
妖精の姿を取るときに、なったという蛇で、

むかしばなしによくあるパターン、
昔の長者さまが埋めたり隠したりしたままのおたからが
誰かに見つけて欲しい一心から何かの形になって
ひとをおどかしたりして気を引く、アレ、などに
その姿を見せるようでございます。

おさいふに蛇のぬけがらを…っていう俗信が日本にもありますが
財物と蛇類との関連は、かなり昔からなんですのヨネ。
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八月の「和漢百魅缶」、10番目のアップは、
ブクブクマンボ、「にめんちょう」さんです。
 
にめんちょう 二湎鳥

「面」の字は、フェイスな意味でございますが、
これにアクアが加わって「湎」になりますと「沈没」って意味になります。

そんな、ものが沈むときの水の音、ブクブクブク…といった感じの声を
あたりに響かせるというふしぎな鳥さんが、こちらさまです。

洪水の兆しだとかいうことは特に言われてないようです。
今月の「和漢百魅缶」、九日目のアップは、
たべられません。「くうどくろ」さんです。
 
くうどくろ 空髑髏

荘子が楚にでかけたとき、野っぱらに落っこちてた頭骨で、
荘子は、これを馬につかっていた鞭でべちべちしながら

「そなたももとは生ある身、(べち) それがかくも成り果てしや、(べちべち)
 罪あってか、または国滅びてか、(べち) それとも自ら絶ちたるか、(べち)
 はたまた、(べちべち) 寿命がつきての身か」

と、尋問。それだけでは終わらず、これをひきよせて、
あたまの下にどくろをまくらに敷いて、グーーーーーー。と就寝。

すると、その夢のなかに髑髏が出て来て、
(ここらへんの展開、ジャポンの能とおなじ進み方ネ)

「やぁやぁ、口さがない人かな、そなたの問いは生者の視点すぎる、
 われわれにはそんなものはござらん、ござらん」

と、反駁答弁。

死んだら、もう人間じゃない。王もなければ、属もない。
人間の世界でどんなふうに死んだとかいった事は、向こうに行ったら
キッパリどうでもよいことじゃ。――と語って来たので、
荘子は、ヘーェーソンナモンナノカと思いながらも、

「では、司命に願って、おまえを生者のときそのままの
 モトの人間に甦生させることが出来るといったらどうじゃ」

と、尋ねたら、「ヤダー」と言ったんだトナ。



日本では野っぱらに転がってるという点では同趣向の
「がしゃどくろ」ってのがおりますが、
荘子の時代に骸骨がこうしゃべってるのを考えると、
なんとなく、へんな気分ネ。
末広がりのおめでたきダブルナンバー八月八日の「和漢百魅缶」のアップは、
特に八とは関係ない。「にんめんゆうぜい」さんです。
 
にんめんゆうぜい 人面疣贅

「ゆうぜい」と言っても、切手の料金でも議員の行列でもなくて、
「疣贅」は「いぼ」のこと。

いぼがなんかムズがゆいなぁー、と思っていると
ムニュっと皮膚が軽くむけて、なかになんだか人の顔貌みたいなのが
みえるといったもので、

むかし、胡秀才ってひとが指にミニマムないぼが生えて来たので
お灸でやきつぶそうとしてると、
「今日は暦だと神様が指に来る日だからやめときナ」と
言われたので、その日に対処をしないで放って置いたら
七日目にムニュっと皮が一枚はがれて、
そのなかに人の顔みたいなのが生えてるのが見えたソウナ。
八月の「和漢百魅缶」、本日のアップは、
サクランボンボリアン。「えいじつていき」さんです。
 
えいじつていき 永日亭鬼

鎮江府の永日亭という庭園に出たという霊鬼で、

いちかけ、にかけ、さんかけて、呂彦升と李伯魚が、まど開けて、
風にあたってそよそよと、はるか向こうを眺むれば、
庭にたわわと鈴なりに、実ってごじゃるサクランボ。

夜の小闇にその実をば、もじって食べてる影ぼうし。

「これこれ、いったい誰ざんす」
「わたしはなんでもございません、グッバイ、再見、アミーゴよ」と
ずいずい逃げる影ぼうし。

しばらく追えど、パッと消え、どこかに消えたナゾの影。

――などと、おてだまのうたみたいな調子でつらねてみましたが、
この、妙な果物ドロボーの正体はなんだろうと、
呂彦升が、占い師に訊いたところ、「これをそれが消えたところに埋めなされ」と
鉄のおふだをもらって、埋めてみたところ、
出場停止になったのか、もう姿を現わすことは無かったんだそうな。
大陸もので統一アップ予定の今月の「和漢百魅缶」、今日のアップは、
教育テレビでお料理するひととは関係アリマセン。「まい」さんです。
 
