氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
穴の中にいるふしぎな老夫婦のもちもの。「あかいしゃもじ」さんです。
![あかいしゃもじ 赤い杓子](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1660277895)
むかし、山でおむすびを食べてたおじいさんが、
おむすびをその穴にたまたま落としてしまい、これをこっそり盗み取って帰り、
裕福になったりするはなしなどが語られます。
穴の中にいるふしぎな老夫婦のもちもの。「あかいしゃもじ」さんです。
どんな穀物でも1つぶだけ鍋に入れて、
「いっぺぇんなれ、いっぺぇんなれ」とかきまぜると、
たちまち鍋いっぱいにそれが増えるというふしぎなしゃもじ。
「いっぺぇんなれ、いっぺぇんなれ」とかきまぜると、
たちまち鍋いっぱいにそれが増えるというふしぎなしゃもじ。
山の中にある穴のなかに住んでる
ふしぎなじいさん・ばあさんがこれを所持してました。
ふしぎなじいさん・ばあさんがこれを所持してました。
むかし、山でおむすびを食べてたおじいさんが、
おむすびをその穴にたまたま落としてしまい、これをこっそり盗み取って帰り、
裕福になったりするはなしなどが語られます。
加賀の国の栢野などに伝わる昔話に出て来るもの。
となりの欲張りじいさんが真似して穴に向かったところ、
「このやくざじじい、おまえがしゃもじを盗んだんだな」
と散々に殴られて頭が血だらけになって帰ってしんじゃった、などの展開が語られます。
となりの欲張りじいさんが真似して穴に向かったところ、
「このやくざじじい、おまえがしゃもじを盗んだんだな」
と散々に殴られて頭が血だらけになって帰ってしんじゃった、などの展開が語られます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
天にいっぱい。「はちおくのましょう」さんです。
![はちおくのましょう 八億の魔性](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1660107872)
山田野理夫特集の際のトップバッターだった「はちおくものようかい」(八億もの妖怪)の
原作にあたる存在です。
天にいっぱい。「はちおくのましょう」さんです。
山田野理夫特集の際のトップバッターだった「はちおくものようかい」(八億もの妖怪)の
原作にあたる存在です。
ものすごい数の魔物たちで、
天の三十三天を上へ上へとのぼってゆく途中に存在しており、
いちばんうえの「大宇天不死不生界」(だいうてんふじふじょうかい)に到達するまでには、
八億の魔性と出遭わなければいけないので生身の人間ではいのちが足りない、と
雷様たちが語ったりします。
天の三十三天を上へ上へとのぼってゆく途中に存在しており、
いちばんうえの「大宇天不死不生界」(だいうてんふじふじょうかい)に到達するまでには、
八億の魔性と出遭わなければいけないので生身の人間ではいのちが足りない、と
雷様たちが語ったりします。
落語の「月宮殿」に登場するもの。
「下界の人では生きていられない」とか、「ひゃくまんのましょう」がいる
などとも語られてます。
「下界の人では生きていられない」とか、「ひゃくまんのましょう」がいる
などとも語られてます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その40。「うみうし」さんです。
![うみうし 海牛](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1660029376)
7月から山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけしたあと
8月にも延長でやって参りましたがこれでちょうど40体となりましたので
このあたりでひと区切りとしたいと思います。
これをきっかけに山田野理夫作品を、みなさんもいろいろとお手に採って
たのしんでいただけますと、単純に「まじめな妖怪解説に混じってしまった雑音」ではなく
直に「妖怪・よみもの・作品」としての野理夫作品にキチンと触れていただけるかと思います。
また機会がありましたら、このようにつづけてみたいと思いますゾ。
山田野理夫100周年月間、その40。「うみうし」さんです。
海にいるという大きな図体の妖怪。
牛のようなつのが生えており、海の底にふだんは暮らしてるといいます。
牛のようなつのが生えており、海の底にふだんは暮らしてるといいます。
人間に対して、いけにえを求めたりもしたソウナ。
山田野理夫『日本妖怪集』の「越前の海牛」で書かれてる妖怪。
これはのちに佐藤有文も採用してます。
これはのちに佐藤有文も採用してます。
越前で人身御供を求めてた海牛を旅の武士が退治した結果、
海牛の妻が仇討ちのために化けて武士の前に現われますが、
逆にその立派さに魅了されて結ばれて海牛の顔をした男の子をもうけ、
家族皆で海へ入ったはなしが描かれてます。
海牛の妻が仇討ちのために化けて武士の前に現われますが、
逆にその立派さに魅了されて結ばれて海牛の顔をした男の子をもうけ、
家族皆で海へ入ったはなしが描かれてます。
7月から山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけしたあと
