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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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さて文月の千穐楽にあたる本日の「和漢百魅缶」にアップのお方は、
竜宮城の一員の中から、「けつば」さんです。

大陸の昔話に竜宮城が出て来ると、いろいろな魚介類も
官位がついたり、独特の呼び名がついて出て来たりしますが、
こちらのおかたも、そんな中のおひとり。

「婆」という字がついていますが、この「婆」は「姐御」とかいった意味の字です。

『西遊記』の「霊感大王」の有能な部下としても登場していますが
あんまりメジャー選手ではありませぬ。惜しい。
 
けつば 厥婆 

竜宮城、といえば、先日は家人が葛西の水族館に行ってたのですが
その帰り道、例の京葉線の停電にひっかかって、
バスで別の駅まで行って帰ってきた、などとしゃべっておりました。

立ち往生した便とは一本違いだったのでセーフだったトカ。

そんな新鮮ニュースだったために、「妖界東西新聞」にも
きゅうきょ、今連作こじつけ中の浮世絵筆致作品、『本暑(ホンジョ)七不思議』の
一枚として、採り上げてしまいましたが、
この時期は、京葉線に乗る機会が増しますので、
越中島さん、今後はより一層の管理体制でオネガイシマス。
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文月三十日「和漢百魅缶」にアップのおばけさんは、
オリジナルさんの中から、「ちやぶさ」さんです。

道具とか調度品を素材にしたもののひとつで、
こちらは房(ふさ)のおばけ。

取っ手の鐶とか、十手の持ち手とか、巾着の組紐の先っちょとか、
存在は地味ですけど、和風な物にチョロっと付随して
雰囲気を出す、なかなか隠れた存在感野郎ですよネ、「房」って。
 
ちやぶさ 稚弥房

チラチラとある白ポチは、雪じゃアリマセン、ほこりデス。(笑)
文月二十九日「和漢百魅缶」にアップのおばけさんは、
水もしたたるイイ防具、「ぎんかぶとのかい」さんです。

伯耆の国の不動ヶ滝という滝の中に沈んでいたという兜のおばけで、
滝にちかづくひとを驚かせたりしていたそうです。

土地の昔話には、ある時この滝のおばけの正体をみとどけてやろう、と
出かけていった村の若者らが(色々驚かされた末に)この兜を見つけて帰り
こんなものが正体だったのかぁ、と、神社に納めておいたところ、
見知らぬ旅の坊様が、村にいきなりやって来て

「これはイイ品だ、兜を求めておる知己の者に高値で売ってきて進ぜよう」

とかなんとか言い含めて、そのまま兜と共にどこかへ行ってしまった
ナドという後日譚がくっついておりやす。
 
ぎんかぶとのかい 銀兜怪 

旅の坊様うんぬんのエピソードは、この兜が村のみんなを化かして
どっかへ逃げ出したという趣向なんでしょうナ。あなどれぬ防具なり。
文月二十八日「和漢百魅缶」に、あっぷっぷなおばけさんは、
泣き声のひと、「あねさまあねさま」さんです。

土佐につたわるおばけで、『土陽渕岳志』などに
「横浜の奇事」という題でのってるものから取材したもので、
(ここの横浜は、横浜村という土佐の村名のひとつでシューマイとは無関係)

現われる時の泣き声の内容から、こんな項目名にしてみましたが
なんだか同単語がふたつ並びだとブランドの名前みたいですナ。アネサマ・アネサマ。
 
あねさまあねさま 姉様姉様 

泣いてるおばけ、ということで「もぞこい」と同じような構成にしてみました。
にわか雨がよこなぐりモードだと、室内が破滅的危機を迎える気候な
文月二十七日「和漢百魅缶」にアップのおばけさんは!!
右足を召喚。「ぶりだし」さんです。

大体のモトになるような形のおばけさんは
昔の絵草紙などにも居たりするのですが、
それに「重箱婆」とか「百々目鬼」とかのエッセンスを加えて
エンエキ展開をしていってデザインしたのがコチラさんです。

背中から、足をボカンと出してビックリさせて参ります。
 
ぶりだし 膚理出

光の彩色にある、クッキリな同心円に文明塗りの恩恵がうかがえます。(笑)
ビートたけしさんの、かぶりものコントへの情熱はすさまじいと感じる
文月二十六日の「和漢百魅缶」にアップのおばけさんは、
病気の見立て武将のうちから、「やみめのはんがんきれあか」さんです。

室町時代あたりからつづいている軍記物語の見立て物のひとつ
「病気」対「薬物」のなかにいる、目の病気を題材に名前が構築されているお方。
(多分、塩冶判官高貞あたりをモトにしてるんじゃないかと思いますガ)

名前に入っている「赤」をヤッパリ、テーマカラーに指定させていただきました。
うるうるうるうる。
 
やみめのはんがきれあか 病目之判官切赤

それにしても、この病気の武将たちの名前は、なのりが長いので
「和漢百魅缶」の項目個別ページの名前の見出し部分が
ちょっと幅広になりすぎてブカッコウになりがちな点が、ややノドアメナンテンです。
文月二十五日の「和漢百魅缶」にアップのおかた、
というよりおアナは、「じごくあな」さんです。

ひょーせんが愛する(笑)昔話の型のひとつである
「お膳を貸してくれるふしぎな存在」の一例でもあるコチラさんは因幡国に伝わるもの。

「地獄穴」なんていう、かなりディープダークな名称は、たぶん、
地獄にまで通じてそうなチョット薄気味の悪い穴、という理由でついたのでしょうが、
昔話を見てみると、「お膳貸してくれた」とかいうものなので
そのギャップの激しさに、シャックリとマバタキが立ち止まらなくなりそうデス。
 
