氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
箱のふた取れ申さずそろ。「ことのざとう」さんです。

箱のふた取れ申さずそろ。「ことのざとう」さんです。
姫路城の「ぬし」があらわした妖怪の一ッで、
琴(こと)を美しくかなでる座頭(ざとう)さんのすがたに変じたもの。
琴(こと)を美しくかなでる座頭(ざとう)さんのすがたに変じたもの。
天守閣のひみつをさぐろうとした殿様の近くにあらわれ、
「琴の爪箱(つめばこ)のふたがあかないで困っております」
と話しかけて来ました。殿様が「そんなことか、任せておけ」
と箱に手をかけると、ぴったりと両手が箱に張りついてしまったソウナ。
「琴の爪箱(つめばこ)のふたがあかないで困っております」
と話しかけて来ました。殿様が「そんなことか、任せておけ」
と箱に手をかけると、ぴったりと両手が箱に張りついてしまったソウナ。
座頭さんはいつの間にか
巨大な鬼神のすがたの「ぬし」に変わっており、
「われをおそろかにすれば、引き裂き殺すぞ」と告げて消え、
やっと爪箱から手も離れました。
巨大な鬼神のすがたの「ぬし」に変わっており、
「われをおそろかにすれば、引き裂き殺すぞ」と告げて消え、
やっと爪箱から手も離れました。
『諸国百物語』(巻5)の姫路城のはなしのなかに出て来るもの。
天守閣の「ぬし」は「おさかべひめ」(長壁姫)のような存在のことのようです。
天守閣の「ぬし」は「おさかべひめ」(長壁姫)のような存在のことのようです。
出て来る殿様は「秀勝」(ひでかつ)という名前のみで登場しており、
誰なのかハッキリしてませんが、
池田輝政(いけだてるまさ)などが想定されてると考えられてます。
誰なのかハッキリしてませんが、
池田輝政(いけだてるまさ)などが想定されてると考えられてます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
室町御殿に「おおにゅうどう」さんです。

室町御殿に「おおにゅうどう」さんです。
ものすごく背丈のたかい入道坊主すがたの妖怪で、
室町御殿のなかにあらわれたといいます。
室町御殿のなかにあらわれたといいます。
『看聞御記』(看聞日記)の嘉吉3年(1443)8月10日の条に記載のある
室町御殿に出たいろいろな妖物たちのうちの一ッとしてあげられてます。
ほかには「ななしゃくばかりのにょうぼう」(七尺計女房)などが現われてます。
室町御殿に出たいろいろな妖物たちのうちの一ッとしてあげられてます。
ほかには「ななしゃくばかりのにょうぼう」(七尺計女房)などが現われてます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
さげ髪のふたり。「ふたりづれのおんなのかげ」さんです。

さげ髪のふたり。「ふたりづれのおんなのかげ」さんです。
森美作(もりみまさか)という武士の屋敷に出たという、
屋敷のなかを歩き回る女の影のみの妖怪。
屋敷のなかを歩き回る女の影のみの妖怪。
髪をさげたかたちの影で、いくら探させても
本体らしいすがたを確認することは出来なかったトカ。
本体らしいすがたを確認することは出来なかったトカ。
『諸国百物語』(巻2)に書かれてる森家のはなしにある妖怪の一ッ。
森美作の死期が近いことを示してた様子。
森美作の死期が近いことを示してた様子。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
大森彦七から景清の剣をうばえ。「おんなのくび」さんです。

屋敷の「蹴鞠の庭」に魔王や妖怪たちが出現するのは
『太平記』にしばしばみられる展開。
大森彦七から景清の剣をうばえ。「おんなのくび」さんです。
大森彦七(おおもりひこしち)から
剣を奪うためにあらわれた妖怪の一ッ。
4、5尺もある大きな首で、鉄漿(おはぐろ)のついた歯をくろぐろとみせながら、
わらいかけたり、はずかしそうに後ろ向きになったりしました。
剣を奪うためにあらわれた妖怪の一ッ。
4、5尺もある大きな首で、鉄漿(おはぐろ)のついた歯をくろぐろとみせながら、
わらいかけたり、はずかしそうに後ろ向きになったりしました。
彦七の屋敷の蹴鞠(けまり)の庭にある囲いの上にあらわれて、
屋敷の者たちをびっくりさせました。
屋敷の者たちをびっくりさせました。
『太平記』(巻23)に出て来るもので
「眉太に作り金黒なる女の首」とあります。
西源院本(巻24)では「眉太く作て金黒なる女の頭」といった表現。
「眉太に作り金黒なる女の首」とあります。
西源院本(巻24)では「眉太く作て金黒なる女の頭」といった表現。
屋敷の「蹴鞠の庭」に魔王や妖怪たちが出現するのは
『太平記』にしばしばみられる展開。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
お部屋さまだったほうの、「やまんば」さんです。

