氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
とざい、とーーーーーーーーーざいーーーーーーーー。
2013年、あけましておめでとうございます。
本年の「和漢百魅缶」初のアップも、いつもどおり
連続アップ興行にて、つとめさせていただきます。
先年の千穐楽が「伝承妖怪」をずらり、という趣向でお送りしましたので
本年の初舞台は「画像妖怪」をどさり、と連続14体、アップして参ります。
ではでは、どうぞどうぞ。
■ うみへび(海蛇)
まずは、へびどしの新春興行でありますから、スネイク。へびさん。
大阪で売られてた豆絵にいくつか出て来るものです。
画像妖怪のうち、絵に描かれるためのデザインしか存在しなくて
伝承などはキッパリ存在しないものというのを今回は多く集めたのですが
こちらさんはまさにそのとおり、ただのじんめんうみへびです。
■ ほらがいのせい(法螺 貝の精)
俵藤太が三上山のむかでを退治したお礼をもらったり、
浦島太郎さんが乙姫さまに歓迎されたりする、――そんな場面の絵巻物に
よくエキストラしてるのがこちらさんです。
似たようなものは、大陸の水の神さまを描いた絵とかにもいるので
そういう神仏の絵巻物を通じて日本にも渡ってきたんでしょうナ。
■ うしわくまる(牛わく 丸)
薩摩の国で親しまれていた『大石兵六物語』を下敷きにして
当時の武家の堕落などへの諷諫をこめた小説『大石兵六夢物語』に出て来る
がまがえるの妖怪です。ゲロゲコ。
■ ぐびん(狗瓶)
伝蔵(山東京伝)のしゃれ。
■ かかしおとこ(案山子男)
徳川時代の古い時代の絵本には、何か(鷺や狐狸)がかかしに化けてひとをおどかしたり
かかしが動き出してひとをびっくりさせてる絵がよく出て来るのですが
こちらは、そういったものを踏まえたうえでの、呼び名にひと工夫のあるもの。
王朝文学ですのよ。
■ わぁ
わぁい、モウコ系統ガゴ系統に近い呼び名の画像妖怪だよ!
■ ごんさい(鐘妻)
明治時代になってからの新しい言葉がモトになってるデザインおばけです。
ゴンだから鐘と連結するあたりが、まだ江戸ッ児のデザイン方法が残ってた時代のご発想。
■ おいけちょうのばけもの (御池町の化物)
仮名草子な時代ですから、説話集や絵本の中では古いお顔です。
『目覚物語』に載ってる挿絵をだいたいそのまま粉本にしてリデザインしました。
■ あとさき(後と前)
いのいちばんに飛び出した「海蛇」とおなじく、豆絵に多く描かれてるデザインの画像妖怪。
長谷川貞信(2世)の描いてる錦絵に、「あとさき」と説明が書き込まれてたので
それをそのまま採用させてもろた。
(貞信の家は大阪の浮世絵師の家)
■ ばけてしょく(化手燭)
古い時代の絵本には、源頼光の四天王が妖怪たちにいたずらされる場面が
よく描かれてるのですが、そこによく出て来るのが、世帯道具に手足や目鼻のついた妖怪たち。
こちらのよつんばいな手足がはえてる手燭の妖怪も、そういう絵本からの採用です。
なお、世帯道具とおなじぐらいの率で出てくるのは、巨大の坊主や婆や女の妖怪。
■ ばけつづみ(化大鼓)
百鬼夜行絵巻な造型なのですが、あまり発見例はおおくなくて、
河鍋暁斎の『暁斎酔画』あたりで見られるのが、せきのやま。
■ つめとり(爪鳥)
すでにある言葉に生き物や道具などを組み合わせて実際にはないへんなものをデザインする手法のものでは
古くから名前が知られてる名著、『百化鳥』に出て来るもの。
爪きりを鳥にしちゃったものです。
『百化鳥』は鳥と木をワンセットにしてるのですが
こちらの「爪鳥」の場合の好一対の木は……「毛ぬ木」(毛抜きをモトにしたもの)
■ ねじけねこ(悪け猫)
芝の和泉屋市兵衛のお店、甘泉堂から売り出されてた『ばけ物かるた』の中から。
猫だニャー。二足歩行できるニャゴ。
■ なきびす
いくつか見つかってる狩野家につたわる系統の妖怪が描かれた絵巻物に描かれてるもの。
私見では4例ほどですが、古い時代からあるであろう配列の中に結構な率で入ってるので
(海坊主・海男が入ってるバージョンだと、確実に入ってるという印象)
ある程度、狩野家な妖怪の絵巻物の年代を見る上での貴重な画像妖怪のひとつだと思ってます。
さて、以上連続アップをご覧に達しましたが
「和漢百魅缶」アップの大始動、これも今年のこてしらべ、
いずれもさまにおかれましては、あいかわらずのご愛顧ごひいき、
ひとえに、よろしくお願い申し上げたまつりまする。
とざい、トーーーーーーーーーーざいーーーーーーーーーーー。
2013年、あけましておめでとうございます。
本年の「和漢百魅缶」初のアップも、いつもどおり
連続アップ興行にて、つとめさせていただきます。
先年の千穐楽が「伝承妖怪」をずらり、という趣向でお送りしましたので
本年の初舞台は「画像妖怪」をどさり、と連続14体、アップして参ります。
ではでは、どうぞどうぞ。
