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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
例年どおりの世界篇、ハロウィン連続興行でございます。
『大世界妖怪魔神大図鑑』を製作して以後も
また一年間のあいだにいろいろと原書・翻訳書・報告書と、
いろいろと本箱の中に増えましたので、その中より連続で18体おとどけいたします。



とざい、とーーーーーざーーーーーーーーーい。




アムバ(Amba)
世界篇一発目はウィルタの伝承から。
出遭ったときにたじろいでしまったりすると、もう命を奪われてしまうヨという設定は
ほかの地域――というより全世界的にちらほら見られるもの。
おそろしい怪物の基本設定な感じですね。



パッカムサアリー スリ(Pakkamsaari Suli)
まっくろ狐さんです。こちらはウィルタの伝承にある昔話から。
葉っぱで道具立てをつくって化かすあたり、日本などとも変わりがない感じで
ふしぎな部分ですね。
ウィルタとかツングースとかモンゴルのあたりとかにも
こういった狐などの動物がひとを化かす形式のものはあって
道具が化ける昔話と同様にかなり広い視野で眺めるといろいろたのしいようです。



ジャヂウ
ペルシャ神仙譚に登場してるおかた。
デザインにはちょっぴりアラビアのほうのサソリの古画のかおりを
まぜたりもしました。



ラケー
『妖界東西新聞』で既に描いたりもしてるデザインのおかた。
ネパールやインドあたりはもう少し増やしていきたいですね。
おもしろそうな伝説や物語とかも多そうですもの。



マサーニー(Masani)
インドにつたわる疫病鬼神おねえさま。
こちらさまが怒ると病気がひろがる、というあたりは
設定としていい感じですが、昨今は世界規模でいろいろと伝染病も強かったり
大昔の病名リバイバルがあったりして怖い怖い。あまり怒らないでください。



ワルムベ(Walmbe)
アフリカ大陸からは今年は2本、まず1体目がこちらさんです。
振り返っちゃいけない、とか、のぞいちゃいけない、とかいうあたりが
各地の神話などですと、あの世と関連するおはなしでの禁止事項なことが多々ありますが
ワルムベのおはなしに出て来るのは
「忘れ物をしたとしても、取りに帰っちゃいけません」
なかなかおもしろい設定の展開になったんだなァ――と感心。



スケルトンツリー(Skeleton tree)
デーモンに関するいろんなむかしの絵画や冊子の挿絵が載ってる
フランス語のおもたいでっかい本で見たのがいちばんはじめ。
ですが、ほかにどのくらいの頻度で描かれ続けてるのかはまだ未捜査です。
きょうの妖界東西新聞には、松羽目ものな松の木バージョンの
スケルトンツリーさんを描きましたヨ。スケルトンパイン。



ディラフトィ・バラフマン(Diraht-i Barahman)
『被造物の驚異と万物の珍奇』に載ってた記述から。
「ぎょりゅう」の木、ってはじめは「魚竜」なのかとおもっちゃいましたヨ。
――それはそれで描いたらおもしろそう。




チョルト
ロシアは今回は1本。
資料自体はいくつかロシア圏のもの、買ってはいるんですが(向こうの民話の本)
――バリバリの原書なので、いまだに読めてないのですよ。
ということで、基本的なあたりを。




ムーンマン(Moon man)
アメリカ合衆国の民話から。
お月さまに永住させられちゃうおはなしは、世界規模で見ると
なまけものな人とかのおはなしが多いんですけど
こちらは「安息日をまもらなかった」というご宗旨などにかかわるタイプのもの。
月の桂男(かつらお)ならぬ、月の柴刈ですかナ。




ルー・ガルー(Loup-Garou)
フランスのガスコーニュ地方の伝承を読めたので、
そこにあった人間への戻り方などを記しておきました。




カルチョーナ
お嫁があやしいので、隠れて見ていると……という
ひょーせんが好んで集めたりもしてる日本の
「ごはんを食べないお嫁」な昔話とも少し似た展開が途中に出て来るチリの1話。
何話が類例があって、目の玉をとりださないおはなしもあったのですが、
設定としていちばんおもしろい展開だってので、目の玉とりだすバージョンを
解説に採り入れましたゾ。




