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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
やっぱり、針をさされて困りがお。「ハブ」さんです。

ハブ

沖縄の八重山あたりに伝わる匙頭蛇(はぶ)のおばけで、
若い男性の姿に化けては、乙女を誘い出して魂を奪ってしまったりします。


蛇が姿を変じて夜に訪れてくるのは「アカマター」や「ナプタブ」、
各地に伝わる大蛇のはなしなどと通じてます。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
按馬黒、生馬腎間。「ばこく」さんです。

ばこく 馬黒

馬(うま)の腎臓などのなかに生じたりするというふしぎなもの。
雨を祈るときに用いるといいなどとも言われます。
「そとう」(鮓答)や「へいさらばさら」などの仲間で、
「しゃたん」(赭丹)とも呼ばれます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
がぶーーっ。「しじつこうそ」さんです。

しじつこうそ 觜日咬鼠

漢字で書くと「觜日咬鼠」
こよみの上で觜(し)宿にあたる日に、まじないなどに使う毒虫を
調達したり世話したりするのはよくないとされてて、
それをしたりすると鼠(ねずみ)がやって来て、毒虫をかじって食べちゃって
台無しにしたりするんだソウナ。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
仏菩薩はこれをぬり。「ぶっちやく」さんです。

ぶっちやく 仏智薬

ほとけさまたちの持ってる薬で、これを体にぬると
鎧のような効果があるようです。



仏智薬は『仏鬼軍』に登場するもので、
鬼たちとの合戦にいどむ菩薩たちが
よろいかぶとのかわりにこれをつけてたりします。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
赤気城の上にあり。「こうさんのき」さんです。

こうさんのき 降参気

軍陣に関する雲気のひとつで、
城の上に赤気(しゃくき)その周囲を四方からめぐるように
黄色にみえるのは城主がうちじにする兆しである、と
占われてたといいます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
里になみよる秋の田は。「としながひこ」さんです。

としながひこ 年長彦

田んぼの穀物をまもってるというかみさま。



源俊兼「かぞふれば数もしられず君が代は長田につくる長彦の稲」
大江匡房「くらかきの里になみよる秋の田は年長彦の稲にぞ有ける」など、
「としながひこのいね」(年長彦稲)「ながひこのいね」(長彦稲)などの語で、
和歌に詠まれているもの。
清水浜臣『答問雑稿』には、「七彦の粥」というのはこの音の転じたもの、
また「としながひこ」をちぢめて「ながひこ」とも称している和歌もあるとあります。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ぶらぶらりん。「ぶらてんぐ」さんです。

ぶらてんぐ 懸天狗

鼻が自在に曲がるらしい「てんぐ」(天狗)たちで、
枝や棒などに鼻をひっかけてぶらりと下がったり出来ます。



天狗を素材とした戯画などに見られるもの。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
毛がローング。「けながみょうじん」さんです。

けながみょうじん 毛長明神

毛長明神と呼ばれる神社にまつられてたという御神体。
箱におさめられた長い毛髪だったそうですが、
ある別当が「こんな不浄なものはあるまじきこと」
として流して捨ててしまったソウナ。


明けましておめでとうございます。
ほんじつより「和漢百魅缶」への今年のアップも、はじまりまして、
まずは舞い初め、恒例の初春連続アップ興行、あいつとめさせていただきまする。



とざい、とーーーざーーーいーーーーーーーーーーーーーーーーーー。


じょくとくそ(褥特鼠)
ねずみどしですから、やはりねずみに関するものは無いとイケマセン、と
言われましたので毒消しの効果のある西のほうのねずみさんを
漢字のなかからこんにちわ。
――おしっこのにおいが解毒の効力あり、とのはなしですが
やっぱりクサイんですかね……?