お部屋さまだったほうの、「やまんば」さんです。
山に住んでた大きな鬼婆。
むかし、あるところの若殿さまが鷹狩で深い山に入ったとき、
この山姥の小屋でたまたま休息をとったのですが、
そのときの若い娘すがたに化けた山姥を若殿さまが大変に気に入り、
御殿へ連れて帰りました。
むかし、あるところの若殿さまが鷹狩で深い山に入ったとき、
この山姥の小屋でたまたま休息をとったのですが、
そのときの若い娘すがたに化けた山姥を若殿さまが大変に気に入り、
御殿へ連れて帰りました。
山姥は側室として御殿に入ることになりましたが、
たまたま正室の奥方さまと同じ日に
若殿さまの赤ちゃんを産みました。
たまたま正室の奥方さまと同じ日に
若殿さまの赤ちゃんを産みました。
しかし、正室の赤ちゃんが弱々しい子だったので、
山姥はこっそりと自分の産んだ子と取り替えて育てていました。
山姥はこっそりと自分の産んだ子と取り替えて育てていました。
ところが3、4年後、すこし成長してきた本当の子が、
山姥に出会うたびに「ははさま、ははさま」と呼ぶようになりました。
若殿さまや正室の前でも「ははさま」と呼ばれて困った山姥は、
自身のおとろしい正体を見せて
「これでもおまえのははさまかッ」
と叫ぶと、本当の子は「これこそわしの本当のははさまじゃ」と言ったので、
山姥はそのまま自分の本当の子を連れて御殿からすがたを消し、
山に帰って「金太郎」として育てて暮らしたソウナ。
山姥に出会うたびに「ははさま、ははさま」と呼ぶようになりました。
若殿さまや正室の前でも「ははさま」と呼ばれて困った山姥は、
自身のおとろしい正体を見せて
「これでもおまえのははさまかッ」
と叫ぶと、本当の子は「これこそわしの本当のははさまじゃ」と言ったので、
山姥はそのまま自分の本当の子を連れて御殿からすがたを消し、
山に帰って「金太郎」として育てて暮らしたソウナ。
「金太郎」の母親であると設定されて語られる
「やまんば」(山姥)のうちの一ッのかたち。
「やまんば」(山姥)のうちの一ッのかたち。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
小さくなくて大きいタイプの漂流者。「ななしゃくあまりのおんな」さんです。

小さくなくて大きいタイプの漂流者。「ななしゃくあまりのおんな」さんです。
万寿3年(1026)4月ごろに
丹後の海に漂流して来た船にいたという、背丈が7尺あまりの女。
船中には飯や酒も積まれてたといいます 。
丹後の海に漂流して来た船にいたという、背丈が7尺あまりの女。
船中には飯や酒も積まれてたといいます 。
これに近寄った者がつぎつぎに病気になったので、
人々は船を岸から遠ざけて沖に戻させたソウナ。
人々は船を岸から遠ざけて沖に戻させたソウナ。
『古事談』にはなしのおさめられてるもの。
近世にもこれが再び紹介されてて
読書層には知られる故事のひとつになってもいたようです。
「ふたのあるちいさなふね」(蓋のある小さな舟)や
「わんのごぜんさま」(椀の御前様)、「ふじのごぜん」(藤御前)などをはじめとした
船やお椀で漂流してくるお姫様たちのはなしとも近づけて考えると
わかりやすくなってくる存在ではあります。
近世にもこれが再び紹介されてて
読書層には知られる故事のひとつになってもいたようです。
「ふたのあるちいさなふね」(蓋のある小さな舟)や
「わんのごぜんさま」(椀の御前様)、「ふじのごぜん」(藤御前)などをはじめとした
船やお椀で漂流してくるお姫様たちのはなしとも近づけて考えると
わかりやすくなってくる存在ではあります。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
8尺よりも前に出てたやつ。「ななしゃくばかりのにょうぼう」さんです。

8尺よりも前に出てたやつ。「ななしゃくばかりのにょうぼう」さんです。
7尺ぐらいの背丈の女房すがたの妖怪で、
室町御殿のなかにあらわれたといいます。
室町御殿のなかにあらわれたといいます。
『看聞御記』(看聞日記)の嘉吉3年(1443)8月10日の条に記載のある
室町御殿に出たいろいろな妖物たちのうちの一ッとしてあげられてます。
室町御殿に出たいろいろな妖物たちのうちの一ッとしてあげられてます。
「はっしゃくあまりのにょうぼう」(八尺余女房)なども近いもの。
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■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
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■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
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