ハド
以前、描いたこちらのエプロンに人間を入れてっちゃうオーストリアの巨人の娘さん、
そのお父さんたちにあたるのが、ハドさんです。



まぶたがひさしのようになってて、持ち上げて前を見るというアクションは
「ヴィイ」とかにもつうじる感じで、ちょっと興味深いあたりです。




アチケエ
ペルーにつたわる山姥さま。
ほんとうに、おはなしも山姥さま。
そして、アンデス山脈の生みの親、というよりそのもの。



デビル ヘリング(Devil herring)
マンハッタンのハドソンリバーに、デビル・にしん!!
なかなか組合わせようと思って組合わせられる単語の結合じゃありません。
なっとう+マーメイドぐらいの凄さだと思います。
……アメリカめ。



ニャニャブレムブ
アフリカ大陸からのもう1体はこちら。
少々、「姥皮」や「蛙皮」といった日本の昔話にもテイストの似てるこちら、
ヨーロッパのほうにもやはり似たかんじのものがありますので
普遍な感じの展開の昔話なのかなと思いますが
コケをいっぱい生やしてるふしぎな動物を設定してるあたりがイイですね。




ヌナム・シュア(Nunam-shua)
岡正雄せんせいのアラスカについての文章に
登場してた精霊さんです。
イヌイットあたりは、なかなか資料を増やすことができませんでした。
くやしい。(イヌイットとかツングースとかあたりの資料あつめにわりと燃えてる)




ホマー(Huma)
ペルシャでの「鳳凰」な存在の鳥さんであります。
こちらでおめでたく和漢百魅缶の世界篇興行の千穐楽であります。
御覧のみなさま、みな王者。イヨーっ。




とざい、とーーーーーーーーざーーーーーーーーーーーーーーーいーーーーーー。






















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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
うしおに画像妖怪シリーズうちどめ。「つちくも」さんです。


つちくも 土蜘蛛

つのの多く生えた顔をした、蜘蛛(くも)のような妖怪。
おしりからたくさんの糸をとばしたりするようです。




狩野の妖怪絵巻に描かれてることが確認できるもの。
(絵巻物ではおしりから糸を出して、それを髪切がきってます)
おなじく絵巻物に描かれる「うしおに」(牛鬼)や「つちぐも」(土蜘蛛)などとの
混同や関係性はいくぶん深くあろうことがうかがわれますが、
まだ作画例の確認数は豊富ではありません。
(「うみぼうず」や「うみおとこ」が描かれる構成の絵巻物に入るデザインであるとわかっています)




みっつめうしおに」(三ッ目牛鬼)のデザインはこの変型と思われます。








牛鬼・鬼蛛・鬼土鼠・三ッ目牛鬼・バイオ牛鬼・土蜘蛛・土くも
画像妖怪分類による牛鬼・土蜘蛛類はこれでだいたい全収録できました。











ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
くもくも。「つちぐも」さんです。

つちぐも 土蜘蛛

つのの生えた顔をした、蜘蛛(くも)のような妖怪。


尾田郷澄による『百鬼夜行絵巻』に描かれているもので、
おにぐも」(鬼蛛)と同様に「うしおに」(牛鬼)の同体異名とみられるもの。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
バイオ!バイオ!バイオ!「バイオうしおに」さんです。

バイオうしおに バイオ牛鬼

つのや脚とかの本数とかがかなり
ちゃちゃめちゃくちゃくでバイオ生命体な牛鬼。



狩野の妖怪絵巻物に見られる「うしおに」(牛鬼)のデザインが
崩れて描かれたもの。
脚は不揃い、つのは片一方、口も変型しています。
実際描かれた絵巻物での本来の呼び名表記は普通に「うしおに」










ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
地面の中にムクムクムックックー。「おにつちねずみ」さんです。

おにつちねずみ 鬼土鼠

むかし筑後に出たという、地面の中にすんでるというおばけ。
うめき声のようなものがするので
掘り起こしてみたらこれがいた、といいます。






狩野の妖怪絵巻に出て来る妖怪たちに対して
はなしと呼び名を付した形式の『化物づくし絵巻』にあるもので、
うしおに」(牛鬼)のデザインがとられています。
筑後の松崎山で掘り起こされたとあります。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
うしおにの画像妖怪 No.3。「みっつめうしおに」さんです。

