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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
夫と慕霊とずんだ餅。「いく」さんです。

いく

新助という男と仲睦まじく暮らしてた妻で、
若くして胸の病で亡くなる際に言い残した
「決して後妻はとらないで下さい」とう念が、
この世に残ったと言います。



1年後に後妻をとった新助が仏壇を拝むと、
銭が1枚飛び出して来て、ひたいにぴったり貼りついて、
どうしても取れなくなってしまいました。



後妻にも何か起こらないかと気になった新助が、
何とか妻の霊のこころを落ち着けようと、
ずんだ餅(いくの大好物)をつくってあげたところ、
銭はひたいから落ちたソウナ。




山田野理夫『東北怪談の旅』の「ズンタ餅」(ズンダ餅)に出て来るもの。
福島県相馬の新地村のはなしだと舞台設定されてます。



飛んで来て新助に貼りついた銭は、六文銭の1枚だと描写されており、
いくがあの世に行くために持たされてた1枚を投げたものだとわかります。




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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
とにかくおいしい。「いしかじり」さんです。

いしかじり 石齧り

ころころとした石が化けてる妖怪で、
旅人のすがたに化けて人前にあらわれては、
茶店などで荷物をとき、石ころをおにぎりのようにガリガリと食べて、
ふしぎがらせたりするトカ。


山田野理夫『おばけ文庫 べとべとさん』の「石かじり」に出て来るもので、
埼玉県の妖怪だとされ、津軽の宮田久米造という武士が、
妻の実家に行った帰り道に出会ったというはなしが描かれてます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
目でみつけます。「さごいち」さんです。

さごいち 三五市

漢字で書くと三五市で、死後、手のひらに目玉のついてる
てのめ」(手の目)のすがたになってしまった目の見えない男。



とある場所の野原で三五市は殺されたのですが、
その後、手のひらに出来た目玉でさぐりさぐり歩き回り、
遂には逃げ去ってた相手を見つけ出して、
うらみを晴らしたんだソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 べとべとさん』の「手の目」で書かれてる
手の目妖怪のはなしのひとつ。



石燕の絵などを通じて紹介された「手の目」をしたじきに描かれたもの。
「市」の字があるので意図としては座頭さんとも考えられるのですが、
挿絵では髷のついたすがたで描かれてるので、
座頭さんなのか目の悪いひとだったのかの判断はつきづらくなってます。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ちんちん鉦を鳴らしつつ。「ひつぎぶね」さんです。

ひつぎぶね 棺船

風も何もない真夜中の海の上を、
鉦(かね)を鳴らしながら棺(ひつぎ)を船のように浮かべて
進んで行くという死者たち。


「遠い海の極楽」へと向かうために進んで行くのだソウナ。


山田野理夫『おばけ文庫 よいさ よいさ』の「棺船」にあるもので、
文平という漁師が冬の夜に見たというはなしが描かれてます。
野理夫自身が新潟県の柏崎で聞き取りした話として書かれてます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
はばたくはばたく。「あかえい」さんです。

あかえい 赤荷魚

普段は海の中にいるはずの大きなあかえいが、
月のきれいに出た夜になると、ばたばたと音をたてて
空の上を飛んでることがあるんだトカ。



山田野理夫『おばけ文庫 よいさ よいさ』の「アカエイ」で書かれてるもの。
竹原春泉斎が描いてる、島などと間違えられるような「あかえい」を下敷きにしていますが、
あとがきによれば月夜に飛ぶというはなしについては、
野理夫自身が取材先(どこであるかは示してない)で聞き取ったもの
だということが記載されています。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
からんからんからん中身はあるよ。「やかんざか」さんです。

やかんざか 薬缶坂

からんからんと音をたてながら
薬缶(やかん)が転がって来るというふしぎな坂道のこと。



中身が空っぽのような音をたてて
転がって来る薬缶ですが、中身として
とても良いお酒が入ってたりもするソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 べとべとさん』の「やかんざか」にあるもので、
仙台の中目慶之進(なかめけいのしん)という武士が
これを持って帰って中身を飲んだが、いつの間にか消えてしまい、
以後は坂道でも出遭うことが出来なかったというはなしになってます。



