忍者ブログ
氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31  
[437]  [438]  [439]  [440]  [441]  [442]  [443]  [444]  [445]  [446]  [447
さて、本日から3日間、「和漢百魅缶」では連続アップ興行を実施いたします。
たなばたさまの季節、ということで今回の連続興行の主題は星でございます。
では、まず本日の連続アップで雲から出て来た、スタアたちをば。

ちゅうかし(柱下史)
紫微垣にある星。天の記録をつかさどってるスタア。

せいついひちゅう(星墜飛虫)
星が地上に落ちてきて、それが虫に変じるというもの。

こか(瓠瓜)
女宿にある星。天の果樹園をつかさどってるスタア。

ぜんだい(漸台)
牛宿にある星。時間と音程をつかさどってるスタア。

のうじょうじん(農丈人)
斗宿にある星。農業をつかさどってるスタア。

れっし(列肆)
天市垣にある星。市場の流通品をつかさどってるスタア。

てんぷく(天輻)
氐宿にある星。天帝のおくるまをつかさどってるスタア。

うしっぽう(右執法)
太微垣の星。天の世界の弾劾裁判官なスタア。

さしっぽう(左執法)
太微垣の星。天の世界の大岡越前守なスタア。

こう(狗)
斗宿にある星。守禦警備をつかさどってるスタア。


まず本日はココマデ。明日もスタアをどッと参りまする。
PR
ブブワワボーン、本日の「和漢百魅缶」のアップは、
ひらがなちょっと長いネ。「かさありいなりだいみょうじん」さんです。
 
かさありいなりだいみょうじん 瘡在稲荷大明神

江戸の色街の地名や物事を折り込んで、
西国三十三所のお寺案内とかになぞらえた
『色街三十三詣』…などといった外題のついてる戯文に
(同趣向のものが何種類かのこされています)
登場しているカミサマです。

門前の茶屋にキレイなお仙さんが居ることで有名だった
「笠森稲荷」を地口って、「かさあり」としております。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
12メーター半の背。「ななひろにょうぼ」さんです。
 
ななひろにょうぼ 七尋女房

隠岐などに伝わる、
背のたかいたかい女の姿をしたおばけで、

「あずきあらい」みたいに
ジャクジャクザラザラと小豆を洗う音をたててたりもした、
といいますから、他の地域のきつねやたぬきなどといった
化け動物の化け種目にいろいろ近い点があったりも。
今月の「和漢百魅缶」ドビォォォォーーーーーンと三本めは、
ゆめであいたくないでしょう、なグループの中から、「ざしきぎ」さんです。
 
ざしきぎ 座敷木

ゆめうらないの小文章いわく、「見るは、わろし」とあるもの。

お座敷などの床や畳をおしあげて、
ドビォォォォーーーーーンと、木が出て来る、夢、

だそうですが、この手のものは、
いちふじにたかさんなすび同様、深くとらえても
根拠の根深いものでは無いので、

たとえ、ドビォォォォーーーーーンと生えてくるのを
見たとしてもガックリいかない姿勢がカンジンです。


なお、お座敷に生えるのは「わろし」ですが、
発芽地点をよそにうつして、
これが玄関とか、門とかに生えた夢というのは、
イイものなんだそうナ。モンキーーーーーーーーー!!
今月の「和漢百魅缶」第二のアップは、
じゃんけんで言えば、チョキ。「じゃこつきょうづか」さんです。
 


下野の国の都賀郡につたわるもので、
むかし、親鸞によって退治されたという大蛇の骨を埋めた
という経塚でございます。ハイ。

これを退治するとき、親鸞は、
梵字をひとつ書いた石を投げ込んで
これを退治したと言いますが、

ハテ、実際どのくらいの大きさの石だったかは、知りません。
氷室も昨日あけまして、七月の「和漢百魅缶」とっぱじめのアップは、
暑さをとばそうと、雪ぶかいおくにから、「おんこはぢ」さんです。
 
おんこはぢ

冬になると雪がタンとタンと降る、
陸奥国は上北郡に伝わる憑物なもののひとつでございますが、
あんまりまとまった資料がございませんので、
どんな昔話があったのかは、目下おしらべ中でござい。

オンコハヂ、ってどこで区切るのでしょうネ。
オン・コハヂ――だと、なんだか
『ラマンチャの男』に出て来そうな響きになりますナ。


蛇足

青森県のあたりは、「いづな」や「きつね」などが
主な憑物として言い習わされていましたそうナ。
カチカチ。六月の「和漢百魅缶」アップの千穐楽は、
あねさまにんぎょなカミサマ、「おきのさん」さんです。
 
おきのさん

武蔵国は熊谷の在あたりにつたわってる
そぼくなかみさまで、養蚕の具合をまもってくれたり、
身近なお願い事の願掛けにこたえてくれたりしたと言います。

あねさまって、『サザエさん』のはじめの頃の単行本の
表紙イラストで、ワカメちゃんが持ってたりしますが、
いつくらいまでフツーに売ったり買ったりしたんだろ?よくわかんない。
さ、六月ももう月末すれすれ。「和漢百魅缶」本日のアップは!
ビッグなサイズでドーーーンといこう。「だいごしょう」さんです。
 
だいごしょう 大蜈蚣

だいごしょう、といっても、別にドラクエ4とかじゃありません。
「大」なる「蜈蚣」(ごしょう) イコール 「バカデカ寸法のムカデさん」です。

大陸の南のみなみのミナミのほう、越南とかに伝わるもので、
「巴蛇」(はだ)って大きな蛇は象を食べる、とか言いますが、
こちらのむかでは牛を食べた!とかいう大言壮語がなされてます。