うろことり
カブトガニ=河童 という茶説(?)で、河童懲罰士の間でもおなじみの
佐々木照山の西域についての解説のなかに出て来る
神農の御代からアジアの人々はこの技術を用いてたのぢゃ、といったもの。
(ホントかどうかのあたりは、カブトガニ=河童とおなじぐらいと見てヨロシイ)
うろことり=エレキテル。ばちばち。

にないごおり(負荷氷)
八寒地獄についてはいろいろと記述についてが乏し気味なので
けっこう見つけ次第おいもとめてるわけですがコチラはそんな寒いほうの地獄の
責め苦表現のひとつから。
「紅蓮の谷」ってのは、やはり八寒地獄の深いところかナ。

てんじくてんのたけ(天竺天の竹)
天竺=天の世界・たかまがはら、という認識の語句使用範囲のうちのひとつ。
ニョキニョキ。

かいえんじゅんよく(海燕巡弋)
『妖界東西新聞』に登場させた武器妖怪からまたひとつ。
うみつばめ!!

せいとうろぎ(青頭鱸妓)
竜宮にいる水族たちにつけられてる語から。
『西遊記』の韻文な部分に登場してます。

げんすい(げん水)
『妖界東西新聞』に登場させた懐石のお菓子献立見立て戯文の今様もの。
題材を松井源水でやったわけですが、そのぶん、おそらく同じ発想のは明治~大正にありそう。

じゃこうのへそ(麝香臍)
人間のあいだでも珍重されてるものなので
イザ、ふしぎなものかと問われるとそうでもないわけですが
鬼ヶ島でも宝物あつかい(鬼物を祓うものなのに)という点がおもしろかったので
こういうおめでたい数の多い機会に足しました次第。


北地での狐たちの呼び名のひとつ。
音は単純ですが、漢字で書くのは画数が多いでスネ。


あしげのぞうやく(葦毛の草駅)
『伊勢物語』の古註にでてくる説話や設定解説のなかにでてくる
かなりぶっとんでる和歌解説に登場する、「かいこのはじまり」なおはなしから。
盤古大王の姫宮が替わってしまった、この「ぞうやく」っていったい
なんなんだろ? と、はじめに読んだときは思ってましたが(ひらがなだった)
辞書をひいたら、めす馬のことだと意外に早く知れたのでスッとわかったものの
蚕そのものにはなってないんですね。むむむ。

うんちゅうだそ(雲中蛇鼠)
ひきつづいてのねずみもの。「蛇と鼠が争う」という出来事は
ほかのいろんな場面やパターンがあって、うらないにはかなり多くあるみたい。

こくらおりきかい(国乱起危械)
2019年千穐楽は「でんしんき」(諂信器)、
2020年初春は国乱起危械――と、開化紀の文明怪化メカを対幅できたヨ。



ワタシガ コクラオリキカイ ダ。



文明怪化・文瞑怪化って戯文フレーズは明治10年から存在するので
だいたい単語誕生と時おなじうして息吹きを得ちょる。



さて、これにて以上つつがなく
本年の初春連続アップ興行も無事うちそろいまして完成。

また、みょうにちよりいつものごとくアップして参りますにつき
いずれもさまにおかれましては今年もよろしくおひきたての程、
おんねがい、あげたてまつりまする。




とざい、とーーーーーーーーーざーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーー。









明けましておめでとうございます。
本年の試筆をおとどけ致しまして新春のごあいさつ、
今年いちねん相変わらずのご愛顧のほど
いずれもさまにおかれましても、おん願い上げたてまつります。






2020年本年の試筆『城市山海吹春風』

■はやさすらひめ(速佐須良比咩)
――『たわらがた』実験号(2019.12)の「太古神代いろいろ大図鑑」に出したヨ!
うめこな(梅粉)
だっちょ


2019年の描き納めは、羽後の国のつよい化け狐、
あぐりこちゃん(あぐりこ狐)を描きました。

鶏肉が好物! 
――ということですから、フライドチキンと
うやうやし(絵巻物の絵が遠目にみるとからあげの山に近い、という吾々の戯作設定)を
添えましてこんなカンジに。





それでは、明年もまたよろしくお願い申し上げます。


■あぐりこぎつね(あぐりこ狐)
■うやうやし(有夜宇屋志
■だっちょ


とざい、とーーーざいーーーーーーーーー。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、2019年の舞いおさめ
いつもの千穐楽連続アップでございます。それではそれでは、

