氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
明けましておめでとうございます。
ほんじつより2024年も「和漢百魅缶」へのアップを
例年どおり、はじめさせていただきます。
それでは恒例の12体連続アップを舞い初め致しました
おのおのそれぞれのひとくちメモにてございます。
とざい、とーーーーーざーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーぃぃーーー。
■ りゅうおうのつかい(竜王の使い)
辰歳(たつどし)、ということでみなさんもいろいろと
竜に関する絵をあげてらっしゃるので
当然、和漢百魅缶でも竜に関係して来るところで
とりあえずは香盤の一番目を組んでおります。
『剣竜神』という、わりとあとのほうの時代になってから
つくられた謡曲に出て来るもので、大森彦七に
海に沈んでた悪七兵衛景清の剣を渡しに来たという竜のおじさんです。
『太平記』の大森彦七のはなしのなかには
魔物たちが足利幕府を滅ぼすために3本の剣(三毒の剣)をあつめてて
その最後の1本がこの景清の持ってた剣だという設定になってまして、
大森彦七が海に沈んでたその剣をどうやって手に入れたのかな?
――という部分箇所を膨らませてつくってるエピソードが、この曲のようです。
■ ちんころりん
「たんころりん」とか「ちゃんころりん」とかいいった音の響きやフレーズは
昔話の世界のなかにはいっぱい出て来るヨ――といったあたりは
『大佐用』でもしばしばとりあつかってるあたりで、これもそういうものの仲間。
おはなしとしては埋められてる金霊のはなしと桃太郎と花咲爺がフュージョンをキメた
みたいなもので、たぶん似たものはどんどん出て来る雰囲気はあります。
■ とみのしゃくし(富杓子)
とみくじに当たるために、近世のころのひとがやってた(らしい)
おまじないなカンジのもののひとつで、
当たりの発表(とみくじをやってるお寺で子供や高僧などが番号の書いてある札を
見えない状態で長い錐(きり)みたいなので突いて、それを発表します)の場に臨むときは
杓子を持って行くといい・当たる・当たる……!! といったもの。
特に関係ないですが、再放送で流れてる『大岡越前』とか『暴れん坊将軍』で
とみくじが発端でドタバタが起こる回は大抵、品川隆二さんがゲストの率が高すぎません?
■ あおにゅうどう(青入道)
お金や執念に関する妖怪の発生パターンが見られるもの。
古い時代の説話にあるような蛇とかではなく、
具体的に昔話に出て来そうなものや画像要素のほうが強そうな妖怪が
「近づく(埋めてある自分の金を奪いそうな)者をおどろかす存在」として出て来るのも
近世以後のかたちですね。
■ りゅうぐうのたい(竜宮鯛)
■ りゅうぐうのたこ(竜宮鮹)
これが干珠満珠持参おじさんたちの、モト彫刻のお写真。
具体的な「個々の作品」からのリデザインのパターンです。
■ にんじん(人参)
なにかがなにかにかわる――という変化(へんか)のパターンのひとつ。
星のひかりが散って地に落ちて来たものがなる、というかたちはキレイ。
■ ないかいせいじん(内階星人)
火星や土星など、おなじみの星から、こういう内階星だとかの星まで、
いろんな惑星にいるひとや文字の設定が出て来るのが『大千図説』の特徴のひとつで、
2018年ごろに影印版自体は入庫してて、ツイートなどもしてたので、
今回、あらためて和漢百魅缶にもキチンと導入しはじめました。
■ ぐんてのなかのあまがえる (軍手の中の雨蛙)
道路の脇とかに片一方だけ落ちてるじゃないですかー、といった話題に
くっつけてこういうはなしがありますぞといううわさばなしからの取材。
明らかに何も入ってないぐらいの薄さなところがポイントなんだソウナ。
■ ひい(肥遺)
『大佐用』の歳末の号でもいっぱい出した山海経などで書かれる
蛇さんのひとつ。絵柄としてはこちらもだいぶ辰歳な方向性ということで
香盤のなかに入っていただきましたネ。
■ おおいわのしたのいっすんぼうし(大岩の下の一寸法師)
塩吹き臼の出て来る昔話に出て来る、鬼でも山姥でもふしぎな怪物でもない、
一寸法師たちというパターンです。いのししのお肉をよっぽど食べたくて
何でも出て来る碾臼と交換してるわけですが、
いのししのお肉は碾臼から出ないんんでしょうかね……??
それとも塩売りじいさん(この昔話の主人公)が猟師さんから代金がわりに
もらって来たこのお肉いのししは、何か特別ないのししだったんでしょうかね……??
などと考え始めてしまっても面白いわけです。
去年の千穐楽の「たぬきのみこし」(狸神輿)とあわせると狸と一寸法師で
『豆狸のバケル』な組み合わせの対幅になるといったあたりはバレバレ。
■ りょろぎ(糧螻蟻)
去年の千穐楽で、主任は高井鴻山の名前も設定も何もない画像妖怪たちのリデザインを
やったので、こちらもそれに揃えて初春の12体の主任として据えさせていただきました。
これがリデザインのモトになってる鴻山の画像妖怪。
もちろん名前も何もないので一生懸命考案するわけですが
『論衡』のなかに出て来る倉卒喪乱の世についての描写の箇所に出て来る
「在水為魚鼈之食 在土為螻蟻之糧」という九相図な荒れ野の雰囲気ただよう字句から
文字をもらって「糧螻蟻」(りょうろうぎ)として、それを
「ちょろぎ」みたいにつづめて「りょろぎ」としました。
(なんかあたらしい呼び名考えたりするときはこんな雰囲気でも決めてます)
それではつつがなく本年も12体うちそろいました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
とざい、とーーーーーーーざーーいぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーー。
ほんじつより2024年も「和漢百魅缶」へのアップを
例年どおり、はじめさせていただきます。
それでは恒例の12体連続アップを舞い初め致しました
おのおのそれぞれのひとくちメモにてございます。
とざい、とーーーーーざーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーぃぃーーー。
■ りゅうおうのつかい(竜王の使い)
辰歳(たつどし)、ということでみなさんもいろいろと
竜に関する絵をあげてらっしゃるので
当然、和漢百魅缶でも竜に関係して来るところで
とりあえずは香盤の一番目を組んでおります。
『剣竜神』という、わりとあとのほうの時代になってから
つくられた謡曲に出て来るもので、大森彦七に
海に沈んでた悪七兵衛景清の剣を渡しに来たという竜のおじさんです。
『太平記』の大森彦七のはなしのなかには
魔物たちが足利幕府を滅ぼすために3本の剣(三毒の剣)をあつめてて
その最後の1本がこの景清の持ってた剣だという設定になってまして、
大森彦七が海に沈んでたその剣をどうやって手に入れたのかな?