8月にも延長でやって参りましたがこれでちょうど40体となりましたので
このあたりでひと区切りとしたいと思います。
これをきっかけに山田野理夫作品を、みなさんもいろいろとお手に採って
たのしんでいただけますと、単純に「まじめな妖怪解説に混じってしまった雑音」ではなく
直に「妖怪・よみもの・作品」としての野理夫作品にキチンと触れていただけるかと思います。
また機会がありましたら、このようにつづけてみたいと思いますゾ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その39。「さがり」さんです。
![さがり 下がり](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1659936899)
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
山田野理夫100周年月間、その39。「さがり」さんです。
木の上にぶらさがってるという首だけの馬の妖怪。
口をあけて「ひんひん」と鳴いたりします。
口をあけて「ひんひん」と鳴いたりします。
山道で病死した馬の霊が、近くに生えてた木に宿ったものだといいます。
ふだんは眠ってて、急に起こされたりするとドシンと落下して来ます。
うっかり下にいるとつぶされて命を落とすことになります。
ふだんは眠ってて、急に起こされたりするとドシンと落下して来ます。
うっかり下にいるとつぶされて命を落とすことになります。
山田野理夫『おばけ文庫 たたみ たたき』(「雪女郎」)や
『おばけ文庫 たんたん ころりん』(下がり)で書かれてる妖怪。
「妖怪名彙」で紹介されて知られた「さがり」を素材としたもの。
全国各地にいると設定されており、清水西五郎というひとが岡山で見たというはなしが
「一例」として描かれてます。
『おばけ文庫 たんたん ころりん』(下がり)で書かれてる妖怪。
「妖怪名彙」で紹介されて知られた「さがり」を素材としたもの。
全国各地にいると設定されており、清水西五郎というひとが岡山で見たというはなしが
「一例」として描かれてます。
「雪女房」のはなしでは、仙台の阿部平作と山賊のはなしのなかに
山道にいる妖怪として登場しており、山賊の上に落下してあたまをぶち割ったり、
山賊の女房(正体が雪女房)の上に落下して肩を砕いて殺してしまう役割を演じてます。
山道にいる妖怪として登場しており、山賊の上に落下してあたまをぶち割ったり、
山賊の女房(正体が雪女房)の上に落下して肩を砕いて殺してしまう役割を演じてます。
「雪女房」のはなしは野理夫が母から聴いたはなしとして書かれてますが、
内容からみると女房の首がどこまでもついてくるという昔話が素材となった作品のようで、
「さがり」はそこに登場人物を破壊する「役」として採り込まれたものだと考えられます。
内容からみると女房の首がどこまでもついてくるという昔話が素材となった作品のようで、
「さがり」はそこに登場人物を破壊する「役」として採り込まれたものだと考えられます。
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その38。「ぬりぼとけ」さんです。
![ぬりぼとけ 塗仏](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1659852984)
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
山田野理夫100周年月間、その38。「ぬりぼとけ」さんです。
仏壇(ぶつだん)のなかに飾られてる仏具を、つねに
ぴかぴかにみがいてるという仏さまの妖怪。
ぴかぴかにみがいてるという仏さまの妖怪。
男のかたちのものが多いんだソウナ。
『妖怪魔神精霊り世界』の「塗仏と古もの」という項目で山田野理夫が解説してる妖怪。
狩野家の絵巻物ではなく、仏壇から顔を出してる鳥山石燕の「ぬりぼとけ」(塗仏)を
素材にしてますが、すがたかたちなどの画像妖怪としての描写や紹介は何もなく、
「器物精霊」(器物の妖怪といったニュアンス)の妖怪としてあつかっており、
まったく別個の存在になってます。
狩野家の絵巻物ではなく、仏壇から顔を出してる鳥山石燕の「ぬりぼとけ」(塗仏)を
素材にしてますが、すがたかたちなどの画像妖怪としての描写や紹介は何もなく、
「器物精霊」(器物の妖怪といったニュアンス)の妖怪としてあつかっており、
まったく別個の存在になってます。
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その36。「くだん」さんです。
![くだん 件](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1659683661)
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
山田野理夫100周年月間、その36。「くだん」さんです。
とつぜん人間のことばをしゃべったりするというふしぎな仔牛。
ふつうの仔牛として生まれて来ますが
何か異変が近づくと、そのことについて人間のことばでその内容を告げ、
それが実際に起きたころにはしんでしまうソウナ。
ふつうの仔牛として生まれて来ますが
何か異変が近づくと、そのことについて人間のことばでその内容を告げ、
それが実際に起きたころにはしんでしまうソウナ。
