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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
お米にうらみ。「すなのかずほどのむし」さんです。

すなのかずほどのむし 砂の数ほどの虫

田んぼで人間がお米をつくるのに際して、
掘り返されたり耕されたりして
いのちを失う大量の虫たちのこと。



この虫たちのたましいが、お米ひとつぶには入り込んでるので、
ごはんを食べるごとに人間は罪を重ねてるのぢゃ
――と語られてたソウナ。




近世の仏教などで語られてたもので、
お米や日々の食事について語る文脈のなかで出て来たりしたかんがえかた。
所作罪であるなどとも説かれます。



田を耕作する過程で、蛙や蚯蚓・地虫たちがしんでしまうので、
その供養をおこなうという行事は民間にもあって、
その基盤にもなって来てるかんがえかたのようです。




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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
末路にゆかれぬ、「まつのかん」さんです。

まつのかん 松の棺

松(まつ)の木を棺桶の材料に用いるのはよくない、
「末路に行くことが出来なくなる」ので死後のたましいによくない、
と語られてたりしました。


武蔵の国の秩父郡などでいわれるもの。
松と末路の語呂あわせによって語られてます。
杉(すぎ(の木を用いるのが良いと言われて来ました。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
まつられてたらしいもの。「だいにちびらのまりしてん」さんです。

だいにちびらのまりしてん 大日比羅之摩利支天

「まりしてん」の異名のひとつ。


野口如月『稲敷郡志』の奥野村の項目では、
常陸の国の島田村にある石神の祠(石や木でつくった陽物を奉納することで知られた)は、
古くは天竺の「大日比羅之摩利支天」を祀ったものだったのだろう
という説明を記載してます。



和漢百魅缶│2023.05.17
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
高貴な片葉。「あわしまのかたはのあし」さんです。

あわしまのかたはのあし 淡島の片葉葦

常陸の国の大須賀村の平須沼にある
淡島神社の近くに生えたという「片葉葦」で、
毎年かならず片方にしか葉っぱのない葦(あし)が出て来たと語られてます。



神崎明神の屋根のふきかえをするときの材料には、
これが使われるのが決まりになってたそうで
「葦迎え」という行事がとりおこなわれてたといいます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
大人数おおさわぎお囃子。「はやしのものおと」さんです。

はやしのものおと 囃子の物音


誰もいないはずの家のなかで
どんちゃかお囃子を鳴らして
手拍子足拍子で踊ってる大勢のひとの音が響いてるというもので、
部屋の中を確かめても誰もおらず、
また別の部屋から聴こえてくるというふしぎなもの。



むかし内藤新宿で明き屋敷の番人をしてた五郎蔵[ごろぞう]という男が、
家族が留守でひとりだけだった日、家に帰って見るとこれが発生しており、
ふしぎに思ったが、気にせずに眠るといつの間にか音は止んでたといいます。
これは数日つづいたあと、パッタリ発生しなくなったソウナ。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
はちじゅうはちやのわかれ霜。「しもよけもち」さんです。

しもよけもち 霜除餅

夏の八十八夜のころにつくられるおもちで、
これをお供えすることで
養蚕のための桑(くわ)の葉っぱなどをはじめとした
有益な植物に霜(しも)の害が出ないことを祈願をしたといいます。



上野の国などでつくられてたもの。
朝早く(霜が生じるよりも早い時刻)につくればつくるほど良いと言われてました。
八十八夜は古くから霜の害が出る出ないの分岐となる季節と考えられて来ました。
地域によっては九十九夜につくられてもいたようです。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
背骨をバチン。「はしないかわのかに」さんです。

はしないかわのかに 橋無い川の蟹

橋が架けられてない川にいる蟹(かに)で、
渡って行くひとの背骨や筋(すじ)を挟んで痛くしてしまいます。



わらべうたに出て来る存在。
相模の国の足柄郡などでは西行が川を渡る者として登場しており、
「むかし西行の坊さんが、橋無い川を渡るとき、蟹に背骨を挟まれて、
 痛し悲しや蟹どのや、何か薬はあるまいか、あるともあるとも
 夏降る雪を手に採って、冬鳴く蝉(せみ)のぬけがらを、それをつければ早速よくなる」
などの歌の文句が見られます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
埋まってたおかた。「くびのないじぞう」さんです。

くびのないじぞう 首の無い地蔵

相模の国の愛甲郡の宮ヶ瀬村にあった地蔵。



昭和のはじめごろ、大阪から来たというひとがやって来て、
「家の者の病気が長いこと治らないので占ってもらったところ、
 宮ヶ瀬というところで地蔵が家の下になって苦しいと訴えたいので、
 体を借りたのだと言われた」と語ったので、このあたりらしい
という地面を調べてみると、新しく建てられた家の下から、
地蔵の像が出て来たといいます。


その地蔵には首がなかったので、
大阪から来たひとは首をあたらしく造らせ、
キチンと安置して帰って行ったソウナ。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
幽霊たちの飲める水。「ひとのくれたみず」です。

ひとのくれたみず 人のくれた水

さまよってる幽霊たちは、
自分たちからは水を飲むことが出来なくて、
人間から意識的に与えられた水しか飲むことが出来ぬ
といったはなしが語られてたりしました。



森田盛昌『咄随筆』には、橋を渡ってる僧侶に「うぶめ」らしき幽霊が
水を欲しがって話しかけたはなしが載ってます。
幽霊たちは自分では水(「人のくれぬ水」)を飲むことは出来ないと言うので、
僧侶が鉦ですくってあげた水を渡すとごくごく飲んだ、と語られてます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
かみしもつけて、「ほうそうのかみ」さんです。

ほうそうのかみ 疱瘡の神

子供が疱瘡(ほうそう)にかかったとき、
神棚などに飾っておがんでおくと
症状が軽く済むと言われてた土人形。



病気になる以前から子供が普段あそんでたものが善い、
裃(かみしも)をつけてすわってる子供のかたちの土人形が善いなどといわれてたようです。




『浪華願懸重宝記』などに記載がみられる、大阪にあった俗信で、
土佐堀の今井屋仁右衛門という家に持って行って、そこに
一晩置いてもらったものを、もらって帰って来るとよく効くと言われてたそうです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
裁縫箱のなかに、「はだかんぼのにんぎょう」さんです。

はだかんぼのにんぎょう 裸坊の人形

子供がどうしても授かりたいときに用いられてた
おまじないに見られるもので、大和の国などでは、
土人形を売っているところに行って、いちばんはじめに目についた裸の人形を買い、
それを針箱や裁縫箱にしまっておくとよいと言われてたといいます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
鼻の前の飾り。「じまんちょうちん」さんです。

じまんちょうちん 自慢提灯

得意気になった人間の鼻さきに
ふわふわとぶら下がると言われる提灯(ちょうちん)のこと。


「自慢提灯が鼻の前にぶらさがる」
などといった慣用句に出て来る提灯で、
「天狗(てんぐ)になる」などと近い雰囲気のことば。



プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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