▼本日の妖怪（4989）わりいし

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
岩石のなかに魔魅、いっぱい。「わりいし」さんです。

岩代の国の河東村につたわるもので、
むかし魔魅（まみ）が宿っていた大きな岩石が日本の各地にあり、
それを玄翁（げんのう）という僧侶が藜（あかざ）のつえをつかって壊して廻ってた、
というもの。村にある「割石」と呼ばれる石はその一ッで、
割られて魔魅が退治されたあとなのだソウナ。

玄翁は、玉藻前・殺生石を退治するおはなしに登場してるもので、
玄翁を岩石の破壊者として設定している点は、そのあたりの影響下にある伝説なのだろう
とも考えられます。どのような魔魅かは言及資料をまだ見ませんので未詳。

▼本日の妖怪（4988）こばんただのぶ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
純金ではない場合があります。「こばんただのぶ」さんです。

小判の武将。貨幣のなかで強いのダ。

「碁盤忠信」（佐藤忠信の呼び名の一ッ。お芝居などで有名だった）
と「小判」の文字狸でデザインされたもの。

▼本日の妖怪（4987）あめこんごう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
あめこんこ、雨金剛。「あめこんごう」さんです。

「雨金剛、雨金剛」と呼びかけて雨を祈願すると
必ず降らせてくれるというふしぎな美石。

雪も呼ぶことが出来て、その際は「ゆきこんごう」（雪金剛）という呼び方も。

「へいさらだばさらだ」という名だとも言い、
「鮓答」の類だと考えられてます。
「ばさら」というのは梵語で「金剛石」のことだ、との解釈がとられてたようです。
また「ゆきやこんこ、あられやこんこ」の「こんこ」は
この天水をもたらす「金剛」からなのではないかという俗説もあったようです。

▼本日の妖怪（4986）かげのぶふじ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
加工できない藤蔓。「かげのぶふじ」さんです。

相模の国の景信山あたりに生えてる藤（ふじ）で、
むかし横地景信（よこちかげのぶ）がいくさに敗走してるとき、
ふじづるに足がひっかかって転び、谷に落ちて死んでしまいました。

その後、ここのふじづるは物をしばってもすぐに折れたり、
編んでもすぐに切れたりしてしまうようになってしまったソウナ。

▼本日の妖怪（4985）ばばあ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
山の中の存在。「ばばあ」さんです。

羽後の国につたわるもので、十和田の山の奥などにはこれがいて、
ときどき山仕事の途中で遭遇することがあったといいます。
人間に危害を加えて来るようなことは特になかったといいます。

「ばあさん」（婆さん）などのように
単純に「婆」という言葉が呼び名に宛てられているもの。

▼本日の妖怪（4984）ひととり

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
荒れ寺に泊まったおかたは、がぶがぶ。「ひととり」さんです。

荒れ寺や古いお堂に出るというもので、
真っ黒くて図体のおおきい妖怪。
人間を大きな腕でつかみとってつれさらい、
食べちゃったりするといいます。

丹波の国あたりなどでは旅の武士がこれを退治たところ、
狸（たぬき）が正体だったりしたといいます。

▼本日の妖怪（4983）こう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ぷーーーーーわーーーー。「こう」さんです。



『女青鬼律』などに鬼名のみえるもので、漢字で書くと

こういった字。（パソコンの項目用には、ごんべんを略した「遘」を使いました）

笙篁に関する鬼神であるという鬼。


笙篁（しょうこう）は笙（しょう）のふえのこと。

▼本日の妖怪（4982）らん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ぽんぽんぽぽぽん。「らん」さんです。




漢字で書くと「乱」で『女青鬼律』などに鬼名のみえるもので、
鼓音に関する鬼神であるという鬼。

▼本日の妖怪（4981）たかさかやのくま

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
猫です。「たかさかやのくま」さんです。

むかし、飛騨の国益田郡の酒屋・高坂屋彦左衛門の家に飼われてた
熊（くま）という呼び名の猫（ねこ）。

何年も過ぎたころ、近所のひとが
「高坂屋さんの猫はときどきお宮の森で歌って踊ってる」
などといった噂が出るようになり、彦左衛門が
まさかと思ってしばらく隠れて監視してみた結果、




二本足で立って家のてぬぐいを持ち出し、
鎮守の森のなかで猫たちに囲まれて踊ってるのを、しかと目撃。

刀でもって切りつけるとたちまち巨大な身の丈の猫になり、
そのまま倒れたといいます。そのときの刀はそのままお宮に奉納され
「ねこきり丸」と呼ばれたそうですが、その後は
高坂屋のあきないは傾いてしまったトカ。

▼本日の妖怪（4980）よきできるよな

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ぎっちょんちょん、ぎっちょんちょん。「よきできるよな」さんです。

つるつるのはげあたまに
いきなり生えて来たりするというすごい毛。

「おらがおじじの禿げたる頭 斧（よき）で伐るよな毛が生えた」
「うちのおやじの禿げたる頭 斧で伐るよな毛が生えた」
などという俗謡の歌の文句に出て来るもの。

▼本日の妖怪（4979）ばったんばったん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
みちの両サイドから「ばったんばったん」さんです。

林の中のみちなどを歩いてると、道の両側の木がばったんばったん、
唐棹（からさお）とかで麦や米をたたくときみたいに動き出して
道を進むことが出来なくなっちゃうというもの。

相模の国の津久井郡などで
「てんぐ」（天狗）たちが起こすいたずらだと言われてます。

▼本日の妖怪（4978）せきこ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ぽんぽんぽん。「せきこ」さんです。



石鼓山のうえにあったという
つづみのよなかたちの石。
ふもとの里に異変が起こりそうだぞという時が迫ってくると、
その石が音をたてて知らせてくれたと語られてます。