山田野理夫『おばけ文庫 いったいなんびき』の「クダン」で書かれてる妖怪。
「きんいちの家が焼けるぞ」と、出火のことについて告げたというはなしが書かれますが、
舞台は特に設定されてません。いっぽう、四国・九州地方に伝わる、と
「くだん」の基本的な部分の解説はふつうに設けられてます。
「きんいちの家が焼けるぞ」と、出火のことについて告げたというはなしが書かれますが、
舞台は特に設定されてません。いっぽう、四国・九州地方に伝わる、と
「くだん」の基本的な部分の解説はふつうに設けられてます。
「よってくだんのごとし」ということばは、この妖怪の言動が正しいことから生まれた、
という部分は活用してるいっぽう、人間のような顔をしてるなどの描写はなく、
ふつうのすがたの牛として書かれてます。
という部分は活用してるいっぽう、人間のような顔をしてるなどの描写はなく、
ふつうのすがたの牛として書かれてます。
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その35。「くびきれうま」さんです。
![くびきれうま 首切馬](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1659594495)
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
山田野理夫100周年月間、その35。「くびきれうま」さんです。
むかし、馬をたいへん乱暴につかう貪欲な長者があって、
節供の日にも働かせつづけてました。
長者の娘が「かわいそうなので、やめてください」と頼みましたが、
長者は怒って馬の首を刎ねとばしてしまいました。
悲しんだ娘はそのまま家から居なくなってしまったといいます。
節供の日にも働かせつづけてました。
長者の娘が「かわいそうなので、やめてください」と頼みましたが、
長者は怒って馬の首を刎ねとばしてしまいました。
悲しんだ娘はそのまま家から居なくなってしまったといいます。
その直後、ちゃぐちゃぐうまっこの祭りのときの馬の行列のなかに、
首のない馬に乗ったこの娘をすがたを見た――というひとが出たソウナ。
首のない馬に乗ったこの娘をすがたを見た――というひとが出たソウナ。
☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 いったい なんびき』の「くびきれウマ その2」で書かれてる妖怪。
岩手の盛岡が舞台設定されており、「あとがき」には、野理夫はこのはなしを
子供のときに父からよく聴いてたということを記載してます。
岩手の盛岡が舞台設定されており、「あとがき」には、野理夫はこのはなしを
子供のときに父からよく聴いてたということを記載してます。
「くびきれうまという妖怪のはなし」という設定自体が、
馬のはなしを「妖怪名彙」などを経由して知られた「くびきれうま」という
妖怪の側に引き寄せて再構成されたと考えられます。
馬のはなしを「妖怪名彙」などを経由して知られた「くびきれうま」という
妖怪の側に引き寄せて再構成されたと考えられます。
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その34。「くもふり」さんです。
![くもふり 雲降](https://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/65b15eed6c7c3941d4c642540d329365/1659507161)
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
山田野理夫100周年月間、その34。「くもふり」さんです。
真っ黒い大きな黒雲のむれで、ぐるぐると渦をまいてます。
悪業をつみかさねた人間のもとにやって来て、
空にまきあげて殺してしまいます。
悪業をつみかさねた人間のもとにやって来て、
空にまきあげて殺してしまいます。
殺された死体はそのまま黒雲に包まれたまま、
空を浮かびつづけたり、突然に地面に落下して来たりするといいます。
空を浮かびつづけたり、突然に地面に落下して来たりするといいます。
山田野理夫『おばけ文庫 よいさ よいさ』の「くもふり」に書かれてる妖怪。
「くもふり」と呼ばれる以外に「くもおろし」とも呼ばれるといったことが記載されてます。
「くもふり」と呼ばれる以外に「くもおろし」とも呼ばれるといったことが記載されてます。
「かしゃ」(火車)のはなしがベースになっており、
九州に向かう堺丸(さかいまる)という船に強欲な金貸しの婆の死体が降ったはなし、
天草の海のうえに武士の死体が3人分同時に降ったはなしが設定されてます。
九州に向かう堺丸(さかいまる)という船に強欲な金貸しの婆の死体が降ったはなし、
天草の海のうえに武士の死体が3人分同時に降ったはなしが設定されてます。
7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
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氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
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