▼本日の妖怪（5068）よくじょう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
いつもドンチャン。「よくじょう」さんです。



漢字で書くと「欲城」。

お腹のなかでいつもいくさをドンチャンしてるというもの。

万亭応賀『仁義礼智信』からのリデザインで
応賀シショーの狂歌にいわく「泰平の御代に住ても欲城の腹の中ではいつもドンチャン」




人心の欲城◆万亭応賀『仁義礼智信』

▼本日の妖怪（5067）じゅうがくのざくろ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぱちんドカン。「じゅうがつのざくろ」さんです。

柘榴（ざくろ）の実の化けたもので、
「いくさ」（戦草）たちのなかでの自爆要員。
いつでもすぐに、はぜちゃいます。

日清戦争のころの戯文などに見られるもので、もともとは
ざくろの実がはじけることを使っての単純な謎かけ。

▼本日の妖怪（5066）おつゆあさひ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
きらっきらっ原。「おつゆあさひ」さんです。

北の戦地荒野の原っぱのなかに
いっしょになって寝て暮らしてるという、光るつがい。

日露戦争中に唄われた都々逸
「えんでこそあれ 満州の野原 つゆとあさひが 合い住まい」がモトになってるもの。
つゆは「ロシア帝国軍」あさひは「大日本帝国軍」
――どちらも原っぱの朝の情景のつきもの。

▼本日の妖怪（5065）すいらいちょう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぴこぴこ菜種の海に狂う蝶。「すいらいちょう」さんです。

水雷艇（すいらいてい）なちょうちょ。
北の海を狂わせて飛びます。 

 日露戦争時のカートゥーンに見られるもので、
踊りの『保名』に出て来る「菜種の畑に狂う蝶。翼かわしてうらやまし」のちょうちょに
水雷艇を見立てたもの。安倍保名（あべのやすな）にあたるのはバルチック艦隊。

▼本日の妖怪（5064）おだららぢょうじん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
評定ながながし。「おだわらぢょうじん」さんです。

ふにゃふにゃちぢんだりする小田原提灯みたいなもので、
何やらながながとしゃべったりしていますが、
何も起こしたりはしません。

明治の戯文などに見られるもので、「小田原評定」という言葉から、
「小田原提灯」の形状を描くことでそれをかおらせているデザイン。
そのまま「提灯」ともあるいは「冗臣」とも。

北沢楽天は元老会議を描いた明治34年の漫画に、
伊藤博文・井上馨・山県有朋などをこの形状で描いたりもしてます。

▼本日の妖怪（5063）かんぴょうふ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
かんぴょういたします。「かんぴょうふ」さんです。

従軍看病婦な、かんぴょう。
こころの色は煮た醤油（したじ）。 

 明治時代の戯文や謎々などにあるもので、
「看病婦」（看護婦のこと）の音を「かんぴょう」とぬえ合成させたもの。
日清戦争頃の戯文に従軍看護婦の詠込みなどで出て来ます。 

▼本日の妖怪（5062）ふかいか

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
開化との対立世界観。「ふかいか」さんです。

武具や言語の文明がひらけておらぬ
鱶（ふか）と烏賊（いか）のまじったような水族。

明治時代の戯文や謎々などにあるもので、
「不開化」の音をそのままデザイン化させたもの。

▼本日の妖怪（5061）かねづく

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
軍資金・賠償金どしどしこい。「かねづく」さんです。

財力をぶるんぶるん振るってとぶ、化けみみずく。

日露戦争ころの戯文などに見られるもの。
「うでづく」（腕木菟）が一対として描かれてたりもします。

▼本日の妖怪（5060）うでづく

さあ新緑の5月であります。ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
腕力ソルジャー。「うでづく」さんです。

腕力をぶるんぶるん振るってとぶ、化けみみずく。

日露戦争ころの戯文などに見られるもの。
「かねづく」（金木菟）が一対として描かれてたりもします。

▼本日の妖怪（5059）つちのこ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ぷかぷか犯土ウィーク。「つちのこ」さんです。

犯土（つち）の期間にあたる日に生まれた子には、
土が怒ってその子を短命にしてしまうことがある、と
占いなどでいわれてたりしたもの。



これを回避するためには生まれた子に
金や金属に関係ある名前をつけてあげるといいとされてました。

犯土は、暦の上でいわれてるもので
大犯土（おおつち）と小犯土（こつち）がそれぞれ七日間やってきます。

▼本日の妖怪（5058）かえるのおんな

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
歌詠み蛙ちゃん。「かえるのおんな」さんです。

蛙が女のすがたに化けて現われたというもの。

むかし、紀良貞（きのよしさだ）が住吉の浦に行ったときに
知らない女と出逢い、別れぎわに
また来年のきょうにここで会いましょうと約束。



その次の年に同じ場所に行ったものの、
その女はいつまでたっても来ない。
ふと見ると足もとで蛙がぴょこぴょこ砂の上を跳んでた。

しかし、じっくり見ていると、
その蛙の跳んだあとが文字になっており
「すみよしの うらのみるめも わすれねば かりにもひとに またとはれぬる」
という和歌を詠んでたので、
この蛙が化けたものだったのか、と知ったんだソウナ。

▼本日の妖怪（5057）えんしょうぼく

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
塩ツリー。「えんしょうぼく」さんです。



漢字で書くと「塩生木」
女直（女真）国に生えてると考えられてた木で、
枝の上に塩が生じるというふしぎな木。