名のきこえたる。「かきのきさま」さんです。
下野の国の都賀郡、絹村にある高崎神社の近くに生えてた柿の木で、
この木に竹筒をおそなえすると耳の病気が治るとか、
木の下の土を疣(いぼ)にぬると治るなどと言われてました。
願掛けをきいてくれるありがたい柿の木なので、
この木の実を採って食べちゃいけない、などとも言われてたそうです。
榎戸貞治郎が『民間伝承』に寄せてる報告によると、
大正10年ころ、神社の本殿の位置をすこしさげる工事にかかったところ
この柿木様の枝が屋根にあたっちゃうのでなんとかならないか、と
問題になって村のひとたちが「どうしたものか」と困ったそうですが、
数日後には、柿木様の屋根にあたりそうだった枝がぜんぶ
そろって上向きに延び進んでて、枝を伐らずにすんだ、
――というふしぎもあったそうです。
恒星のみそこね。「キロンヌニッネカムイ」さんです。
アイヌにつたわるおはなしからで、こちらは
むかし、お日様をまるのみにして食べようとしたニッネカムイ(悪い神様)。
これがお日様をのんじゃおうとしてるというのを察した
「コタンコルカムイ」がこのニッネカムイの口のなかに向かって
からすを4000羽、ねずみを4000匹ぽいぽい投げ込んで
お腹をいっぱいにさせて阻止したといいます。
「キロンヌ」は「お腹がいっぱい」という意味。
からすとねずみはこのときの「貸し」が人間たちにあるので、
人間たちの食べ物や持ち物をかじったり食べたりしてイイ、
ということになってるソウナ。
なぜか、菜っぱをぶちまける。「みのをきたおおおとこ」さんです。
石見の国の今福村につたわるもの。
むかしこの村にいた長者さんの家で、
朝ごはんのために菜っぱをかごに入れて準備しておくと、
それが毎日毎日ひっくり返されてるといういたずらが続いたので、
誰のしわざなのか突き止めようと、長者さんが庭で徹夜の番。
真夜中になると蓑(みの)を着た大男があらわれてかごをひっくり返しだしたので、
長者さんが弓で射ると大男は消えてしまいます。
長者さんが家に戻ってみると
神棚の大黒(だいこく)さまの像に矢がつき刺さっていて、
それ以後、その長者さんの家は没落してしまったんだトカ。
てまりうたの中にいるかた。「ばけもんさま」さんです。
上総の国の手鞠歌の文句の一ッにあるもの。
どんなものかはよくわかりません。
てまりうたの文句はいかのごとし。
「向こうのお山で三味線ひけば。
早くお化けがばけもん様よ。
朝日に照られてお色は黒い。
お色白い薬はないか。
せきせきせきはせきしゃの薬。
だいだいだいはだいしゃの薬。
ごうまん様は日光へござる。
日光へござらばお供を申す。
お供にはぐれて大明神よ。
池の真ん中へやはたをたてて。
女房やしょうか刀をやしょうか。
これでまずまず一貫貸し申した」
一貫かしもーしたー、の部分は手鞠歌のおしりに来るきまり文句ですが
ほかの部分はなかなか色んなのがまじっててヨクワカラン感じです。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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