ちくすい(竹彗)
千穐楽のまずはじめは、空にやってくる彗星に関する
ふるい占いの中からのもの。馬王堆から出て来た帛書のひとつである『彗星図』の
なかからおもしろいなとおもったカタチを採りあげてみました。キラッキラッ。

でんしんき(諂信器)
12月のさいごのあたりは服部誠一せんせい関係の戯文などから
明治10年代ころまでの文章上な(絵などは伴うことの少ない)画像妖怪たちを
いろいろとりあげてみましたが、こちらはメカニカルな要素も入ってるもの。
鯰公たちのお髭をなでて塵をはらい実験をつづけた結果……など
メカ類の常套句なども採り入れらてるのが新機軸! と、とれるかも知れませんが
実際の雰囲気としては、薬の製法などを題材にした戯文形式と重なってて
そんなに飛躍はないみたい。

ねってつきょ(熱鉄鋸)
地獄シリーズ。獄卒たちの使ってるノコギリくん。

まらりあまえ(まらりあ前)
『妖界東西新聞』で今年でてきた画像妖怪からのご登場。
マラウイ、ガーナ、ケニアの三ヵ国が題材だったので
玉藻前の文字狸(もじり)かえでデッチアゲたものですが、
しっぽに蚊を生やしたあたりは、うまいこと出来たかナ…と自負しておりやス。

しろきい(白猪)
いのしし年ですので、やまとたけるのみことのはなしの伊吹山からご招待。

まんか
『始皇帝』という曲の内容由来に関する古註のなかに出て来る極悪おフィッシュ。
今年は、波をのみこむ「どんは」(呑波)というのを描いたりもしましたが
こちらは波をたてるほう。陰陽あい揃いまして世界も均衡、均衡。

えんおうら(鴛鴦螺)
『広倭本草』に載ってる情報のなかから。たこぶねにまつわる祝融よけの俗信から。
同書に載ってるものにはときどき出処や由来がヨクワカンナイのが混ざってるのですが
そういうのもあるゾ、という例として。

ほしセットおねえちゃん (星セットお姉ちゃん)
今年、エレキをかけられて始動したぷらんとさんの発狂倶楽部くんロボが発した
ロボット生成文を読んで構築されたものがいろいろさまざまあったりしたのですが
こちらはそんな中のひとつ。

たいふうぐさ(台風莽)
『妖界東西新聞』に登場した今年の画像妖怪、その2。
もうれつな被害をぶちおいていってくれた台風19号のあと、
突撃レーザーせんせいが撮影してた川べりに多量漂着した
ぐちゃぐしゃの草たちをモトにしたもの。
『妖界東西新聞』に台風のときに描く面々というのは大体固定気味なのですが
今年からは、これで1体、ふえたということになります。

じゃま(邪魔)
日本での悪魔・魔物・魔王に関するあたりは、ここしばらくずっと資料を眺めてる分野。
こちらは祭文の類のなかで悪い魔物たちを示す語が列挙される中に出て来るサンプルとして搭載。

しょうぜんあくめいきょう (照善悪明鏡)
ひとを善人にしてしまうともいうふしぎな鏡のはなし。
これは『広倭本草』の古鏡の項目に収録されてたので「おもしろいナ」と採用。
善人にするけど、鏡のある仙窟から30日後に無事出て来たひとは、きわめて、まれ。
――と、いうところが良すぎデス。

ごううん(鰲雲)
星の動きを示す地球儀の宇宙版みたいなどうぐ「渾天儀」(こんてんぎ)の
台座などに彫り込まれてたりするもので、おおがめが描かれるのは
女媧が天地を補修工事するときに使ったりしたことが故事としてとられてるのかナ、やっぱり。





たけぐいはまじし (竹杭浜獅子)
2019年の千穐楽の押戻キャラクターはこちら。ドシンドシン。
これで今年も和漢百魅缶のアップはつつがなく舞いおさめましてございます。


明年も、いつものごとく1月4日より、また日々アップしてゆきたいと思っておりますにつき
いずれもさまにおかれましては、よろしくご期待のほど、こいねがい申し上げたてまつりまする。






とざい、とーーーーーーーーーーざーーーーーいーーーーーーー。

















プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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