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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
問答ねがおう。「いくののてんぐ」さんです。

いくののてんぐ 生野の天狗

むかし日雄上人が関東から京都へ向かう道中、
遠江の国で背が6尺以上高い山伏に遭遇し、
宗義法論の問答をいどまれました。



問答に負けた山伏は、これをさしあげます
と長刀(なぎなた)などをくれたのですが、それを受け取った途端、
日雄はいままでと全く違う山の中にいました。
家をみつけて「ここはどこです」と訊ねると、
そこは但馬の国の生野銀山の近くだということでした。




山伏の正体は「てんぐ」(天狗)で、生野に寺をつくって欲しいので
良い僧侶を連れて来るために出没してたのだソウナ。




但馬の国の生野の妙銀山本行寺のはじまりのはなしとして出ているもの。
『但馬考』では「遠州掛川の辺」、『朝来志』では「遠州秋葉山」のあたりで問答をした
と描写されてます。




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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
てんぐのモトなの? 「てんく」さんです。

てんく 顛衢

漢字で書くと「顛衢」で
鼻が大きく髪がぼうぼうで羽根をつかって
空をとびまわることも出来るという鬼神。


越の地方(閩越)で伝えられてたとされ、
『和漢雑笈或問』で「てんぐ」(天狗)の語源になっちょるのではないですか
――という位置づけで出されてるもの。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おしりにひっつく。「けんけんことこと」さんです。

けんけんことこと

むかし、おばあさんがおじいさんにお弁当を届けるために山道を歩いてると、
いきなり遠くの方から「けぇーんけぇーんこぉーとこと、ばぁばが尻ぃひっつきたぇ」
という声が響いて来ました。



おばあさんは気味が悪いと怖がってましたが、
おじいさんに怖がらずに返事をしてみたらどうだと言われたので、
勇気を出して「ひっつきたきゃひっつけ」と大声で返したところ
何かがいっぱいお尻にくっついて来ました。
家に帰ってそれをよくみてみると大判小判だったソウナ。



但馬の国の七美郡の小長迪などで語られてた昔話にみられる、
「とっつこうひっつこう」などの仲間です。



となりのおじいさんとおばあさんが真似してみたところ、
松脂(まつやに)が大量にくっついて来てはがれず、大弱りします。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ご両親はごちそうを待ってます。「じさまとばんば」さんです。

じさまとばんば 爺様と婆

くちのねぇめ」(口の無ぇ妻)の両親で、
おなじく蛇の化けたもの。



娘が都で人間をだましてやがて連れて来て、
いいたべものにしてくれると心待ちにしてましたが、
隙をみて風呂桶から脱出してた男は、近くに生えてた松の木にかくまってもらい、
なんとか命が助かりましたソウナ。




岩代の国の会津郡桧枝岐での昔話に出て来る
ごはんを食べないお嫁たちの親たち。
池に暮らしており、男を探すときはみんな蛇のすがたになってます。



女は「都っから肴(さかな)しょって来た」
と呼びかけて家に戻っており、おはなしのなかで想定されてた
「男」の暮らしてる舞台設定は「みやこ」なのかも知れませんが、
山のなか(ひな)との対比による「みやこ」とも言えます。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おにぎりやまもり。「くちのねぇめ」さんです。

くちのねぇめ 口の無ぇ妻

口が存在しないのでごはんを食べないということで、
ものぐさな男のもとへやって来た女。
しかし実は襟首(えりくび)に大きな口がある蛇の化けたもので、
家の者の留守にたくさんの大きいやきめし(おにぎり)をつくっては食べてました。



正体を見てしまった姑とそれを聞いた男が追い出そうとすると、
交換条件にもらった大きな風呂桶に男を詰め込んで
女は「じさまとばんば」の待ってる棲み家に連れ去ります。



隙をみて風呂桶から脱出した男は、近くに生えてた松の木にかくまってもらい、
なんとか命が助かりましたソウナ。



岩代の国の会津郡桧枝岐での昔話に出て来る
ごはんを食べないお嫁たちの内の一ッ。
くちのないよめさん」(口の無い嫁さん)のなかの、
お正月の松飾りのはじまりに結びつけられてるルートのもの。



