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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
かぶる鉄鍋。「ばけつくまなべ」さんです。

ばけつくまなべ 化け筑摩鍋

鍋の化けたもので、
笠を持って踊り跳ねたりします。



3世河竹新七『闇梅百物語』(1900)に出て来るもので
常磐津では「鉄鍋」と唄われたり、
「つくま鍋」などと台本では記載されてます。



持物の笠は、『道成寺』に使われる「振出笠」が応用されたりします。


百鬼夜行を意識したおどりの箇所に出て来ており、
鍋をかぶる「筑摩祭」を意識した呼び名のつけかた。



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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
箱のふた取れ申さずそろ。「ことのざとう」さんです。

ことのざとう 琴座頭

姫路城の「ぬし」があらわした妖怪の一ッで、
琴(こと)を美しくかなでる座頭(ざとう)さんのすがたに変じたもの。




天守閣のひみつをさぐろうとした殿様の近くにあらわれ、
「琴の爪箱(つめばこ)のふたがあかないで困っております」
と話しかけて来ました。殿様が「そんなことか、任せておけ」
と箱に手をかけると、ぴったりと両手が箱に張りついてしまったソウナ。



座頭さんはいつの間にか
巨大な鬼神のすがたの「ぬし」に変わっており、
「われをおそろかにすれば、引き裂き殺すぞ」と告げて消え、
やっと爪箱から手も離れました。





『諸国百物語』(巻5)の姫路城のはなしのなかに出て来るもの。
天守閣の「ぬし」は「おさかべひめ」(長壁姫)のような存在のことのようです。



出て来る殿様は「秀勝」(ひでかつ)という名前のみで登場しており、
誰なのかハッキリしてませんが、
池田輝政(いけだてるまさ)などが想定されてると考えられてます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
室町御殿に「おおにゅうどう」さんです。

おおにゅうどう 大入道

ものすごく背丈のたかい入道坊主すがたの妖怪で、
室町御殿のなかにあらわれたといいます。


『看聞御記』(看聞日記)の嘉吉3年(1443)8月10日の条に記載のある
室町御殿に出たいろいろな妖物たちのうちの一ッとしてあげられてます。
ほかには「ななしゃくばかりのにょうぼう」(七尺計女房)などが現われてます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おやさい流して。「がある」さんです。

がある

薩摩の国の串木野などに分布するかっぱの仲間。


畑の野菜や小麦団子を「があるどん、足を引っぱいやんな」
と唱えながら川に流してあげて、
夏に水の事故のないように願う行事などがあったそうです。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
さげ髪のふたり。「ふたりづれのおんなのかげ」さんです。

ふたりづれのおんなのかげ 二人連の女の影

森美作(もりみまさか)という武士の屋敷に出たという、
屋敷のなかを歩き回る女の影のみの妖怪。



髪をさげたかたちの影で、いくら探させても
本体らしいすがたを確認することは出来なかったトカ。





『諸国百物語』(巻2)に書かれてる森家のはなしにある妖怪の一ッ。
森美作の死期が近いことを示してた様子。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
歩きまわるおかた。「かづききたおんな」さんです。

かづききたおんな 被衣着た女

森美作(もりみまさか)という武士の屋敷の庭に、
ときどき出て来たという、
被衣(かづき)をかぶった女のすがたの妖怪。
あちこちと歩き回ってたといいます。



『諸国百物語』(巻2)に書かれてる森家のはなしにある妖怪の一ッ。
森美作の死期が近いことを示してた様子。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
小さい水っポイおかた。「ちいさきちご」さんです。

ちいさきちご 小さき稚児

森美作(もりみまさか)という武士の屋敷のうらにある
堀(ほり)の水中から、ときどき出て来たという、
ちいさな稚児(ちご)。


『諸国百物語』(巻2)に書かれてる森家のはなしにある妖怪の一ッ。
森美作の死期が近いことを示してた様子。


本文では「屋しきのうらにちいさき堀」とありますが、
目次や見出しには「屋敷の池」とあります。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おおきなおみあし。「やまんばのくつ」さんです。

