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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ザ・残酷醗酵法。「こくだしゅ」さんです。

こくだしゅ 黒蛇酒

生の黒蛇……いっぴき
麹……………適量
酒……………瓶いっぱい

を酒がめの中に入れて何日何日も密封しておくと出来るというお酒。
毎日ほんの少しずつ服用すれば、どんな重い病気にも薬効を発揮すると言われていました。

ある患者が製法をきいてこれをつくってみたのですが、
余りにイイ香りで味もおいしかったので、ついお椀に何杯も何杯も
ゴッキュゴキュ飲んでしまったところ、体がとけて水になってしまったトカ。


さんそくべつ」(三足鼈)も、食べると体がとけて水になっちゃう、
という効果をつかった昔話がありますが
(知らずに料理して食べせたら旦那さんがとけちゃって、奥さんが容疑者になる)
なんだか大陸には、このオチ、多いよ。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
お師匠さま方向指示器。「まちょうしょう」さんです。

まちょうしょう 摩頂松

昨日の「片枝松」にひきつづいての大陸もの。
漢字で書くと「摩頂松」となるコチラの松の木さんは、「マツ」の音のごとく
三蔵法師さまの帰りを「待つ」ていたふしぎな松の木さん。

『西遊記』の登場人物にも取り入れられて日本でも名前の大きな三蔵法師が、
天竺へ旅立つことを決めたとき、お寺にあったこの松をなでて

「吾が西へ進めば西へ枝をのばし、
 吾が帰り来たらば東へ枝をのばし皆にそれを伝えよ」

と想いを告げたところ、この松の木さんはしっかりそのとおりに
枝をのばして三蔵法師の旅の行方をひとびとに知らせてくれたんだってサ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
草木もなーびーーくよーー。「かたえだのまつ」さんです。

かたえだのまつ 片枝松

丹後の国は与謝郡に生えてた大きな松の木。
「片葉芦」とかとはお仲間でございます。

山荘太夫にさらわれて来てしまった安寿姫と対王丸が
「家に帰りたい、もう帰りたい」と泣いていたときの心が木に宿って、
その想いから、家のある方角にだけ枝が生えるようになった、と
言われていたものです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ニジケムリハネアリ。「はねありのき」さんです。
 
はねありのき 羽蟻気

いまからざっと1124ねんまえ、仁和3年(887)の8月4日と8日に
空にブワワワワワーと現われたという虹のような雲のようなふしぎな筋で、
羽蟻(はねあり)がたくさん固まって飛んでいるものだったそうです。

大和朝廷がコレはいったいなんなのか占わせたところ
大風や地震や失火の前兆であるとの結果が出たそうな。

実際、このハネアリベルトの観測記事が載っている『日本三代実録』の
まわりの記事をながめてみると、8月には大風で洪水も起きているし、
震度は不明ですが地震も何週間にわたって起きているし、
羽蟻だけじゃなくて、鷺(さぎ)が大量に屋根に留まってたり(怪異な感じに)
実にリアルに前兆的中してるのですが、8月4日の時点で
地震は起きたりしてるので前兆としては、ややお寝坊さんな感じ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
フラッシュエッグ。「めいおうらん」さんです。
 
めいおうらん 明鴨卵

ひかりかがやく明珠のように、ピカーーーーッと
まばゆいひかりを発し続けるという鴨のたまごで、
しばらくそのまま放置しつづけて
賞味不可能なかんじのニオイとカタチに崩れたような状況になっても
その輝度はわりとそのまんまだったそうです。

まれにこういうふしぎな卵がまじってたもののようで、
この話が載ってる『夢渓筆談』にも、2例、話が載ってます。キラ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
せわせわ発熱。「おせわかぜ」さんです。
 
おせわかぜ お世話風 

寛政3年(1791)ころに江戸で流行したはやり風邪で、
「おそめかぜ」などの仲間です。

「おせわ」という呼び名は、「お染」みたいにソンナ人名なのかな
と、なんとなく思えちゃう響きですが、この呼び名自体は
その頃「それはおそろきお世話ェ」という文句の俗曲が流行ってたから、
「お世話」って付けたのですよ、とかいう事が
山東京山の『蜘蛛の糸巻』って随筆には書いてありました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
『白沢図』にあったらしい(?)妖怪のひとつ、「すいたん」さんです。
 
