おたすけーおたすけー。「としせい」さんです。
漢字でかくと「堵子精」で、堵子(弓の的)の精です。
むかし、ある武官がいくさで苦戦をしていると
たくさんの見知らぬ兵が加勢をしてくれて
見事勝利をすることができました。
武官が
「あなたがたはいったい…」
ときいてみると
「わしは堵子じゃ、そなたは日ごろ鍛錬をしておっても
わしの顔にあばたやきずをこしらえたことがない、
それに感謝して加勢をしたのじゃ」
と告げたトサ。
『笑府』に収録されてるはなしに出て来るものです。
この武官さん弓の腕がへたっぴだったのですね。
毎日大根をもりもり食べてた武士を
強盗から助けてくれた「だいこむしゃ」(大根武者)とはちょっと似た構造。
だんなさまもぐもぐ。「さんきふじん」さんです。
漢字で書くと「山鬼婦人」です。
山の中にすんでるおばけ。「さんしょう」などの仲間。
人間の女性に化けて女房になって来たりします。
むかし、薪売りの男が女房を迎えたところ、
朝になっても二人が起きてこないので
男の家族が戸をこじあけて部屋に入ってみると、
女房はおらず、男は食べられて骨になってました。
男の妹にはこの女房の足が一本しかないというのが見えてて、
山鬼だったんじゃないかとみんなは話したソウナ。
アップしてる中からですと、「よはちのよめ」(与八の嫁)などが
「山の妖怪が化けてお嫁に来てた」という展開は同じような感じです。
(こちらは本人が察知してしまって、食べられたりはしませんが)
食べられちゃった、という展開だけをとらえると
ナゾの「おとろん」は、こういう話なんだろうと思われますが
「おとろん」との関連性はナゾです。
タスカッタ。「ひこうべつ」さんです。
漢字で書くと「被甲鼈」です。
鼈(すっぽん)の精で、よろいかぶとに身をつつんだ武士のすがたをしてます。
むかし、崑山県にすんでたじいさんが、
たくさんのひとびとが罪人のようにしばられて
船に押し込められ悲しんでる夢を見ました。
つぎの日、
船に乗った商人を見かけたので、船の中をチョイと見てみると
縄でつながれた鼈(すっぽん)がびっしり。
その様子が夢の罪人たちと重なったので、
じいさんはこの商人から鼈を全部買い、川へ放してやりました。
すると、その日の夢に
数百人のよろいかぶとを着たひとが現われて
じいさんに礼をしてゆきました。
じいさんはその後、すこやかに長生きしたソウナ。
『夷堅志』などにあるはなしで、
すっぽんには甲羅があるから、よろいかぶと、
というあたりのストレートさがステキステキ。
おきたまへ、おきたまへ。「ちとう」さんです。
漢字で書くと ↑ 絵の如し。「置頭」であります。
姿はふつうの人間とまったく変わりませんが、
頭の取り外しが可能で、
髪をいじったりくしけずったりするときに
頭を外して机の上などに置いたりしちゃう妖怪。
ある男が、たまたま頭を取り外して髪をととのえてる女を見つけびっくり。
逃げ出した途中でひとに助けを求めて
「ここここ、こんな妖怪をみた」
と話したら
「なんだ、頭ならおれらも外せるよ」
と頭を外して地面に置いたので、さらにびっくりした、
などのはなしが残ってます。
『老人夢語』や『虫鳴漫録』など
いくつもの本に収録されてるはなしに出て来る妖怪で、
日本でも「ろくろくび」が知名度をあげる以前は、
この方式のびっくりさせかたをとってる妖怪のはなしがいくつかあります。
(たつたひめとか)
樺太などには、むかし人間は首の取り外しが自由だった
という昔話が残ってたりもします。
案外、ふるい部類の人間の想像要素なのかも知れませんね。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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