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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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今月の「和漢百魅缶」、千穐楽にアップしますのは
木々の間、ピョッピョッ、「おやまくだり」さんです。
 
おやまくだり 御山くだり

ひとに飼われたりしていない、山の中にいる野性な(笑)
「くだぎつね」の仲間で、(そういうのを「野くだ」っていうんダトさ)

山の中でこれに行き会ったりした日は、
山の中で仕事をしちゃいけない、と言われていました。
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さ、空から降ったり、沖で光ったり、地から生えたりして、本日の「和漢百魅缶」は、
木のまたからニョキっと生まれて、「マーザ」さんです。
 
マーザ

「キジムナー」の呼び名のちがう仲間のひとつで、
八重山の鳩間島で言われてるもの。

なんでも、やどかりちゃんが怖いらしく、
あるひとがやどかりを入り口ちかくに置いていたら
その家の敷居はノーまたぎになったとかとか。
昨日は火なモノだった「和漢百魅缶」本日は
草なモノからとりだしまして、「とうもろこしのたたり」さんです。
 
とうもろこしのたたり 玉蜀黍の神祟

ある特定の植物を、この村では作物としてつくる事をしません、とか、
ある特定の植物は、この村では昔から生えたり育ったりしません、とか、
植物の植えたりどうしたりに関するアレコレは
全国各地にいろいろわんさわんさ伝わって来たワケですが、

こちらは、そんなもののひとつで、
上野国のある村では、むかしトウモロコシを作っちゃダメ!
という言い伝えがあったんですが、

「なんだ、そんなの迷信だもんねーだ!」

と、あるお百姓さんがトウモロコシを畑で大制作しだしたところ、
芽がでて、ふくらんで、まであたりは進んだものの、
急に、まがつごとが連発頻発しだしてついには一家崩壊。
その家はほろびてしまったんだとか。


いまの時代からすると、なんでそもそも作物に制限があるんだろ?
と思ったりするかも知れませんですが、

習俗とか神様とかから来るもののほかにも、
土壌とか風光とか体質(アレルギー?)とか、科学的なことで
つくるのを忌んでたというものもあるらしいので、
その厳密な奥意はちょっとフクザツです。
さあ今週も、きんようびー、「和漢百魅缶」のあっぷっぷは、
足利・三井はムロマチで、中華たべるはナンキンマチ、
奄美にチラチラあかりがみえる、これぞ「ケンムンマチ」さんです。
 
ケンムンマチ

「ケンムン」が山や海でパッパカチッチカともすという火で、
いっこぐらいあったかな、と思うと、何十個にも増えたり、

海の上に浮かんでいて、「おや舟かな」と思わせておいて
もんのすごい速さで山の上にのぼっていったり、

舟を「コッチダヨ、コッチダヨ」と誘導するみたいに光って
ぜんぜん知らない入り江に連れてったり、

まぁ、いたずらものなところも多々ござる妖火怪光のたぐい。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
みんな、あんまり描かないだろう、コレ。「ふるけ」さんです。
 
ふるけ 降る毛
空から、小雨みたいにパラッパラッと白い毛、赤い毛などが
降って来る、というふしぎなもので、

寛政のころ、江戸の丸の内とか京都に降った毛は
(けっこう広い範囲で降ってるんだネ、こうして見ると)
馬の毛みたいだけど、何の毛なのかわかんない毛。
だったんだとさー。

浅間山か何かが噴火する直前だかなんだかにも
江戸にこういったものが降った、という
昔話から類推するに、これは厳密にいうと毛ではなくて、
鉱物のようなものが毛みたいな形になって
飛んできて、降ってくるんじゃなかろうか、などというご考察も。
どどーんと本日の「和漢百魅缶」は、
弟麻呂、田村麻呂、綿麻呂とマロ三連続につづく
大和朝廷の征夷大将軍だったおかた、「ふじわらのただぶみ」さんです。
 
ふじわらのただぶみ 藤原忠文
藤原純友や平将門が大和朝廷に叛旗をひるがえしていた頃、
征夷大将軍として活躍していたひとなのですが、

平将門を鎮めにゆく勅命をたまわって進軍したものの、
相馬にたどり着く前に、俵藤太とかがこれを鎮圧。

そのため、都では「忠文は一矢も放っておらぬ」として
藤原大納言実頼などが恩賞の下賜ゼロを声高に主張。

これに怒りをおぼえた忠文は怒り心頭に発して、
(握った手の中でツメが肉に突き刺さりまくって血があふれる程に)
内界外界の悪神と邪慢我慢の魔王に誓って断食を行い七日目に死亡。
その霊鬼は洛中に疫病を巻き起こして、
おおくのひとびとを苦しめましたので、これを宇治にまつって、
その霊をなぐさめ申したのじゃ。


――と、いうのが、『前太平記』などにある
藤原忠文さまにつけられている昔話で、
講釈を通じて江戸時代にも錦絵などの題材になってるのですが、

忠文の歿年は947年、
将門の乱の鎮定は940年(純友の乱は941年)であって、
『前太平記』の、「講釈師見てきたようなウソを言い」の類のようです。


実際の、藤原忠文は文武忠義そなえた良将として知られていて、
征夷大将軍の任を受けるしらせが屋敷に来たとき、
食事中だった忠文は、ごはんを食べてた箸をおっぽりなげて、
あっと言う間に御所に参内した、という話が有名。
ずわーん。通算2112、カガミみたいな数字並びの「和漢百魅缶」本日のアップは、
うらないにたよりすぎるのはヤメヨウ。「わりいし」さんです。
 