■ うみへび(海蛇)
まずは、へびどしの新春興行でありますから、スネイク。へびさん。
大阪で売られてた豆絵にいくつか出て来るものです。
画像妖怪のうち、絵に描かれるためのデザインしか存在しなくて
伝承などはキッパリ存在しないものというのを今回は多く集めたのですが
こちらさんはまさにそのとおり、ただのじんめんうみへびです。
■ ほらがいのせい(法螺 貝の精)
俵藤太が三上山のむかでを退治したお礼をもらったり、
浦島太郎さんが乙姫さまに歓迎されたりする、――そんな場面の絵巻物に
よくエキストラしてるのがこちらさんです。
似たようなものは、大陸の水の神さまを描いた絵とかにもいるので
そういう神仏の絵巻物を通じて日本にも渡ってきたんでしょうナ。
■ うしわくまる(牛わく 丸)
薩摩の国で親しまれていた『大石兵六物語』を下敷きにして
当時の武家の堕落などへの諷諫をこめた小説『大石兵六夢物語』に出て来る
がまがえるの妖怪です。ゲロゲコ。
■ ぐびん(狗瓶)
伝蔵(山東京伝)のしゃれ。
■ かかしおとこ(案山子男)
徳川時代の古い時代の絵本には、何か(鷺や狐狸)がかかしに化けてひとをおどかしたり
かかしが動き出してひとをびっくりさせてる絵がよく出て来るのですが
こちらは、そういったものを踏まえたうえでの、呼び名にひと工夫のあるもの。
王朝文学ですのよ。
■ わぁ
わぁい、モウコ系統ガゴ系統に近い呼び名の画像妖怪だよ!
■ ごんさい(鐘妻)
明治時代になってからの新しい言葉がモトになってるデザインおばけです。
ゴンだから鐘と連結するあたりが、まだ江戸ッ児のデザイン方法が残ってた時代のご発想。
■ おいけちょうのばけもの (御池町の化物)
仮名草子な時代ですから、説話集や絵本の中では古いお顔です。
『目覚物語』に載ってる挿絵をだいたいそのまま粉本にしてリデザインしました。
■ あとさき(後と前)
いのいちばんに飛び出した「海蛇」とおなじく、豆絵に多く描かれてるデザインの画像妖怪。
長谷川貞信(2世)の描いてる錦絵に、「あとさき」と説明が書き込まれてたので
それをそのまま採用させてもろた。
(貞信の家は大阪の浮世絵師の家)
■ ばけてしょく(化手燭)
古い時代の絵本には、源頼光の四天王が妖怪たちにいたずらされる場面が
よく描かれてるのですが、そこによく出て来るのが、世帯道具に手足や目鼻のついた妖怪たち。
こちらのよつんばいな手足がはえてる手燭の妖怪も、そういう絵本からの採用です。
なお、世帯道具とおなじぐらいの率で出てくるのは、巨大の坊主や婆や女の妖怪。
■ ばけつづみ(化大鼓)
百鬼夜行絵巻な造型なのですが、あまり発見例はおおくなくて、
河鍋暁斎の『暁斎酔画』あたりで見られるのが、せきのやま。
■ つめとり(爪鳥)
すでにある言葉に生き物や道具などを組み合わせて実際にはないへんなものをデザインする手法のものでは
古くから名前が知られてる名著、『百化鳥』に出て来るもの。
爪きりを鳥にしちゃったものです。
『百化鳥』は鳥と木をワンセットにしてるのですが
こちらの「爪鳥」の場合の好一対の木は……「毛ぬ木」(毛抜きをモトにしたもの)
■ ねじけねこ(悪け猫)
芝の和泉屋市兵衛のお店、甘泉堂から売り出されてた『ばけ物かるた』の中から。
猫だニャー。二足歩行できるニャゴ。
■ なきびす
いくつか見つかってる狩野家につたわる系統の妖怪が描かれた絵巻物に描かれてるもの。
私見では4例ほどですが、古い時代からあるであろう配列の中に結構な率で入ってるので
(海坊主・海男が入ってるバージョンだと、確実に入ってるという印象)
ある程度、狩野家な妖怪の絵巻物の年代を見る上での貴重な画像妖怪のひとつだと思ってます。
さて、以上連続アップをご覧に達しましたが
「和漢百魅缶」アップの大始動、これも今年のこてしらべ、
いずれもさまにおかれましては、あいかわらずのご愛顧ごひいき、
ひとえに、よろしくお願い申し上げたまつりまする。
とざい、トーーーーーーーーーーざいーーーーーーーーーーー。
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氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
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絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
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山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
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