ものぐさな男は「物臭太郎」として語られてます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ごはんたべない。「ものくわんかか」さんです。

ものくわんかか 物食わん嬶

ごはんをなにも食べないということで、
「だら」な男のもとへやって来た女。
しかし実は頭に大きな口があるばけもので、男の留守に
たくさんのやきめし(おにぎり)をつくっては食べてました。



正体を見てしまった男が追い出そうとすると、
交換条件にもらった大きな櫃(ひつ)に男を詰め込んで
女は自分たちの棲み家に連れ去ろうとします。隙をみて櫃から脱出した男は、
近くに家にかくまってもらい、なんとか命が助かりましたソウナ。



加賀の国の江沼郡などでの昔話に出て来るもの。
ごはんを食べないお嫁たちの内の、味噌餅が弱点に結びつけられてるルートのもの。



助けてくれた家は味噌づくりをしてた最中で、
夢中で走ってくたびれ果ててた男に
「味噌餅(みそもち)食べて長持に隠れていらっさい」と言っており、
隠れ場所を探しあてた妖怪がその味噌餅のにおいを嫌って逃げ帰って行きます。


これに由来して、味噌づくりをしたときは厄除けのために
味噌餅をつくって置くようになったと語られます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
鬼と知りつつ食われぬるかな。「まよいのおに」さんです。

まよいのおに 迷の鬼

人間のこころを惑わして進む道をあやまらせて、
最終的には自分の餌食として食べてしまおうとする
鬼や魔物のこと。



修行者たちをいましめるための、たとえや道歌などに出て来るもの。
「まよい」そのものを示してます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
べんちらしゃらららら。「おにがひくこと」さんです。

おにがひくこと 鬼が弾く琴

音だけ耳にしてると、
とてつもなく美しい者が奏でてるように聴こえる音楽のことですが、
実際に発してるのはおそろしい鬼や魔物で、
立ち入った者を餌食にしてしまいます。



修行者たちをいましめるための、たとえや道歌などに出て来るもの。
甘言や妄想などへのいましめ。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
慢心の地。「よこしまのくに」さんです。

よこしまのくに 横四魔の国

慢心した修行者が引き込まれてしまうという、
魔物たちのつくりだす魔道。
引き込まれてしまった者は、正しい境地に立てなくなります。



修行者たちをいましめるための、たとえや道歌などに出て来るもの。
「横四魔」は「よこしま」(邪)の語呂から。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
穀倉崩壊。「とうぞうおうはい」さんです。

とうぞうおうはい 冬蔵殃敗

漢字で書くと「冬蔵殃敗」で
季秋(秋のすえかた・9月)におこなわれるべきことがなされてないと、
冬にそなえてたくわえられてる米や麦が
にわかに全てくさってしまうと考えられてました。



『淮南子』時則訓にあり、秋令のおこない・おまつりが
時則にあってないと発生することが示されてます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
れいゆうほうこう」さんです。

れいゆうほうこう 黎莠蓬蒿

漢字で書くと「黎莠蓬蒿」で
「黎莠」は「ねこじゃらし」などのような雑草たち、
「蓬蒿」は「よもぎ」などのこと。


大群の雑草たちで、孟春(春のはじまり・正月)におこなわれるべきことがなされてないと、
にょきにょきと生えて来て、米や麦を阻害して
収獲出来なくしてしまうと考えられてました。



『淮南子』時則訓には「黎莠蓬蒿並興」などとあり、
春令のおこない・おまつりが時則にあってないと
にょきにょき生えて来て、田畑が機能しなくしてしまうことが示されてます。



「莠」の字は悪いもの・害するもの
という意味合いが持たされてもいる字です。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
燃やさないごみ。「はたのひ」さんです。

はたのひ 機の火

織物に用いる機(はた)が壊れてしまったときに、
それを火で燃やすのはよくないことだと言われており、「火が早い」ので
大きな火災などにつながってよくないとされてました。



武蔵の国など各地で言われてたもので、
武蔵の国の多摩郡などでは「畑のなかに打ち棄てて腐らせるのがよい」とされてました。



プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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