▼本日の妖怪（6294）かいかくたん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
あがるはよし。「かいかくたん」さんです。



口の海角（かいかく）が端正なる人にやどるもの。
福禄をもたらします。



海角というのは口角の部分のこと。

『国宝大雑書』の人相分解などでは

「口の角を海角（かいかく）といふ　上るはよし
　下るは禄（ろく）を失ふ 或は実情（じつじょう）なく人に憎まるる也」

「海角（かいかく）端正（たんせい）なるは信義貞明の人なり」
――などともあります。

▼本日の妖怪（6293）つばくろや

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
蜂ガード。「つばくろや」さんです。

蜂（はち）の巣をどかしたりするときなどに唱えるおまじないで、
「つばくろや ときわの国から ここへ来て お家とみかけて 巣をかけるかな」
というもの。これを唱えると刺されることは無いと言われてたソウナ。

甲斐の国などにつたわる俗信。
「つばくろ」というのは燕（つばめ）のことで、
「ときわのくに」もそこから燕が飛んで来ると言われてる地のなまえ。

▼本日の妖怪（6292）さんがんせいちょ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
三眼ピッグ。「さんがんせいちょ」さんです。

ときどき生まれてきたりするという
顏がふたつならんで目が三つあるようなぶた。

「じんめんちょ」（人面猪）などと同様のもの。

▼本日の妖怪（6291）ねつしゃく

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
熱邪の積なり。「ねつしゃく」さんです。



漢字で書くと「熱積」で

熱邪がこりつもって生じるという体内のよくないもの。
めまいや腹痛あるいは吐瀉（としゃ）などを
引き起こす一因だとも言われます。

「温」に属する食物を多食しつづけたりしても、
これが発生するとされ良くないとされたりします。

▼本日の妖怪（6290）さいほうそのひづけ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
極楽浄土も即日便。「さいほうそのひづけ」さんです。

その日のうちに十万億土をとびすすんで、
ほとけさまを西方極楽浄土に配達できてしまう存在。

ちかい未来になったらそのうち出て来るんじゃないのか、
という非現実事業天。「その日着け」は「即日配達」の意味。

明治30年代ごろの戯文表現にみられるもので、
物流の発達と寺院の商業経営などをまぜてくすぐったりしてたもの。

▼本日の妖怪（6289）うめずいき

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
植物性夜泣きばらい。「うめずいき」さんです。

梅（うめ）の木から生えたばかりの新芽の若いえだのことで、
子供の夜泣きがひどいときに、これを部屋の四隅で
ひゅうひゅう鳴らしながら振ってまわったり、
まくらもとにさげておいたりすると、
夜泣きの原因をつくってる狐（きつね）たちを追い払えるんだソウナ。

伊豆の国などでいわれてるもの。
また、重い風邪（かぜ）をひいたときに、おいなりさまを借り受けて来て
きつねをこれで叩くような真似をすると良い、といった俗信も遠江の国などにあり、
梅の若い枝と狐の関係はいくつかあるようです。

▼本日の妖怪（6288）じごくのたきぎ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
もえやすい燃料。「じごくのたきぎ」さんです。



煩悩や妄語、悪徳などを表現したりすることば。
自身の行為によってこれが増えるにしたがって、地獄に堕ちたのちに
受ける火力が変わってくるという向きのたとえ。

▼本日の妖怪（6287）きんこぶ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
あずきがごはん。「きんこぶ」さんです。

「びしゃもんてん」が持ってるというふしぎないきもので、
1日に小豆（あずき）を1合たべさせると、翌日に
純金をひとつぶおしりからだしてくれます。

1合きっかりであることが大事だそうで、「多くあげれば多くでるのでは」
と、それ以上あげてしまうとおなかをこわして純金を出せなくなってしまいます。

金を生んでくれる生き物のなかま。
但馬の国などにつたわる昔話にでてくるもの。

▼本日の妖怪（6286）しんちゅうりん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
もじゃもじゃを伐るべし。「しんちゅうりん」さんです。



漢字で書くと「心稠林」で

ひとの心のなかにわさわさもじゃもじゃとはびこり生える
煩悩（ぼんのう）や迷いの木々のこと。

「しんくじょく」（心垢濁）などと共に、心から去るべき
よごれたものとされてるもの。

▼本日の妖怪（6285）しんくじょく

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
こころのよごれ。「しんくじょく」さんです。



漢字で書くと「心垢濁」で
ひとの心についてまわるという、けがれたもの。
瞋（しん）貪（どん）痴（ち）の
垢（あか）であるとも言い、これがあることで執着などの悪念が起こるとも。

▼本日の妖怪（6284）よなきがい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
治してくれたら海へとかえそ。「よなきがい」さんです。

海で採れる「ながにし」のこと。

夜泣きがひどい子供がいたら、これを採って来てまくらもとに置いて
「よなきを治さなけりゃ、つぶして捨てよう、よなきを治せば、海へとかえそう」
などの意味のおまじないと唱えたりすると、
夜泣きが止まると言われてました。




治ったらまたもといた場所に返してあげたと見えます。

きせるがいを指して言う九州などでの「よなきがい」（夜泣貝）と
考え方そのものはつながってると思われます。

▼本日の妖怪（6283）あかいかやのほ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ほほほほのあかほほほほほ。「あかいかやのほ」さんです。

先が赤くなってる穂が出てる萱（かや）が生えて来るのは、
その年に悪いはやりやまいが流行すると言われてたソウナ。

越後をはじめとした各地につたわる俗信でいわれてるもの。