――という部分箇所を膨らませてつくってるエピソードが、この曲のようです。
■ ちんころりん
「たんころりん」とか「ちゃんころりん」とかいいった音の響きやフレーズは
昔話の世界のなかにはいっぱい出て来るヨ――といったあたりは
『大佐用』でもしばしばとりあつかってるあたりで、これもそういうものの仲間。
おはなしとしては埋められてる金霊のはなしと桃太郎と花咲爺がフュージョンをキメた
みたいなもので、たぶん似たものはどんどん出て来る雰囲気はあります。
■ とみのしゃくし(富杓子)
とみくじに当たるために、近世のころのひとがやってた(らしい)
おまじないなカンジのもののひとつで、
当たりの発表(とみくじをやってるお寺で子供や高僧などが番号の書いてある札を
見えない状態で長い錐(きり)みたいなので突いて、それを発表します)の場に臨むときは
杓子を持って行くといい・当たる・当たる……!! といったもの。
特に関係ないですが、再放送で流れてる『大岡越前』とか『暴れん坊将軍』で
とみくじが発端でドタバタが起こる回は大抵、品川隆二さんがゲストの率が高すぎません?
■ あおにゅうどう(青入道)
お金や執念に関する妖怪の発生パターンが見られるもの。
古い時代の説話にあるような蛇とかではなく、
具体的に昔話に出て来そうなものや画像要素のほうが強そうな妖怪が
「近づく(埋めてある自分の金を奪いそうな)者をおどろかす存在」として出て来るのも
近世以後のかたちですね。
■ りゅうぐうのたい(竜宮鯛)
■ りゅうぐうのたこ(竜宮鮹)
これが干珠満珠持参おじさんたちの、モト彫刻のお写真。
具体的な「個々の作品」からのリデザインのパターンです。
■ にんじん(人参)
なにかがなにかにかわる――という変化(へんか)のパターンのひとつ。
星のひかりが散って地に落ちて来たものがなる、というかたちはキレイ。
■ ないかいせいじん(内階星人)
火星や土星など、おなじみの星から、こういう内階星だとかの星まで、
いろんな惑星にいるひとや文字の設定が出て来るのが『大千図説』の特徴のひとつで、
2018年ごろに影印版自体は入庫してて、ツイートなどもしてたので、
今回、あらためて和漢百魅缶にもキチンと導入しはじめました。
■ ぐんてのなかのあまがえる (軍手の中の雨蛙)
道路の脇とかに片一方だけ落ちてるじゃないですかー、といった話題に
くっつけてこういうはなしがありますぞといううわさばなしからの取材。
明らかに何も入ってないぐらいの薄さなところがポイントなんだソウナ。
■ ひい(肥遺)
『大佐用』の歳末の号でもいっぱい出した山海経などで書かれる
蛇さんのひとつ。絵柄としてはこちらもだいぶ辰歳な方向性ということで
香盤のなかに入っていただきましたネ。
■ おおいわのしたのいっすんぼうし(大岩の下の一寸法師)
塩吹き臼の出て来る昔話に出て来る、鬼でも山姥でもふしぎな怪物でもない、
一寸法師たちというパターンです。いのししのお肉をよっぽど食べたくて
何でも出て来る碾臼と交換してるわけですが、
いのししのお肉は碾臼から出ないんんでしょうかね……??
それとも塩売りじいさん(この昔話の主人公)が猟師さんから代金がわりに
もらって来たこのお肉いのししは、何か特別ないのししだったんでしょうかね……??
などと考え始めてしまっても面白いわけです。
去年の千穐楽の「たぬきのみこし」(狸神輿)とあわせると狸と一寸法師で
『豆狸のバケル』な組み合わせの対幅になるといったあたりはバレバレ。
■ りょろぎ(糧螻蟻)
去年の千穐楽で、主任は高井鴻山の名前も設定も何もない画像妖怪たちのリデザインを
やったので、こちらもそれに揃えて初春の12体の主任として据えさせていただきました。
これがリデザインのモトになってる鴻山の画像妖怪。
もちろん名前も何もないので一生懸命考案するわけですが
『論衡』のなかに出て来る倉卒喪乱の世についての描写の箇所に出て来る
「在水為魚鼈之食 在土為螻蟻之糧」という九相図な荒れ野の雰囲気ただよう字句から
文字をもらって「糧螻蟻」(りょうろうぎ)として、それを
「ちょろぎ」みたいにつづめて「りょろぎ」としました。
(なんかあたらしい呼び名考えたりするときはこんな雰囲気でも決めてます)
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本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
とざい、とーーーーーーーざーーいぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーー。
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氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
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絵草紙&錦絵研究人
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