わりいし 破石

むかしむかし、称徳天皇(孝謙天皇が2回目の即位をした時の諡号)の頃。

西大寺の礎石につかうために
山から出してきた石をエンヤコラ引っぱって来たのですが、
この石、なんだかおかしい石で、
何千人ものチカラで引っぱっても、一日で動く距離は、

数歩程度。

ときどきヘンな音もたてたりするし、こいつぁーヘンな石だなぁ。と
みんなが思い出したので、大和朝廷は原因をうらなわせてみた。

出た結果は、「この石はあやしいものです」というもので、

さっそくこの石を、燃やして、お酒を流しかけて、(殺菌作業みたいだネ)
バラバラに打ち砕いて、そのあたりの道に打ち捨てさせました。

ところが、

ひと月すぎたあたりで、みかどの調子が悪くなる、
大和朝廷は、その病原体をさぐるためにうらないをさせますと、

出た結果は、「この前の石のたたりのせいでございます」というもの。

そこで、さっそく、路傍の石として野っぱらに転がっていた
この「わりいし」のかけらを叮嚀に集めて集めて、
お寺の敷地内にうつしたりしたんだトカ。


……んー。コマッタモンダナ。

さぁほい。本日の「和漢百魅缶」でござーる。
24時間以内にババーンと成育。「はちまんじんじゃのき」さんです。
 
はちまんじんじゃのき 八幡神社の樹

あっという間に巨木になって、
あっという間に枯れて無くなっちゃう「覇図」な樹の仲間で、

東京の小石川の富坂にあった八幡神社
(どの神社なのかはチト不明)の境内に
明治の頃のある日、突然、ボバーンと生えたと思ったら、
次の日には、根本からズボッと幹が折れて、
枯れ果てていたといいます。

よっぽど地べたの肥やしがヨカッタのかね?
いわしのこぼねと格闘しました。

さ、「和漢百魅缶」通算2110個目のアップは、
おねがい一升くださいなー。「さけかいみろく」さんです。
 
さけかいみろく 酒買弥勒

信濃国の明徳寺にある弥勒菩薩の像で、
むかし、小坊主に化けてはチョクチョク酒屋さんに行って
「おつかいで参りましたー」と言って、
一升ずつお酒を買っていったというもの。

いつまでも寺から酒代を持ってこないので、
酒屋さんが寺に行ってきいてみると、誰も酒など買ってない、の一点張り。

こいつは妙だ、と酒屋さんが思っていると、
また、いつもの小坊主が「一升たのまれました」ときたので、
「この野郎ッ」と荒縄でグルグル巻きにしちゃいました。

こいつを明日、寺につきだしてやる、と考えての次の朝、
コケコッコーとしばっておいた小坊主を見にいけば、
そこにはカゲもハゲも無し。

しかし、足跡が残っていたので、たどりたどれば、やっぱりそこは明徳寺。
和尚たちを起こして探させると、弥勒堂に足跡があったので、
戸をあけて入ってみると、菩薩さまの像が荒縄でしばられてたんだとさ。


さっと、ぱっと、どっと、本日の「和漢百魅缶」のアップは、
ソーラーパワーをあなどるな。「ちわがいけ」さんです。
 
ちわがいけ 千把ヶ池

「一日で千把の苗を田んぼに植えてあげるワ!」と言って挑戦し、
それを時間内で、しかも余裕をタップリもって、こなせたのに、
お日様に向かって「やーい、まだ沈んでなーい、ハッハハー」といった
大向こうをかけたのが原因で、バチがくだってポックリしんじまった、
かわいそうなおはなし。

話のノリとしては、

「鬼」とか「蛇」とか「あまのじゃく」が、
石段だとか、橋だとか、刀だとかを造ったりするけど、
最後にダメになっちゃって。ボカーン。といったものに
ちょっと近いものがある昔話でござんす。
本棚のせいりせいとんにいそがしい日々です。
分類がおおざっぱなので、今回はちゃんと分類をしつつ……やるつもり!

と、そんなさなかにアップする「和漢百魅缶」は
化けましておめでとう。「ばけしろへび」さんです。
 
ばけしろへび 化白蛇

気仙沼に伝わる昔話にあるもので、
母ひとり娘ひとりのふたり暮らしの家がありまして、
その家に、ある日からキレイな若者が通ってくる、娘とイイ仲になる、
しかし、どこの誰かがわからない、

そんなとき、母親が考えたのは
糸をつけた針を若者のキモノにくっつけといて、
糸をつたって家をつきとめちゃおう、という尾行方法。

さっそくやってみたところ、たどりついたはナゾのアナ。
中には白蛇がいたのでした。

――と、いう神代の頃からある型の昔話のおひとつデす。
じゃんじゃがじょわーん。本日の「和漢百魅缶」のアップは、
時期はずれですが、「いこ」さんです。
 
いこ 葦姑

上元の日、1月15日に一年の運勢をうらなうために
おまつりされるという女神さまのひとり。

やっぱり同じ日、
1月15日におこなわれる「紫姑(しこ)」をおまつりして
いろんな事の、吉ナノカ凶ナノカをおたずねしちまう、
「紫姑卜」(しこぼく)と、おなじよーなものなのだそうな。

なーむー。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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