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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
NORINAGAのやつ。「からぶみごころ」さんです。

からぶみごころ

異国や他者の言説に染まって、まっすぐにものをみて
判断することの出来ないこころのこと。



本居宣長などが用いてたもので、
「からぶみ」は「漢書」で外来の経書典籍の意味。
『道云事之論』では「穢伎訶羅書心乎洗清米」(きたなきからぶみごころをあらいきよめ)
などの表現がうかがえます。



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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ひとさしゆび。「ばけもんにくわれる」さんです。

ばけもんにくわれる 化物に食われる

祇園さまの季節(6月)に、
つばね(鳳仙花)をつかって指先を染めるときは、
ひとさし指ダケは染めずにおくそうで、
ひとさし指まで染めてしまうと「化物に食われる」と言われてて、
よくないとされてたそうです。



肥前の国の上五島などで語られてたもの。



夏に植物の汁をつけて指先を染める習俗は各地にみられ、
別の指にこの内容を付与してる地域もみられます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
良いおやさいも悪く見せよう。「ヤンカーチクイ」さんです。

ヤンカーチクイ

良質のみのりの農作物を罵倒した呼びかた。


魔物たちは人間たちが「立派に出来たなぁ」と褒めてるものを
欲しがって邪魔をしてくるので、わざわいがつかないように、
わざと「いやな作物だな」と文句を発しながら、
畑の農作物を見たり採ったりしたソウナ。




与論島などに伝わるもので、
「ヤンカー」は「いやな」、「チクイ」は「農作物」の意味。


奄美などでの「グワンタレクィ」(やくたたず木)は
樹木に用いられてた似たような考え方。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
良い木は悪く見せかけよう。「グワンタレクィ」さんです。

グワンタレクィ

大きくて利用しがいのある良質の樹木を獲得しようとしたときに用いられる、
樹木を罵倒した呼びかた。



ケンムン」たちは人間たちが褒めて欲しがると、
その樹木を惜しんで邪魔をしてくるので、
わざわいがつかないように、わざと「ぜんぜん良い木じゃないな」
と文句を発しながら、良質な樹木を採って来たソウナ。



奄美などに伝わるもので、
「ぐわんたれ」は「やくたたず、ろくでなし」といった意味。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
対かんのむし器。「むしきりのすず」さんです。

むしきりのすず 虫切鈴

五つの土鈴を糸紐でつないだかたちをしてる鈴。
これを子供の身に普段つけさせておき、
自然に糸紐が切れたり土鈴が欠けたりすると同時に
体から「かんのむし」が去って、すこやかに成長すると言われてます。



甲斐の国の金櫻神社で授与されてる土鈴で、
小さいころの武田信繁(たけだのぶしげ)の癇の虫(疳の虫)をおさえたことに由来する
と説明されてます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
こまごまもちもち。「やくなげのもち」さんです。

やくなげのもち 厄投げの餅

厄や魔物を祓うために、供えられる小さく切ったお餅。
小正月の時季に、お米や銭といっしょに
十字路になってる辻などに撒いたり供えたりされます。



2・5歳の男の子、3・7・9歳の女の子におこなって、
厄がつかないようにしたといいます。





「厄投げ」という呼びかたは、陸前の国の気仙郡などで見られるもの。
厄災を祓うために、厄歳のひとが小さくたくさん切ったお餅を、
お供えをしたり、より多くのひとに配ったりすることは、広い範囲にある習俗。






『大佐用』vol.284の「大佐へ報告」のコーナーで紹介した
加賀の国の「厄のがれ」のお餅(『根上町史』)も、氏神さまにお供えしたあとは
こまかく小さく切って、より多くの近所のひとにあげるものだとされてるようです。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
悪鼠ばらい。「かいこすず」さんです。

かいこすず 蚕鈴

蚕室で鳴らすと悪さをする鼠(ねずみ)たちを祓い去る
という土鈴で、蚕(かいこ)のすこやかな成長をうながしてくれるといいます。



岐阜の美江寺で3月におこなわれる
「お蚕祭り」のときに売られて来たおまもりの土鈴。
かたちは釜・宝珠・米俵・松・腰提げなど色々なものがあります。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
2月は子(ね)の方角。「かんち」さんです。

かんち 咸池

凶神の星として考えられてた星で、
これがある方角に向かうとよくないことを招いたり、
崩壊や破滅につながったりすると説かれてました。



水衡(水をつかさどる)星で、これを北斗星と逆まわりに動く凶星
としてあててる説は、『淮南子』などにあるもの。

ひとつきごとに卯・子・酉・午の方角にまわって1周するので、
おおよそ正月から12月にかけて
卯・子・酉・午・卯・子・酉・午・卯・子・酉・午――とめぐります。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
水こんこん。「ソージマブリャー」さんです。

ソージマブリャー

「清水(湧き水)をまもる者」のことで、
奄美諸島などでは「いもり」などをこのように呼んでたといいます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
天狗さんの技。「てんごうがすなまく」です。

てんごうがすなまく 天狗が砂撒く

武蔵の国の多摩郡の河内などでいわれてたもの。
頭上からぱらぱらと砂が降って来るような音や感覚がすることで、
「てんごう」(天狗のこと)が砂を撒いてると表現されてました。



「てんごう」は「てんぐ」の訛音で、各地に見られます。


藤(ふじ)の木がたくさんあったあたりで起きたそうで、
天狗がやってるという言動と共に「実際は藤の実が上から落ちて来てるのダ」
などの観察も同時に存在してたそうです。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
初午なのでおきつね。「さかやのきつね」さんです。

さかやのきつね 酒屋の狐

ひとの真似っこをする狐(きつね)のこと。




子供の輪のなかで誰かが
他人の真似っこをしたり、したがったりしたときに発せられてた
「ひとまねこまね、酒屋の狐、粕くれて追い出せ」
「ひとまねこまね、酒屋の狐、穴ほって落とせ」
「ひとまねこまね、酒屋の狐、わら三把もってこい、けつ真っ赤に焼いてやる」
などなどのことばに見られるもの。



これら酒屋の狐ということばを含む文句は、
各地にいろいろにかたちを持たされて広く分布してたようです。


粕(かす)は酒粕(さけかす)のこと、
「酒の粕くれて、追い出せ追い出せ」と囃されてる地域も多くあります。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
互にかわるべつのもの。「たいしゃせんち」です。

たいしゃせんち 代謝舛馳

あるものが別のあるものに代わってしまって、
互いにまったく別の存在になってしまうこと。



『淮南子』俶真訓にあることばで
「二者代謝舛馳 各栄其成形」や「志与心変 神与形化」とあり、
別の存在になったものは
形(かたち)の変わってしまったと同時に、
神(こころ)も別のものになってしまうといいます。





舛馳(せんち)は多様にいりみだれあう・ちがうものが互いにある
という意味合いで、舛駁(せんばく)ということばで『荘子』に用いられてもいます。




プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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