みっつめうしおに 三ッ目牛鬼

うしおに」(牛鬼)の目の玉が三ッあるもの。


狩野の系統の妖怪絵巻物に見られるもので、
同じような構成の妖怪絵巻物の別の作品に「つちぐも」とされる似た形状の
別のデザインの画像妖怪があることから、
(そちらの絵巻物だと、べつに通常の「牛鬼」も描かれてます)
その土蜘蛛と牛鬼がたまたま混じった例であるようです。








ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
昨日うしおにをアップしたら6時間もたたないうちに目にしました。「おにぐも」さんです。


おにぐも 鬼蛛



つのの生えた顔をした、蜘蛛(くも)のような妖怪。


絵巻物に描かれてるもので、狩野の妖怪絵巻物に描かれている
うしおに」(牛鬼)の同体異名であると見られます。
『化物草子』と題された上下2巻組みの絵巻物では「をにぐも」とあります。
色は黒い。





こういう呼び名のものもいるってあたり、
やはり「鬼」と「蜘蛛」のベースみたいなものに
ツノからの連想で「牛」が入って来てこういうかたちのものを
「牛鬼」と名前を添えてデザインに呼び名をつけるようになったのかな?
と、見える感じもしてきますな。

通算4444体目の「和漢百魅缶」へのアップは 
じゃーーんとビーフ。「うしおに」さんです。

うしおに 牛鬼

牛のようなあたまをした妖怪。
脚は蜘蛛(くも)のようなかんじになってるのが特徴。



狩野の妖怪を描いた絵巻物などに見られる
代表な画像妖怪のデザインの一ッ。










蜘蛛のような感じに描かれるのは、
源頼光ら主従の牛鬼退治の物語が土蜘蛛と関連しているものであるところからの
合成なのかも知れません。(『土蜘蛛草紙』の大きな土蜘蛛が虎のような顔をしてるように)
各地の昔話や伝説にある「うしおに」や「ぎゅうき」が
このような形で想像されたか
牛頭鬼のように想像されたかの明確な違いなどはハッキリしません。



宇和島の「うしょうにん」などはお祭りなどで形づくられた一ッの形態。








ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
ねこばけパワー。「きりのみち」さんです。

きりのみち 霧の道

山道や野道などを歩いているときに
霧が出ているようなところを進んでいくと、
知っている道のはずなのに何度も何度もまた同じところに戻って来てしまい、
進む方角に出られなくなってしまったというもの。





隠岐につたわるもの。
猫が化かしてるのだといわれたそうです。
隠岐では猫がひとを化かす動物としてよく語られていました。








ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
とうとうたらりとうたらり。「ひかせ」さんです。

ひかせ 火かせ

肥後の国の飽田郡城山村に伝わるもので、
むかし、おばあさんが川でせんたくをしていたら
「婆ひかせ」(婆さんひっぱらせろ)と言ってきたという「かわのとん」。
「ひかせ」を「火かせ」と思っておばあさんが
「かわんとん火貸そ火かそ」と返したら「ほんか、ほんか」と言ってきたソウナ。




ひくれろ」(火くれろ)と同様のもの。
烏帽子をつけて出て来たという描写もあり
三番叟を意識していることがはっきりと見て取れます。
ひをかせ」(火を貸せ)などとは近いもののようです。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
地蔵の像はよく化ける。「くびなしじぞう」さんです。

くびなしじぞう 首無し地蔵

下野の国の芳賀郡芳志戸につたわるもので、
むかし大どろぼうの芳志戸左門の目の前に
巨大な金棒を持った大入道のすがたになって現われたことのあった
という地蔵の石像。




左門によって斬りつけられ、
それ以来首が無いんだソウナ。




芳志戸左門(芳志戸沙門)は、
日光東照宮の東照権現と書かれた神額を盗んだことがあるとも言い伝えれている盗賊。







ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ホワイトスプリング。「しろいゆ」さんです。

しろいゆ 白い湯

伊豆の国の土肥神社にわいてる温泉で
ときどき誰もいないのに誰かがお湯に入っているような音がしたりして、
次の日になるとお湯が真っ白になってたりしたというもの。



かみさまが入ってらしたのだ
などと言われてたといいます。






プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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