じごくあな 地獄穴

お膳を貸してくれたんですから、実際、穴の中(あるいはこの穴の近所)に
誰かが棲んでいたことにウソは無いのでしょうが
合戦に敗れた平家の落人がここに棲んでたナンテ昔話もあるトコロから考えると
なかなかリアルな気も致します。壊されたら修理に出かけられないしネ。
文月二十四日の「和漢百魅缶」にアップいたしますおかたさんは、
ウー、ウー、ガウガウ、ガー。「あがねこ」さんです。

青森につたわるオオカミのような山の中のけもので、
山の中に入ったりするときは、うっかり出遭わないように
警戒をしていたトカそうでないトカいったもの。
 
あがねこ

ザンネンながら姿かたちの詳しい資料が手許に無いので
ほとんどがこちらの想像にかかるデザインですが
とりあえずキバは大きめに設定しておきやした。ガオー。
文月二十三日の「和漢百魅缶」にアップのおばけさんは、
トコトコ、ウォーキング。「すかんぴんたまご」さんです。

こっとんきゃんでいのオリジナルおばけさんの中からのピックアップですが、
設定につかっている鶏小屋のたまごが一夜のうちに全部消えるという話は
どっかの昔話にあった……かも知れません。(笑)

すかんぴんたまご 素寒貧玉子

畑の野菜がみんな無くなるとか、田んぼに稲が一斉に植わってるとか、
一夜のうちに何かが発生、という形式は昔話によくありますが、
各地に特に多いのは一夜のうちに、倒れた木がモトに戻ってるというものですな、
近所の神社の木にも、たしかそんな話がありました。ハイ。
文月22日の「和漢百魅缶」にアップのおかたさまは、
カルシウム摂取多し。「なまぐさじぞう」さんです。

願掛けのときに、特定のお供えものをするというのは
種類豊富で本当にいろいろまちまちなのですが

こちらの近江の国につたわるお地蔵さんは、
願掛けをする時に魚をお供えするので
「なまぐさ」なんて呼び名がついたというもの。

なまぐさじぞう 腥地蔵

眼にもゴリヤクがあるとの事ですから
本の見過ぎで視力が落ちないように、画中で魚をお供へ。
この前、「ド●クエのモンスターかと思た」などとコメントも頂いた(笑)
ろうそくおばけ」さんですとか、その着色法の先鞭となった「あくぞう」さんには、
画材として色えんぴつが使われているのですが、
「あくぞう」さんの彩色着工開始の瞬間から、
【ちゃいろ】と【あかちゃ】の色えんぴつが行方不明。(多分?使いきった)

茶色っぽい色味は、昔の網版合成みたく
たのしく別な色えんぴつの重ね塗りで合成していたのですが
線の描写に不自由ですので、ついいましがた、買いに行って参りました。

最近は色えんぴつで仕上げをしたり、色の構成を考えたりはしないので
消耗スピードはゆるゆるだったのですけど、【しろ】をのぞけば、皆おちびでしたので
ごっそりと補充してやろうと思って36本入っているのをチョイス。
【ちゃいろ】のご近所さんとして名高い【おうどいろ】の隣に
【つちいろ】なるビミョーなお方がいたのですが、
並べて見てみると、【あかちゃ】と【おうどいろ】の中間くらいの色だったので
木とか板の表面を描くときにはつかうかなぁ……と
早速、その使用方法を悩んでみたりしている文月二十一日の「和漢百魅缶」にアップのお方は、
しちがつなのにネ、「あかばち」さんです。

能登の海に現われるという赤っぽい光のおばけで、
竜燈(りゅうとう)とか不知火(しらぬい)とかいったものと
おなじようなメカニズムのおひとりでございます。
 
あかばち 赤蜂 

なかなか飛び出してこない3Dアートと対決してる時みたいに
目をジーッと細めてみつめていると、なんだか「大入りぶくろ」が飛んでるみたいに
見えたりもしますが、それは構成色のシワザです。ハイ。
出かけた先で飲料を買う機会があったので、これはゲッチューのチャーンス! と思い
最近そこかしこで話題にのぼったりあがったりな飲料
「夜店のあんず飴ソーダ」が売っていないか眺めてみたのですが
残念ながらありませんでした。くちおしや。

そんな本日は、海の日。
これを越えますと本格的に、世間一般あたり一面が「夏」の雰囲気になりますが
アチラも暦を知っているのかどうなのか、
まだ声の聴こえなかった、セミの鳴き声が今日の正午頃から
うちの近所で一匹二匹聴こえてきました。

もう来週ごろは、セミの音だらけになりそうです。ハイ。

そんな夏な話題をふりつつも文月はつかの「和漢百魅缶」は
あんまり海との関係は……なさそうです。「ぞんざいてん」さんです。

古来からの伝統技法「もじりかえ」を駆使して
名前先行のデザインがなされているお方で、
もちろん、七福神でおなじみの「べんざい天」が原材料サマ。
 
ぞんざいてん ぞんざい天

特に絵になっているものがありませんでしたので、
こちらで弁天さまっポさを加味して造形してみたのですが、
ほんとは、お名前は体をあらわす、の法則にのっとって
相当いいかげんなデザインにしようというプランもありました。(笑)

ややムーンサイド気味な背景は、その名残り。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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