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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
光らず。鳴く。「ひとだま」さんです。

ひとだま 鵺

豊後の国は大野郡につたわるもので、
とらつぐみ等の夜に鳴く鳥たちを総称した「ぬえ」の呼び方の一ッです。
これが夜に鳴く声がきこえると不吉だとか言われていました。

「ぬえ」なら「ぬえどり」とかそういったので呼んでれば普通ですのに、
どうして「ひとだま」という呼び名になったのかの詳しい経緯は不明です。

たしかに、雉とか鷺とか、山鳥や水鳥が火の玉に化けたりするって
話も各地に残ってるのですけど、なんでじゃろ? はてな、はてな。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
明治の戯文つくりの大手株のひとり、きぼーさんの作品の中から
なまずさんをニョロリ。「なげかわしい」さんです。

なげかわしい 投川四位

「なげかわしい」とひらがなにしちゃうと意味がまるわかりですが
ちゅんと漢字をあてると「投川四位」と書きます。

礫川喜望(こいしかわ きぼう)シショーが明治15年に
政府の官吏名簿『官員録』をもじって鯰公たちの一覧表をつくろうとした
(ぜんぶつくったかどうかは不明)『苦椀員録』に出て来るもので
大苦労省(おおくろしょう)の大臣閣下さまです。

おやしきの住所は「おもてゆうらく町、うら苦番地」で
お名前どおり、ザ・赤字なかんじ。


大苦労省には、ほかにも、原岡公斎(はらおかこうさい)とか
笛田紙平(ふえたしへい)とか河合惣太(かわいそうだ)とか
いろんな名前の鯰公もいますので、追々のアップも、ゼシ、おたのしみに。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぷくぷく。「ふくれはし」さんです。

ふくれはし 膨れ嘴

長いくちばしの先がプクッとふくれたしんこ細工みたいな姿をしてるおばけ。
九徳斎こと勝川春英デザインのおばけのひとつですが、
ただ絵に出て来るだけで実際は特に呼び名はありません。
みためそのまま「膨れ嘴」おみしりおきを。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
天狗でぐらんぐらん。「てんぐのはおと」さんです。

てんぐのはおと 天狗の羽音

備中の国の吉備郡などにつたわるもので、「てんぐ」たちが松の木から松の木へと
飛び渡って行く航路の上に家をぶち建てたりすると、
家が風も地鳴りも何にもないのにグラグラガタガタ音を立てて揺れることがあるんだとか。

家を建ててはいけないという俗信がある地域に
家を造った結果「やなり」が起きる、というものを
てんぐ」に引き寄せて言っていたものです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ほうきを粗末にしちゃイカン。「ほうきねぶと」さんです。

ほうきねぶと 箒癰

ほうきの上をまたいだりすると、ほうきの精霊とか神様のばちを受けて
体にボチッと発生するよ! といわれていた癰疽(はれもの)で、
周防大島などで言いならわされていたものです。

ほうきを大事にしなかったり、敬意をはらわなかったりすると
何かしらの罰をうけるよ!(ex.火事のときに逃げられなくなる、お産が重くなる)
というのは、全国区で立候補されている俗信のなかの有力選手ですが、
これはもともと、ほうき、っていう道具自体が一般的な道具じゃなくて
神聖な行事のときにだけ使われる特別な道具だったから、だ、と、
よく説明されているので、まぁ、そんなに深く説明しくてもいいか、と多少なげやり。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
レパートリーはちよよろず。「うたしりのへび」さんです。

うたしりのへび 歌識蛇

この世にある様々な歌を知っていて、
それを日々うたってたという目玉のないへび。

むかしむかし、ある日のこと

「へびさん、へびさん、あたしゃ、うたを歌いたいのでおぼえたい」

こんな風にみみずが頼んできたので、

「教えてやってもいいけど、これは大事なもんだ、ただとはいかん」

と、へびはみみずの「目玉」と自分の「歌」とを交換した為、
これ以後、みみずたちには目玉がなくなって地面の中でうたを歌うようになり、
へびたちには目玉が出来て出歩けるようになり、うたは歌えなくなってしまったんだソウナ。