おおきく言いすぎです。


しかし、
「その革を太皷にはった!」ダトカ
「肉は干し肉にして保存食にする!」ダトカ
なかなか、ムカデらしからぬ、利用をされてたらしく、

その活用されっぷりから考えると、
これは、ムカデというより、ワニなんぢゃないの?
――と、思えちゃうフシがあったりなかったり。ガッサゴソ。 
さてトントン、本日の「和漢百魅缶」のアップは、
髪の毛キャッチャー。「しゅとうきつ」さんです。
 
しゅとうきつ 取頭髻

ちょいとむかしの、宋の時代、
淮南のまちでは、あたまのうえの頭髻(髪を結ったマゲとかタボの部分)が
いきなりプチッと取れてなくなってしまうという事が多発、

「こいつぁいったいどういうことでござりましょうや」と
まちの人々がところの太守、朱誕さまに申し入れたところ、

「よし、わかった」と、ひとこと言うと、
警備のちゅうげんたちを呼び寄せて
城壁にベタベタベタベタと大量のとりもちを塗らせます。

「…ナンダロ」と、まちのみんなが思っておりますと、
しばらくしてそのとりもちの一角に、

ニワトリぐらいはある大きなコウモリが。

これを殺してから壁からはがしおろして
しらべてみると、そのこうもりから、たくさんの人の頭髻が出て来たので
おやおや、これが犯人であったのか、と、わかったんだトサー。


以上、『幽冥録』より朱誕はゴキブリホイホイの軍法、
大陸につたわる「髪切り」のむかしばなし。トントン。
つづきは明日ほざきます、と、おひらきにした昨日ですので、
本日の「和漢百魅缶」は、もちろん、昨日のつづき「あかおにでんろく」さんです。
 
あかおにでんろく 赤鬼伝六

『洪福水揚帳』という絵草紙の口絵の部分に
描かれているお寺参りをしたりする鬼、という

「大津絵の鬼の念仏みたいな方ですネ、グヘヘヘヘ」な
感じのおかたですが、そんな事はしつつも実はこころはワルモノ、という
ものをあらわした、もの。


昨日アップした「ほとけまたべい」と「あかおにでんろく」は
共に、「悪」にみえつつも「善」、「善」をよそおった「悪」、という
いずれの世の中にも存在する、ひとの心を示しているものなのですが、


このふたり、


本編(『洪福水揚帳』)には、特に化物くんも幽霊ちゃんも出て来ないので
口絵に、そういったものが出て来ない!!

(読本や合巻といった絵草紙は一時期、口絵にそういうものを必ず入れて、
 いかに派手に本文よりも描きたてるか、というのを競ってた時期がありました)

なので、コンナ仏さまと鬼を一対つくって、口絵にぶち込んでみました、
という序文(このふたりの絵の上に書いてある)がついておりまして、


その、


むりやりつくりました。アハハハハハ。


というスタイルを登場の時点から全面に押し出されているおふたりでもあります。
今日のアップの「和漢百魅缶」は、きのう、おとといと
ペア物をつづけてアップしてみたので、その追随をして
十返舎一九センセイのデザインから、「ほとけまたべい」さんです。
 
ほとけまたべい 仏又平

『洪福水揚帳』という絵草紙の口絵の部分に
描かれている魚屋さんなほとけさま、という

「殺生戒(せっしょうかい)はドコに落っことしてきやがった、オイ」な
感じのおかたですが、こんな事はしつつも実はこころは清らか、という
ものをあらわした、もの。

これの一対として口絵にあがっているが
「あかおにでんろく」というものなのですが、
それは明日、アップしますので、またその時に
ゴチャクタ文字を並べようと思います。ヘイ。ごたいくつさま。
ゴソゴソガッサゴショー、本日の「和漢百魅缶」は
先日方々のペアさん、「ちよろずのしこめ」さんです。
 
ちよろずのしこめ

『上紀』のなかで、「おおまがつひ」が地上の人に悪さをしたときに
出て来るよみの国の大勢多士のなかに名前があがってるもので、

『古事記』などに出て来る「よもつしこめ」の
イッパイイッパイイッパイイッパイばぁーじょん。


『古事記』や『日本紀』では、「よみのくに」の「よみ」の言葉に
大陸でつたわっていた「あの世」を示すことば
「黄泉」(こうせん)を転用して用字につかっおりますが、

大陸でつかわれてた似た熟字には
「玄宅」(げんたく)っていうものもあって、
こっちを、やすまろとかが採用していたら、「玄宅の国」で
「よみのくに」って当てよみしてたんでしょーナ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
妖界東西新聞

妖界東西新聞 日刊紙だから まいにち更新中

和漢百魅缶wiki 検索用に。

2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


最新コメント
[01/24 دکوراسیون منزل]
[11/29 NONAME]
[05/08 100]
[01/13 佐藤]
[01/05 ひょ―せん]
妖怪マガジンYOMIMANDARA
月刊?妖怪マガジンYOMIMANDARA

文車堂版社妖改革宣言

新・妖怪党 部署一覧


 Logo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党




 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党



 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党



 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党

最新トラックバック
フリーエリア
© 2007-2024 Koorintei Hyousen

本ブログの内容、画像の無断転載、無断転用を禁じます。

忍者ブログ   [PR]