山姥沓 やまんばのくつ

山のなかに落ちてたりすることがあるという
やまんば」(山姥)のものだとされる
ものすごく大きな文数の草鞋(わらじ)。


藤葛(ふじづる)や木の皮を
ぐるぐるまげてつくってあるトカ。



『善光寺名所図会』(巻5・付録)に「山姥の沓」として記述があるもので、
長さは3尺ぐらいあるものだとされてたようです。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
大森彦七から景清の剣をうばえ。「おんなのくび」さんです。

おんなのくび 女の首

大森彦七(おおもりひこしち)から
剣を奪うためにあらわれた妖怪の一ッ。
4、5尺もある大きな首で、鉄漿(おはぐろ)のついた歯をくろぐろとみせながら、
わらいかけたり、はずかしそうに後ろ向きになったりしました。



彦七の屋敷の蹴鞠(けまり)の庭にある囲いの上にあらわれて、
屋敷の者たちをびっくりさせました。




『太平記』(巻23)に出て来るもので
「眉太に作り金黒なる女の首」とあります。
西源院本(巻24)では「眉太く作て金黒なる女の頭」といった表現。



屋敷の「蹴鞠の庭」に魔王や妖怪たちが出現するのは
『太平記』にしばしばみられる展開。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
お部屋さまだったほうの、「やまんば」さんです。

やまんば 山姥

山に住んでた大きな鬼婆。
むかし、あるところの若殿さまが鷹狩で深い山に入ったとき、
この山姥の小屋でたまたま休息をとったのですが、
そのときの若い娘すがたに化けた山姥を若殿さまが大変に気に入り、
御殿へ連れて帰りました。



山姥は側室として御殿に入ることになりましたが、
たまたま正室の奥方さまと同じ日に
若殿さまの赤ちゃんを産みました。



しかし、正室の赤ちゃんが弱々しい子だったので、
山姥はこっそりと自分の産んだ子と取り替えて育てていました。



ところが3、4年後、すこし成長してきた本当の子が、
山姥に出会うたびに「ははさま、ははさま」と呼ぶようになりました。
若殿さまや正室の前でも「ははさま」と呼ばれて困った山姥は、
自身のおとろしい正体を見せて

「これでもおまえのははさまかッ」


と叫ぶと、本当の子は「これこそわしの本当のははさまじゃ」と言ったので、
山姥はそのまま自分の本当の子を連れて御殿からすがたを消し、
山に帰って「金太郎」として育てて暮らしたソウナ。



「金太郎」の母親であると設定されて語られる
やまんば」(山姥)のうちの一ッのかたち。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
小さくなくて大きいタイプの漂流者。「ななしゃくあまりのおんな」さんです。

ななしゃくあまりのおんな 七尺余の女

万寿3年(1026)4月ごろに
丹後の海に漂流して来た船にいたという、背丈が7尺あまりの女。
船中には飯や酒も積まれてたといいます 。


これに近寄った者がつぎつぎに病気になったので、
人々は船を岸から遠ざけて沖に戻させたソウナ。



『古事談』にはなしのおさめられてるもの。
近世にもこれが再び紹介されてて
読書層には知られる故事のひとつになってもいたようです。




ふたのあるちいさなふね」(蓋のある小さな舟)や
わんのごぜんさま」(椀の御前様)、「ふじのごぜん」(藤御前)などをはじめとした
船やお椀で漂流してくるお姫様たちのはなしとも近づけて考えると
わかりやすくなってくる存在ではあります。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
8尺よりも前に出てたやつ。「ななしゃくばかりのにょうぼう」さんです。

ななしゃくばかりのにょうぼう 七尺計女房

7尺ぐらいの背丈の女房すがたの妖怪で、
室町御殿のなかにあらわれたといいます。



『看聞御記』(看聞日記)の嘉吉3年(1443)8月10日の条に記載のある
室町御殿に出たいろいろな妖物たちのうちの一ッとしてあげられてます。



はっしゃくあまりのにょうぼう」(八尺余女房)なども近いもの。


プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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