まい 蟇異 

チョイと大きな、14インチのテレビくらいの、ガマガエルがおりました。

その声がものすごくうるさかったんで、ある男のひとがこれを
プチっ。殺してしまいました。

その次の夜から、風も何にもないのに明かりが消えたり、
グラグラ寝床が揺れたり、いろいろとミョーなことがおきました。

あんまりこれが長く続くので、いちこさんを呼んで占わせたら、
あなた、ガマガエルを殺したでしょう、そのせいでございますよ、

というご託宣が出たので、ああそうか、と反省の態。

神像を飾ってお香を毎日あげたら、ひと月目でこれは止みましたというお話。


ひとに喰いかからない動物は、まぁ殺生しないことです。なーむー。
八月の「和漢百魅缶」どばんとアップいたしますのは
菜食でぃす。「ごさいしょく」さんです。
 
ごさいしょく 五采蜀

体が五采(赤青黄白黒)でツノがはえてて長大な
蜀(いもむし)で、白澤のいうことにゃ、コレは「竜」なんだとか。

あおむしがニューーっと出して来るツノは
くさーーーーいことで知られていますが、

体が五采な、こういうキラビヤカないもむしの場合、
ものすごーーーーーーーーーーーーーく、クサイんだそうな。

ドラゴンレベル、臭気。
八月の「和漢百魅缶」、本日のアップは、
大きな大きなラクダさん。「らくだざん」さんです。
 
らくだざん 駱駝山

「駱駝山」と書くと、「ひがーーーーーしぃーーーーー」って
呼び出しさんの声が似合うような字面のコチラさんは、
桂林にあるラクダのようなかたちをした岩山で、「駱駝岩」とも。

むかし、沙漠からやってきたラクダが、
ここの綺麗な風景にみとれて座り臥しているうちに
いつのまにやら山になっちゃった、という
「だいだらぼっち」の昔話みたいな、なんともおおらか極まる
昔話が残っておりますようです。ハイ。

コレは実際、桂林七星公園の名所のひとつにあがっていて、
木々のなかからニョキっと、クビとフタコブを持ち上げた姿を見せています。

パっと写真で観た感じは、
粗いドット絵のラクダ。
八月の「和漢百魅缶」、3発目のアップは、
クーラーとかは接続されておりません。「しつないき」さんです。
 
しつないき 室内鬼 

今月は、大陸ものを強化していきます。ということで
いつもどおり漢籍からポロポロと拾ってくるわけですが、

こちらは、鬼=ユーレイちゃんが
おやしきの中とか家ののなかでうろうろ姿を見せるというもの。

大昔の大陸は、妙なものが出て来たりしても
「コワイ、キャーーー!!!」とかでは無くて、
「これは何かしらの前触れぢゃ」と言う賢人がありますので
こういったものも、たちどころに一現象として取り沙汰されます。

そういった、むかしのひとのいうことにゃ、
これが出るのは、土地を失う兆しなんだとか。
八月の「和漢百魅缶」、二手目は、大陸の古典中古典
『白澤図』のなかから、「もうもん」さんです。
 
もうもん 毛門

円い筒みたいな形状をしてて、手足が無い、という記述しかないので
こんな絵になったわけですが、こちらさんは「古い市場」に出るといわれていた
妖精。(『白澤図』とかの文は「○○之精」ってまず出てくるので「妖精」なんだろネ)

ごたぶんにもれずジジババ安心外出。
やっぱり、名前を呼ぶというのが対処法として伝えられていて、

これが何かしでかしたりしたときには
(なにをやらかして来るのかは逸していて不詳)
「もうもーーん!」と呼べば消えてしまうんだそうな。


大陸のむかしの方々ってホントーにこればっかし。
八月の「和漢百魅缶」トップのアップは、
頭の先からピーコピコ、ということで、「ずこうちゅう」さんです。
 
ずこうちゅう 頭行虫

頭の中を行く虫、と書くこちらさんは、その名のごとく
頭の中身・泥丸(のうみそ)のあたりを動き回る毒悪虫。

どんな薬草やらお灸やらが効くとかいうことは
載ってなかったので、くわしくはわからなかったデスガ、
仲間には「骨行虫」(こつこうちゅう)ってのもあるので
ウィルスとかによる病気とかというより、
神経痛みたいなものが虫に形象されてるんでしょうかネ、これ。
七月の「和漢百魅缶」アップの千穐楽は、
時期はづれな季節の鳥さんからですが、「うぐいすおとこ」さんです。
 
うぐいすおとこ 鴬男 

梅の枝をイイかおりのオンナのコちゃんに見立てて、
あっちの梅、こっちの梅、ついでチョイチョイむこうの梅、と
オンナのコをホイホイ換えて飛んでばっかりいるヒトを
見立てた「鴬男」って洒落言葉から出来てるデザインおばけで、

遊女を見立てた「篭の鳥」とかとはお仲間。

なお、本日は、今年も半期が過ぎました、ということで
おきまりな「押戻し」キャラもあたらしいコをご投入。「たけはたまげえもん」さんです。
 
たけはたまげえもん 竹旆髷右衛門


下駄は豪壮に3枚歯ですワイナ。どしんどしん。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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