と、いうむかしむかしの蛇のおはなし。

きょうの「和漢百魅缶」へのアップは
ミテハイケナイ。「さきょうぬまのぬし」さんです。

さきょうぬまのぬし 左京沼の主

陸奥の国は東通村にある左京沼のなかにすんでるというぬし。
巨大なさんしょううお(他にはうなぎみたいなの、と言われてます)のような姿をしてる
と言われていて、その姿をみた人間は衰弱して死んでしまうんだソウナ。

「左京沼」という沼の名前は、
むかしこの沼の近くを馬で駆けていた左京という名前の侍が
この沼のなかに引き込まれてしまったことから来てるという話がつたわってますが、
それとこのぬしの話とは関連はしていないようです。

(そちらの話はまた別の機会に)

――さいきん、この手の分岐が多いですナ


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ごめんください、おじょもします。「おじょも」さんです。

おじょも

讃岐の国につたわる、家の中に出るとされてるおばけで、
家の中のえんのしたの下などにいるといわれたりしています。

いたずらをする子や、親の言う事をきかない子とかのところに出てきて
おどかしたりすると言われていました。

(小さい子同士で「わー、夜べんじょに行くとおじょも出るぞー」とか
 言い合って、こわがらせがったりしたりもしてたようですゼ)

「おじゃも」または「おじょも」という呼び名がされてたことが報告されてますが、
おなじ讃岐につたわる「おしょぼ」との関係性は余りよくわかりません。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
アンコでチャッチャチャ。「あずきとぎ」さんです。

あずきとぎ 小豆磨

陸奥の国の津軽あたりにつたわってる「あずきあらい」の仲間で、
川のほとりなどで、ざらざらしゃきしゃき、あずきをといでいるような音をさせます。

そのときの音は「あずきちゃっちゃ、えちゃっちゃ」と聴こえたとも言います。

「あずきとぎ」という呼び名は、東北地方だと
この手の「音が聴こえる」系統のものではなくて、
のっぺらぼう」や「重箱婆」みたいな手口を駆使して
ひとをびっくりさせるものにも存在してるのですが、そちらはまた別の機会に。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
赤いきものは年季がなーがーい、むらさきゃお部屋のくいつーぶーし、
あかびらさま」さんです。

あかびらさま あかびら様

陸中の国の閉伊郡、岩泉につたわるもので、
山の中にぼかっと座ってる赤い岩にやどってるというおかた。

なんの理由か知らないけれど、
赤い服を着てるひとが憎たらしいそうで、

赤い色の服を着てこの岩の前を通ると
これに引っさらわれてしまうのじゃよ、と言われていましたソウナ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
イルカ避け装置。「がんじゃいわ」さんです。

がんじゃいわ がんじゃ岩

沖縄の今帰仁村の港につたわる大きな岩で、
これが立ってることによって、この近くにはイルカが来ないと言われていました。

むかしむかし、この港にたくさんのイルカがやって来たとき、
あたりのひとは「イルカのむれだ!とりに行こう!!」と大勢で大寄せ。

ところが、その人群れにまじってイルカをもらいにいったある娘さんが
雑踏の中で死んでしまいました、悲しみくれたお母さんが、
「この海にもうイルカたちは来るな」とうらみを込めて投げた小石が
この大岩になった、などといった昔話が残っています。


「がんじゃ」の意味はよくわからない、と島袋厳七の文には書いてありました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
イースターのたまごとは違うよ。「りょうらん」さんです。

りょうらん 竜卵

「りゅう」のたまごだと言われてるたまごの形に似たふしぎなもので、
川をどんぶらこと流れてきたりすると言います。

『夢渓筆談』にのってる、これを実際に手にとってみたひとの話によると
大きさは五斗くらいのものが入るふくろみたいなおっきさで
表面はニワトリのたまごみたいなテクスチャでしたが
中身は特に入っていないようで軽く、からっぽだったそうです。

化石とかだったのかどうかは不詳ですが
これを拾ったいえのひとは、これを「ドラゴンエッグだわー」とよろこんで
ちゃんと箱などに入れていたといいます。なーむー

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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和漢百魅缶wiki 検索用に。

2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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