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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ヘモグロビンごはん。「ちしおのめし」さんです。

ちしおのめし 血汐飯

殺されたり死んだりしたひとのうらみなどが
憎い相手の炊いたごはんを
血で真っ赤にそまってしまったようにしてしまうというもの。



うらみによって食品が血にそまるという反応は、
「くびきれうま」(首切馬)……餅をつくと血でそまってしまう。
などにも見られるもの。




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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
夕焼け空にギャギャギャギャ。「こうもりのばけもの」さんです。

こうもりのばけもの 蝙蝠の化物

霊力を得たこうもりが化けたもの。


北尾政美『夭怪着到牒』では「蝙蝠の化けたのなり 人の目をねらう」
という書き入れといっしょに絵が描かれてます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
おまめさむらい。「なたまめのつな」さんです。

なたまめのつな 刀豆綱

刀豆(なたまめ)のつよいおさむらい。


地口の本などに登場するもの。
渡辺綱(わたなべのつな)の地口ぬえ合成であるのデス。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
トラムジナ。イシムジナ。「むじなのとらがいし」さんです。

むじなのとらがいし 狢の虎ヶ石

東海道の大磯の宿にある「とらがいし」(虎ヶ石)のかたちに化けて、
旅人たちをびっくりさせたり化かしたりして
荷物などをちょろまかしてたりしてたむじなたち。



黒本『大磯地蔵咄』(1768)の中に登場しているもの。
同作は大磯の宿にあって有名だった化地蔵を素材にしてる絵草紙で、
とらがいしが登場するのはそういう宿場つながりのトコロから。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
武器のあるおおくび。「めからひ」さんです。

めからひ 目から火

空に浮かんで出て来る女の生首で、
目から火を吹いたりして人間をびっくりさせます。



春道草樹の『家内奇狐狸』という絵草紙では、
火に関するテーマでまとまってる一丁に出て来てて
「目から火が出る」ということばをもとにしたくだりの中で
お武家さまにも怖がられてる感じでデザインされて描かれてます。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
お六櫛のつぎに京伝のかいた岩井櫛の登場人物。「がんかいあじゃり」さんです。

がんかいあじゃり 岩海阿闍梨


地面の中に埋まって崇高な即身成仏となるはずだった行脚僧で、
埋められる前にたくさんのひとびとと共にたまたまこの岩海阿闍梨を拝みに来た
初音(はつね)という御殿女中をひとめ見て



「世にかかる美人もあるべきか」



と心が乱れ、その霊がほととぎすのかたちの心火となって、
彼女にとりつくようになってしまいます。



初音は岩海阿闍梨の念によってたびたび血を吐き苦しみますが、
小鍛冶宗近の刀のちからによって阿闍梨は最終的に滅ぼされ、
ばらばらの骨と化して一羽のほととぎすだけとなり空高く消えたソウナ。





山東京伝『岩井櫛粂野仇討』に登場するもので、
ほととぎすの心火は「がんばり入道ほととぎす」という言葉からの発想でつくられた趣向。
「がんばり入道」は「岩海入定」の言い誤って伝わったものぢゃ、
というこじつけがおかしみ。







ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
冬ならのびのび。「さんじゃく」さんです。


さんじゃく 三尺猫

冬の日に雨がながいこと降るとずんずん顔がのびるねこ。



「冬の日三日雨降れば猫の顔が三尺のびる」(あたたかくて猫がよろこぶということ)
をモトにしているもので、春道草樹『家内奇狐狸』の中で絵がかかれているデザインもの。




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江湖紀聞からの風ぴゅー。「せきゆうふう」さんです。

せきゆうふう 石尤風

漢字で書くと「石尤風」――ちょっとひさしぶりの漢土産です。


海に出発した商船を吹き戻したり進めなくしてしまったりする風のこと。
これが吹くと商人たちは出発をやめたりしたといいます。


むかし、尤郎(ゆうろう)という男のお嫁になった石(せき)氏の娘が、
商売の旅に出ていったまま帰らぬひととなってしまった尤郎のことを思ったまま
重病になった死の床で


「このような悲しみを世の女どもには味あわせたくない、
必ず大風を吹かせて人々を押し戻すであろう」


と宣言、それを受けて、船出のときにすごい風が吹いたりするのは
この石氏の吹かせているものであると考えられ、
石尤風という名で呼ばれるようになったんだトカ。







ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
鬼さんでぃす。「おにのごとくなるもの」さんです。

おにのごとくなるもの 鬼の如くなるもの

人間たちには姿が見えたり見えなかったりする鬼神の類。
人間の知らない自然に対するひみつの対処法などをいろいろ知ってます。



鳥居清経の描いている青本『天王寺亀井活鑑』に出て来るもので、
ものすごく巨大なせんだんの大木をひとびとが伐ろうとするけれど、
次の日になると伐った部分がもとのようにつながってしまい、
伐ることが出来ない、と人々が困っていた時に、
ある者がこの「鬼の如くなるもの」が夜に木の近くで
「伐る時にでた木くずを燃やして、そのあつあつの灰を根本にまいてやればよいものを」
としゃべりあってるのを耳にして、これを伐採することが出来た
――というくだりに登場しています。




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舞台にかけれなかった夏芝居。「とうふやおきちのちょう」さんです。

とうふやおきちのちょう 豆腐屋お吉の蝶

お寺の門前にあった豆腐屋のむすめ「お吉」は、
恋仲になった灯明寺の僧・「空月」(くうげつ)と心中をすることになったのですが、
家からもってきたのが宝剣「六字の短刀」であったことから、
これを使えば立身出世がかなう! とこころの動いた空月によってバッサリ。



首をうたれてしまいますが、その首から真っ白い蝶がたくさん出現、
これが空月についてまわるようになり、
その後いろいろな悪事をかさねた空月はついには捕縛されてしまいます。




 文化9年(1812)4世鶴屋南北、松井幸三、福森久助らによって執筆されたものの
市村座の資金ぐりがつかず上演されずじまいになった夏狂言
『解脱衣楓累』(げだつのきぬもみぢがさね)という歌舞伎の登場人物。
空月とお吉は大坂桜町で打ち首になった不義の二人に題材をとってます。
(お吉と顔がそっくりな美くしい妹という役で累(かさね)が登場して、外題にかさなっていきます)











ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ウォーターニッキ。「なみねずみ」さんです。

なみねずみ 浪鼠

水で出来たふしぎなねずみ。おんみつ活動をします。



天保9年(1838)に結城座で吉田千四がおこなった人形浄瑠璃の水中早替りの芝居で、
仁木弾正がつかうねずみの術として登場したと当時の錦絵から推測できるものです。



なんだかうねうね。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
京伝つくる。「くまのや」さんです。

くまのや 熊野屋

熊野権現のおつかいのからすたちの掛け取り屋さん。



山東京伝『先開梅の赤本』に登場するもの。
熊野牛王の起請文にいるからすたちをもとにしたもの。





プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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