やかんつる」(薬缶吊)と同じように、薬缶な妖怪の
中身を飲んだという展開は野理夫作品に共通して出て来るパターン。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
空をゴールデンスケルトン。「おうごんのほね」さんです。

おうごんのほね 黄金の骨

ぴかぴかに輝く黄金の骸骨たち。


金山のなかで埋ずめられて亡くなってしまった人間の骨が、
年月を経るとこれになることがあるようで、
かちかちと音を鳴らしながら歩いて出て来たりもします。



山田野理夫『日本妖怪集』の「岩手の金山」に登場するもの。
雲の上をこの黄金の骨たちの群れが飛んで歩いていったなどの内容も描かれてます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
だれもいないように思う。「ぬえ」さんです。

ぬえ


人間の近くにいるような気配をもって存在してるが、
一見したところ何も存在してない、
といった雰囲気を生み出す妖怪。



本人ではなく、他人の目からは
この「ぬえ」が近くにまぎれこんでることが
察知出来ることもあるようです。



山田野理夫「おばけ文庫 いったい なんびき」の「ヌエ」で書かれてるもの。
化鳥としての「ぬえ」(鵺)とは別箇な妖怪のように描写されており、
中部地方で多くきくことが出来ると設定されてます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
蝦蟇にしておしまい。「がま」さんです。

がま 蝦蟇

美しい娘などに化けて人間に近づく化け蝦蟇(がま)で、
息を吹きかけられた人間は蝦蟇になってしまい、
やがて命を失うんだトカ。


山田野理夫『おばけ文庫 いったい なんびき』の「ガマ」のなかの
松田小源太のはなしに出て来るもの。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
水よごしちゃう。「あまのじゃく」さんです。

あまのじゃく 天邪鬼


本来は清冽なはずの山の湧き水を
にごらせてた悪鬼。


原因を突き止めた弘法大師によって退治され、
山に封じ込められたソウナ。




山田野理夫『アルプスの民話』の「清水」というはなしに出て来る
あまのじゃく」で、越中立山の弥陀が原(弥陀ヶ原)の伝説として描かれてます。
展開としては、よくある開山に関する僧侶とのやりとり。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
草にいるもの。「のづち」さんです。

のづち 野槌

両脇にあたまがあって、手足がないのに、
草の上を歩いてくるふしぎなものだといいます。



山田野理夫『アルプスの民話』の
「たのしい爺さま」に出て来る存在の一ッ。
「やぶのの」というおじいさんが、これを
草むらの中で見つけたゾ――と、みんなをからかう笑い話になってます。



昔話を題材にしており、ほぼ同じ内容の話が、
先行する『白峰村史』下や、清酒時男『加賀・能登の民話』にも見られます。
その点、鳥山石燕の野槌を意識して書いてる「のづち」とは、完全に別物。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
お姫さまを奪ってしまいました。「なるとのりゅうじん」さんです。

なるとのりゅうじん 鳴門の竜神



7月は、山田野理夫のお誕生日が来る月だといいうことで
2022年(100周年)2023年(101周年)に引き続いて
今年も102周年記念として、山田野理夫が作品や解説に出してるかたがたを
アップしてゆく特集にておとどけいたします。


山田の歴史を語る会」のページにも
102周年のバナーなどを設置しました。



そんな2024年のNORIO特集の、いちばんはじめにアップするのは
阿波の国の鳴門の海にいる海の神。



むかし、土佐の国に流されてしまった尊良(たかなが)親王のあとを追い、
舟に乗って出発したお姫さまがいたのですが、
その美しさに惹かれたこの竜神は、大きな渦を起こして舟を巻き込み、
お姫さまを奪ってしまいましたソウナ。






山田野理夫『海と湖の民話』の「小袖貝」のはなしに書かれてる存在。



『太平記』(巻18)にある尊良親王・秦武文・松浦五郎らの登場するはなしを
下敷きにしたもの。お姫さまは『太平記』でいうところの御息所さま。
各地域の伝説としても、実際このように簡略化されたり、
語り替えられたりした設定のものは語られる上で存在してたと見られます。














プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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