すいたん 水淡

漢字で書けば「水淡」で、なんだかさっぱりスッキリ涼しげな見た目ですが
こちらさんは、かまどの中とか近くにニョキっと突然生えてくるというナゾの野菜。

良いこと・悪いことドチラなのか伝わってませんが、
これが生えるのが何かの前兆としてとりあつかわれていたのは
他の『白沢図』の妖怪の面々と大体おんなじ感じだと思われます。

ニョキっ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
眼薬の目玉。「はくえいしゅ」さんです。
 
はくえいしゅ 白影珠

むかし、侯道昌(こうどうしょう)というひとがじぶんの硯(すずり)を
雨の中にだしておいたところ、とつぜん雨つぶに当たった硯が壊れて、
その石の中からポロポロポロっと10つぶぐらいこぼれ出したという
ふしぎな真珠みたいな宝珠。

真珠が眼病の薬に使われてたところからの連想なのか、
これを薬につかってみたところ、眼の病気によく効いたんだトカ。

化石みたいに入ってたんでしょうナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
採集にご注意。「はちぞういわのへび」さんです。
 
はちぞういわのへび 八蔵岩の蛇

讃岐の国の山田郡、東植田村のはずれにあった大きな岩
「はちぞういわ」の下から夏になると出て来たというへび。

むかしこの場所にいっぱい生えていた
斐麻(ひお 紙の原料となる植物で、雁皮(がんぴ)の古い呼び方)を
抜きに来た男が必要以上に斐麻を採ってたところ、
この岩が急にごろごろごろーんとのしかかってきて男はペシャンコ。
この蛇はその男がなったものなんだトサ。

よくばるもんじゃないね、というご教訓。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぢごくのふれいむ。「あくか」さんです。
 
あくか 悪火

お寺の造営のため、だとか、五重塔の改修のため、だとか、
お芝居の法界坊みたく、もったいぶった理由をつけて
善男善女から喜捨のおかねをちょうだいしては、
その全額を自分のポッポにしまいこんで、ぜいたくざいまい。

――そんな悪どい仕業をやってのけたような人物が
因果応報、最期のときにおそわれるという極熱の炎がコチラで、
河内の国の石川郡にいた石川沙弥(いしかわのしゃみ)という
なまぐさ坊主のお話など、各地にいろいろサンプルは出て来ますようで。
今月の「和漢百魅缶」の舞いはじめのアップは
めでたく、大きく、甲かたく、「おおえび」さんです。
 
おおえび 大海老

陸前の国の柴田郡の海老穴にいたという巨大なえびで、
海老穴っていう地名も、これが神社の裏の山に穴ほって住んでたとこから
ついたんだ、との一説がありますようです。

なんでも、若い娘のいけにえを求めてた時期もあったそうで、
蟹坊主などに代表されるカニたちのおばけにも対抗できる
エビ派のおばけのなかでもなかなかの看板。
こんげつの千穐楽に「和漢百魅缶」へアップしますのは
お礼はブラック三杯。「おかねいなり」さんです。
 
おかねいなり お鉄漿稲荷

先日につづいて、また堺からのおかた。

戎之町の新橋のたもとにあるお稲荷さんで
むかし、ここに現われた、ひとの歯の痛みを治してくれる
どこの誰だかわからないナゾの女のひとをまつったものです。

(たぶんお稲荷さんの化身だろう、というナゾの結論から稲荷になってる)

歯が痛いなぁ……というひとがこの近くを通りかかると
若い女のひとが現われて、「ちょっと、あなた、治してさしあげましょう」
と、そのひとのほっぺたをなでなでしてくれたというもので
なでてもらったひとからは、スッと、痛みが無くなってしまったんだそうな。

あまりのびっくりに「何か礼をしたい」と、クランケが言うとナゾの女のコは
「礼はいりません、ただ茶碗に三杯おはぐろを川に流してください」と
必ず返してきたそうで、そのお礼のしかたから「おかね(鉄漿)」という
呼び名も出来たんだそうじゃ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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